連載:シオニスト『ガス室』謀略の周辺事態 (その37)

アメリカ放送「虐殺資料発掘」は古ネタ蒸し返し?

2000.6.2

「ガス室」またはナチのユダヤ人絶滅政策の有無に関して、このところ、断片的な報道が続いている。アイヒマン裁判の記録公開、記録フィルムの映画化、などなど、古ネタ蒸し返しが目立つ。すでに本シリーズ(その35)で、「『法王』はシオニストの嘘の恐喝に屈したか?」でも、以下に要約する状況を紹介した。

「日程協議事項」による“ホロコースト・プログラミング”

 ………ユダヤ人の歴史家、ピーター・ノヴィックは、著書、『アメリカ人の生活の中のホロコースト』の中で、イスラエル支援のための「日程協議事項」の存在を指摘し、「ユダヤ人組織による“ホロコースト・プログラミング”」("Holocaust programming" by Jewish organizations)という表現までしていた。「プログラミング」は、コンピュータ時代の電算技術、教育用語として多用されるようになった単語である。………

 つまり、いちいち対応していたら、多勢に無勢、こちらの身が持たない状況である。

イギリス政府がユダヤ人虐殺政策の情報を得ながら黙殺?

 つい最近には、日本語訳が出た本の噂も聞いた。イギリス政府がユダヤ人虐殺政策の情報を得ながら黙殺していたという主旨で、今まで極秘扱いだった資料が公開されたという筋書きらしい。しかし、それほどの重要情報なら、米軍放送に入っているアメリカの各種ラディオ放送でも報じたはずだと思い、その日本語訳の本を探す気にはならなかった。この種のガセネタには飽き飽きしているからだ。資料は偽造も可能だし、実際の大量殺人現場の「ガス室」がデタラメだし、ユダヤ人の人口は減少していないのだから、嘘に決まっているのだ。

 ところが、6月23日に録音した米軍放送のニュースの中に、この話を思わせる短いコメントがあった。これもどうやら、今までにも何度か経験した「古ネタ蒸し返し」のようである。以下、実例を示す。

揚げ足取り論評の数々、「ガス室」と「気化穴」のすり替え

『アウシュヴィッツの争点』(p.136-137)……早目に批判しておきたいのは、『宝島30』(95・4)に掲載された「無邪気なホロコースト・リビジョニスト」のつぎの部分である。

「『ガス室』(Vergasungskeller)」は時宜に即して完成(中略)」と書かれた文書(中略)の話を西岡氏にしたところ(中略)、彼は『知らなかった』と答えた」

 第一の問題点は、用語の誤解または曲解である。ユダヤ人虐殺物語の「ガス室」の用語は「Gaskammer」であって、「Vergasungskeller」の方は、火葬場の燃焼温度を上げるための「気化室」または「気化穴」とでもいうべき構造のことだ。『宝島30』の記事の執筆者は、この単語を含む文書に関するドイツでの報道を小耳にはさんで、いかにも新しい発見のように書いているが、バッツ博士の著書、『二〇世紀の大嘘』およびシュテーグリッヒ判事の著書、『アウシュヴィッツ/判事の証拠調べ』(手元の英語版は90年改訂増補)ですでに、言葉のすり替えが論破しつくされている。最近の報道は単なる蒸し返しにすぎない。

 第二の問題点は記述のごまかしである。一読してすぐにわたしは西岡に電話でたずねた。西岡はシュテーグリッヒの著書を読んでいる。『宝島30』の記述のように「知らない」と答えるはずがない。するとやはり西岡は「取材では『Vergasungskeller』という言葉はでなかった。単に『新しい文書発見』と聞いたので、それは知らないといっただけだ」というのだ。

イギリスの心理戦争委員会(PWE)謀略情報

『アウシュヴィッツの争点』(p.321-323)……一九四二年末、つまり、ユダヤ人問題研究所が「戦争犯罪処罰」を最重要課題にすえた年のくれに、「ホロコースト」物語についての最初の「情報」があらわれる。

 ラカーは、「大量虐殺に関する最初の信頼すべき報告は、一九四二年末、スイスのユダヤ人機関の代表からもたらされた」としるしている。ナチス・ドイツの占領地域からの脱出者の情報だというのである。

 ところが、アメリカの有名な左翼雑誌『進歩論者(プログレッシヴ)』(49・2)が発掘していた資料によると、イギリスの心理戦争委員会(PWE)が、おなじ年の、おそらくその前に、ドイツ人が「ガス室」をつかって何百万人ものユダヤ人と「のぞましくないもの」の虐殺をおこなっているという「プロパガンダ」をながしはじめていた。そして、おそくとも一九四三年の八月にはPWEの責任者が内閣に、つぎのような内容の覚え書きをわたしていた。

「この噂話をながしているが、そのような奇妙なしかけ[ガス室]が存在するという証拠はまるでない。この関係のユダヤ人情報源からの噂話はとくに疑わしいので注意してほしい」

 一九四二年九月二七日という、ながされた日づけまではっきりしている情報の例もある。

 シュテーグリッヒ判事は、著名なドイツ人の作家、トーマス・マンの『ユダヤ人問題に関する七つの声明』からの引用によって、トーマス・マン自身がこの日のラジオ放送で、つぎのような二つの「おとぎ話」をひろめていたという事実を指摘している。

「一万六〇〇〇人のフランス国籍のユダヤ人が、"つかわれていない軌道"のうえの"溶接で密閉した"列車のなかでガスで殺された」

「一万一〇〇〇人以上のポーランド国籍のユダヤ人が、"気密の鉄道車両のなかにいれられて"、一五分以内に"死体になった"」

 シュテーグリッヒは、トーマス・マンが、どうすれば列車を「溶接で密閉」するとか「気密」にするとかいう「はなれわざ」を、なしとげることができたのかを説明していないと指摘する。いずれにしても、トーマス・マンはその当時、ヒトラー支配下のドイツからアメリカに亡命していたのだから、これらの情報は伝聞か、つくり話以外のなにものでもない。トーマス・マンがラジオ放送で語る以前に、この種の噂話が世間にひろめられれていたのであろう。

 決定的な問題点は、つぎのような事実経過にある。

「一九四〇年から、ドイツ降伏の一九四五年五月まで、毎月一回、マンはイギリスのBBC放送を通じて、ドイツ向けのラジオ放送をおこなった」(『トーマス・マン』)

 トーマス・マンの情報源がイギリスの心理戦争委員会のそれとおなじであったという可能性は、非常に高いのではなかろうか。……

『ロイヒター報告』の序文で歴史家のアーヴィングが指摘

 上記の「イギリスの心理戦争委員会」の件は、今回の「資料発掘」報道に非常によく似ている。私は、この話を、「ガス室」の調査、『ロイヒター報告』に寄せた歴史家のアーヴィングの序文で知った。以下、参考のために関係部分だけの原文を打ち込んだ。

Foreward by David Irving

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 Nobody likes to be swindled, still less where considerable sums of money are involved. (Since 1949 the State of Israel has received over 90 billion Deutschmarks in voluntary reparations from West Germany, essentially in atonement for the “gas chambers of Auschwitz".) And this myth will not die easily: Too many hundreds of millions of honest, intelligent people have been duped by the well-financed and brilliantly successful postwar publicity campaign which followed on from the original ingenious plan of the British Psychological Warfare Executive (PWE) in 1942 to spread to the world the propaganda story that the Germans were using“gas chambers" to kill millions of Jews and other“undesirables".

 As late as August 1943 the head of the PWE minuted the Cabinet secretly that dispite the stories they were putting out, there was not the slightest evidence that such contraptions existed, and he continued with a warning that stories from Jewish sources in this connection were particularly suspect.

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以上で(その37)終わり。(その38)に続く。