「当事者や親の知る権利の要望書」について
これまでの経緯 2007年5月25日(金)、いじめ自殺を含めた学校事故・事件の被害者や遺族とともに、国をはじめ、文部科学省、各政党あてに、「当事者と親の知る権利」を認めてほしいという内容の要望書を提出しに行きました。 その回答が、文部科学省初等中等教育局児童生徒課長と、法務省人権擁護局から返ってきました。 残念ながら、中身をきちんと検討したうえでの回答とも、学校事故・事件の被害者や遺族の心情に寄り添ったものとも思えません。 そこで、2007年10月16日(金)、前回の文部科学省の回答に対して、一問一答形式の質問書を、小森美登里さんと森美加さんが代表して提出してきました。 当初は、質問書を郵送するつもりでしたが、前回同様、民主党の千葉景子議員のお骨折で、急遽、池坊保子文部科学省副大臣に再びお会いして、直接、手渡すことができました。また、その席で、この質問書に対する回答を下さる旨のお約束もいただくことができました。 当初、10月末までにお返事をいただけるということでしたが、文部科学省のほうから、もう1週間回答を待って欲しい旨の連絡がありました。少なくとも、11月18日のNPO法人ジェントルハートプロジェクト主催の「親の知る権利を求める緊急シンポジウム 〜学校のいじめ・事件・事故の根絶を願って〜」には内容をお知らせすることができると思っていましたが、結局、その日までに回答をいただくことはできませんでした。 民主党の楠田大蔵議員が国会質問してくださったこともあって、ようやく2007年12月12日付けで、文科省から質問書の回答をいただくことができました。 しかし、内容的には学校事故・事件、いじめ被害にあった子どもたち、親たちに何も知らされていない現実、事件・事故の教訓がその後に全く生かされていない現実に対して、あまりに現状認識に欠け、この国の教育行政のトップとしての責任を回避する内容であると感じています。 2008年2月10日、NPO法人ジェントルハートプロジェクト主催で、「親の知る権利を求めるシンポジウム」第2弾を開催しました。第一部は、小森香澄さん(980725)の裁判の和解にみる知る権利の重要性について。第二部は、福岡の森啓祐くんのお母さん、津久井の平野洋くんのお母さん(940715)、小森香澄さんのお母さんをパネラーにディスカッションを行いました。 2008年5月、渡海文部科学大臣秘書あてに、「自殺、事件、事故後の調査書」 【案】とアンケート調査をする際の注意事項 【案】を郵送しました。 2008年6月10日、参議院議員会館第一会議室をお借りして、ジェントルハートメッセージ展を開催しました。 そのなかで、計3回、来場した議員さんらに、「親の知る権利」についてアピールを行いました。 国会が審議で忙しいなか、思っていた以上にたくさんの議員さんが来てくださいました。計3回行った遺族からの報告(主に、平野洋くんのお母さんと、森啓祐くんのお母さん)とわたしたちの提案(学校と保護者が情報を共有するための、自殺、事件、事故後の直後の調査票フォーマットなど)タイムにも参加し、熱心に質問してくださる議員さんもいました。 2008年9月16日、 文部科学省の担当者から、2008年5月に提出した、「自殺、事件、事故後の調査書」 【案】だけでなく、2007年5月25日に出した当事者や親の知る権利の要望書に対しても、再度、お返事をいただけるということで、文科省に伺いました。 結果は、私たちの提案を専門家たちの精査もなしに受け入れるわけにはいかないということと、自殺予防に取り組んでいるという内容でした。 再度、提案のどの部分が、どういう理由で採用できないのか、あるいは、どの点を変えたら採用できるのか検討をしたうえで返事をいただくことをお願いしました。 今後とも、継続してこの問題を扱っていきたいと思います。 なお便宜上、個人サイト「日本の子どもたち」(http://www.jca.apc.org/praca/takeda/)で、内容や経緯についての報告をさせていただいています。 ご了承ください。 S.Takeda |
| 目 次 | ||
| 当事者や親の知る権利の要望書 | 2007/5/25 | |
| 解説・ほか | 2007/5/25 | |
| 法務省人権擁護局の回答 | 2007/5/31 | |
| 文部科学省初等中等教育局児童生徒課長の回答 | 2007/6/8 | |
| 解説・ほか | 2007/6/22 | |
| 文部科学省回答(2007/6/8)に対する質問 | 2007/10/16 | |
| 質問(2007/10/16)に対する文科省の回答 | 2007/12/18 | |
| 参議院議員会館第一会議室で、ジェントルハートメッセージ展開催(2008/6/10) 配布資料 |
2008/6/23 | |
| いじめ自殺や事件・事故を繰り返さないための私たちの提案と要望 | ||
| 「自殺、事件、事故後の調査書」 【案】 | ||
| アンケート調査をする際の注意事項 【案】 | ||
| 文部科学省の審議官と生徒指導室長との面談 | 2008/9/16 | |
| 2008/9/16 | 文部科学省の審議官と生徒指導室長との面談。 文部科学省の担当者から、2008年5月に提出した「自殺、事件、事故後の調査書」だけでなく、2007年5月25日に出した要望書に対しても、再度、お返事をいただけるということで、文科省に伺いました。 結果は、私たちの提案を専門家たちの精査もなしに受け入れるわけにはいかないということと、自殺予防に取り組んでいるという内容でした。 再度、提案のどの部分が、どういう理由で採用できないのか、あるいは、どの点を変えたら採用できるのか検討をしたうえで返事をいただくことをお願いしました。 以下は、今までの当事者や親の知る権利の要望書、緊急メッセージ、いじめ自殺や事件・事故を繰り返さないための私たちの提案と要望 「自殺、事件、事故後の調査書」 【案】 アンケート調査をする際の注意事項 【案】 とともに報道の方に配った内容です。(ほかにも、当日、1999年から2008年までのいじめが原因と思われる自殺の一覧と、文科省ほかのの認定結果を対比した表を用意しましたが、量が膨大なので、割愛します) ※当日の様子と個人的な感想をわたしの雑記帳(2008/9/19付け)にUPしました。 ※千葉景子議員のサイトにも、当日の様子が写真入りでUPされています。 (http://www.keiko-chiba.com/reports/topics/20080917.html) |
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文部科学省のいじめに対する方針について ● 1995/12/15 「いじめの問題への取組の徹底等について」の文部省初等中等教育局長通知のなかで、「いじめの問題を学校のみで解決しようとせず、いじめを発見した場合は、速やかにいじめている児童生徒、いじめられている児童生徒双方の家庭にいじめの実態や経緯等について連絡し、双方の家庭の協力を求めるとともに、適宜、PTA等にもいじめの状況や学校としての取組状況について報告し協力を求めるなど、家庭との十分な連携を図ること」とする。 ● 2006/10/19 各都道府県・指定都市教育委員会の担当者を集め、問題を隠すことなく迅速に対応するよう、取組の徹底を求める。 「いじめの問題への取組の徹底について」の初等中等教育局長通知のなかで、「また、今回のような事件を二度と繰り返さないためにも、学校教育に携わるすべての関係者一人ひとりが、改めてこの問題の重大性を認識し、いじめの兆候をいち早く把握して、迅速に対応する必要があります。また、いじめの問題が生じたときは、その問題を隠さず、学校・教育委員会と家庭・地域が連携して、対処していくべきものと考えます。」と書いている。 ● 2006/11/6 文部科学相あてに、自殺予告の手紙が届く。 ● 2006/11/17 伊吹文部科学相が、子どもたちに向けて「緊急メッセージ」。 ● 2006/11/29 首相直属の「教育再生会議」が「いじめ問題への緊急提言」をまとめる。 ・見て見ぬふりをする者も加害者であることを徹底指導 ・問題を起こす子どもへの指導・懲戒基準を明確化し、毅然と対応 ・いじめに関与、放置・助長した教員に懲戒処分適用 ・学校はいじめを隠さず、学校評議員などに報告など ● 2006/12/ 99年度以降に自殺との関係が指摘された計41件について、教育委員会の当時の資料などをもとに再調査。内14件にいじめが認められ、「自殺の主な原因」(3件)、「他の原因も考えられるため、自殺の一因にとどまる」(6件)、「自殺のあった時点ではすでに解決するなどしていたため、原因とまではいえない」(5件)に分類されている。 ● 2007/1/18 政府の教育再生会議が7つの提言。 ・「ゆとり教育」見直し(公立学校の授業時間を10%増) ・いじめや暴力を繰り返す子どもに出席停止制度を活用 ・体罰の範囲」を見直す ・教員免許更新制導入 ・第三者機関による学校、教育委員会の外部評価実施 ・市町村教委に教職員人事権を移譲。小規模市町村の教委を原則統廃合 ・民間人の教員登用。社会人経験者など採用教員の多様化・高校で奉仕活動を必修化 5つの緊急対応 ・「ゆとり教育」の見直し ・教員免許更新制導入 ・学校の責任体制の確立等 ・反社会的行動をとる子供に対する毅然たる指導のための法令、通知等の見直し ● 2007/1/19 文科省、いじめの定義を見直し(案) 調査対象に国立・私立学校を加える 「いじめ」の定義を「当該生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」とした。 いじめの「発生件数」を認知件数に改める。
■いじめ・自殺問題への取組について http://211.120.54.153/b_menu/shingi/chousa/shotou/040/shiryo2/07102502/001.pdf 北海道滝川市の自殺、福岡県筑前町の自殺について ・いじめの早期・発見・早期対応に課題があった ・自殺後の教育委員会等の対応が不適切だった ・教職員において不適切な言動があった としながら、 「いじめの対応」のなかで、自殺後の対応については何ら触れられていません。 ■文部科学省 いじめ対策Q&A (http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/040/toushin/07030123/001.pdf) P5 「いじめの初期対応」の確認ポイントで、 「最初の対応が不適切であると、子どもが大人への不信感を増したり、話さなくなったり、追い詰められたり、いじめがより深刻になったり、潜伏したりする危険性があります。“適切な対応とは何か”について、絶えず意識し、タイミングを逃さず対応できるように体制を整えておきましょう。 P8 「保護者からいじめの訴えがあったとき」 「保護者は学校以外の場面での子どもの状態を把握しています。教員は学校で接している子どもの様子に惑わされないように聴きます。」 「保護者と学校で情報をすりあわせ、事実の確認作業をすることが大切です」 「情報収集」 「子どもたちに事実関係の確認を行います。具体的には、教師やSCが分担して個別に聞き取りを行ったり、必要があれば、全体に無記名のアンケートを行ったりします」 P12 いじめた子どもへの対応 「どうしてそんなことをしたくなったのか」「振り返ってみて、何が起こったのか語れるかどうか」、問いかけてみましょう。まずは、本人の言い分を充分に聴き取ることが第一です。そして、その子どもたちの気持ちや背景を充分理解した上で、「理由はどうあれ、その行為自体は許されないことである」こと、その行為の結果に「どう責任を取れば良いかを一緒に考える」よう促しましょう。 行為自体をなかなか認めない場合は、「残念ながら事実を積み重ねるとあなたが加害側であると判断せざるを得ない」「被害者の言い分や周囲の客観的な情報とあなたの認識が食い違っているのはなぜだろう?」などと問いかけながら、事実に迫っていきましょう。 この時、保護者も否認したい気持ちになっていたり、他の保護者との関係で孤立感を深めていることがあります。子どもに対する場合と同様に、加害の事実を認める苦しさを理解し、他の保護者にも理解を求めて皆で子どもたちの育ちを支えていくことを提案しましょう。 加害者側の子どもが複数いる場合には、事実確認のための聴き取りは複数の教員で分担して迅速に行うことが必要です。 P15 自殺未遂が起きた場合 「その子どもや保護者と相談して、子どもが傷つかない方法できちんと説明をしましょう。曖昧なままで放置すると、噂はますます広がります。 P16 実際に既遂者が出てしまった場合 「あまりにも衝撃的な出来事があると、人は事実として受け入れることができず、否認・否定しようとしたり、誰かや何かに責任を全て押しつけて気持ちを安定させようとする傾向にあります。このことに気づいていないと、二次的被害を生むことになりますので注意しましょう。 二次被害を予防しましょう。子どもだけでなく、保護者や教師も動揺しています。関係者全てが大きく傷ついていることを自覚し、緊急対応の体制を取りましょう。 (緊急保護者会では) @はっきりわかっている事実で、子どものプライバシーに配慮して公にできるものに限定します。 A不明確なことやプライバシー及び人権保護上の問題が含まれるものに関しては話せないことを明言します。 D間違った噂が広からないように協力を求めます。 (マスコミ対策は) 二次被害の危険が大きい時は、子どもの安全確保のために報道を自粛してもらうよう依頼することも必要です。 ■いしめ問題に対する取組事例集 http://www.nier.go.jp/shido/centerhp/ijime-07/mokuji00.pdf P31 アンケート取組について 「いじめ問題の緊急アンケートは一定以上の効果があったと思われる。公表・実施しなければ表面化しなかった問題や学校の姿勢により申し出を決断した件も多かった。」と評価している。 P93 「寛容の名のもとに曖昧な指導を行わない」では、 「当たり前に行うべきことを当たり前として徹底して教えていく」とあります。
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| 2008年6月10日、参議院議員会館第一会議室で、ジェントルハートメッセージ展を開催。当日、配布資料から。 (ほかに「いじめが原因と疑われる自殺・事件概要229例と、いじめ・生徒間暴力裁判一覧77例の資料(武田作成)、2007年11月18日「親の知る権利を求める緊急シンポジウム資料集」などを用意しました。) ※ 事件直後のアンケート調査と注意事項の案はすでに、文部科学省に提出済みです。 新聞社は何社か来てくださいましたが、ネットで見つけることができたのは毎日新聞の都内版吉永さんの記事 (http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20080611ddlk13040329000c.html)だけでした。 議員さんのサイトは検索した結果、3件UPしていただきました。 田名部匡代(たなぶまさよ)さんのサイト http://www.masayo.gr.jp/ 井上哲士(いのうえさとし)さんのサイト http://inoue-satoshi.com/sf2_diary/sf2_diary/20080610.html 佐々木隆博さんのサイト http://s-takahiro.air-nifty.com/blog/2008/06/post_f3e7.html ほかにもあるかもしれませんが。 |
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学校事件・事故・いじめについて 【知る権利を求める緊急アピール】 子ども達のいじめは止まる所を知らず、一段と深刻化しています。 その為、年間の青少年の自殺は減るばかりか、今年度は激増しました。 中学生の1割以上が鬱状態に陥り、解決策がない中、現場の教員までもが心の病に冒されてしまうという事態が起きています。 その様な中、子ども達の心と命は悲鳴を上げています。 救う手立てが無いこの事態を打開することは、大人としての急務です。 そこで、現実をしっかり把握する為に「学校、教育委員会、家庭、地域の連携」を一刻も早く実現しなければなりません。 これは、文部科学省の通知と、教育改革の主旨でもある事です。 しかし残念ながらそれらは未だ実現されていません。 私達は、それらの打開を求める為に、去る5月25日に、知る権利についての「要望書」を内閣府、文部科学大臣、各省庁と政党代表者へ、そして、10月16日には同じく知る権利についての「質問書」を、内閣府と文部科学大臣へ届けました。 しかし残念ながら、文部科学省の回答と、その後の対応は、「真に子ども達を守るに足る内容ではない」と判断せざる終えません。 そこで、社会へ向けて以下の二点を重要なポイントと考え、知る権利を求める為に緊急のアピールを致します。 ・事実認定に至るまでの情報を、遺族・被害者家族と学校が共有する事。 ・加害者となってしまった子どもに正しい反省の機会を与える事。 真実を踏まえる事により、初めて正しい対応策はとれるのです。 それが、子ども達の心と命を救うための基本となるものです。 この二点を速やかに実現するため、多くの国民が子ども達の心の問題の重要性に気付く事を切望致します。 そして、国への働きかけに対し協力をお願い致します。 平成19年11月18日 「学校事件・事故・いじめについて親の知る権利を求める会」 世話人 NPO法人ジェントルハートプロジェクト 理事 小 森 美 登 里 [緊急アピールについての説明] 問題解決には真実の究明と問題発生の検証作業が何より必要です。 真実の究明には、まず遺族・被害者側と学校、双方の情報が必要です。 偏った情報だけでは真実は明らかになりません。 事件直後に、広く情報を収集し調査することが大切で、子ども達の調査協力が不可欠です。 その為に、「二度とこのような事が起きないための大切な調査です。情報は学校と家庭が共有します」と記した調査書類への協力が必要になります。 調査の必要性は子ども達にも十分理解が出来ます。 個人情報保護法の目的は「個人情報を大切にし目的外使用を厳しく制限すること」ですので、「二度と繰り返さないため」という目的がはっきりしている場合、ましてや他人の情報ではなく、教師が学校内で起きた事を知る事、親が我が子の身に起こったことを知るこ事については、個人情報保護の目的から外れるものではありせん。 また現行では、学校内で起きた事故については、両親からの情報や認識について報告欄がありますので、それに準じた形で、今後はいじめなどに対する「事故報告書」へも、発生した問題に対する家庭の認識や情報や事実の記載欄を新設し、双方の情報を記載するなどすれば、情報の偏りを防ぎ、連携を確保する事ができます。 また、隠蔽や虚偽報告により、子ども達の人権が侵害されるような事が起きないために、隠蔽や虚偽報告が学校や教育委員会で起きてしまった時の法整備の必要性があります。 まずは、問題が深刻化する以前に、学校内でいじめ発生を認識した時点で、学校は生徒の教育を受ける権利が侵害されないよう、教師間、家庭との連携を密にする事が必要です。 [現在の問題点] ・学校と情報の共有が出来ない中、遺族、被害者は、真実を明らかにするため、不本意な 民事裁判を起こさなければ、事実の究明をしなければなりません。 ・真実が隠蔽される中、加害行為をした子どもは真実に向き合う機会を失い、反省の機会 までも奪われています。 ・学校、教育委員会、家庭、地域の連携と情報の共有が無い状況では、再発の防止策を立てることなど出来ず、いじめ問題を深刻化させています。 [情報共有実現後の利点] ・遺族、被害者となった者が、真実を知るために行っている裁判が減る可能性があります。 ・学校は、いじめの事実を隠蔽しなくてもよくなります。 ・加害行為をした者に対し、反省を促し正しく生き直す指導が出来ます。 ・事件が発生した学校や地域が、二度と同じ過ちが繰り返さないための対策を立てること が出来ます。 ・早期解決に結びつき被害の深刻化を防ぎ、これに係わった人の心の回復が早まります。 |
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| いじめ自殺や事件・事故を繰り返さないのための私たちの提案と要望 | ||||
いじめ自殺や事件・事故を繰り返さないための私たちの提案と要望 2008.6.10 NPO法人ジェントルハートプロジェクト 理事 武田さち子 ●なぜ、同じ事件・事故が繰り返されるのか 子どもの事故予防工学カウンシル(CIPEC)代表の小児科医・山中龍宏氏は、 同じ事故がおき続けている主な原因として、 @情報が集まらない A分からない(知識化できない) B伝わらない(現場に) という3点をあげています。 そして予防につなげる為に大切なのは、 @情報を収集に関して、 a.子どもの目線になって、正しく、具体的に事故の状況を把握する。 b.具体的な状況を掴んだら、情報を整理する。 c.必要な情報を確認する。 A上記で得られた事故情報を安全知識に変える。 B再発防止の為に情報を社会に知らせていく。 以上のことであると指摘されています。 事件・事故直後の調査票の提案 私たちは、学校にかかわることが原因と推測される自殺や事件・事故が起きたときにも、まずは、子どもの目線になって、正しく、具体的に事件・事故の状況を把握することが大切だと考えます。そのために、事件・事故直後に実施する児童・生徒に対する調査票を提案します。 正しい「個人情報保護法」の運用に関する要望 (資料集P34参照) 現在、学校における事故・事件の情報収集の壁になっているのが、「個人情報保護法」です。 本来、個人情報保護法は、 @利用目的による制限、 A適正な方法による取得、 B内容の正確性の確保、 C安全保護措置の実施、 D透明性の確保、 という5つの基本原則でなりたっています。しかし、現状では、利用目的による制限と、開示の適用除外のうち、「第三者の利益を害するおそれがある」「個人情報取扱事業者の正当な利益を害するおそれ又は業務の適正な実施に支障を及ぼすおそれがある」ことが前面に押し出され、本人やその代理人たる遺族に情報が開示されません。結果として、B内容の正確性の確保、D透明性の確保がまったく担保されず、訂正等の権利さえ奪われています。 一方、前述の山中氏によれば、事故情報は個人情報保護法の適用外ということです。これは開示しないことのほうが、かえって第三者の生命、身体、財産その他の利益を害するおそれにつながるからではないでしょうか。 いじめや学校事件・事故の場合も、情報が開示されないことで、子どもたちの死が教訓として生かされず、同じような事件・事故が繰り返され、子どもたちの生命、身体が危険にさらされています。学校内の事件・事故情報も個人情報保護法の適用除外として、むしろ積極的に開示し共有すべきではないでしょうか。 ●第三者委員会設置の懸念 (資料集P59〜65参照) 現在、様々な事案で、第三者委員会の設置が検討されています。しかし、当事者や親の知る権利が確立されないまま第三者機関を立ち上げることは、かえって当事者や親から知る機会を遠ざけることになるのではないかと懸念します。調査に関与することができず、詳細を知らされないまま、第三者に結論を出されるのは、当事者や親にとって受け入れがたいことです。 実際に、交通事故等でも、加害者でも被害者でもない第三者としての保険会社が介入し、一旦、結論が出されてしまうと、内容に不信感を抱いた被害者や遺族が、その結論を覆すのは並大抵のことではないと聞きます。 また、いじめ加害者、被害者という子ども達の立場から考えると、加害者にとっては時間が経過すればするほど反省は困難であり、その間に被害者の子どもたちの心の傷をより深くしてしまう可能性は高くなります。このことからも直後の調査が重要と考えます。 第三者委員会を設置するのであれば、まずは、当事者や親の知る権利を認め、その権利を適切に行使するための手段のひとつとして位置づけていただきたいと思います。権利の主体は第三者ではなく、あくまで、被害者やその親であるべきだと思います。「犯罪被害者等基本法」でも、被害者や遺族が、解決に至る過程について関与することを被害回復のための重点課題としています。 |
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| 「自殺、事件、事故後の調査書」 【案】 | ||||
「自殺、事件、事故後の調査書」 【案】 去る○月○日に発生した、同校○年生の○○さんの件で伺います。 一体何があってこのような事が起きてしまったのでしょうか。 この調査の目的は、二度とこのような悲しいできごとが起きないようにするために、このことに関する原因を探り、新たな対策を立てる事です。 私達は○○さんの苦しみを無駄にしては決してなりません。 みなさんの知っていることを教えて頂く為アンケートを実施しますのでご協力をお願いします。なお、アンケートの内容は、自分の子どもに何があったかせめて真実を知りたいというご家族の願いに応える為に、ご家族にも報告することをご理解ください。 問1. あなたは○○さんについての情報が何かありますか。 ある ・ ない ある方はこのまま次へ、無い方は問2へ進んでください。 あなたが自分で見たこと聞いたこと いつ頃、どこで、だれから、どんなことを何回くらい? ふざけているだけに見えたことでも、気になったことがあれば書いてください。 また、ここ1〜2週間で変わったとなどありましたか? お友達から聞いたこと (いつ頃、だれから、どんなことを聞きましたか?) 問2. 何か伝えておきたいことや相談したいことがあれば、書いてください。
問3. ○○さんの事について、宜しければ今のあなたの気持ちを書いてください。 ○○さんやご家族へのメッセージやでも結構です。 ありがとうございました。今後も何か思い出したり、いい足りなかったことがあったら、先生とご家族の方に知らせてください。ご協力ありがとうございました。 年 組 名前( )名前は書いても、書かなくてもいいです アンケートは封筒に入れて、封をしてから、担任の先生に提出しください。 |
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| アンケート調査をする際の注意事項 【案】 | ||||
アンケート調査をする際の注意事項 【案】 ※アンケート調査用紙で何を聞くか以上に、いつ、どのように聴くかが実はとても大切てす。 ここでは主にいじめ自殺を想定しての注意事項を書いていますが、他の事件、事故にも応用していただける内容だと思います。 1.事件発生後、できるだけ3日以内、遅くとも1週間以内にアンケート調査を実施してください。 【解説】 ・ 加害行為をした生徒同士が口裏あわせをしたり、他の生徒らに口止めをすることがあります。時間がたてばたつほど、生徒らは事実を言いづらくなります。 ・ ひとつのいじめが表面化した陰には何人もの被害者がいたり、クラスや部活、学校全体にいじめの雰囲気が蔓延していることがあります。被害者は一般の生徒以上にショックを受けています。二度と同じ悲劇をー繰り返さないためにも、早急に事実を把握し、有効な手立てを打ち、救済することが大切です。 ・ 心のケアが必要な生徒に対して、早急に対応する必要があります。 「学校トラウマと子どもの心のケア」によれば、クライシス・レスポンス・チームは「二次被害の拡大防止と心の応急処置」のために「「依頼から到着まで4時間以内」「1時間遅れると、間に合わない対応が出てくる」と書かれています。( P143) また、「心的外傷では安全感、安心感の確保のため事件直後できるだけ速やかに全容を正確に把握し、関係者間で情報を共有すること」「被害児童一人ひとりの外傷の影響を評価すること」「その評価に基づいて対応、治療に結びつけること」(P195) とあります。 ・ 時間がたつと、様々な噂話や周囲の情報に影響され、事実が歪められてしまうことがあります。直後であれば、日時、場所まで特定できたものでも、時間がたてば、記憶もあいまいになりがちです。また、他の生徒が誰も話していない内容を自分が話すことに罪悪感やためらいを感じるようになります。
2.プライバシーや遺族の思いに十分に配慮したうえで、生徒たちに亡くなった生徒の学年と氏名、死の直接の原因(自殺・病死・事故死など)などできるだけ事実を伝え、悲しみを共有するようにしてください。事情が許すようであれば、遺族と生徒たちに何をどのように伝えたらよいかを話し合って内容を決めてください。 【解説】 ・ 大人たちが隠していても、いずれ事実は生徒らに伝わります。ときには無責任な噂から、事実が歪められて伝わることもあります。全く関係のない生徒が加害者扱いされたり、誰が話したかの犯人探しが始まるなど、大人たちが事実をあいまいにすることで二次被害も起こりえます。 ・ どのように伝えるかがとても大切です。生徒が自殺したときに単に「命の大切さ」を説いても、生徒たちは亡くなった生徒のことを「命を大切にしなかった悪い例」と受け取るだけで、ゲームのバーチャルな世界に慣れ、身近に大切なひとの死を経験したことのない子どもたちに、本当の意味での「命の大切さ」を教えることはできません。 ・
生徒たちは、大人たちが失われた命を惜しみ悲しむ姿を通して初めて、命が失われるということはとても悲しいこと、命は大切なものだと気づくのではないでしょうか。「学校トラウマと子どもの心のケア」(藤森和美/誠信書房)では、自殺の連鎖を避けるためにも「亡くなった子どもや遺族の気持ちを考えることを促す」などと書いてあります。(P91) ・ 前提となる事実がアンケート用紙に書かれていないと、あるいは事前に教師たちから伝えられていないと、生徒たちは、何について書いてよいか混乱してしまいます。 ・ 生徒たちは「ちくった」と言われ、仲間から非難されたり、排除されることを一番に恐れます。すでに情報があがっていることがわかれば、自分に責任がかかってくるわけではないと、安心して書くことができます。より具体的な事実が出てきやすくなります。 ・ 加害行為をした生徒も、すでに事実が知られていると覚悟すれば、自分から告白しやすくなります。自分から言えることが反省を生む最大のきっかけになります。逆に、悪いことをして、重大な結果を招いたとしても大人たちに知られさえしなければ、なかったことになると思えば、周囲の人間を脅して口封じをするなど、隠蔽することにばかり関心が向き、真の反省は生まれません。 3.まずは教師間で、事実を正しく把握することの大切さと隠蔽することの弊害を再確認してください。生徒たちに何を話すかを教師間で意思統一をしたうえで、アンケート調査に際して、余計なことは一切言わないでください。 【解説】 ・ 生徒たちは、自分の勘違いだったらどうしよう、自分が言ったことがわかって報復されたらどうしよう、周囲からちくった裏切ったと言われ排除されたらどうしようなどと、事実を書くことを不安に思っています。そこへきて、「不確かなことは言わないように」「事実だけを書くように」などと言われると書きづらくなります。生徒が思っていることを安心して書けるように配慮してください。そのことは、心のケアの第一歩となります。 ・ また、大人が「亡くなった子どもにも非があった」「家庭に問題があった」などと言うと、影響されて、事実が歪められてしまうことがあります。先入観をもっている教師に対して、事実を報告しにくくなります。 4.遺族の悲しみに寄り添うことと、二度と悲劇を繰りかえさないために必要なアンケート調査であることをしっかり伝えてください。事実を書いた生徒が被害にあうことがないように、学校は全力で生徒を守ることを約束してください。ただし、「先生だけが見る」「遺族には見せない」などと勝手な約束、できない約束を生徒にしないでください。 【解説】 ・ いじめのない学校づくりを実現するためにも、将来の犯罪抑止のためにも、生徒たちに、悪いことをすれば必ず、結果に現れる。この世に「正義はある」と信じさせてあげてください。 ・ 被害者が守られず、加害者が学校から守られると生徒たちが思えぱ、生徒たちは被害を訴えることができなくなります。被害者になるよりは、加害者になったほうが得だと思ってしまえば、学校に暴力が蔓延するようになります。 5.生徒がアンケートに書いた内容を知られるのを一番恐れるのは、生徒同士で知られてしまうことです。記入に際しては、誰かと相談したり、見せ合ったりしないように指示ししてください。
(テストの要領と同じ)。封筒で集める、教師が直接集めるなどして、絶対に生徒同士で集めさせないでください。その場で書けない生徒は自宅に持ち帰って記入することも可能なように、配慮してください。また、誰がどのような内容を書いたか、生徒に絶対に明かさないよう、厳守してください。 【解説】 ・ 一般的ないじめアンケートでさえ、教室のなかでは書きにくいということがあります。まして、自殺者が出るなど深刻な事態になれば、なおさら書きにくくなります。 ・ 事実を書いたことで加害者たちから報復されることや周囲から「ちくった」と非難されることがあります。それらの可能性を考慮に入れたうえで、生徒の安全には十分、気をつけてください。 6.たとえアンケートに書くことができなくとも、いつでも話したいことがあれば、話にきてほしいと、学校・教師がこの問題に継続して真剣に取り組む姿勢を生徒に示してください。 【解説】 ・ そのときには事実を書いたり、相談できなかった生徒が、後日、決心したり、思い出したりしたことを伝えたいと思うときがあります。その時に、「もう終わったこと」「なぜ、あの時に言わなかったんだ」などと言われてしまうと、せっかく開きかけていた心を閉ざしてしまうことがあります。口を封じられると、大人への不信感が芽生えます。 ・ その場しのぎの対応ではなく、継続した取り組みが、学校からいじめ・暴力をなくしていきます。 ・ 困ったことがあればすぐに教師に相談できる体制を整えてください。 ・ 生徒が自分の知っていることをどれくらい書くか、書かないかは、教師との信頼感(ラポール)にかかっているといえます。生徒から何も情報があがってこない場合、信頼されていないと思ってください。生徒との信頼回復に努めてください。場合によっては、第三者機関との連携も考えてください。 参考図書 「あなたは子どもの心と命を守れますか!」 武田さち子/WAVE出版 「わが子をいじめから守る10カ条」/武田さち子/WAVE出版 「日本のいじめ」予防・対応に生かすデータ集/森田洋司ほか/金子書房 「学校トラウマと子どもの心のケア」/藤森和美/誠信書房 |
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| 質問(2007/10/16)に対する文科省の回答(青字部分) (回答のみで返ってきたものをわかりやすくするために質問項目と並べて表記) |
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特定非営利活動法人ジェントルハートプロジェクト 様 平成19年10月16日付けでご質問のあった件につきまして、下記のとおり回答致しますので何卒宜しくお願いいたします。 平成19年12月12日 文部科学省初等中等教育局児童生徒課 記 1 事故報告書について 質問【1】 貴職は、この現実を認知していますか。 回答【1】 いじめや自殺などの問題に対しては、問題を隠さず、学校・教育委員会と家庭・地域が連携して対処していく必要があります。子どもをめぐる事件・事故が発生した場合、学校は、子どもを心配する保護者の気持ちに応え、学校における子どもの状況を十分に把握し、保護者に情報提供を行うことが重要であると考えます。 質問【2】 事故報告書の実施根拠に係わる、要綱・要領・様式等をお示しください。 回答【2】 教育委員会等から国への事件・事故に係る報告について、文部科学省において定めた様式等はありません。 質問【3】 平成18年度以前の5年度間に提出された事故報告書件数を、年度別、都道府県・政令市別、及び案件別にお示しください。 質問【4】 提出された事故報告に対して、貴職が教育委員会等に対して指導等を行った事例及び処理顛末を、質問【3】の区分に準じてお示しください。 質問【5】 提出された事故報告に対して、教育委員会等が学校等に対して指導等を行った事例及び処理顛末を、質問【3】の区分に準じてお示しください。 回答【3】〜【5】 2 情報の共有と公開について 質問【6】 貴職は、この現実を認知していますか。 回答【6】 回答【1】で申し上げたとおり、保護者と情報共有を図ることは大切なことであり、各教育委員会や学校において適切な情報共有が行われているものと考えます。 質問【7】 貴職は、「いじめの問題について、真の解決に結びつけるためには、保護者の方々と必要な情報共有を図ることが大切だと考える。」との認識を示されましたが、ここでいう「情報共有を図る」に「必要な」とは、何が「必要」なのか具体な事例をお示しください。 質問【8】 私どもは、「情報共有」に関して、「必要な情報共有」と限定する必要性を感じておりませんが、貴職の考える「必要ではない情報共有」とはどのような事柄なのかを、具体な事例でお示しください。 回答【7】・【8】 質問【9】 現在、事故報告書には家族・家庭からの情報記載欄がありませんが、私どもは、真の解決に結びつけていくためには、学校・教育委員会とその家族・地域の情報共有が不可欠であると考えており、家庭情報の記載の必要性を非常に強く感じています。事故報告書に家族・家庭からの情報記載欄が設けられていない理由・根拠等をお示しください。 質問【10】 既に、事故報告書に家庭情報の記載欄を追加し、学校の認識や情報と併記する改善要望を伝えていますが、この要望に対する貴職の考えをお示しください。 回答【9】・【10】 質問【11】 事件直後の調査の実施は、事実・真実を正確に把握し情報を共有する上で非常に重要な作業です。 回答【11】 子どもたちに対し聞き取り調査やアンケート調査等をどのように行うかについては、一義的には各教育委員会や学校で判断すべき事項であると考えております。一般論としては、いじめの問題については、保護者や友人関係等からの情報収集等を通じて、事実関係の把握を正確かつ迅速に行う必要があると考えております。 3 親の知る権利について 質問【12】 貴職は、この現実を認知していますか。 | ||||