子どもの安全・安心に生かすデータ  



 私たちは事件・事故がおきるたびに、これを教訓に二度と同じ悲劇は繰り返さないと決意します。
しかし、新しい事件がおきると、古い事件はすぐに忘れられてしまいます。そして、また同じ悲劇が繰り返されるのです。事件・事故から私たちは何を学んだでしょう。そのとき取られた対策は今もほんとうに有効に活用されていますか。子どもたちの安全・安心は守られていますか。


内 容(クリックすると各項目にとべます) 更 新
 子どもの安全・安心に生かすデータ 2006.1. 8. 更新
 主なプール事故 2008.6.23 更新
 未成年者連れ去り事件の主な手口 2006.1.12. 更新
 子どもの安全に関するサイト内リンク 2006.1.12. 新規




子どもの安全・安心に生かすデータ 2006.1.8. 更新 BACK NEXT TOP


内 容(資料などを参考に、多くは文章を組み替えてあります) 参考資料
データ 身代金目的の誘拐事件  
  警察庁によると、戦後(1946年以降)の身代金目的の誘拐事件は、仙台の新生児連れ去り事件を含めて282件。
未成年者が狙われたケースは166件目で、全体の約6割を占める。内10歳以下は110件目。1歳未満の乳児が誘拐されたのは4件目。

未解決なのは8件のみで、検挙率は97%。被害者が殺害された事件は34件。身代金が奪われたまま未検挙の事件はない。

(注:数字はすべて身代金目的の誘拐事件に限る)
2006/1/8
共同通信ほか
調 査 危険な地下壕、全国で1210か所  
  2005年5月下旬から10月中旬にかけて、国土交通省と農林水産省が都道府県などを通じて、地下壕の実態を調査。

戦時中に掘られた防空壕跡とみられる地下壕は、全国で1万280か所残存。
うち、1割以上の1210か所に陥没などの危険があることが判明。
両省は、危険な地下壕について早期に埋め戻すなどの対策を講じるよう、全国の各自治体に通知した。

ワースト 地下壕残像数 危険が指摘された地下壕
1 位 鹿児島県 3149 か所 鹿児島県 187 か所
2 位 宮崎県  744 か所 静岡県 109 か所
3 位 長崎県 738 か所 宮崎県 105 か所
4 位 熊本県 655 か所
全 国 10280 か所 全 国 1210 か所

讀賣新聞
2005/12/24
 
その他の
危険
実際には、危険なのは防空壕跡だけではない。自然にできた洞窟、採掘あとなどでも、同様の事故は起きている。

また、陥没や崩落だけでなく、迷路、滑落・転落、有毒ガスの発生、狭い空間で火を使ったことによる一酸化炭素中毒、たまった水による溺死、ハブにかまれる(沖縄のガマ)、その他の危険な動物との遭遇、危険人物による連れ込み、などの危険性も考えられる。

かつて、自分たちが子どもの頃、遊んだ場所であったとしても、環境が変化していることもある。

帰省先、遊びに行った先で、不案内なために事故にあうこともある。

大きい子には安全な場所であっても、幼児には這い上がれないなど、危険な場所であることもある。

携帯電話を持っているから安心だと思っていると、このような場所では電波が届かないこともある。
対 策 1 周辺環境のチェックを。定期点検も怠りなく。

情報収集と、地元のひとでなくとも、誰にでもわかる工夫。

子どものためには立て看板ではなく、危険な箇所は完全封鎖するなどの措置を。(事故があってから決断するのではなく、事故になる前に!)
対 策 2 子どもは探検ごっこが大好き。自分たちの基地として大人に秘密にしていることもある。
ただ「危険な場所には行ってはいけません」と言うのではなく、どういう場所に、どのような危険があるのか、具体的に話しておく(子どもは危険を認識しにくい)。
もし、危険な目にあったときは、どうしたらよいかを日ごろから話し合っておく。

Takeda 解説
調 査 子どもを狙った性犯罪、6月以降出所の83人中9人が所在不明  
  警察庁によると、2004年に起きた13歳未満を狙った強制わいせつは1679件。強姦は74件、略取誘拐(わいせつ目的以外を含む)は141件。 讀賣新聞・夕
2005/12/15
2005年6月から、13歳未満の子どもを狙った強制わいせつ、強姦、強盗強姦、わいせつ目的略取誘拐の4つの犯罪の前歴者について、法務省が氏名や出所予定日、居住地などの情報を警察に提供する制度の運用が開始。原則として、出所後5年以上、その所在を確認することになっている。
ただし、居住予定地の報告は出所者の任意。居住地が決まらないまま出所するケースもある。

実際に、6月から11月までに法務省が情報提供したのは、満期出所の55人と、仮出所の41人の計96人。うち11月末までに出所したのは83人。しかし、警察が出所後の所在を確認できたのは74人。約1割にあたる9人が所在不明。うち8人は出所直後から所在不明になっている。
1997年までの16年間に、女児を狙った強姦で摘発された506人のうち、再び性犯罪で摘発された前歴者は103人。再犯率は決して低くない。
調 査 公立の幼稚園から高校まで303校でアスベスト(石綿)飛散の恐れ  
  文部科学省の調査で、調査を終えた公立学校3万612校(82.9%)のうち、幼稚園から高校までの303校で、アスベストの粉塵が飛散する恐れがあることが判明。
303校中246校については、学校を設置した自治体なとが校名をすでに発表している。
同省も同様に国公立市立大や国立高専などの114施設名を発表、問い合わせにも応じる。
303校はすでに飛散の恐れのある教室などへの立ち入りを禁じるなどの措置をとっている。

私立学校では、幼稚園から大学まで153校で、大学など国立学校では28校で、飛散の恐れが確認された。

このほか、国交私立小中学校などの給食調理場1639か所では、釜などの調理器具でアスベストが空気中に浮遊する可能性が確認された。うち743か所では、廃棄などの処理が済んでいなかった。

理科の実験で使うアスベスト(石綿)付き金網はすべての小中高で使用が中止されていた。
讀賣新聞・夕
2005/11/29
調 査 大学などに、核燃料物質
  2005年2月、文部科学省が、全国の約4700の大学や企業に、放射性同位元素(RI)の管理状況を再点検するように求めた。結果、大学の研究所などで、同省に見届けのRIが約90件確認。ウランなどの核燃料物質の存在も10件以上明らかになった。
ほとんどが、実験用の試薬などとして使われた残り。

放射性物質については、コバルトなどのRIが見つかった場合には、日本アイソトープ協会が受け皿となって回収することになっている。

核燃料物質については、回収する仕組みがなく、学内での保管を継続せざるを得ない。
核燃料物質は、原子炉等規正法により、所有者が使用許可を得たうえで管理しなければならない。許可を受けていない大学などで見つかった場合は、使用許可を新たに得る必要がある。また、許可施設には、放射線が外部に漏れない保管場所に管理義務がある。

関係者からは、「個別に管理していると、事故や火災が心配という声があがっている。
讀賣新聞・夕
2005/11/14
調 査 子どもの連れ去り事件3分の1は登下校中に被害
  警察庁が2003年1月から10月に起きた子ども(15歳以下)の連れ去り事件を調べたところ、被害者139人のうち47人が登下校中に被害にあっていた。
2001年総務省調査では、小学生の平均通学時間は往復で45分。
文部科学省は2000年から5年連続して登下校の安全確保を都道府県教委などに求めている。
朝日新聞
2005/2/9
情 報 メーガン法(ニュージャージー州の場合)/太田和敬・文教大学教授訳による  
  メーガン法は、1994年、ニュージャージー州で成立。性犯罪防止を目的に、性犯罪を犯した人の住所や前歴をインターネット上などで公開する。全米に広がり、現在50万人が登録されている。

概 要 性犯罪などで有罪判決を受けた者は15年間、住所などを当局に登録しなければならない。
危険度の
分類
ランク1
(0-36)
情報は当局が管理。住民への開示はしない。
ランク2
(37-73)
学校や登録された住民組織に限り開示する。
ランク3
(74以上)
個人にも開示する。
開示される
情報
名前・ランク・写真・住所・職場・免許証番号・車のナンバー・犯罪の内容
ランクの
決定方法
犯罪の深刻さ 暴力の程度・接触の程度・犠牲者の年齢
犯罪歴 犠牲者の選択・犯罪数・犠牲者数・犯罪行為の期間・前の犯罪からの期間・社会的行為の歴史
犯罪者の性格 処置への反応・中毒の有無
地域の
サポート
カウンセリング・居住サポート・職業・学業の安定性
上記は主なチェック項目。各項目に0-3点をつける。
本人が再犯をほのめかした場合は、得点にかかわらずランク3.
判定に対して、性犯罪者は異議申し立てができる。

朝日新聞
2005/2/8
データ 性犯罪急増。未成年の被害者は全体の約6割。10年間で倍増。  
  1990年代後半から国内の犯罪は急増。1995年に178万2944件だった発生件数は、2004年には256万2767件。10年間で約1.43倍。
1996年以降2002年まで、窃盗犯が毎年、数万〜20万件規模で増え続けたのが主な要因。

また、強姦・強制わいせつ・略取誘拐などの性犯罪も急増。
3つの犯罪の被害者の合計は、1995年には5384人だったが、2004年には2.2倍の1万1680人。このうち未成年の被害者は、それぞれ全体の約6割を占める。

未成年者の強姦被害は、1995年は606人、2000年には1000人を超えた。
2004年は986人で、1995年の約1.6倍。
1995年、1996年は20代の被害者のほうが未成年よりも多かったが、1997年以降は逆転している。

被害者が急増する一方、検挙率は落ちている。
強姦では、1998年までは90%前後だったが、1999年には73.7%、2004年には64.5%。
強制わいせつでは、1995年は88.7%、2004年には39.8%。

性犯罪者は犯行を繰り返す傾向が強いと指摘される。
検挙された人のうち、同じ罪名で実刑判決を受けた人の割合は、2003年で、強姦が8.9%。強制わいせつは11.5%。
強姦は、殺人、強盗、放火とともに凶悪犯罪に分類されるが、殺人の3.8%、強盗の6.7%、放火の5.7%を上回る。


強姦・強制
わいせつ
略取誘拐 
同・未成年
被害者 
未成年被害者
強姦 強制
わいせつ
略取・誘拐
1995年 5384人 3218人 606人 2424人 この10年間
200人前後
で推移
2004年 11680人 6743人 986人 5505人

朝日新聞
2005/2/5
データ 強姦と強制わいせつの検挙者、50%超が再犯  
警察庁によると、強姦と強制わいせつで検挙された容疑者のうち、何らかの前歴を持つ割合(再犯率)はここ数年、50%を超えている(他の刑法犯の再犯率は30%台後半)。
特に、最近は悪質な犯行を繰り返す前歴者が増えている。
讀賣新聞
2004/12/31
データ 略取・誘拐事件、未成年被害者の4割弱が小学生午後2時から6時に集中  
警察庁によると、2004年1月〜9月までに全国の街頭で起きた略取・誘拐事件は150件。2003年同期より29.3%増。
このうち未成年の被害者は、119人(79.9%)。
中学生が13人、高校生が29人。
小学生が52人で、4割弱を占める。発生時間帯は午後2時から6時に集中。
日経新聞
2004/12/31
讀賣新聞・夕
2004/11/18
データ 2003年、子どもの性犯罪被害は過去最悪の7376件/警察庁の発表  
2003年の少年の性犯罪被害(強姦・強制わいせつ)は7376件で、前年比の6.9%増で過去最悪。統計が残る1972年以降で最低だった1990年の3倍。

小学生で特に増えて1859件で、前年比15%増。1994年の約2倍。
中学生は1085件で、前年比1.7%増。


強制わいせつは6233件で、性犯罪被害の8割以上を占めた。
強制わいせつの被害者は、高校生2381人、中学生889人の順。

強姦は1143件で、7年連続の増加。
中学生は196件で24%増。
高校生は2802件で2.4%増。

連れ去りなどの略取誘拐は217件で、6%増。

被害の総認知件数は前年より減ったが、凶悪犯による被害は2204件で、8年連続の増加。

虐待事件の死亡者は42人で、前年から3人増。
毎日新聞
2004/2/6

朝日新聞
2004/6/22
データ 2003年、少年の刑法犯14万4404人、凶悪犯は11%増/警察庁発表  
2003年の少年の犯罪状況で、刑法犯で検挙された少年は14万4404人で、対象世代1000人当たり17.5人。
戦後最悪だった1982年、1983年の18.8人に迫る勢い。

うち凶悪犯(殺人・強盗・放火。強姦)は2212人で、11%増。
とくに強盗は1771人で10%増。

触法少年(14歳未満)でも凶悪犯が212人で急増。放火が6割強を占めた。
毎日新聞
2004/2/6
データ 2003年、上半期の少年の犯罪被害/警察庁発表  
刑法犯全体で、少年が被害にあったケースは、2003年上半期(1月〜6月)だけで、17万件余り。うち小学生が約1万2000件。未就学児が252件。

幼い子どもが性犯罪に巻き込まれる例が急増。小学生が被害にあった強姦や強制わいせつは2002年同期の46%増で、過去10年余りで最悪。

内山絢子・目白大学教授は、「実際には前から、特に強制わいせつ事件で、6歳から12歳の被害は多かった」という。
警察庁の統計では、性犯罪の認知件数は、成人を含む全体でも1990年代後半に急増。
2001年には1万1000件を超え、5年前の2倍になった。そのほとんどは強制わいせつ事件。小学生の被害も5年で倍増。伸び方は同じ。
朝日新聞
2003/8/8
データ 18歳までの性的虐待の経験、約29%  

1998年に民間の研究者らが全国の女性約1300人を対象に行った調査で、18歳までに性的虐待を経験した人は約29%にのぼるという。

 河北新報
2001/6/25

データ 全国の中学生から大学生の37%が性的被害  
   日本性教育協会の調査で、全国の中学生から大学生までの37%が何らかの性的被害を受けた体験を持っていることが判明。
女子が55%、男子が19%
1994/8/
データ 子どもの遊具事故。ブランコと滑り台が圧倒的多数  
  国民生活センターと情報交換している全国8病院からの子どもの遊具の事故報告件数は、この10年間に計1384件。国民生活センターへの報告と合わせて1470件になる。

危険順位 遊 具 8病院の事故報告
件数/10年
内男児の事故 特 徴
1 位 ブランコ 484件   280件  3〜9歳に集中
2 位 滑り台 407件   252件  0〜5歳に集中
3 位 鉄 棒 226件      
4 位 シーソー 52件      
 計 1384件      


対 策

子どもの特徴 子どもは大人の思いもつかない遊び方をすることがある。

よくけがをする子どもには、「気分の変化が大きい」「情緒が不安定」などの性格的特長がみられる。
親のしつけ 齢・体力に応じた遊具をすすめる。

順番待つ、動いているものには近寄らない、など、ルールや遊具の基本的な使い方を教える。 
遊具メーカー 子どもの手が握りやすいのは直径2.5〜2.8センチ
木製遊具は太くてつかまりにくい。

ブランコの腰板と地面のすき間は、頭や体がはさまれても危険がない高さ25センチ〜35センチが必要。

とっぴな遊び方をしても危険性の少ないデザインにする。

野天で数年間使うので磨耗の少ない材質を使う。

新しい遊具を作る場合は、事前に使用テストを十分にする
公園管理者など 鉄製の場合、時がたつとともにボルトがゆるみ、木製のものは乾燥してがたつきやすくなる。

設置後3ヶ月間ほどは鉄製で週1回。木製で2回の点検が必要。
それ以降も鉄製で月2回、木製で4回は点検してほしい。
国や自治体 公園遊具には現在、安全規格がなく業者まかせ。
けがをしたときの救済方法を含め、早急な対策がほしい。

東京新聞
1990/3/14
  ・同じことは、公園の遊具だけでなく、幼稚園や保育園、学校の遊具にも言える。

・事故がおきたときの情報の共有も大切。一箇所で起きた事故は、ほかでも起きる可能性が高い。

・遊具で遊んでいた子どもに責任を負わせるのではなく、徹底した原因の究明と再発防止策を。

・製造・メンテナンス・けがの補償など、もっと製造者責任を明確に。使用耐性年数なども必要。

・目先の楽しさに目を奪われることなく、大人たちの冷静な判断で、遊具の点検を。

・危険なものはすばやく撤去する。放置しない。子どもの安全第一。
Takeda 解説
データ やけどの原因調査
  国民生活センターが全国14の病院で手当てを受けたやけどの原因を調査。
1位が魔法ピン。2位はやかん、3位は食物油。
年齢では約4700人のうち1歳児が最も多く、全体の約18%だった
1993/7/




 主なプール事故 2008.6.23  BACK NEXT TOP



日 付 概  要 分 類
1966/ 文部科学省が「水泳プールの建設と管理の手引き」のなかで、プールの水深を定める。
小学校で、0.8〜1.1メートル。
中学校で、0.8〜1.4メートル。
 
1975/7/15 神奈川県横浜市立中山中学校で水泳の授業中、男子生徒(中3)が教師の指導に従って飛び込んだ結果、水底に頭を激突させ、第4頚椎骨折、頸髄損傷を負った。四肢麻痺、知覚障がい、排泄障がいで、常時、看護人の介添えがなければ生活できない状態になった。
1〜最高裁で原告勝訴。
飛び込み
1981/7/15 富山県大山町の町立上滝中学校のプールで、水泳部員らが排水口の格子をあけたところ、主将の男子生徒(中3)が肩口まで吸い込まれて死亡 吸排水口
1981/8/6 静岡県清水市の市立入江小学校のプールで、男子児童(小5)がふたなしの排水口に右足を吸い込まれて水死 吸排水口
1982/7/1 長野県南安曇郡三郷村の三郷村中学校で、部活動中、3人の水泳部員がプールの排水口のふたをはずして手や足を入れて遊んでいたところ、男子生徒(中3)が直径20センチの配水管に右足を吸い込まれて引き抜けずに溺死 吸排水口
1983/7/24 高知県室戸市の室戸高校で、バスケットの部活動中、部員数人が暑いのでプールに入り、排水口のふたをはずして遊んでいるうちに、男子部員(高1)が吸い込まれて溺死 吸排水口
1983/9/6 広島県廿日市町の宮内小学校で、プールサイドのコンクリート床が陥没。転落した児童1人が死亡23人がけが。 設備
1984/7/13 北海道倶知安市の町営プールで、小学校の教師(48)が、児童に飛び込みの見本を示すためにプールに飛び込み、勢い余って底に頭を打ちつけた。救急車で病院に運んだが死亡 飛び込み
1984/8/2 山形県上山市立南中学校のプールで、男子生徒4人が交替でもぐり、浄化装置の鉄製格子のふたをはずした。男子生徒(中1)が、友人の開けた鉄製ふたの内部を潜ってのぞきこもうとして、吸水口に頭から吸い込まれ、配水管のなかを14メートル余り流され溺死

12/25 校長と監視アルバイトを書類送検。
吸排水口
1985/8/4 香川県高松市の八島小学校で、子ども会活動中のPTA主催のプールで、男子児童(小6)が排水口のふたをはずし、吸い込まれて死亡 吸排水口
1985/8/9 青森県北津軽部鶴田町の胡桃館小学校のプールで、男児(小3)が泳いでいて、プール中央底部の配水管に右ひざまで入って動けなくなり、溺死
鉄製のふたは排水口から約30センチ離れたところにはずれていた。
吸排水口
1985/8/ 愛知県名古屋市の市立助光中学校の女子生徒(中3)が、水泳部のクラブ活動で、スタート台から同校のプールに飛び込み、プールの底で頭を強打。首の骨を折り、後遺症で障がい1級と診断。車いすとなった。

女子生徒と家族が、名古屋市に1億5300万円余の損害賠償を求めて調停申立。
「部活動の担当教諭は事故当時、プールサイドのテント内におり、飛び込み方法などに具体的な危険防止の指導を怠った」「
プールの水深は1.3メートル以下であり、体格が向上した中学生にとって安全性を欠いていた」と主張。
1992/11/14 愛知中村簡易裁判所で和解。市から1850万円、「日本体育・学校健康センター」から2119万円の計3969万円余が支払われる。
名古屋市教育委員会は、この事故以降、スタート台を使うのは、確実に飛び込み姿勢のとれる児童・生徒に限る(1988年度)、スタート台での練習は技術レベルの高い児童・生徒に限る(1990年度)と新たな指導法を各校に指示。
飛び込み
1985/9/4 静岡県志太郡の大井川中学校で、水泳部の練習後、女子部員(中2)が友人と2人で、排水口の中がどうなっているか見ようと、ふたを持ち上げたところ、吸い込まれて溺死
事故当時、担当教師は会議中で校舎内におり、プールは部員だけだった。ふたの固定について対策を検討していた矢先だった。
吸排水口
1985/12/20 埼玉県行田市の県立熊谷高校の水泳部の練習で、行田市民体育館室内プールで、男子部員(高2)がスタート台から飛び込み、コンクリートの底に頭を打ちつけて首の骨を折る。四肢麻痺、知覚障がいなど重度の身体障がい者となる。

元部員と両親が、プール管理者である埼玉県行田市と県を相手に2億900万円の損害賠償を求めて提訴。
1994/4/24浦和地裁で、原告勝訴。県と行田市に総額1億900万円の支払い命令。
清野寛甫裁判長は、「顧問教師は事故当時、室内プールの水深が1.1メートルで満水でなく、熊谷高のプールより浅いことに格別の注意を払わなかった」と指摘。
また、日本水泳連盟の「短水路プールの水深は1.2メートル以上」の設置基準も満たしておらず、「高校生がことさら危険な飛び込み方法をしなくても、頭部などをプールの底に打ち付ける危険性があったことは否定できない」とした。
被告が控訴。裁判所の勧告を受けて和解。
飛び込み
1986/5/24 神奈川県相模原市の市立大沢中学校の女子生徒(中3)が、放課後、部活動の水泳部で飛び込み練習。スタート台からプール水深1.1メートル、スタート台から水面まで0.58メートル)に飛び込んだ際、プールの底に頭を打ち、頸椎を骨折し、8カ月入院。完全四肢まひの1級障がいに認定 飛び込み
1986/6/26 福岡県八女郡の黒木中学校で、水泳部員の男子生徒(中1)が、プール中央部の底部にある排水口に右足が太ももまで吸い込まれて動けなくなり、引き上げられたが死亡
排水口には鉄格子のふたがあったが、はずれていた。
吸排水口
1986/7/20 神奈川県横浜市西区の団地内プールで、少年(中2)が、はずれたシュノーケルを排水口内に吸い込まれ、取ろうと左手を入れたところ、腕が吸い込まれて抜けなくなり、溺死
排水口には鉄格子のふたがしてあったが、はずれていた。
吸排水口
1987/4/15 神奈川県伊勢原市の県立伊勢原養護学校高等部で、自閉症児の男子生徒(高2・16)を、水泳の授業で「ヘルパー」と呼ばれる浮力補助器具14個をつけて担任教師(33)が個人指導中、水を怖がって暴れたため、数回頭を水中に押し込んだところ、大量の水を飲み、間もなく死亡

両親が、「事故は担任の指導ミスが原因」として県と教師に総額7150万円の損害賠償を求めて提訴。
1992/3/5 横浜地裁で、一部認容
「国家賠償法の規定から損害賠償は公務員個人には請求できず、県が負担すべきである」として、県などに慰謝料など総額約2860万円の支払いを命じた。
北山元章裁判長は、「事故は担任教師の指導ミスが原因」と認定
慰謝料や葬祭費用などはほぼ原告の請求通り認めたが、争点だった男子生徒の逸失利益の算定について、「自閉症だったA君が一般企業に就職する可能性は低い。(県の主張通り)障がい者らが働く地域作業所へ進んだとすると、県内の作業所の平均年間工賃約7万3千円を基準にするのが妥当で、18歳から67歳までを計算すると、本件逸失利益は約120万円になる」とした。
1994/11/29 東京高裁で、逸失利益を一審の120万円から1800万円に大幅増額
賠償総額を4840万円とはじいたうえ、死亡見舞金など差し引いた280万円を両親に支払うよう、市に命じた。
宍戸達徳裁判長は、「一審の認定は、極限すれば重度障害者や重病人の命を無価値と評価することになる」と述べて、「人間の尊厳」を尊重する考えを示した。
一審の金額を「命の価値をはかる基礎として低すぎる」と取り消し、生徒が調理師として働ける可能性があったことから、「控えめにみても、全国労働者の平均賃金の40、50%の収入を得る能力は潜在的にあった」と判断。
溺水
1988/7/ 秋田県能代市の県立能代農業高校の水泳の授業で、教師の指導でプールに飛び込んだ女子生徒が底で後頭部を打ち、首の骨を折る。約1年半入院。退院後もほとんど寝たきりになった。

漏水のため水深が約1メートルしかないのに、水泳の苦手な女子生徒にいきなり頭から飛び込ませるなど、指導教師は注意義務を怠ったとして、女子生徒と両親が提訴。
1993/1/26 県側が1億円支払うことで和解。
飛び込み
1988/8/4 福岡県福岡市の市立中学校の水泳部の練習中、顧問教師が指示したプールに浮かべたフラフープの中に飛び込む練習で、男子部員(中1)が頭を打ち、左半身の機能を失う後遺症が残った。

1992/11/10 福岡地裁で、市が9500万円を支払うことで和解。
飛び込み
1989/6/ 鹿児島県鹿児島市の甲南中学校で、男子生徒(中3)がプールに飛び込んだ際、プールの底で頭を打ち、首の骨を脱臼。全身不随になり、入院するが、約3ヶ月後に急性心不全で死亡 飛び込み
1989/6/30 千葉県成田市立成田小学校で木内恵美さん(小4)が、水泳授業中におぼれる。
救急車は呼ばれず、授業が終わるまで放置。7/4 死亡

1999/12/6 千葉地方裁判所で成田市、学校医に責任を認め原告勝訴。成田市控訴。
溺水
1989/7/22 鹿児島県鹿児島市の市立向陽小学校で、市内小学校水泳記録会に出場する児童たちの練習中、体育教師(31)が、リレー練習でビリになった罰に、3チーム計12人をプールサイド中央付近から腕をつかんで2、3歩助走し、背中を押してプールに投げ込んだ。
男子児童(小5・10)が水面で顔面を打ち鼻血を出した。女子児童(小6・11)は足をプールサイドで打ち、かかとを骨折。3週間のけが。

6/21 教師を文書訓告処分。
投げ込み
1989/7/ 長野県茅野の永明小学校のプールで、児童が溺死

監視体勢の責任を問われて書類送検。
溺水
1989/8/20 東京都世田谷区若林の区の知的障がい者青年学級で授業中、男子生徒(18)が溺れる。その後、何年も意識不明のまま入院
プール周辺に7人のボランティアや3人の保護者はいたが、有資格者の救護員や区の職員はいなかった。

1992/2/14 区が5393万3128円の損害賠償を支払うことで、示談成立。
同区が個人に払う損害賠償金としては最高額。
溺水
1990/8/ 大阪府大阪市の市立長瀬中学校で、夏休み登校日の水泳授業中に、プールに飛び込んだ男子生徒(中2)が底に頭をぶつけ首を骨折。両手足がまひし、車いす生活となる。

1994/12/2 生徒側が大阪簡易裁判所に調停を申し立てたことに対し、市は学校の管理責任を認め、約1億8千万円支払うことで和解。
飛び込み
1990/9/12 埼玉県立川市の県立川口高校の水泳授業中、自由練習で友人らとプールに頭から飛び込み、女子生徒がプールの底で頭を打って首の骨を折り、全身にまひが残る障がいを負った。

1993/5/ 元生徒と保護者が、埼玉県に2億1800万円の損害賠償を求めて提訴。
飛び込み
1991/6/8 栃木県の高校の水泳部が、総合運動公園プールで練習中、女子部員(高1)が競泳用プールのスタート台から高飛び込みのスタイルで飛び込み、首の骨を折って入院。2ヶ月後に死亡 飛び込み
1991/6/15 兵庫県尼崎市の市立浦風小学校で、職員室に置いていたプール消毒用の塩素剤から炎と塩素ガスが発生。床や壁など約8平方メートルが焼け、教頭が目やのどを痛める 消毒薬
1991/6/19 栃木県の高校で、プール清掃時に使用した塩素剤入りの廃水をそのまま流し、県庁堀の鯉などを死なせる 消毒薬
1992/6/5 山口県岩国市の中学校で、水泳部の活動中、男子生徒(中3・14)が高さ40センチのスタート台から深さ1.1メートルのプールに飛び込み、底に頭を打ち付けて首の骨を損傷

1995/12/27 山口地裁岩国支部で、市に1億6000万円の支払い命令。
飛び込み
1992/6/16 埼玉県新座市の中学校で、未使用の塩素剤をプールに溶かし、近くの川に放流。鯉などを死なせる 消毒薬
1992/7/15 愛知県海部郡八開村の八開中学校で、水泳の授業中、男子生徒(中2・14)がプールの壁にもたれてぐったりしているのを教師が見つけて病院に運んだが死亡
男子生徒は級友らとクロールで泳いでいたが、泳ぎ切った際、プールの壁に頭をぶつけ、プールから出ようと壁づたいに歩いている途中、意識が朦朧となり、水を飲んだ模様。
2クラス合同授業で、教師2人が指導していた。
溺水
1992/7/24 徳島県東祖谷村のプールで、女児(小6)が塩素剤を誤って飲み込み、食道に穴が開き、周辺組織が焼けただれるなどの重体。 消毒薬
1993/7/ 石川県松任市の市立光野中学校で、水泳の授業中に、男子生徒(中3)がプールに飛び込み、底に頭を強打。首の骨を折るなどして手足の運動障害や下半身の知覚障害などの後遺症が残る。

1998/3/13 金沢地裁で、学校側の過失を認め、市にほぼ請求通りの1億5700万円の支払い命令。
飛び込み
1993/7/31 千葉県酒々井町の遊園プールで、浄化水の噴出し口に吸い込まれそうになっていた男児(小6)を救出したところ、中に女児(小6)を発見。女児は数日後に死亡
浄化装置の洗浄中、作業員がプールへの噴出し口を閉じずに行い、逆流させたのが原因。
排水口
1994/6/15 大阪府箕面市の中学校で、塩素剤入りのプールの水を中和せずに放流。下流で魚が約700メートルにわたって死ぬ 消毒薬
1994/7/7 大阪府高槻市の如是小学校のプールで、バタ足練習の順番待ちをしていた男子児童(小3)が、プール側面底部の排水口に右足を吸い込まれ、溺れる。一命をとりとめた
排水口にはふたがされていなかった。2、3年前にプールの掃除を行った際、取り外され接続部のねじが腐食していたため、そのまま倉庫にしまっていた。
吸排水口
1994/7/21 北海道稚内市の市営温水プールで、男子児童(小6)が遊泳中、排水口に腹部を吸いつけられ、溺れる。一時、意識不明になっていたが回復。13日間の入院。
排水口には防護柵がなかった。
事故後、ボタンを押せば水流が止まる緊急停止システムを導入。
吸排水口
1994/7/23 大阪府高槻市の桃園小学校で、児童(小6)がプールに飛び込んで頭を打ち、後遺症 飛び込み
1994/8/1 大阪府高槻市の第九小学校で、水泳部の児童がプールに飛び込み、頭を打って頭部裂傷で8針縫う 飛び込み
1994/8/5 鹿児島県金峰町の町立布施田小学校で、友人3人とプール中央にある取水口にかぶせてあった格子のふたをあけ、中に入って遊んでいた男子児童(小5・10)が排水口に右足を吸い込まれて
監視員の母親3人がプールに飛び込み、助けようとしたが、水圧が強くパイプから引き出せなかった。作業員3人が浄水装置のポンプを止め引き上げたが溺死。

1999/7/3 鹿児島地検は学校長を業務上過失致死罪で起訴し、20万円の罰金刑。
吸排水口
1994/8/12 長野県佐久市の浅間中学校で、プールの排水口のふたがはずれ、水泳中の茂木幸彦くん(中1・13)が膝を吸い込まれて溺死
教育委員会からプールの危険個所の改善を指示されていたにもかかわらず、改善していなかった。
校長ら4人を書類送検。
吸排水口
1994/9/20 静岡県磐田市の明神中学校で、貯蔵していたプール用消毒剤から塩素ガスが発生。教職員12名が被害にあい、内9人が入院。2人は酸素吸入の治療で約1週間の入院 消毒薬
1994/9/22 大阪府豊能町の城山高校で、水泳の授業中、男子生徒(高2)がプールに飛び込み、底で頭を強打し死亡
男子生徒は身長180センチ以上あり、プールの水深は1.3〜1.5メートルだった。
飛び込み
1995/4/15 群馬県前橋市の市立南橘中学校で、新入生のための部活紹介で水泳の飛び込みのデモンストレーションをした男子生徒(中3・14)が、脊髄を損傷する重傷を負った。 飛び込み
1995/ 愛媛県の小学校で、水泳の授業中、プールに飛び込んだ女子児童(小6)が首の骨を折るなどして、重度の障がいを負う。

1999/8/ 教師の注意義務違反を認め、5794万円の支払い命令。
飛び込み
1995/8/1 宮城県丸森町の丸森小学校のプールで、男子児童(小6)が排水口に右ひざを引き込まれ、肩まで吸い込まれ、溺れる。病院に搬送したが、深夜に死亡 吸排水口
1995/8/4 静岡県西伊豆町立仁科小学校で、夏休みのプール開放で遊びにきていた林田靖司くん(小5・10)が、排水口のふたがずれているのを直そうとして、排水口管に右膝を吸い込まれ溺死

1998/9/30 静岡地裁沼津支部で設置管理者の町に損害賠償を認める。
1966-1995までの30年間に少なくとも54件の排水口事故が発生、50人の子どもが死亡していたことが判明。
1998/9/30 静岡地裁沼津支部で一部認容
吸排水口
1995/8/27 京都府宇治市のユニチカプールで、機械の不調で塩酸系消毒剤を過剰注入。遊泳者がのどや目の痛みを訴え14人が病院で手当てを受ける 消毒薬
1996/5/24 文部省、学校水泳プールの管理状況調査を発表。
35%が排水口の安全に問題があり、改善を通知。
通知
1996/7/2 長野県佐久市の野沢高校で、プール清掃中の男子生徒2人が、次亜塩酸ソーダを凝集剤のタンクに投入したため、塩素ガスが発生。塩素中毒で救急搬送される。 消毒薬
1996/7/17 群馬県板倉町の県立高校で、男性教師が女子生徒33人を水着を忘れた罰として、炎天下のプールサイドに20分間正座させる。32人がやけど やけど
1999/6/ 東京都青梅市の高校で体育の水泳授業で、高さ40センチのスタート台から深さ1.2メートルのプールに飛び込んだ男子生徒(高1)が首の骨を折る重傷
男子生徒は身長180センチ、体重90キログラム。教師1人で男子生徒24人を監督指導していた。
飛び込み
1999/6/ 愛媛県伊予市の小学校で、担任教師が泳ぎの不得手な児童を指導していた間に、プールのほかの場所で男子児童(小4)が溺れる。救急車が到着した時には心肺停止状態だった。

職員の救急体制が十分でなく、校長が不測の事態での対応方法を職員に周知徹底していなかったこと、一人の教師で監視が不十分だったことが原因と考えられる。(岡崎 勝 /2000/5/1(款゙ャパンマシニスト発行 「おそい はやい ひくい・たかい」特集 うちの学校、大丈夫?プールの危険度)
溺水
1999/6/ 山梨学院大学で、陸上競技の部員が、肺活量を増進させるためにプールに潜って、息こらえる訓練していたが、水死 溺水
1999/7/ 宮城県山元町の小学校で、水泳大会の練習中、児童(小5)が溺れて、意識不明の重体
教師4人で約50人の指導していた。
溺水
1999/7/ 愛媛県今治市の小学校のプール解放で、児童(小1)が溺れて重体
保護者8人で26人の子どもを監視していた。
溺水
1999/7/ 東京都の都立葛西工業高校の水泳部員が、部活動終了後に顧問教師の許可を得て自主練習。スタート台から飛び込んで底に頭を打つ。自力で立つことも不可能な後遺症が残った。

2004/1/13 東京地裁で、都に9682万円の支払い命令。
飛び込み
1999/7/ 東京都青梅市の小学校で、児童(小5)がプールの吸排水用の循環口に体がはまったまま沈んでいるのを他の児童が発見。溺死 吸排水口
1999/7/ 山形県藤島町の町立小学校で、児童(小6・11)がプールの直径14センチの円形型の排水口に左足ひざを吸い込まれて溺死
排水口はプールの壁面にあった。排水口の金網が破れていた。
吸排水口
1999/9/ 東京都世田谷区の学校で、授業でペットボトルのいかだに乗っていた生徒がプールに落ちて、溺死 溺水
1999/10/ 山梨県甲府市のスイミングスクールで、参加していた児童が溺死。
練習前後の人数点検がされていなかったことが、発見を遅らせた原因。(岡崎 勝 /2000/5/1(款゙ャパンマシニスト発行 「おそい はやい ひくい・たかい」特集 うちの学校、大丈夫?プールの危険度)
溺水
2001/7/ 厚生労働省が遊泳用プールの衛生基準について」を通知。
「排水口及び循環水の取入口(吸水口)に設けた堅固な格子鉄蓋や金網をネジ等で固定すること。遊泳者等の吸い込みを防止するための金具等を設置すること」などと明記。
通知
2002/9/6 福島県石川町の県立石川高校で、水泳の授業中、石森淳司くん(高3・17)が、15メートルの潜水のテスト中に溺死

2005/7/6 両親が、高校が安全配慮義務に違反したためとして、県を相手どり、約5900万円の損害賠償を求めて提訴。
溺水
2002/9/25 神奈川県横浜市都筑区の「横浜国際プール」で、プールの消毒に使う薬剤を誤って違うタンクに混入。塩素ガスが発生して、利用者や従業員200人が避難。施設内では、子ども水泳教室が開かれ、小学生約70人が泳いでいた。小学生ら9人が病院に運ばれた
ガスは施設外にも漏れ、周辺住民にも被害が広がった。
消毒薬
2005/2/3 新潟県見附市の市立見附小学校で、体育の授業でクラスメイトと運動場で雪合戦をしたあと、男子児童(小3・9)が、プールに落ちて死亡
プールの周辺のフェンスが大雪で覆われ、雪山を登って簡単に中に入れる状態だった。
溺水
2005/9/1 福島県塩川町の塩川中学校で、水泳の授業中に男子生徒(中2・15)が、潜水でどれだけ進めるか記録に挑戦したテレビ番組をみて挑戦。水中で酸欠状態になり、一時意識不明となる。教師らが蘇生措置をし、障がいは残らなかった。 溺水
2006/5/ 文科省は、学校や市民プールなどに、吸水口にふたなどを二重に設けることを求める通知。 通知
2006/3/25 日本体育大学水泳部の宮嶋武広さん(20)が、中国昆明で行われた高地トレーニングの潜水訓練中にけいれんを起こし、3時間半後に死亡。解剖は行われず、学校側は原因不明の「突然死」と発表。 不明
2006/7/31 埼玉県ふじみ野市大井武蔵野の市営ふじみ野市大井プールで、戸丸瑛梨香(えりか)ちゃん(小2・7)が吸水口に吸い込まれ死亡
プールの管理会社が、吸水口のふたを6〜7年前から針金で固定していたことが判明。
ふじみの市教委は、文部省の「固定ふたと吸い込み防止金具」の二重安全構造を求める通知を「どちらか一つでよい」と解釈し、吸水口の改修はしないままでいた。
吸排水口
参考資料 「あぶないプール」 学校プールにご用心!」/有田一彦著/1997.7.15.三一書房発行
第一章 危険な飛び込み
第ニ章 人を飲み込む排水口
第三章 消毒薬にご用心
第四章 くさくて濁ったプール
第五章 あぶないプールをチェックする

岡崎 勝 有田 一彦 /「おそい はやい ひくい・たかい」特集 うちの学校、大丈夫?プールの危険度
/2000/5/1(款゙ャパンマシニスト発行 

その他(新聞ほか)
   
解 説
『水泳プール無視された安全管理』/ 林田和行氏

解 説 (吸)排水口事故の原因と対策 吸排水口
事故
S.Takeda 原因(正しい知識の不足。安全に対する意識のなさなど)
事前 底にある格子は重たいので、子どもの力では持ち上がらないから大丈夫。
(水の浮力で、子どもでも持ち上がる。もしくは数人で持ち上げることもある。
格子をはずして入りこむなど、危険という意識のない子どもの遊び場の対象になることも)
事前 金網があるので大丈夫。
(モーターの入り口と排水口の2ヵ所に必要)
事前 今まで大丈夫だったから、今年も大丈夫。
(ねじがとれたり、腐食していることも)
事前 大した吸引力ではないから大丈夫。
(一部をふさいだだけでは1kg重程度で大したことはなくとも、おおう形になったときは、掃除機の吸い口と同じように強い力で吸い込む。全閉塞状態では200kg重以上=オリンピック級でも脱出できない)
事後 救命救急の遅れ。
事後 事故を周囲に周知徹底しない。


対策(施設管理者・利用者に安全教育を行う。定期点検を行うなど)
事前
@排水口と排水管の2箇所に吸い込み防止用の金具などフタ(密閉するものではなく、水が通るように、格子状・金網状になったもの)を取り付ける。

Aフタがあかないようにネジ・ボルトできっちりとめる。

B定期的に安全点検を行う。目視だけでなく、必ず触診打診などにより、フタ等の欠損、変形、ボルト等の固定部品の欠落・変形等がないか確認し、必要に応じて取り替える。(平成11.8.6文科省通知から)

・ボタンを押せば水流が止まる緊急停止システムを導入する。

※必要に応じて、点検項目や方法など、専門家からアドバイスをもらう。
事前 格子がはずれているのを見つけたら、近づかない。すぐに大人に言う。ポンプを停止させてから近づく。
(このことを大人と子どもに周知徹底しておく)
事前 学校や家庭で子どもに、プールの危険、とくに排水口の危険について教えておく。
(吸・排水口が子どもの遊び場になっている)
事前 危険を見つけたら、周囲に知らせる。安全が確認されるまで使用を禁止する。
事後 一旦、吸排水口に引きこまれたら、大人2、3人の力でも引き上げられない。まずはポンプを停止させる。
事後 溺水したらすぐに救命措置。一旦、救命したと思っても放置せず、専門医にみせる、救急車を呼ぶなど適切な措置を。
事後 事故の情報を共有し、原因を究明。それをもとに具体的なチェック項目を設けて、安全点検を徹底する。

調 査 吸排水口の緊急安全調査、 吸排水口
事故
2006/8/8
朝日新聞
文部科学省が、公立の小中高校や養護学校など(プール設置3万136校)と都道府県や市区町村の教育委員会が所轄している公営のプール(2886ヵ所)を緊急調査。
結果、8月7日現在、さくがボルトやネジなどま金具で固定されていなかったのは、38都道府県で305ヵ所、吸い込み防止金具が設置されていなかったのが37都道府県で1596ヵ所あることが判明。
問題がなかったのは、山形、福島、福井、長野、大分、宮崎、沖縄の7県だけ。
内、公立学校プールで、さくの固定不備が185ヵ所。吸い込み防止金具の不備が1238ヵ所。(私立、国立の学校プールを除く)

●公立学校・公営プール
ワースト 排水口のふたが固定されていない 吸い込み防止金具を付けていない
1 位 福岡県 42 千葉県 204
2 位 愛知県 28 東京都 177
3 位 山口県 22 山口県 152
4 位 千葉県 21 岩手県 113
5位(4位) 高知県 21 神奈川県 110
全 国
(公立学校)
305
(185)
全 国
(公立学校)
1596
(1238)

文部科学省は、毎年5月にプールでの事故防止に関する通知を都道府県を通じて、各市区町村に出している。2000年以降は、公立学校だけでなく、「学校以外のプールについても」と表現。

情 報 プールの管理責任 施 設
2006/8/2
神奈川新聞
プールの管理責任

文部科学省 学校や体育施設のプールを管轄。

文部科学省(旧・文部省)がプール事故の教訓を最も蓄積。
1973年以降、安全管理の徹底を繰り返し、自治体の教育委員会に通知。
厚生労働省 民間施設を含む遊泳プールを対象とする衛生基準で吸い込み防止策を定める。

文部科学省の通知をベースに基準を設けて、自治体が「プール条例」などで具体的な安全策を定めるケースが多い。
国土交通省 都市公園法に基づいて設置されたプールを管轄。

調 査 学校プール、17年間に飛び込みで死亡7件、45件は重い後遺症 飛び込み事故
2005/8/21
神奈川新聞
参照
日本スポーツ振興センター(東京新宿区)の災害共済給付金制度の支給状況で、
1987〜2003年度の17年間で、学校の水泳の授業や部活動でのスタート台からの飛び込みで、生徒がプールの底に頭を打つなどの事故が全国で少なくとも102件発生していたことが判明。
同センター発行の「学校の管理化の死亡・障がい事例集」などで、
内7件は死亡、けがのうち45件は両手、両足が動かなくなるなどの最も重い障がいが残る「障害程度第1級」だったことが明らかになった。


日本水泳連盟の解説
プールの水深とスタート台 解 説
「どんな飛び込みでも、安全な水深は3メートル以上」とする 深くなれば溺れる危険も増える。安全な水深を示すのは困難。
日本水泳連盟が2005年7月にガイドラインを作成。
「水深1.10−1.20メートルでは
スタート台の高さは25−35センチ」
などとする
「絶対的な安全基準ではない」と併記。
記録認定のためのルールでは、
「水深が1.35メートル未満の時はスタート台を設置してはならない」
とする公認規則
連盟幹部は「水泳授業の安全性には十分ではない」としている。


日本体育施設協会(東京新宿区)が2003年と2004年に実施した全国調査で、
約7割の小学校でスタート台付近の水深が1.0メートル以下約4割の中学校で水深1.1メートル以下
公認規則よりも水深が浅いプールが多かった。

小中学生の身長や水泳の技量などから深くすることができないとみられ、学校のスタート台を撤去する自治体も増えている。
飛び込みは、教育指導要領に含まれており、文部科学省は「飛び込みは水泳の一部で、禁止は検討してこなかった。生徒の技能に応じた指導で事故は防げるはずだ」としている。


●学校プールの飛び込み事故発生状況
(日本スポーツ振興センターの災害共済給付金制度の支給状況から)
年度 死亡(件) 障がい(件) 飛び込み事故(合計)
1987
1988
1989
1990
1991 13 14
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999-2000
2001
2002
2003
累計 7件 95件
内45件が重度
17年間で102件

※1999-2000年度は統計がまとめられている。

調 査 排水口事故対策 排水口
事故
2005/4/21
日経新聞
 参照
1966年以降、排水口に吸い込まれる事故は50件以上発生。少なくとも50人が死亡。

文部科学省は、安全対策として、
@ 排水口のふたの固定。
A 配水管への吸い込み防止金具の設置
を指導。

日本体育施設協会(東京)が、2003−2004年に、都道府県教育委員会などを通じて、全国の国公立の小中高と高専、養護学校など3万8626校を対象に調査した結果、排水口事故対策についてはプールを設置している3万203校が回答。

ワースト 排水口のふたが固定されていない 吸い込み防止金具を付けていない
1 位 大坂府 67校 福岡県 19校
2 位 兵庫県 46校 兵庫県 17校
3 位 福岡県 32校 北海道 15校
全 国 589校(2.0%) 全 国 223校(0.7%)

調 査 「プール熱」に異変。冬の患者が例年の2〜3倍に。 感染症
2004/6/15
朝日新聞・
夕刊
参照
国立感染症研究所(東京都新宿区)のまとめている全国3千ヵ所の医療機関で、
2003年7月〜8月にかけて、1医療機関あたりの報告数が、0.6〜0.77人で、過去10年で最高を記録。例年は7〜8月にピークを迎えたあと、冬にかけて減っていく。
しかし、10月〜11月に、定点あたり0.1人台に減少。
2003年12月末にの1週間で約0.4人にまで増加。前年の約3倍。
2004年5月末で、昨年の2倍近くの発症者が出ている。


名 称 正式名は「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」。
夏場のプールを介して感染が広がることが多いことから「プール熱」と呼ばれる。
感染経路 5歳以下の子どもが多く、幼稚園などでの集団生活による感染も多い。
アデノウイルスの一種が目や口から体に入ることで起こる。
ウイルスを含んだ便や唾液がプールの水を介して感染するほか、他人のタオルを使って感染する。また、子どもがじゃれあって接触することや唾液でも感染する。
症 状 1週間ほどの潜伏期間を経て、39度前後の高熱や目の充血(結膜炎)、のどの炎症などが3〜5日ほど続く。後遺症はない。
ウイルスの種類によっては脳炎、肝炎を発症することもある。

症状が治まっても、1ヶ月ほどは便にウイルスが残る。
対 策 プール熱には、解熱剤や目薬をさすぐらいで、受診後3〜4日、安静にするしかないという。
予防方法 ・プール前後のシャワーや洗眼の徹底。
・タオル共用の禁止。
・食前や排便後の手洗い。
異 変 2003年秋以降、冬場に例年の2〜3倍の患者を確認。正式な理由は不明だが、
・ウイルスが変異し、寒さに強くなった。
・医療機関での検査精度が上がり、発症の確認が増えた。
・温水プールで冬場に泳ぐ機会が増えた。
などが考えられる。
2000/5/1(款゙ャパンマシニスト
発行
「おそい はやい ひくい・たかい」
特集
うちの学校、大丈夫?
プールの危険度
岡崎 勝 氏
有田 一彦氏


学校での死亡・障害事故とプール事故一覧  (人数)
日本体育・学校保健センター(のちの日本スポーツ振興センター)の災害共済給付金制度の支給状況から
年度 プールでの
死亡
飛び込み
による死亡
プールでの
障害
飛び込み
による障害
飛び込み
による
1級障害
1987 12
1988 15
1989
1990   10
1991 16 13
1992 12 10
1993 10
1994 16 11
1987-
1994
39 100 71 36

※プールでの死亡は、飛び込みによる死亡を含めた人数です。
※プールでの障害は、飛び込みによる障害を含めた人数です。
飛び込み事故
2000/5/1(款゙ャパンマシニスト
発行
「おそい はやい ひくい・たかい」
特集
うちの学校、大丈夫?
プールの危険度
有田 一彦氏

過去の統計を調べてみると、学校プールで発生した後遺症が残るような障害事故のうち、約7割が飛び込み。

文部科学省が「水泳プールの建設と管理の手引き」のなかで、プールの水深を定める。
小学校で、0.8〜1.1メートル。中学校で、0.8〜1.4メートル。
1966年当時と、2000年の子どもの身長を比べると約10センチ高くなっている。
とくに飛び込み事故の多い、中学3年生では17センチも高くなっている。
生徒の身長が伸びた分だけ、危険性が高くなっている。

スタート台(飛び込み台)も、プールの危険度をよりいっそう増している。
日本水泳連盟のプール規定では、水深が1.2メートル未満のプールではスタート台を設置してはならないと定めている。

※内容を一部要約しています。
飛び込み事故





 未成年者連れ去り事件の
 主な手口
2006.1.28.  BACK NEXT TOP


主な未成年者連れ去り事件
日時 場所 時間帯 状況 被害者 結果 加害者 目的
1987/9/9 東京都調布 夕方 おつかい中 女児
(小6・11)
殺害 学生・男
(20)
わいせつ
概 要 東京都調布で、女児(小6・11)がおつかいに出たまま行方不明になる。
10/1 事件翌日まで同じマンションに住んでいた専門学校生(20)の引っ越し先アパートの押入から遺体が発見される。わいせつ行為目的の殺害と自供。
手 口 マンションの自室から、廊下を通る女性を物色。通りかかった女児を自室に連れ込み、わいせつ行為をしようとしたが、抵抗されたので絞殺。
翌日、遺体をダンボールに詰めて、浦和のマンションに引っ越す。押入れに3週間、隠していた。
加害者 男は有名私立の中学校、高校に進学していたが、高1で中退。別の高校を卒業後、専門学校に入るが、週の半分以上を欠席や早退。
1987/9/14 群馬県高崎市 pm4:50頃 遊び中
(自宅前神社)
男児(5) 殺害 不明・男 営利目的
概要と手口 群馬県高崎市で、午後4時50分頃、男児(5)が自宅前の神社に「遊びに行く」と家を出て、行方不明になる。
約2時間後、「子どもを預かっている。2千万円よこさなければ殺す」と電話が入る。
9/16までに4回電話がある。
3回目:男児が「これから帰るよ」と話した。4回目:男が「1千万円用意しろ」と要求。
9/16 自宅から約5キロ離れた市内の寺沢川で遺体が発見される。
加害者 2002/9/14 事件の公訴時効(15年)成立。(戦後の身代金目的誘拐事件で、初めての時効)
1987/9/15 群馬県尾島町 am11:00頃 遊び中
(公園)
女児
(小2・8)
殺害
(30歳位)
不明
概要と手口 群馬県尾島町で、午前11時頃、姉が拾った子猫を抱いて近くの公園に出かけた女児(小2・8)が行方不明になる。公園から女児が自転車を押した男の後ろについて移動する姿が、約1時間後までは同級生や主婦らの目撃あり。女児は笑顔を見せていたという。
1988/11/27 町内の利根川河川敷で遺体が発見される。
加害者 男は30歳くらいで、髪はぼさぼさ。
2002/11/27 誘拐殺人事件の公訴時効(15年)成立。
1988/11/25 埼玉県三郷市内 夕方 アルバイトから帰宅途中 少女
(高3・17)
監禁
殺害
少年4人
(16-18)
わいせつ
概要と手口 埼玉県三郷市内で、夕方、アルバイトからの帰宅途中に少女(高3・17)が連れ去られる。
少年らの1人がバイクですれ違いざま少女の自転車を倒し、もう1人が親切そうに助けるふりをして信用させ、バイクの後部に乗せた。

1ヵ月間足立区綾瀬の少年の仲間の家に監禁されていた。
少年らはその間、リンチなどを加えた。いつも見張りがおり、逃げ出そうとするとリンチされていた。

11/下旬 両親が「八潮市内のアルバイト先に行ったまま帰宅しない」と吉川署に届け出。

12/ 数回、少年らは少女の親を安心させるために、少女の自宅に電話をかけさせ、「心配しないで」「どうして捜索願を出したの」などと言わせていた。

1989/1/3-4 少女が布団に水をこぼしたとして少年らが怒り、手足にライターの火を押しつけたり、顔や腹などを殴るけるなどの暴行を未明まで続けた。少年らは放置したまま遊びに出た。

1/5 未明に部屋に戻り、A子さんが死んでいるのに気づいた。
死体の処理に困った少年らは家の近くの工事現場から盗んできたドラム缶に死体を入れたうえ、コンクリートを流し込んで、江東区若洲の埋め立て地に捨てた。

1/23 少年2人(18・17)が、1988/12/に起きた婦女暴行事件の容疑者として逮捕される。
さらに別の婦女暴行1件と20件のひったくりも自供し、再逮捕。

3/29 少年鑑別所での余罪取り調べ中に、殺人を自供。

3/30 コンクリート詰めにされた遺体発見。
加害者 主な加害者は4人(16-18)。少年らは都内の別々の私立高を中退。
非行仲間と一緒に足立区内を根城にする暴力団の青年部組織「極青会」を作って、組の指示で飲食店に花を売りつけるなど組員まがいの行為をしていた。

グループはわかっているだけで10人おり、車で女性を誘っては強引にホテルに連れ込むなど繰り返していた。
裁 判 1990/7/19 東京地裁で、「非人間的な犯行で刑事責任は重い」としながら、「精神的な未熟さが原因で、拘留中に人間性が目覚め成長が著しい」などと情状酌量。
主犯格A(20)に懲役17年。B(19)に懲役5−10年、C(17)に懲役4−7年、D(18)に懲役3−4年の不定期刑。検察側は「量刑が軽すぎる」として控訴。
1988/8/22 埼玉県入間市 pm3:00
過ぎ
遊びにでかけて 女児(4) 殺害 印刷業手伝い・男(26) わいせつ
殺 害
1988/10/3 埼玉県飯能市 pm3:00
遊びにでかけて 女児
(小1・7)
殺害
1988/12/9 埼玉県川越市 pm4:30
友人宅から帰宅途中 女児(4) 殺害
1989/6/6 東京都江東区 pm6:00
過ぎ
遊びにでかけて 女児(5) 殺害
1989/7/23 東京都八王子市 pm4:35
過ぎ
姉(9)と遊んでいて 女児(6) 無事保護
概要と手口 男は、女児に「涼しいところに行かないか」「道がわかんなくなったので教えてくれるかい」「僕が知っている道まで車に乗って教えてくれないか」「あったかいところによっていかない」「写真を撮ってあげる」などと言って車に誘い込み誘拐。
殺害後、遺体を自室に持ち帰り、ビデオで撮影。被害社宅や新聞社に「犯行声明」や「告白文」を送った。
また、被害者宅の玄関先にインスタント写真を同封した遺骨入りダンボール箱を置くなどした。
5人目の女児に、「写真を撮らせてね」と言って、裸にしたところを被害者の父親に取り押さえられる。
加害者 印刷業手伝い。
自宅部屋に約6000本ビデオテープがあった。アニメビデオや「ロリコンビデオ」や人体切断シーンのあるホラーもあった。被害者の遺体を撮影したものもあった。

裁判では、「ねずみ人間が出てきておっかなくなり、わけがわからなくなった」「私の前に出てきたもう一人の私がやったんです」「覚めない夢のなかでやったような感じ」などと証言。
精神鑑定 1審で、3通りの精神鑑定結果が出た。
@「極端な性格的偏り(人格障害)はあったが、精神病の状態にはなかった。
  現在の症状は、拘禁の影響によるもの。
A「多重人格と離人症を主体とする反応性精神病」
B「潜在的に精神分裂症(現統合失調症)を発病」

1、2審とも、@を採用。
「理非善悪を識別し、それに従って行動する能力をもっていた」として完全な責任能力を認めた。
裁 判 1997/4/  東京地裁で、死刑判決。
2001/6/28 東京高裁で、死刑判決。控訴。
2006/1/17 最高裁が被告の上告を棄却。死刑確定。
1990/2/2 福岡県太宰府市 pm4:00過ぎ 下校中 男児
(小1・7)
殺害 少年(17) わいせつ
概要と手口 福岡県太宰府市で、午後4時過ぎ、同級生と別れてひとりで自宅に向かっていた男児(小1・7)を少年(17)が誘って、缶入り清涼飲料水を与えながら、2時間近く、約3.5キロ先のかんがい用水池近くの雑木林まで連れて行った。男児の頭を殴りつけ、首を絞めて殺害。

2/5 枯れ葉などをかぶせた遺体を発見。わいせつ行為をされた形跡があった。

知り合いの高校生が2人が一緒に歩いている姿を目撃していた。
2/13 少年を逮捕。
加害者加害者 少年は、内向的で引っ込み思案の性格。人付き合いがへたで、友人もほとんどいなかった。

1986/9/ 隣の市から筑紫野市に移り住む。
11/ 中学2年生当時、筑紫野市で、帰宅途中の女児(小3・8)をわいせつ目的で誘拐。夕方から夜にかけ、約3時間、山中を連れまわしたうえ、一晩置き去りにする事件を起こしていた。
14時間ぶりに保護された女児は、頭を殴られた傷が無数に残り、首は手で絞められたあとが紫色になっていた。女児が少年の顔を覚えていたことから、補導される。

福岡家裁は少年を初等少年院に送致。

1988/3/ 少年院を退院して、保護観察。生活に乱れた様子はなかった。

1989/8/ 保護観察が解けた。

12/ 私立高校を退学。

1990/2/2 午前中は別の私立高校の入試試験を受けていた。終了後、数年前まで住んでいた大宰府市の小学校区に足を向けた。
1990/11/13 新潟県三条市 pm5:00頃 下校中 女児
(小4・9)
9年2ヶ月後保護 無職・男
(37)
監禁?
概要と手口 新潟県三条市の農道で、午後5時頃、歩いて下校中の女児(小4・9)に、ナイフを突きつけて、車のトランクに無理やり押し込んで誘拐。

自宅の自分の部屋に監禁。自分が外出するときや就寝するときには、粘着テープで縛るなどした。
「山に埋めてやる」「海に浮かべてやる」と言ったり、腹部にナイフを突きつけて「これで刺してみるか」と脅したりした。命令に従わなかったり、気に入らないことがあると、拳で殴ったりけったり、スタンガンを押し当てて放電したりした。

2000/1/28 男の母親が「息子が暴力をふるう」と訴え、医師、保健所職員らが強制入院を決行。
その際、女性(19)を発見。女性は体重が約38キロしかなく、歩行が困難な状況だった。
加害者 犯行動機については、「女の子を探していて、たまたま見かけて、かわいかったのでつれてきた。友だちになって欲しかった」「かわいいから外に出したくなかった」などと供述。

父親が62歳、母親が36歳のときに生まれ、両親に溺愛されて育った。
ほしいものは何でも買い与えられていた。

中学生の頃、自宅2階に自室を与えられ、閉じこもりがちになった。
汚れに対して極端な嫌悪感、恐怖感を抱き、頻繁に手を洗ったり、他人が自分の物に手を触れるのを嫌うようになった。思い通りにならないと、障子やふすまを壊すなどして暴れるようになった。

工業高校に進学。母親が自室に入ることを嫌がるようになり、2階に上がらないよう命じた。母親も暴力を恐れて上がらなくなった。
成績は160人中40番以内と優秀。

1981/ 就職するが3ヶ月で退職。自宅にこもがちになった。家庭内で荒れた。
母親は新車を買い与え、働くよう説得。「独立した部屋を造ってくれれば働く」と言われ、借金して増改築。しかし、作業員の自室立ち入りを許さなかったため中断。

1989/6/13 新潟県柏崎市で、3人で下校途中の女児(小4)を小脇にかかえて連れ去ろうとして、逮捕される。懲役1年執行猶予3年の判決。(本件女児の連れ去りは執行猶予中)

1996/1/19 母親が「息子が暴力をふるう」などと柏崎署の「困りごと相談」の窓口に相談。
警察は保健所に相談するように言う。保健所は家庭訪問を提案したが、息子の暴力がひどくなることを恐れて断った。病院の措置入院の提案に対しても同様に断った。
県警の対策 1990/11/ 三条署の対策本部は「寄せられる情報で事件性をうかがわせるものはゼロだった」ことから、何らかの事故に巻き込まれた可能性が高いとの見方を強めていた。

行方不明になった場所が幹線道路からはずれていることから、周辺地理に詳しい土地勘のある人物とみて、捜査の重点を三条市周辺に絞った。柏崎市周辺は捜査対象外。

1989年の連れ去り未遂事件を作成が義務づけられている「前歴者リスト」用のコンピューターに入力していなかったため、男は行方不明女児の捜査の対象からはずれていた。
精神鑑定 公判精神鑑定で「分裂病型人格障害、脅迫性障害、小児性愛が認められるが、物事を筋道に従い、弁識する能力を失っていたとは判定されない」「狭義の精神病ではない」と診断。

公判中に訴えた幻覚や妄想は、精神分裂病(現統合失調症)によって生じたものではなく、拘禁の影響で誇張されたもの」と指摘し、犯行とは直接関係ないと結論づけた。
一方で、人格障害が佐藤被告の行為に若干の影響を与えたことは考慮すべきとした。
裁 判 検察は、逮捕監禁傷害罪などで起訴した後、女性に着させるための衣類を万引きしたとして窃盗罪で追起訴。15年を求刑。

犯行動機については、「10年近く友だちがいなくて寂しく、友だちになりたかった」と話した。
また、「女性とはうまくやっていたと思っていた」「本当にかわいそうなことをした。青春の一番楽しい時を奪ってしまった。今後は彼女の人生の邪魔をしたくない」と話した。
「将来をどのように考えているのか」の質問には「間違いのないようにやっていきたいが、自信がない」と返答。

2002/1/22 新潟地裁で懲役14年の判決。弁護側は控訴。

2002/12/10 東京高裁は、「法定刑の上限を超え、違法。逮捕監禁致傷罪については最長でも懲役10年の限度で評価しなければならない」として、一審判決を破棄。改めて懲役11年を言い渡した。

2003/7/10 最高裁は二審を破棄し、一審を支持。懲役14年が確定。
1991/10/1 神奈川県横浜市 pm4:00前後? 習い事に行く途中? 女児
(8)
行方不明 不明 不明
概 要 神奈川県横浜市の野村香ちゃん(8)が、学校から帰宅して後、書道教室に行く予定の日に行方不明になる。書道教室を楽しみにしており、それまでは休んだことがなかった。(未決)
1999/11/29 熊本県熊本市 am7:40頃 同級生2人と登校中 男児
(小2・7)
無事解放 営利?
概要と手口 熊本県熊本市で、午前7時40分頃、同級生2人と登校中に、銀行支店長の息子の男児(小2・7)が車から降りてきた男に「おじさんを知っているね。お父さんが病気だから行こう」と言われて車に乗り込み誘拐される。
3千万円の身代金を要求する電話が家族にあり、指定場所に現金を入れて間もない頃、男児は一人で歩いて帰宅。男児にけがはなかった。
2000/6/3 愛知県豊橋市 夕方 下校中? 女児
(小5)
傷害 無職・男(23) わいせつ
虐待?
概要と手口 愛知県豊橋市で、夕方、小学校近くで、無職・男(23)が女児(小5)に道を尋ねるふりをして以前住んでいたビルの空き室に女児を連れ込んだ。
犯行を隠すために、左手首をカッターナイフで切ったり、ロープで首を絞めたりする。
さらに55時間、トイレに閉じ込められて放置された。
裁 判 2001/10/24 殺人未遂などで懲役18年の判決。
2000/12/5 兵庫県姫路市 交際中の男性を訪問 少女
(中2・14)
監禁
傷害
住所不定・
男2人
(31・22)
虐待?
概要と手口 2000/夏頃、少女は2人と知り合い、男(31)と交際をはじめた。

12/5 
兵庫県姫路市の少女(中2・14)が、知り合いの男性のマンションを訪ねたところを監禁される。
少女は、満足な食事も与えられず、背中をガスバーナーで焼かれる、タバコの火を押し当てられる、覚せい剤を打たれるなどの虐待を受けていた。男から「逃げても追い込みをかけたるぞ」などと脅されていた。

2001/1/4-12 車のトランクに押し込められて連れ回された。

1/12 車のトランクが開いているのに気づいて自力で脱出。近くの民家に助けを求めた。
2001/8/3 埼玉県東松山市 乗用車の助手席で就寝中 女児
生後6ヶ月
無事保護 少女
(18)
かわいさ?
概要と手口 埼玉県東松山市のショッピングセンター駐車場の乗用車の助手席から、生後6ヶ月の女児が連れ去られる。
約7時間後に別のスーパーの駐車場で車中に放置されているところを無事保護。

8/17 市内の短大生の少女(18)を未成年者略取容疑で逮捕。
「車中で泣いている赤ちゃんを見ているうちにかわいそうになり、自分の車であやしているうちにいとおしくなった」「一旦は自宅に連れ帰ったが、自分ひとりでは育てられないと思って返した」と供述。
2001/6/13 栃木県黒磯市 am11:55頃 女児
(小2・7)
無事保護 男2人
(22.21)
ゲーム感覚?
概要と手口 栃木県黒磯市で、午前11時55分頃、女児(小2・7)が車に押し込まれて誘拐される。
24時間後、無事返される。女児の証言を元に似顔絵を作成。未成年者略取の容疑で指名手配する。

8/22 男2人(22.21)を逮捕。「誘拐は身代金目的ではなかった」「自分がアニメの主人公になりたかった。ヒロイン役を務めるかわいい子を手元に置こうと犯行を思い立った」「自分は別のキャラクターになったので、警察に捕まらず逃げ切れると思った」と供述。
加害者 2人は小学校時代から仲がよかった。趣味はアニメとテレビゲーム。中学の後半から不登校気味。
仕事も長続きせず、アルバイトを転々とした。

2000/7/初め 掲示板コーナーに、「死にたい」「自分には才能がない」などと書き込んでいた。

事件直前に親しい友人に「埼玉県で中学生に声をかけた。今度、小学生を狙おうかな」と漏らしていた。
2001/7/24 兵庫県神戸市 pm9:20頃 テレホンクラブ
待ち合わせ
少女
(中1・12)
転落死 教師・男
(34)
わいせつ
監禁
概要と手口 兵庫県神戸市で、少女(中1・12)がテレホンクラブで知り合った男と待ち合わせ。
午後9時20分頃、路上に駐車中の車内で、男は少女の顔に催涙スプレーをかけて手錠をかけた。
少女を3列座席があるワンボックスカーの最後部に閉じ込め、両手にかけた手錠を前の座席の枕部分の金属に通して監禁。

被害者の友だちや親を安心させるために、途中で携帯電話から電話をさせ、「言うことをきかないと帰らせない」と脅した。
少女は午後10時過ぎ、「男の人と会った。これから友だちを迎えに行くので戻れない」と友人に電話。母親にも電話をしていた。

危険を感じた少女は中国自動車道を約80キロで走行中に、ドアをあけて転落。
男は被害者の転落に気づいたが、「まずい」と思い、そのまま走り去った。
少女は車にひかれて約4時間半後に死亡。

9/8 少女の携帯電話の記録から、兵庫県香住町の中学校教師の男(34)を逮捕。
「被害者とはこの日初めて会った」「豊岡市の自宅へ連れて帰って自分の言う通りにさせようと思ったが、被害者が逃げようとして転落した」と供述。
手錠はおもちゃだが、金属製で非常に頑丈なタイプ。災害時に使用する大型ペンチでようやく切断。

/9/30 少女ひき逃げ容疑で、任意の事情聴取を受けていたトラック運転手(53)が自殺。
加害者 男は教師歴13年の社会科教師。陸上部の顧問。独身。

1998/5/-1999/3 同僚教師とトラブルを起こし、精神的に不安定になる。病気(「心因反応」という医師の診断書付き)を理由に2度の長期休暇をとっていた。(給料が100%支給される「特別休暇」扱い)

2000年から頻繁に、1〜3日間ほど、突然、学校を休んだ。学校を休んでアダルトビデオを借りたり、テレクラを利用したりしていたとみられる。女子高校生をレイプしたり、監禁したりするビデオを好んで借りていた。

勤めていた中学校で、女子生徒へのセクハラのうわさがあった。事件後に管理職が知る。
1999年まで勤めていた中学校でも、セクハラのうわさがあったが、校長は「一切しりません」と否定。

2001/3/頃から、たびたびツーショットダイヤル式のテレホンクラブを利用。女子中高生と援助交際をはじめた。身分を明かさず購入できる業者から、プリペイド式携帯電話を購入。女性との連絡専用に使っていた。

2001/6/ 京都府内で、女性(10代)に手錠をかけて車に監禁したことがあった。

2001/8/ 事件後、再びテレホンクラブを利用。かつての教え子の名前を使ってプリペイド式携帯電話や催涙スプレーなどを購入。
裁 判 2002/3/25 神戸地裁で、懲役6年の実刑判決(求刑12年)。

「犯行は卑劣かつ自己中心的」としながら、「走行中の車から飛び降りた被害者の行動は、被告にとって全く予想しない事態であったことの主張もそれなりに合理性はある」とした。
一方で、被害者について「見ず知らずの男性を相手に援助交際に及ぼうとした。いかなる危険が存在しているかもしれない所に自ら身を投じた」「落ち度が全くなかったということはできない」と認定。
被害者の行動について、「善良な社会生活上、是認できないものである」「逃げる機会は後でも見つけられたはず」と述べて、「被告の責任は殺人罪に比肩するほど重大」とした主張を「失当」と退けた。

2002/11/25 大阪高裁は、「軽すぎるとは言えない」「飛び降りは予想外の行為。テレクラを利用した少女にも落ち度があった」などとして、一審判決を支持。
2001/10/12 長崎県諌早市 pm3:30頃 下校途中 女児
(小1・7)
殺害 無職・男
(23)
わいせつ
概要と手口 長崎県諌早市で、午後3時半頃、下校途中に自宅から約400メートルの市道交差点で、同級生の女児と別れた直後、女児(小1・7)が車で誘拐される。
10/14 山林内の林道わきで遺体が発見される。
10/27 無職・男(23)を逮捕。
加害者 独身。コンピューター関係の仕事をしていた。2000/4/頃から仕事をしていない。

自宅ガレージには、情報技術関連の本がおいてあり、その隣にはアニメの本や雑誌が積み上げられていた。
裁 判 無期懲役確定。

2005/12/15 民事訴訟で、長崎地裁大村支部は被告に慰謝料など総額約7000万円の賠償命令。
民事裁判で、刑事裁判で却下された精神鑑定を実施。「小児愛症と回避性人格障害だった」とする結果が出た。
2002/3/ 大阪府北東部の京阪沿線を中心 男子中高生ら 解放 若い男
(20〜30歳)
現金強奪
わいせつ
概要と手口 大阪府北東部の京阪沿線を中心に、男子中学生らが若い男に車に連れ込まれて拉致され、現金などを奪われる事件が続発。

3/1 午後8時頃、路上で少年ら3人(中3・15)が自転車で帰宅途中、男に「警察のものやけど、聞きたいことがある」と呼び止められ、3人はタクシーに乗せられた。
1つの手錠を交互にかけたうえ、ナイフで脅迫。約5キロ離れた京阪京橋駅近くで、2人を解放。
別のタクシーに乗り換えて、残る1人を守口市まで連れまわした後、後ろ手に手錠をかけて携帯電話などを奪った。タクシーは、事件を通報しなかった。

3/8 寝屋川市内で、高校生の少年ら2人(17)が、白い乗用車に乗った若い男に道案内を頼まれ、車内でナイフを示されて手錠をかけられたうえ、現金を奪われたり、体を触られたりした。

3/18 大阪府門真市の京阪古川橋駅前で午後5時頃、少年ら2人(中2・14)が、白い乗用車に乗った男に道案内を頼まれた。男は、車に乗り込んだ2人に手錠をかけ。小銭や携帯電話などを奪って、車内に監禁。午後10時までに、市内で順次解放。少年らは車内でわいせつ行為をされたという。

3/30 寝屋川市内で少年(中2・14)が、白い乗用車に乗った若い男に道案内を頼まれ、車内でナイフを示されて手錠をかけられたうえ、現金を奪われたり、体を触られたりした。

連れ去った男はいずれも20〜30歳とみられる。
2002/7/19 群馬県大胡町 昼過ぎ 下校後 少女
(高1・16)
殺害 無職・男
(36)
営利
概要と手口 群馬県大胡町で昼過ぎ、高校の終業式に出たあと、春に卒業した中学校の吹奏楽部のコンサートに歩いて向かう途中、ひとりで歩いていた少女(高1・16)に「道を教えてほしい」などと助手席のドアをあけて声をかけ、「地図を書いてほしい」と頼んだ。少女が身を乗り出して書こうとしたところを無理やり引きずり込むようにして乗用車に乗せた。
つれまわしたうえ、車から逃げようとした少女の首を絞めて殺害。その場に遺棄。

少女の携帯電話をつかって、両親に「メル友で、娘さんの相談にも乗ってやっている」「50万円よこせば娘を帰す」と脅迫。その後も十数回電話をかけ、要求額は「20数万円でいい」と変更。

7/20 現金の取引場所に現れて現金23万円を受け取るなどした無職・男(36)を逮捕。

7/24 県内の山林で遺体が発見される。
加害者 「別れた元妻と娘に会うため、女性を拉致して引き換えにしようと思った」「分かれた妻や子どもに会うために児童相談所を脅す拳銃購入の資金を得ようとして、両親から身代金を奪った」などと供述。

約3年前から実家で元妻と娘、元妻の連れ子の娘と一緒に住んでいた。
2002/5/ 娘の腕を噛むなどの虐待。学校や元妻が児童相談所や警察に相談し、元妻と子は児童相談所などに保護された。
定職がなく、金銭がらみのトラブルが多かった。
裁 判 2003/10/9 前橋地裁で、無期懲役判決。
2002/7/28 愛知県豊川市 am1:00過ぎ 駐車場の車の中
就寝中
男児
(1歳10ヶ月)
殺害 トラック運転手(36)? 怒り?
概要と手口 愛知県豊川市のゲームセンターで、午前1時過ぎ、駐車場のワンボックスカーのドアにロックをかけて、なかで一人で寝ていた男児(1歳10ヶ月)が、連れ去られる。1時20分頃、父親が戻ったときには姿が見えなくなっていた。約4キロ離れた三河湾で水死体を発見。
2003/4/15 未成年者略取の容疑で、駐車場で寝泊りしていたトラック運転手(36)を逮捕。「泣き声がうるさかった。目が覚めて頭にきたのでとりあえず連れ出そうと、自分の車に乗せた。海に行く途中、泣き出したので殺意が芽生えた」と供述。犯行後、再び駐車場に戻って寝たという。
裁 判 2006/1/24 名古屋地裁で、「被告が犯人だという客観的に裏付けられた事実はなく、秘密の暴露もない」「客観的な状況を把握していた捜査官が被告(の供述)を誘導した可能性も否定できない」として、無罪判決。
2003/6/9 東京都世田谷区 帰宅途中 少女
(高1・16)
殺害? 無職・男
(52)
不明
概要と手口 東京都世田谷区の少女(高1・16)が、「今渋谷にいる。これから帰る」と自宅に電話をかけたあと、行方不明になる。

8/22 東部東上線ときわ台駅のホームから飛び降りて、無職・男(52)が自殺。
板橋区のマンションの一室で死後約1ヶ月の遺絞殺体を発見
2003/7/1 長崎県長崎市 pm7:10頃 家族で訪れた電気製品量販店 男児
(4)
殺害 少年
(中1・12)
わいせつ
概要と手口 長崎県長崎市で、午後7時10分頃、家族で訪れた電気製品量販店で、テレビゲームをするために10分程度、両親のもとを離れた間に、幼稚園・男児(4)が行方不明になる。

7/2 約4キロ離れた立体駐車場脇の敷地内で遺体が発見される(死因は高い所から落ちて頭などを打った脳障害)。衣服は脱がされ、数メートル離れたところにまとめて落ちていた。

アーケード街の防犯カメラに男児と一緒に制服姿で写っていた少年(中1・12)を補導。
補導後、「殺すつもりはなかった。騒がれたので突き落としてしまった」と供述。
弁護士に「自分のやっていることが分からなくなった」と話した。

当日は、事前にはさみを購入。
ひとりでいた男児と一緒にゲームをして仲良くなってから、「お父さん、お母さんは用事があって先に行ったから」「お父さん、お母さんのところに行こう」と言って外へ連れ出した。
立体駐車場の屋上で男児を全裸にして性器に暴行を加えた。防犯カメラに気づき、立体駐車場の屋上から突き落として殺害。その後、男児と一緒にいた店に忘れ物を取りに行き、帰宅。
いつもどおりの生活を送っていた。
周辺情報 周辺では、小学校低学年の男児が体を触られるなどの事件が続いていた。

2002/3/ 周辺で男児(7)がエレベーター内で若い男に体を触られるなどした。
2002/11/ 男児(11)がトイレ内で被害にあった。
2件は20歳代の若い男の犯行と見られる。

2003/4/26 長崎県長崎市千歳町の大型商業施設で、午後3時半ころ、買い物に来ていた男児(4)が連れ出され、併設する立体駐車場の5階に連れて行かれ、突き飛ばされたりしてあごに軽いけがをした。裸にされ、洋服は別の場所に捨てられていた。その前日にも、同じ遊戯場から、別の男児が連れ去られて、けがをしていた。
2003/5/ 同施設に併設するマンションで、男児(小2)が見知らぬ男に車に連れ込まれ、服を脱がされ体を触れる事件が発生。
加害者 幼稚園の頃から、教師の注意や母親の叱責に過剰に反応し、混乱状態になり、かんしゃくをおこしたり、学校や家から逃走するなどしていた。
幼稚園時代、困ったことやうまくできないことがあると、泣いたり、奇声を発したりした。
女児の髪の毛をはさみで切ろうと追いかけ回し、教師の洋服を切ろうとしたこともあった。

小学校のころから、母親に叱責されることを極端に恐れ、遠方の祖父母方まで逃げたり、午前3時に補導されるまで帰宅しなかったことがあった。

小4の頃から幼児とはよく遊んだが、同年代の友だちとは、興味のあることについて少年が一方的に話すのみで、他人との間に相互的情緒的交流を持つことができない。対人的コミュニケーション能力に問題がある。

小5の頃、教師に叱られて怖がり、パニックになったことがあった。情緒が不安定だった。

小学校では、5年生のときにパソコンクラブに入り、6年生では部員25人の部長だった。
キーボードの扱いがうまく、卒業文集に書いた将来の夢は「プログラマー」。趣味・特技は「ゲーム」。

小学校3年頃から男性性器に強い関心をもつようになった。
少年は、幼児の性器陵辱事件を過去にも起こしていた。

中学校の1学期の成績は学年でトップクラスだった。

鑑別所の職員の注意に号泣し、「こんなとこ逃げ出してやる」などと言って扉をたたいり、本を机に打ち付けたりした。
精神鑑定 家庭裁判所で、「再犯防止と原因究明のため」精神鑑定を実施。
コミュニケーションに相互性はなく、適切な仲間関係の樹立ができず、情緒的表出も不適切。幼少の頃から手先の不器用さや運動機能の発達の遅れが見られ、言語性知能と動作性知能の間に極端な差があること、精神病性障害は認められないこと、通常の言語障害はなく知能も低くないことから判断すると、広汎性発達障害の一種であるアスペルガー症候群であると認定。

広汎性発達障害は、コミュニケーションや対人関係に障害が見られ、興味や関心、行動にこだわりが見られるのが特徴。遅くとも5歳までに発現する。このうち言語や知能に発達の遅れがない場合、アスペルガー症候群と定義される。
早期に専門的な治療を受け、周囲の理解を得て環境を整えると、症状は改善される。
児童精神医学の専門家の多くは、こうした障害が犯罪や非行に直結するわけではないと強調。
裁 判 2003/9/29 長崎家庭裁判所は、1年間の強制的措置をとることができるという特別な条件つきで、児童自立支援施設に送致する保護処分を決定。

少年をアスペルガー症候群の障害があると認定。一方で、その障害が本件非行に直接結びつくものではないが、影響していたと認定。その障害を理解されないままに厳しく叱られるなどの抑圧や不適切な扱いを受け、コミュニケーションや共感性の乏しさに拍車がかけられる結果になったとした。

家庭や対人関係など長年の生育環境に伴う問題が積み重なり、体の成長や、中学に入り生活環境が変わったことなども事件に結びついたと判断。
2003/7/13 東京都渋谷 pm1:00頃 アルバイト 女児
(小6・11-12)
4人
監禁
傷害
男(29) わいせつ
虐待
概 要 東京都稲城市の女児(小6・11-12)4人が、親には「体育館に行く」と言って行方不明になる。
7/14 友人たちから、渋谷に行っているかもしれないとの情報が入る。

7/17 少女のうち1人が、花屋の店先に助けを求めて、警察官らが赤坂の短期滞在型ウィークリーマンションを急襲。アイマスクと手錠をされた少女ら3人を救出。
部屋のなかに張られたビニールシートの中から男(29)の自殺体と七輪が発見される。死因は急性一酸化炭素中毒。

被疑者死亡のまま書類送検。
手 口 男は、「アルバイトのお金でセシルの服買ったよ!おかげでカレもゲットできて、今ではラブラブ」などと書いた中央に小中学生らしい3人の少女の顔写真が並べたチラシを配っていた。
被害者の少女の自宅からも同チラシが発見される。

少女たちに、自分は子役専門の芸能プロの社長だと名乗っていた。フェラリーを2台所有し、コギャルたちの間で有名だった。
複数の女子高校生らにスカウト活動と称して、小中学生を1人紹介するたびに2万円ずつ支払う約束をしていた。

2002/6/ 女子児童のうち1人は渋谷で知り合った年上の少女に勧められて、ブルセラショッブが募集する簡単な掃除のアルバイトを経験。1回で1万円をもらった。
仲のよかった女子児童3人も一緒に、1着1万円で生下着を売るアルバイトをはじめた。

2003/7/13 午後1時頃、4人は「簡単な掃除のアルバイト」をするために、渋谷駅前で待ち合わせ、タクシー2台に分乗して赤坂のマンションに向かった。

男は、少女一人ひとりに「わかっているだろうな。殺すこともできるんだ」と脅していた。
赤坂のウィークリーマンションに監禁される。スタンガンによる暴行や性的ないやがらせも加えた。
加害者 10代の頃から「死にたい」「無になりたい」が口癖だった。過去に3回、自殺をはかっていた。
父親と3歳上の長男が自殺していた。
アニメ好き。

1998/ 東池袋にブルセラショッブを開業。ロリコンビデオで売り上げを伸ばす。
池袋から赤坂に事務所を転居。渋谷を拠点に少女売春の斡旋・仲介も行う。

2001/4/ 児童買春容疑で書類送検される。

2002/3/末 ホテルで未成年少女(14)に現金6万円を払ってわいせつ行為におよび、児童買春防止法違反に問われていた。

警察官が踏み込んだマンションの部屋にはバック類や少女たちのプリクラを貼り付けた袋、下着100枚近くが散乱していた。
埼玉県久喜のアパートから数千本の違法ロリコンビデオや少女のヌード写真、顧客名簿、ノート類が押収される。
2003/9/2 新潟県村上市 pm6:30頃 下校中 少女
(中3・15)
無事保護 無職・男
(26)
監禁
概 要 新潟県村上市で、午後6時半ごろ友人と2人で下校中、自宅近くで別れたあと、少女(中3・15)が行方不明になる。

9/13 未成年者略取・逮捕監禁傷害などの罪で無職・男(26)を逮捕。少女を無事保護。
手 口 2002/10/ 男は村上市を訪れた際、路上で被害者の少女を見かけて、好意をもった。

東京都渋谷区のマンションに女児4人が男に監禁された事件(2003/7/13)をヒントに「少女と一緒に暮らそう」と考えた。

9/2 少女を軽自動車で後ろからはねて軽傷を負わせ、気絶したところを車に押し込んだ。
当初、「病院に連れて行く」と説明していたが、少女がおかしいと気づくと、車内でナイフを突きつけ、「騒ぐと殺すぞ」と脅迫。手首をロープなどで縛り、後部座席に乗せたまま連れまわした。

9/4 新潟発両津行きのカーフェリーで新潟県佐渡島に渡り、自宅に監禁。
父親(57)に「友達」と言って紹介。3人で食事を共にしていた。

9/5 父親はテレビのニュースを見て、少女が行方不明になっている中学生と似ていると気づいた。

9/13 夕方、父親が通報。1週間ほど経過した理由について、「息子はキレたら何をするか分からない。中学生に危害を加えるかも知れないと思った」などと話した。
加害者 父親と寝たきりの母親(56)の3人暮らし。一人っ子で、両親から溺愛され育った。
幼いころからいじめられいた。同級生や先生にキレて「ぶっ殺す」と言うこともあった。
ほとんど中学には登校せず不登校だった。

中学時代に「その名前では悪いことばかりが起きる」と占い師に言われて、改名。

中学卒業後、工務店などに就職するも数週間で退職。職を転々としていた。いずれも長続きしない。仕事は休みがちで、上のひとに怒られたりすると、突然、激昂してスコップを投げつけたり、道具を壊したりした。

10年以上、ひきこもっていた。アニメなどに興味を持っていた。飼っていたニワトリをカッとなって殺すなどの動物虐待もしていた。
家庭内暴力がひどく、金属バットを振り回したりした。家の窓ガラスはすべて割られて、ダンボールで覆われていた。父親は息子に車を買い与えるなど気をつかっていた。
2003/10/7 三重県桑名市 pm4:30頃 塾からの帰宅途中 女児
(8)
無事保護
(23)
営利
概要と手口 三重県桑名市で、午後4時50分頃、塾からの帰宅途中に、女児(8)が車の後部座席に押し込まれ、連れ去られる。顔見知りが目撃しており、警察に通報。

10/8 マンガ喫茶で、女児が泣いているのを見かけた店員が通報して、無事保護。
店内から逃げようとした元派遣社員・男(23)を逮捕。
高村は、「たまたまかわいい子を見かけたので、連れ去ろうと思った」「金も欲しかった。身代金を取ろうとした」と供述。

1週間ほど前、愛知県で軽乗用車を盗み、ナンバーを付け替えていた。
2003/12/4 栃木県足利市 登校途中 少女
(高1・16)
監禁
無事保護
無職・男
(38)
わいせつ
概要と手口 栃木県足利市の路上で、自転車で登校途中の少女(高1・16)が、自動車でわざとぶつけられて転倒したところを連れ去られる。2日間監禁。少女は「木の棒のようなものを振り回して脅された」と話している。

12/6 茨城県土浦市内で少女を無事保護。未成年者略取と監禁の現行犯で、一緒にいた愛知県出身の住所不定、無職・男(38)を逮捕。少女にけがはなかった。
加害者 男は、新潟以外でも、福井、石川の両県で小学生女児と女子中学生を略取・監禁するなど未遂も含め、未成年者に対する5件の略取、22件の窃盗など計30件の犯罪を重ねた。
常習的に未成年の女性を狙っていたとみられる。

2003/11/ 新潟県旧中之島町(現長岡市)の民家に押し入り、女性(25)に暴行したうえ、現金約1300円を強奪。

2003/11/2 新潟県新発田市で、少女(中1・13)を拉致しようとして、未成年者略取未遂容疑で新潟県警に指名手配される。

11/26 
新潟県小千谷市で少女(高3・17)が車で連れ去られそうになった。
裁 判 2005/9/27 新潟地裁で、監禁や強盗強姦など12の罪に問われ無期懲役の判決。
2004/3/11 群馬県高崎市 pm2:40頃 下校途中 女児
(小1・7)
殺害 男(26) わいせつ
概要と手口 群馬県高崎市の県営団地で、午後2時40分頃、10階に住む女児(小1・7)が下校してきて、エレベーターで同級生と別れたあと、エレベーター前で待ち伏せしていた男に抱き上げられて自宅に連れ込まれた。
隣室に住む会社員・男(26)を逮捕。遺体を押入れに隠していた。
「部屋に入れていたずらをしようとしたが、玄関前で騒がれそうになったので室内に連れ込んで殺した」と供述。
周辺情報 エレベーター内の防犯カメラに午後2時36分、女児が10階で下りる姿が写っていた。

男の周辺では、子どもが追いかけられるなどの事件が何度も起きていた。
加害者 取調べで、自分の性格を問われて、「内気でおとなしく、友だちが少ない。ビデオとDVDを見る生活が楽しみだった」と話した。

部屋には、少女ものの雑誌やDVDなどが数100点あり、床にも大量に散乱していた。アニメの主人公の人形なども数多くあった。アニメーションキャラクターの等身大の人形を買い、ランドセルを背負わせるなどしていた。

弁護士が申請して採用された心理鑑定には「小児性愛傾向がある。犯行は対人関係の困難によるストレス状況下で、攻撃性が衝動的に突出する形で行われた」など書いてあった。
裁 判
精神鑑定
2005/12/9 前橋地裁高崎支部で、無期懲役判決。
「小児性愛の性癖に基づく犯行で、矯正には著しい困難が伴い、被告の再犯の恐れも否定しがたく、終生悔悟の日々を送らせ、罪を償わせるのが相当」とされた。
2004/10/3 埼玉県 深夜 コンビニ 高校生の少女ら2人
(16-17)
約1ヶ月のけが 男ら4人
(19-28)
強盗
わいせつ
概要と手口 埼玉県のコンビニエンスストアで深夜、男ら4人(19-28)が高校生の少女ら2人(16-17)を「一緒に食事に行こう」とワゴン車に誘い込んで監禁。
2、3時間にわたって、埼玉、千葉、茨城県内をつれ回し、現金約3500円とバック2つ(計約3万7500円相当)を奪ったあと、千葉県野田市木間ヶ瀬の下総利根大橋から約18メートル下の利根川に2人を投げ落とした。
2人は自力で川から岸に上がり、民家に助けを求めた。いずれも頭などに約1ヶ月のけが。

4人を誘拐、監禁、強盗、殺人未遂などの容疑で逮捕。
4人は、埼玉県内にある運送会社の同僚。「社名入りの作業着を見られ、生かして帰したら絶対に捕まるので殺そうと思った」と供述。
2004/11/17 奈良県奈良市 pm1:50頃 下校中 女児
(小1・7)
殺害 男(36) わいせつ
概 要 奈良県奈良市で、午後1時50分頃、下校中に通学路で女児(小1・7)が、行方不明になる。
母親が学校であるサークルに参加することになっていたため、いったん家に帰ったあと、1人で自転車で学校に向かうことになっていた。下校ルートは、マンションが立ち並んでおり車の通行も多い商店街を抜け、自宅のある閑静な住宅街に向かう。

母親の携帯にワン切り電話が入る。午後8時4分、母親の携帯にメールで「娘はもらった」などと遺体の写真とともに犯行声明が送られる。

11/18 翌日、約15キロ離れた河合町の側溝から遺体発見。発見現場は住宅造成地で、周囲には田んぼが広がる静かな場所。

12/14 女児の携帯から母親の携帯に「次は妹だ」とのメッセージや女児や妹の写真を送られた。

12/30 新聞配達員の男(36)を逮捕。
手 口 仕事の休日に、知人から借りた車で女児を物色に遠出。見つけることができずに、奈良に戻って、下校時間帯の女児を狙った。
小走りする女児を目撃し、「どうしたん。乗せていってあげようか」と声をかけて、車の助手席に乗せた。「忘れ物があるから、先におっちゃんの家寄るで」などと言い、自宅マンションに向かった。
女児が親と連絡をとらないように、携帯電話をとりあげ、電源を切った。
「荷物が多いから手伝って」などと言い、事前にスーパーで買ってきた食料品などを入れた袋を女児に持たせ、自宅に誘い入れた。
男は、女児に手とひざが汚れているので風呂に入るよう促し、自分も浴室に入った。
女児が怒ったため、浴槽で窒息死させる。

被害女児の携帯電話から、自分の携帯電話に女児の画像をメール送信。飲食店で女児の写真を携帯で見せびらかしていた。
加害者 自宅には、わいせつビデオやコミック本、別の女児の下着や水着など137点を所持。携帯電話に児童ポルノの画像など736枚が保存されていた。

高校2年生の時、アダルトアニメのビデオを見て、年少女児が性の対象としてうつるようになった。

高校3年生の時、合宿で鳥取県に行った際、小学3年生くらいの女児2人の下腹部を触るなどした。

1989/ 新聞配達の途中に、女児や女性の下着を持ち帰るようになる。女児ら8人への強制わいせつ容疑で送検され、女児2人(5)への強制わいせつで執行猶予付きの懲役刑。

1991/7/ 女児(5)の首を絞めて、殺人未遂で懲役3年の実刑判決。

仮出所後、約9年で今回の犯行。その間、勤務先を16ヵ所変わり、住所も転々としていた。住民票は三郷町に移していなかった。

逮捕後、「事件が大々的に報道され、大騒ぎになればいいと思った。明日には、『時の人』になれると思いワクワクした」と供述。
また、「逮捕されていなければ(今年の)正月早々、また事件を起こしていたと思う」「無期懲役になっても20年ぐらいで出てこられる。癖のものですから、また繰り返す」と話した。
裁判では、「早く裁判を受けてこの世とおさらばしたい。両親に心からわびることは考えていない」との供述書を提出。

2005/7/ 公判で「現在はどうわびていいかわからない」と話した。
2005/8/ 便箋13枚に書いた手記のなかで「後悔している」と書いた。  
2004/12/22 千葉県茂原市 am4:20頃 カラオケに行った帰宅途中 少女
(高2・17)
殺害 男5人
(16-21)
路上強盗
口封じ
概要と手口 千葉県茂原市のJR茂原駅前午前4時20分頃、カラオケに行った帰宅途中の定時制高校の)少女(高2・17)同級生の少女(高2・17)を男たちが取り囲み、現金約9000円入りのポーチを強奪。
その際、「顔を見られた」と思ったことから、1人だけをレンタカーの軽ワゴン車で拉致。

男らは、約2時間後、約30キロ離れた同県東金市内のホテル跡地に連れて行き、電気コードで首を絞めて殺害。遺体をその場にあった大型冷凍庫内に捨てた。
顔や腹部などに暴行の形跡があった。死因は窒息死と判明。


少女が連れ去られた後、少女が110番。同駅周辺で以前から素行不良だった少年らに任意で事情を聴いたところ、殺害を認めた。供述通り、同県東金市内のホテル跡地の冷凍庫内から遺体発見。

12/23 4人を殺人と死体遺棄容疑で逮捕。1人(21)を指名手配。
5人の中には、被害者と同じ高校の少年もいたが、面識はなかったとみられる。
男らは「金だけ取るつもりだったが、顔を見られてひったくりがばれると思い殺した」と供述。

遺体発見現場の二階建ての廃屋は、以前にラブホテルや飲食店などとして使われていたが、約10年前に廃業。現在は荒れ放題で、最近は雑誌などで「幽霊が出る心霊スポット」として取り上げられていた。夜間に若者が出入りすることがあった。夏場を中心に若者が集まり、花火を打ち上げてぼや騒ぎになったこともあった。
加害者 男たちは遊び仲間で、J周辺で知られたグループだった。これまでにも路上強盗などを繰り返していた。
裁 判 2005/10/ 無期懲役を求刑されていた無職・少年(19)は拘置中に千葉刑務所で自殺。

2005/11/ 裁判長は「身勝手極まりない冷酷非情な犯行で、酌量の余地は皆無」と述べ、男2人に無期懲役。少年2人に、それぞれ懲役14年と同13年の判決。
2005/1/15 北海道札幌市 正午過ぎ 待ち合わせ 女児
(小6)
解放 大学生・男
(22)
わいせつ
概要と手口 1/14 大学生の男と女児(小6)はネット上の対戦ゲームサイトを通じて知り合った。
1/15 北海道札幌市で、正午過ぎに札幌市中央区のテレビ塔前広場で待ち合わせた。
女児に「僕の部屋でゲームをやろう」などと言って車に乗せて、自宅に2時間にわたって連れ込み、強姦。
女児の自宅近くまで車で送り、「誰にも言わないで」と口止めしていた。
女児が担任に相談し、学校から連絡を受けた父親が被害届けを出した。
2005/1/18 埼玉県入間市 am8:00頃 待ち合わせ 少女
(中1・12)
監禁
保護
派遣社員・男
(29)
監禁
概要と手口 埼玉県入間市の少女(中1・12)が、午前8時頃、市内の路上で静岡県浜松市の派遣社員・男(29)と落ち合ったあと、アパートに監禁された。

12/20 母親が捜索願を提出。
少女が友人の携帯電話に、「場所は言えないけど、大西と一緒にいる」とメール。
警察がメールの履歴などから大西の自宅を割り出した。

12/30 12日ぶりに無事保護。けがはなかったが衰弱しており、入院。
男は、「未成年と知っていたが、連れ出した」「かわいいから連れ出した。悪いことはわかっていた」と供述。
加害者 2004/12/中旬に、2人は出会い系サイトで知り合い、1月に入間市内で会ったことがあった。
男はアパートに一人暮らし。部屋には小児性愛の雑誌があった。
2005/4/24 大阪府茨木市 待ち合わせ 少女
(高2・17)
監禁
無事保護
露天商手伝い・男(29) 監禁
概要と手口 大阪府茨木市の少女(高2・17)が、出会い系サイトで知り合った露天商手伝い・男(29)に自宅や軽乗用車内に約3週間監禁される。家族から捜索願いが出されていた。

男は、知り合ったばかりの少女に拳をふりあげ、「おれのことを好きになれ。好きにならへんかったら殺してしまうぞ」と脅迫。

外出する際には手錠をかけて車内に閉じ込めていたほか、「わかっているやろうな」などと脅していた。携帯電話も取り上げていた。「逃げられそうになったので、手錠を購入した」と供述。

5/15 少女は男が露天営業中に、奈良駅前交番に駆け込んで保護される。追いかけてきた男を逮捕。「女子生徒が好きでたまらなかった。一緒にいたかった」と供述。
加害者 男は自宅マンションで、母親と小学生の息子との3人暮らし。

2005/3/18 出会い系サイトで知り合った兵庫県内の少女(17)と会った際、少女が「彼氏がいる」と話したことに激怒。「逃げたら親を殺す」などと脅した上、携帯電話や財布を奪って車で連れ回すなどして5日間監禁していた。少女には「女友達といるから心配しないで大丈夫」とのメールを母親に送らせていた。
3/22 堺市内のコンビニエンスストアに2人で入った際、少女が同店事務所に駆け込んで助けを求め、駆け付けた同署員が保護した。男は車で逃走。
少女を保護し、被害届を受けた府警堺東署は、少女の証言などから容疑者を特定したが、それ以上の捜査をせず、その間に「第2の犯行」。
少女の両親によると、少女は同署員から「なぜ逃げようとしなかったのか」と繰り返し聞かれたという。両親は「娘は脅されて、逃げ出せる状況ではなかった。すぐに捜査を進めていれば、次の事件は起きなかった」と憤る。
2005/5/18 東京都東村山市 pm7:30頃 呼び出し 少女(17) 無事保護 4人組の男
(19-24)
わいせつ
概要と手口 5/18 午後5時頃、少女の携帯に電話をかけ、「君の友達の財布を拾った。返してやるからJR新秋津駅においで」などと言って呼び出した。財布には、少女の携帯番号の記載されたメモが入っていた。
午後7時半頃、同駅のロータリーで、4人組の男が少女を無理やり車に押し込んで連れ去った。
その後、市内のマンスリーマンションなどで少女を監禁。

5/19 午後8時20分頃、約3キロ離れた埼玉県所沢市のJR東所沢駅で、少女が交番に逃げ込み保護される。
周辺情報 所沢市周辺では同様の事件が数件起きていた。
2005/9/3 東京都足立区 公園 双子の姉妹
(中3)
無事保護 男(24)
少年(18)
わいせつ
概要と手口 2005/4/ 姉妹が公園で小学校低学年の児童らと遊んでいるのを見かけ、目を付けていた。

東京都足立区の公園で遊んでいた中学生の双子の姉妹(中3)が、配管工・男(24)に「家にジャニーズのビデオがある」と言われて誘拐される。
自宅や知人の少年(18)宅に「仕事に行っている間、面倒を見てくれないか」と言って監禁。

9/4 姉妹の親を装った男が2人で学校に現れ、「待遇が悪い」「いじめにあっている」などと警備員に訴えていた。

9/6 無事保護。

男は「中学生の体の成長に興味があった」などわいせつ目的で誘拐したことを供述。
2005/10/1 神奈川県横浜市港北区 少女
(高3・18)
無事保護 メル友
男(22)
監禁
概要と手口 神奈川県横浜市港北区で、少女(高3・18)が、中学時代の男友だちを通じて知り合って、携帯電話でメール交換をし、6月頃から交際していた男(22)に短期賃貸マンションに7日間にわたって監禁される。
食事を買うため近くに外出するときも、少女を逃がさないよう監視していた。
「逃げたら殺すぞ」などと脅していた。

10/3 少女は姉の携帯電話に「帰りたいけど帰れない」とメールで連絡。

10/5 居場所を知らせたうえで「何をされるか分からないから怖い。来ちゃだめ」とのメールを送信。

10/7 母親が神奈川署に通報。捜査員が部屋にいた少女を無事保護。男を逮捕監禁の現行犯で逮捕。男は「交際して一緒に住んでいただけ」と容疑を否認
2005/11/22 広島県広島市安芸区 pm0:50頃 下校途中 女児
(小1・7)
殺害 ペルー人
男(33)
わいせつ
概 要 広島県広島市安芸区で、午後0時50分頃、下校途中の女児(小1・7)が行方不明になる。
午後3時頃、ダンボール詰めの遺体が発見される。現場は住宅密集地で、複雑な細い路地。
11/30 通学路脇のアパートに住むペルー人(33)を逮捕。「悪魔が自分に入ってきて体を動かした」と供述。
手 口 男は、携帯電話に保存されたペルーに残した2歳になる娘の写真を女児に見せて、話しかけていた。
携帯電話には、ゲームソフトも内臓されており、ゲームも見せた可能性がある。
周辺情報 同地区では10月初旬以降、不審者情報が相次ぐ。
スイッチを押すと鳴るタイプの防犯ブザーをランドセルにつけていた。親しい友人らに「何かあったら押すんだ」と話していた。
加害者 アパートに、11月1日からひとり暮らし。
ペルーに妻と息子(7)、娘(2)がいる。
ペルーで過去に3回にわたって少女暴行未遂事件を起こし、1997年には有罪判決を受けて7か月間服役していた。1992年12月12日に女児(9)への暴行容疑で取り調べを受けた。容疑を一部認める一方で、「悪魔が自分の中に入ってきた」と供述。約半年間、拘留の末、証拠不十分で起訴猶予になる。

ヤミで購入した申請書類でパスポート取得、2004年4月に、日系人の「定住者」の資格で来日していた。
2005/12/1 栃木県今市市 pm2:50頃 下校中 女児
(小1・7)
殺害 不明
概要と手口 栃木県今市市で午後2時50分頃、同級生4人と下校中に三叉路で分かれたあと、女児(小1・7)が、行方不明になる。
12/3 約60キロ離れた茨城県常陸大宮市の山林で遺体発見。刃物で10か所前後刺されていた。

当日は、1年生だけが4時間授業で、学校は1年生だけを集団下校させていた。
通学路には、30年前に放棄された造成地があり、うっそうとした雑木林。
地元住民さえめったに通らない死角。
一緒に下校していた児童が、分かれたあと泥で汚れた白い車を目撃。
安全対策 2004/5/ 今市市教育委員会は、市内の小中学生全員に防犯ブザーを配布していた。
女児も、ランドセルにつけていた。

11/30 別の小学校児童から不審者情報が寄せられていたが、市教委に連絡が入ったのは12/1午後だった。
解 説 (S.Takeda)

 新聞の切り抜きを中心とした手持ちの資料から、過去の連れ去り事件を簡単に表にまとめてみた。
ただし、事件直後にはさまざまな情報が錯綜し、後に誤報だとわかることも多い。すべてが事実とは限らないので、そのあたりを考慮に入れたうえ、資料を読んでいただきたい。

 未成年者の略取・誘拐はこの10年ほど、年間200人前後で推移している。報道される事件は全体のなかのほんの一部でしかない。特に、性的被害がからんでいる場合、被害者が泣き寝入りしたり、報道が差し控えられたりすることは少なくない。

 以下は事件から感じたことを中心に、私なりに分析してみた。専門家ではないこと、情報が限られていることから、多くは想像の域を出ない。必ずしも科学的、合理的でないものもある。偏った見方をしているかもしれない。
ひとつの考え方として、参考程度にとどめておいていただければと思う。
連れ去り事件の目的

 連れ去り事件の主な目的には、営利目的とわいせつ目的がある。
しかし、近年、ゲーム感覚での連れ去り事件、あるいは、営利やわいせつを目的としつつ、ゲーム感覚で犯罪を楽しむ例がけっして少なくない。

 わずかな金銭を目的にゲーム的に次々とひとを襲ったり、少女たちをペットのように飼う。わいせつ行為をするだけでなく、殴るける、タバコの火やスタンガンを押し付けるなどの虐待を行っている。最初から虐待することを目的としているのではないかと思えるような犯行もある。

 また、自分たちの犯行を周囲に吹聴したり、自ら犯行声明を出したり、家族に写真を送りつけるなどの行為も目立つ。社会が騒ぐことを楽しむ。遺族の悲しみを密かな楽しみとする。そこには罪悪感は感じられず、むしろ「愉快犯」的なにおいがする。

 デートレイプが増えているように、見知らぬ関係だけでなく、すでに合意ができていたり、付き合っている間がらでも、監禁事件がおきている。
加害者

 加害者は甘やかされて育ったり、ネグレクトを含む虐待にあったりしていることが多い。
生まれて最初の、最も基本的な人間関係である親との関係がうまくいっていないと、その後の人間関係にも重大な影響を及ぼす。他者の感情を読み取ることに欠ける。他人とうまくコミュニケーションをとることができない。自己価値が低い。
 その結果、他人の拒絶されることを極度に恐れる。恥をかかされることを恐れる。自己評価が低く、誰もまともには相手をしてくれないと思っている。時間をかけてゆっくりと人間関係を築き上げていく意欲と根気がない。

 社会適応できない鬱々、対人関係不全による寂しさと、年頃になって女性と付き合いたいという人として当たり前にある性的な欲望を、無力な相手に一方的に押し付けようとする。
 同年代の女性に声をかけることもできない男性が、抵抗のできない幼い子どもを狙ったり、監禁し暴力を振るうなどして相手の自由を奪ったうえで、支配しようとする。コミュニケーションをとりながら、時間をかけて互いの思いを交換しあうことをせずに、暴力をふるって一気に自分の思いだけを遂げようとする。
 また、男性の場合、性的な興奮と暴力的な興奮とをつかさどる脳の部分が近い場所にあると聞いたことがある。性的暴力だけでなく、その他の虐待を加えることの要因になっているかもしれない。

 それ以外にも、自己価値が低いことの裏返しとして、他人の生死をも支配する万能感への強いあこがれがあるのではないか。
 また、世間が注目する事件を起こすことで、自分の存在を自分にも他者にも認めさせようとするのではないか。
 こうした人間は、他人の生死に無頓着なだけでなく、自身も厭世観をもっていて、捕まるくらいなら死んだほうがいいと思っている。思いを遂げられるなら、人生を棒にふってもかまわないと思っている。厳罰化が抑止力になりにくい。

 アニメやビデオなど、バーチャルな世界に楽しみを見出し、現実との区別がつかない事件も増えている。
対人関係がうまくいかず、人間関係が極端に限られていたり、ひきこもっているなかで、バーチャルな世界にだけ楽しみを見出しているとどうなるか。現実世界より、バーチャルな世界のほうが、より身近で現実みを帯びて感じられるようになるのではないか。

 まして、虚構の世界では、あくまで男性側に都合よく書かれている。表面上は拒否していても、女性も本当は心の奥底で望んでいる。最初は拒絶していも、そのうち自分から求めるようになる。無理強いする相手のことをやがては好きになるなど。誰しも自分にとって都合のよいことを信じたい。これらを本気で信じている男性は多い。
 刺激には慣れがある。まして、文章だけでなく、目で見る刺激、映像から受ける印象は強い。読者はより強い刺激を求めるようになり、際限なく過激化する。

 虚構の世界も、今や商業主義のなかで、よりリアルに再現される。小説や漫画が動画アニメに、実写版ビデオに。なりきりファッションや特殊趣味の喫茶店、インターネットでの書き込み。妄想をより現実化するための補強がなされる。自分にもすぐ手が届きそうな虚構の世界。バーチャルリアリティ。
そうしたなかで一つ事件がおきると、ますます実行可能な現実味を帯びて歯止めがきかなくなる。

 連れ去りやわいせつ行為は、繰り返されることが多い。この当たりのメカニズムについてはよくわからないが、強い快感だけが脳に焼き付けられて、麻薬中毒のようになるのかもしれない。
 ひとつの犯行がうまくいくと、さらにエスカレートする。つかまったりすると、一時は反省するが長続きしにくい。
相手を殺害したあとも、やめられない。
連れ去りの手口について

 最初からターゲットを探して計画的に犯行を行う場合、今は主に、車で物色して回るか、ネットやチラシ、携帯電話などでわなをしかけて待っていることが多い。
 かつては、犯人は被害者の生活範囲内にいた。そういった面では捜索がしやすかったかもしれない。今は、広範囲になりすぎて特定しにくい。
 また、車を使うことで、一瞬にして被害者を連れ込める。目撃される可能性も、歩きより低い。現場から素早く離れることができる。警察の初動捜査の素早さが明暗を分ける。

 であい系サイトのトラブルも多い。女性の場合、出会い系サイトを利用したとしても、即、金銭や肉体的なことを求めているわけではない場合が多いように思う。まして未成年の場合、小遣いほしさということもある反面、親から受けられなかった愛情をどこか別の場所で求めようとする。自己評価の低いなかで、若さや肉体を売り物にすることで、自分を認めてほしい、評価してほしいという思いがある。知り合って恋人として付き合いことになったとしても、精神的なものを求める度合いが大きい。
 しかし、男性の場合、最初から肉体関係だけを結ぼうとする。あるいは、何人の女性と性的関係を結べるか数を競う、相手がノーと言うか、イエスというか、ゲーム的な要素が大きくあるのではないかと思う。監禁も、エスカレートするゲーム的刺激のひとつという要素もあるのではないか。女性にとっての被害の大きさ、ことの重大さに比べて、男性側の罪の意識は低い。

 見知らぬ相手との出会いに期待することの男女間のギャップが大きいように思う。
女性が未成年で、経験知が低い場合、さらに事態は深刻になる。単なる好奇心やちょっとした小遣い稼ぎが思わぬことに発展する。相手の表面上のやさしさにだまされやすい。

 また、出会い系サイトでなくとも、さまざまな誘惑とわなが待ち受けている。特に、相手が見えないネットの世界では、年齢や性別、目的をごまかすことはたやすい。年齢が低ければ、なおさら簡単にだまされやすい。
ゲームやタレントグッズ、アルバイトや小遣い、かわいい犬やねこなど、少女たちが好むものを餌に使えば、簡単についていってしまう。
周囲の大人たちへ(連れ去りの対策)

 身近な大人が、危険を予測していないことに対して、子どもはもっと予測ができない。まずは、大人たちが自分たちの身近にある危険について、アンテナを張り巡らせておくことが大切だと思う。
そのうえで、子どもたちには、応用力のある危険回避のノウハウを見につさけさせたい。

 子どもに、「知らないひとにはついて行ってはダメ」「不審者を見かけたら気をつけて」「ひとりでいるときは危ない」「女の子だから」「夜、遅くなると危険」と教える大人たちは多い。
 しかし、現実には、「知っているひと」からの性的被害は、「知らないひと」からよりむしろ多いという。
危険な人間が必ずしも怪しい格好をしているとは限らない。身なりがきちんとしていて、言葉使いも丁寧だったり、若くてやさしそうなお兄さんだったり、報道記者やカメラマン、警察官を装っていたり(現職のこともある)、女性が共謀していたりする。いきなり誘ったりはせず、仲良くなってから目的を達成しようとすることもある。
 また、誘い言葉も、「お菓子をあげる」「お母さんが病気」「ゲームのカードをあげる」だけでなく、子どもの親切心を利用した「道を教えて」「荷物を持つのを手伝って」「もらい手のない犬や猫をもらって」などの言葉や、子どもの自尊心をくすぐるような「モデルになって」「写真をとらせて」と言うこともある。

 大勢で一緒にいれば安心とは限らない。子どもたちの気持ちは大きくなって、ひとりでは躊躇するようなことも勢いでやってしまう。また、相手が自分たちより力が強かったり、多人数だったり、薬や刃物、車を使ったりすれば、たちうちできない。

 被害にあうのは年頃の女の子とは限らない。なかには、若い女性には声をかけられなくとも、小さい子や年配の女性に対しては、相手を女性と見ず、もの扱いすることで平気で加害行為を行うこともある。
男児や少年が性的被害にあうことも少なくない。ただ、女性よりむしろ周囲の理解がないことで、被害が取り上げられにくかったり、本人たちも訴えにくかったりする。
また、目的が営利誘拐だったり、強盗、憂さ晴らし、臓器売買である場合、性別は関係なく被害にあう。

 学生をターゲットに最初から狙っている場合、登下校中に襲われることが多い。時には2、3人が一緒にいるなかで、連れ去られることもある。
幼児や児童の場合、日中に起きていることが多い。働いている家庭が多いなかで、日中の住宅街は意外に人通りが少ない。一方で中高生以上になると、夕方から深夜にかけてが多い。

 「安心」との思い込みが危ない。
 携帯電話は、離れた場所にいても子どもとすぐに話しができる。親は安心しやすい。
一方で、外からの誘惑も、ダイレクトに子どもたちに届く。そして、親を介さないことで、大人には気づかれにくい。
また、電話さえつながれば安心する家族の心理をみこして、脅しながら、無事だという電話をかけさせることも多い。

 防犯ブザーなどを配布していても、チェックをしないと、子どもは携帯しているとは限らない。電池切れのこともある。すぐ押せる場所にないなどもある。

 親のリスク対策として、考えられることは3つある。
ひとつは予防として、家庭でのルールづくりなど危険に近づかせない工夫。しかし、子どもの成長は早い。いつまでも親の保護下にはいない。
ふたつめとして、事件が起きたときの臨機応変な対処法。さまざまな事態を想定して、日ごろから話し合っておく必要があるだろう。
そして、みっつめとして、事件後、被害を最小限にするためには、子どもが被害を受けたときに、親など大人にすぐに話せることが大切。
 ふだん、あまり禁止事項が多かったり、厳しすぎたりすると、危険なことほど、子どもは親に黙ってするようになる。
そして被害にあったとき、親に叱られると思うと話せない。そのことが、被害を拡大させることもある。
なぜこのようなことを言うのか、「あなたが一番大切だよ」と子どもにはっきりと伝えること。そして、あなたに何かあったときには、親は全力で守るから、必ず相談してほしいということを話すことが大切だと思う。

加害者を生み出さない社会に

 事件は、社会の価値観が反映していると思う。
今の日本社会で、子どもたちは守り育てていく大切な存在ではなく、労働者として、消費者として、愛玩具や性的対象として、現在・未来にわたって搾取する対象になっている気がする。あるいは、子どもを何を考えているかわからない、大人の常識・良識が通じない危険な存在として恐れる。
 もう一度、子どもたちをこの国の未来を託す存在として、大切に守り育てていかなければならない存在であることを大人たちは再認識すべきだと思う。

 企業は目の前の儲け主義に走るのではなく、子どもの生育にマイナスになるものは、けっして作り出さないモラルも必要だろう。
 政府は、大勢の子どもたちが犠牲になってから重い腰をあげるのではなく、必要な施策を子どもたちが傷つく前に英知を終結し全力をかけて行うべきだろう。
 
 また、社会全体に子どもの連れ去りやわいせつ事件に対してまだまだ認識の甘さがあるように思う。
だいぶ少なくはなったが、わいせつ行為のことを「いたずら」ということ自体、たいした犯罪ではないという刷り込みがあるように思う。被害者にとっては、子どもであっても、一生心に傷を残すかもしれない重大事だ。

 地域にはイメージもある。あまり不祥事を表に出したくない気持ちはあるだろう。しかし、ひとつの事件がおきる周辺には、実は多くの事件が存在していることがよくある。知っていたら防げたかもしれない事件もある。そうした情報の共有が、危険回避につながる。犯罪への関心の高さが、子どもを守る力や抑止力にもなると思う。
 また、大きな事件がおきると、触発されたり、手口を真似するものが現れる。あまりセンセーショナルに事件を取り上げることは害があるだろう。一方で、正確な情報は、犯人逮捕のためにも、防止策のためにも必要だと思う。
 
 連れ去りを未然に防ぐことができたり、早期に解決できた例では、被害者のきょうだいや友人、知っている大人が事件を目撃していることが多い。人間関係が希薄で、知らない人間が被害にあっても面倒なことに巻き込まれることを恐れて動かない大人でも、知っている子どものためには動く。子どもが地域のひとにあいさつをするということは、顔を覚えてもらえる。いざというときの安心につながる。
長い間、コミュニティーが子どもを守ってきた。事件多発の陰にはコミュニティーの崩壊も影響していると思う。
防犯ビデオで監視の目を強化するよりも、人間の暖かい心と目、行動で、子どもたちを守っていくことが、社会全体にとっても有益なことだと思う。


 そして、何より、加害者を生み出さない社会をつくることこそが、最大の防止策であると思う。
そのためには、ただ親たちを責めるのではなく、悩んでいる親に協力する体勢をつくっていくこと。子どもたちが人間関係を取り戻せるような環境を整えていくこと。
 パーチャルな欲望に対抗できるものは、豊富な現実の経験(体験)だと思う。たくさんのふれあいのなかから、他人にも自分と同じ感情があることを学ぶ。ひとを大切にする心を育てる。






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