ようこそ、「日本の子どもたち」のホームページへ。

「日本の子どもたちの抱える問題」を中心テーマに取りあげています。
ただし、「わたしの雑記帳」では、あまり枠組みにとらわれずに、誤解や批判を恐れずに書いていきたいと思っています。なんてったって、“わたしの”ページですから・・・。

「日本の子どもたち」というネーミングは、ただ単に、このサイトで扱っている内容を表すためのタイトルです。公的な立場でつくっているサイトではありません。 一市民による自発的な活動であり、個人のサイトです。
従って、偏った見方であるかもしれないことを承知のうえで読んでいただくようお願いします。 

 
 S.TAKEDA


managaha island saipan  /  Photo by S.Takeda



2016/5/26 指導死 現時点で感じている問題点と闘う人びとに参考になる資料
 
 昨年の東広島市の中2男子生徒をはじめ、今年になって、札幌市の高1男子生徒、高崎市の中1男子生徒(未遂)、大阪市の高1男子生徒と、指導死(未遂含む)をめぐっての民事裁判がここのところ立て続けに提起されている。
 (2016/5/26更新「指導死一覧」 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/Shidoushi%20ichiran.pdf 参照)

 亡くなった時ではなく、民事裁判になって初めて、そのような事件があったことを知ることも少なくない。
 自殺の背景調査は適切に行われたのだろうか。家族への説明責任はきちんと果たされたのだろうか。
 以前に比べれば、親の知る権利に応える環境整備はなされてきたと思うが、まだまだ課題は多いようだ。

 「指導死」という言葉の定着はある程度なされたものの、桜宮のように凄まじい暴力と暴言を伴わない事案へのメディアの関心は薄い。多くは後追い記事もない。
 指導死が報じられると、「指導死」の言葉をつくった指導死親の会代表世話人で、NPO法人ジェントルハートプロジェクト理事でもある大貫隆志さんや私のところに様々な問い合わせがあったりするが、記者さんにたくさん話しても、新聞に載るのは1~2行、あるいは紙面の都合でとほぼ全部カットされてしまう。
 そこで、現時点で、私が伝えたいと思っていることをいくつか簡単にまとめておきたいと思う。
 また、この機会に、指導死が疑われる場合に、闘う人びとにとって参考となるであろう資料を上げておく。
 (これは論文ではないので、形式その他あまり気にせず書いている)


●「指導死」という言葉誕生

 「指導死」ということば、2000年9月30日に、息子・大貫陵平くん(当時中2・13歳)を指導死で亡くした(000930)大貫隆志さんの造語。
 生徒指導によって自殺に追いつめられたと言っても、周囲からは「生徒が悪いことをしたから叱られたんでしょ?」「自業自得で死んだのに、先生を逆恨みしているの?」などと言われ、なかなか理解してもらえない。
 そもそも自殺ということ自体、世間で認識されている以上にまだまだ差別偏見が多く、きょうだいや職場での影響、親戚からの非難を考えると、口に出しにくい。
 言えないからこそ、今まで長い間、問題が隠されてきた。
 それが、全国学校事故・事件を語る会(http://katarukai.jimdo.com/)で、遺族同士が話をしたときに、自殺の直接の原因は様々あるものの、多くの共通点があることに、遺族たち自身が気がついた。

 ここ数年、指導死が増えているのは、教師の多忙化やゼロトレランスの導入など、児童生徒を追いつめやすい教育環境の変化もあるものの、ひとつには遺族たちが声をあげたこと、「指導死」という「いじめ自殺」と同じように、長々と説明しなくてもある程度の概要を理解してもらえる言葉ができたことが大きいと思う。

 「指導死」の定義。  (「追いつめられ、死を選んだ七人の子どもたち。『指導死』」  P4 大貫隆志氏による)
1.一般に「指導」と考えられている教員の行為により、子どもが精神的あるいは肉体的に追い詰められ、自殺すること。
2.指導方法として妥当性を欠くと思われるものでも、学校で一般的に行われる行為であれば「指導」と捉える(些細な行為による停学、連帯責任、長時間の事情聴取・事実確認など)。
3.自殺の原因が「指導そのもの」や「指導をきっかけとした」と想定できるもの(指導から自殺までの時間が短い場合や、他の要因を見いだすことがきわめて困難なもの)。
4.暴力を用いた「指導」が日本では少なくない。本来「暴行・傷害」と考えるべきだが、これによる自殺を広義の「指導死」と捉える場合もある。



●有形暴力がなくても死ぬ
 桜宮事件で、教師による体罰が注目を浴びたこともあって、各地で体罰に関する集会がもたれた。指導死についても注目が集まった。しかし、まだまだ有形暴力がなくとも子どもが死ぬということの理解は深まっていないように思う。
 いじめで、有形暴力がなくとも、たとえばSNSを使ったネットいじめでも子どもが死に追いつめられるということは、もはや社会常識だと思う。
 一方で、たくさん起きているいじめ裁判でさえ、まだまだ有形暴力や恐喝など犯罪行為が伴わないいじめは軽視されがちで、第三者委員会chousaiinkai listでも、裁判20141116ijimejisatusaibanでも、いじめそのものが認定されることさえ簡単なことではない。
 まして、自殺との因果関係となると、3月30日に神戸地裁で判決が出た兵庫県川西市のいじめ自殺の民事裁判でも、いじめと自殺の事実的因果関係までは認められたが、自殺の予見は難しかったとして、亡くなった男子生徒が受けた精神的苦痛の慰謝料として同級生3人と県に計210万円の支払いを命じるにとどまっている。

 指導死においても、有形暴力を伴わない指導が原因の自殺の場合、ハードルは高い。
 しかし、現実には、1952年から2015年までに未遂9件を含む指導死86件中、有形暴力が確認されたのは18(21%)。つまり、約8割は有形暴力を伴わない指導により、児童生徒が自殺に追いつめられている。(平成になってからでは65(未遂8)中 有形暴力が確認されたのは9件。)  


●指導死の数字は見えにくい
 指導死は、報道されるものより、警察庁の人数の方が多い。まだまだ、遺族が声をあげられないということを表しているのではないかと思う。

 しかも、いじめ自殺は高校生に比べて中学生が多い、もしくはあまり変わらないが、指導死は中学生より高校生のほうが多い。大学や専修学校でもかなりの数、起きているのも特徴的だ。
年齢が上がるほど、学業であれ、部活動であれ、生徒指導であれ、教師の生徒評価が将来に直接影響するからではないかと思う。とくに、専修学校や大学では、その教科の単位がとれないことは、卒業資格が得られないことにつながる。せっかく就職が決まっていても、卒業できなければ、すべてがダメになる。正社員の門戸が非常に狭くなっている状況では、一生が左右される。大学や専修学校で、未来を夢見た若者たちが自ら命を絶たなくならなくなるような「教師との関係での悩み」とはどういうものなのか、きちんと調査する必要があると思う。

 いじめ自殺の文科省と警察庁の人数の差(5人)より、指導死の人数の差(19人)のほうが大きい。
 児童生徒のいじめ要因より、教師が直接関わっている場合のほうが、学校や教委は認めたがらないということだろう。
 なお、 いじめ自殺で、文科省の数字のほうが警察庁より大きいものは、警察庁は自殺直後に遺書や遺族に聞いた情報から判断しているが、文科省の数字は学校での調査の結果を反映しているため、人数が多くなる場合がある。つまり、指導死と思われる自殺事案も、今後、適正に調査が行われれば、もっと増える可能性がある。

 警察庁の統計では、2007年から2014年までの8年間で、大学や専修学校を入れた統計では、教師との関係での悩みといじめ自殺とでは大差がない。


指導死  文科省・警察庁:教師との関係(での悩み) 
文科省 警察庁 報道 2015.05.武田まとめ
小計 専修 小計
2007 0 0 0 0 0 2 3 5 2 0 7 0 1 2 3 1 4
2008 0 0 1 1 0 2 1 3 0 0 3 1 1 2 4 0 4
2009 0 0 1 1 0 1 2 3 1 4 8 0 1 1 2 0 2
2010 0 0 1 1 0 2 3 5 3 0 8 0 0 0 0 0 0
2011 0 0 0 0 0 1 4 5 5 1 11 0 1 1 2 0 2
2012 0 0 4 4 0 0 2 2 1 3 6 0 1 5 6 0 6
2013 0 1 1 2 0 1 0 1 3 0 4 0 0 1 1 0 1
2014 0 0 0 0 0 3 1 4 3 2 9 1 1 0 2 0 2
0 1 8 9 0 12 16 28 18 10 56 2 6 12 20 1 21


いじめ自殺と比べると

背景にいじめがあったのではないかとされる自殺
文科省 警察庁 報道 2015.05.武田まとめ
小計 専修 小計
2007 0 1 4 5 0 1 6 7 1 1 9 0 4 5 9 2 11
2008 0 1 2 3 0 5 6 11 0 1 12 0 2 3 5 0 5
2009 0 1 1 2 0 3 4 7 0 1 8 0 4 1 5 0 5
2010 0 4 0 4 0 3 1 4 1 0 5 2 7 2 11 0 11
2011 0 4 0 4 1 2 1 4 1 1 5 0 6 2 8 0 8
2012 0 5 1 6 0 2 1 3 1 0 4 0 6 1 7 0 7
2013 0 7 2 9 1 2 2 5 1 0 6 1 5 4 10 1 11
2014 0 3 2 5 0 2 1 3 0 0 3 2 4 4 10 0 10
0 26 12 38 2 20 22 43 5 4 52 5 38 22 65 3 68

【参 照】
・文科省「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」→「自殺した児童生徒が置かれていた状況」(国公私立)
・内閣府自殺対策推進室・警察庁生活安全曲生活安全企画課「自殺の状況」→「職業別、原因・動機別自殺者数」


 なお近年、外部調査委員会などが設置され、自殺の原因を調査することが多くなってきたが、調査結果が出るまでに1年以上を要することもある。
 2007年度から、「自殺した児童生徒の置かれていた状況について、自殺理由に関係なく、学校が事実として把握しているもの以外でも、警察等の関係者や保護者、他の児童生徒等の情報があれば、該当する項目全てを選択するものとして調査」とあるものの、調査中のものは「その他」に分類されているとみられる(いじめ自殺ではと報道され、遺族が「いじめ」が原因と訴えていても、「いじめ」原因には分類されておらず、その理由を関係者に問い合わせたところ、外部調査委員会の結果が出るまでは「いじめ」に入れなくてよいと、文科省の担当者から言われたとの回答をもらった)。
 児童生徒の自殺人数は、過去のものも毎年、文科省の「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」に掲載されているが、「置かれていた状況」はその年度のものしか掲載されない。第三者委員会等の調査結果が出たあと、「置かれていた状況」が訂正されたかどうかは、わからないようになっている。
 せっかく、自殺の背景調査がなされても、その結果が広く情報共有されないのであれば、再発防止に生かすことができないのではないかと思う。


事後対応が問われることの意味
 学校事故事件で、当事者や遺族たちは、学校教師の不誠実な対応、すなわち、事実の隠ぺいと嘘、調査の拒否、脅しともとれるような言動、説明のなさ、情報の非開示に苦しめられてきた。これは、事故事件で受けた肉体的精神的な損害とは別に、本来受けずにすんだ被害、新たな加害行為だ。

 大津のいじめ自殺以前にも、学校の対応を裁判のなかで付随的に問うことはあったが、多くの裁判で学校・管理職の合理的な裁量権の範囲内という判断が多かった。
 ごく一部しか認められず、金額も低かった。(金額の高低は責任の評価に比例すると私は思っている)

 そうした流れのなかで、大津のいじめ自殺では、第三者委員会が調査対象を「自殺後の対応が適切であったかを考察」すること(大津市立中学校におけるいじめに関する第三者調査委員会規則 参照)にまで広げた意義は大きい。
 外部調査委員会が立ち上がった時、被害者や遺族への対応が調査の対象となり、不適切な言動や情報の隠ぺい、嘘が発覚すれば報告書で指摘されるであろうことを考えれば、被害者や遺族への対応の抑止力になっているのではないかと思われる。

 また、同事件で、加害生徒の不法行為や学校の安全配慮義務違反を問う裁判(大津市とは2014年)とは別に、遺族は「黒塗りアンケート確約書事件」訴訟を起こし、2014年1月14日に勝訴判決を得ている( 確定)。
 → 「わたしの雑記帳」 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/message2014/me140115.html  参照。
続いて、出水市のアンケート開示訴訟でも一部が認められている。
    「わたしの雑記帳」 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/message2016/me160131.html  参照

 また、いじめ防止対策推進法に伴う「「いじめの防止等のための基本的な方針」で「重大事態への対処」のガイドラインができた http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/2013ijime_judaijitaihenotaisho.pdf ことで、今までのような学校・教委の自由な裁量権にかなりの歯止めがかかったと思う。
 

 まお、参考までに、それ以前の民事裁判で、学校の調査報告義務違反や事後対応が問題になったものに、以下のものがあった。

 2006年7月4日、学校であった「盗難事件」について「大変なことが起きている」と母親に告げた翌日、鉄道自殺した開智学園の杉原賢哉くん(中3・14)自殺事件の一審、二審で、学校側の調査報告義務違反のみ認め、原告父に10万円、母に10万円、弁護士費用として2万円の計22万円を支払うよう命じた。
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/message2009/me090227.html

 最近、中川明弁護士が書かれた「教育における子どもの人権救済の諸相」(2016年2月12日エイデル研究所発行)のなかで(P122-124)、
 1992年2月21日千葉地裁判決 習志野市立第七中学校「体罰」事件(判例時報 1411号 54頁)で、
 千葉地裁は、慰謝料算定要素として、
 (1)教師らの体罰後の配慮の有無を重視
   ①教師は原告が負傷しているとわかったのに、障害の程度を確認せず、これを放置し、診療等の配慮も
     しなかった。
   ②教師は数日後に一度謝罪したのみで、特別の配慮をせず、原告は長期欠席をするようになった
 (2)校長は本件行為に至った経緯、行為態様、負傷の程度等について事故報告書を作成し、市教育委員会に
   提出したが、報告書の内容に一部不正確な点があった
 (3)原告が再調査のうえ訂正するように求めたが、市教育委員会はこれに応じなかった
 と判断して、これらの配慮の欠如を慰謝料算定にあたってプラス(増幅)要素とした

 続く1993年11月24日浦和地裁 大宮市宮原中体罰・内申書裁判(判例時報1504号 106頁)でも、暴行後の一連の学校長・教師の行為・態度は、「事後的対応の不誠実さを示すものとして慰謝料算定の一事由に取り入れられるべき」と判じされていることが紹介されている。


●裁判の難しさ
 事実認定の難しさ
 裁判になると、訴えた側に立証責任がある。しかし、学校・教委に調査権限があり、ある程度の情報開示はここのところ急速に進んだものの、まず事実が出てくることが難しく、原告側が主張するような指導の事実があったということが認められることが難しい。とくに、いじめ以上に、生徒指導は密室で行われることが多く、当該教師と被害者の2人だけで目撃者がいないこともある。仮にいたとしても、とくに部活動などでは部の廃止や対外試合の禁止、実績のある指導者がいなくなること、指導者から目を付けられ、いじめにあったり、レギュラーから外されたり、学校推薦を受けられなくなることを恐れて、証言者がいない。あるいは、嘘の証言をするものさえ現れる。

 違法性立証の難しさ
 暴力が伴うものは判断しやすいが、暴力を伴わないものは、指導のどこまでが合理的で、どこからが違法性の高いものかを分ける基準がはっきりしない。教師の裁量権内とされてしまったり、多少の行き過ぎはあったものの「違法」と言えるほどのものではないと判断されやすい。
 適切な指導とはどういうものなのか、不適切な指導とはどういうものなのか、もっと国や教育界で議論され、指針が出ることが望まれる。

 自殺の予見性の問題
 文科省は児童生徒の自殺予防ら取り組んでおり、いろいろな資料が配られているとはいえ、生徒側の死を予見させるような具体的な言動がないと、とくに中高生においては、教師が自殺を予見できたと認められることは難しい。
 ただ、指導死の事例が集まり、指導によって子どもが死ぬことがあると多くの人が認識することで、指導をする際には子どもの心身の状態に配慮しなければならないという根拠になるのではないかと思う。
それは裁判だけでなく、教師の認識を変え、指導死を防止することに役立つと思う。指導死を批判し、遺族の声をふさげば、その分、社会的認知が遅れ、子どもたちは死に続けるだろう。


●参考になる資料

参考になる通知・法律・ほか
(直接は関係なくとも、考え方などで参考になる場合があります)

通知時期 主な内容
1947/3/31
学校教育法(昭和22年法律第26号)
http://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/kitei/reiki_honbun/w002RG00000944.html
第11条 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。

1948/12/22
児童懲戒権の限界について
国家地方警察本部長官・厚生省社会局・文部省学校教育局あて
法務庁法務調査意見長官回答

第1問の回答
3  放課後教室に残留させることは、前記1の定義からいって、通常「体罰」には該当しない。ただし、用便のためにも室外に出ることを許さないとか、食事時間を過ぎても長く留めおくとかいうことがあれば、肉体的苦痛を生じさせるから、体罰に該当するであろう。

4  右の、教室に残留させる行為は、肉体的苦痛を生じさせない場合であっても、刑法の監禁罪の構成要件を充足するが、合理的な限度をこえない範囲内の行為ならば、正当な懲戒権の行使として、刑法第35条により違法性が阻却され、犯罪は成立しない。合理的な限度をこえてこのような懲戒を行えば、監禁罪の成立をまぬかれない。

第2問の回答
義務教育においては、児童に授業を受けさせないという処置は、懲戒の方法としてはこれを採ることは許されないと解すべきてある。
学校教育法第26 条、第40 条には小、中学校の管理機関が児童の保護者に対して児童の出席停止を命じ得る場合が規定されているが、それは当該の児童に対する懲戒の意味においてではなく、他の児童に対する健康上または教育上の悪い影響を防ぐ意味において認められているにすぎない。故に遅刻児童についても、これに対する懲戒の手段として、たとえ短時間でも、この者に授業を受けさせないという処置を採ることは許されない。

第3問の回答
児童が喧嘩その他の行為によりほかの児童の学習を妨げるような場合、他の方法によつてこれを制止しえないときには、-懲戒の意味においてではなく-教室の秩序を維持し、ほかの一般児童の学習上の妨害を排除する意味において、そうした行為のやむまでの間、教師が当該児童を教室外に退去せしめることは許される。

第6問の回答
教師は所問のような訊問を行なっても差し支えない。ただし、訊問にあたって威力を用いたり、自白や供述を強制したりしてはならないことはいうまでもない。そのような行為は強制捜査権を有する司法機閥にさえも禁止されているのであり(憲法第38条1項、第26条参照)、いわんや教職員にとってそのような行為が許されると解すべき根拠はないからである。

1958/4/10
施行
2015/6/24
最終改正

学校保健安全法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S33/S33HO056.html

(国及び地方公共団体の責務)
第3条  国及び地方公共団体は、相互に連携を図り、各学校において保健及び安全に係る取組が確実かつ効果的に実施されるようにするため、学校における保健及び安全に関する最新の知見及び事例を踏まえつつ、財政上の措置その他の必要な施策を講ずるものとする。

第3 章 学校安全
(学校安全に関する学校の設置者の責務)

第26条  学校の設置者は、児童生徒等の安全の確保を図るため、その設置する学校において、事故、加害行為、災害等(以下この条及び第29条第3項において「事故等」という。)により児童生徒等に生ずる危険を防止し、及び事故等により児童生徒等に危険又は危害が現に生じた場合(同条第1項及び第2項において「危険等発生時」という。)において適切に対処することができるよう、当該学校の施設及び設備並びに管理運営体制の整備充実その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(危険等発生時対処要領の作成等)
3  学校においては、事故等により児童生徒等に危害が生じた場合において、当該児童生徒等及び当該事故等により心理的外傷その他の心身の健康に対する影響を受けた児童生徒等その他の関係者の心身の健康を回復させるため、これらの者に対して必要な支援を行うものとする。この場合においては、第10条の規定を準用する。
1994/5/20
「児童の権利に関する条約」について
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19940520001/t19940520001.html

6 学校における退学、停学及び訓告の懲戒処分は真に教育的配慮をもって慎重かつ的確に行われなければならず、その際には、当該児童生徒等から事情や意見をよく聴く機会を持つなど児童生徒等の個々の状況に十分留意し、その措置が単なる制裁にとどまることなく真に教育的効果を持つものとなるよう配慮すること。
また、学校教育法第26条の出席停止の措置を適用する際には、当該児童生徒や保護者の意見をよく聴く機会を持つことに配慮すること。

2006/5/
「生徒指導体制の在り方について」調査研究報告書 /  国立教育政策研究所
https://www.nier.go.jp/shido/centerhp/seito/seitohoukoku.pdf

P15 「懲戒を実施する上での留意点」
① 教育的観点から安易な判断のもとで懲戒が行われることがないよう、その必要性を慎重に検討して行うこと。

② 適正な手続きを経て処分を決定すること。(適正な手続きとは、例えば、十分な事実関係の調査、本人等からの事情聴取等弁明の機会の設定、保護者を含めた必要な連絡や指導、適切な処分方法等の通知、などが考えられる)

③ 体罰に該当するような懲戒は認められないこと。(略)  

④ 日常のしっ責や注意の在り方に留意すること
 ア:その場の環境や対象となる児童生徒の発達段階や実態に応じて、効果が変わるので、的確な判断が必要であること (機械的、形式的な処置であってはならないこと)
 イ:懲戒の理由が児童生徒等に理解されていること
 ウ:公平であること (不公平、不当さがあるような処置であってはならないこと)
 エ:感情的であったり、他の子ども達への見せしめであるような処分ではないこと
 オ:教師間で指導や処分に差やブレが生じないようにすること
 カ:処分中又は事後の教育的な指導を適切に行うこと
  など

2006/6/5
児童生徒の規範意識の醸成に向けた生徒指導の充実について(通知)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121502/052.htm

・生徒指導上の対応に係る学校内のきまり及びこれに対する指導の基準をあらかじめ明確化しておくこと。
・指導基準の適用及び具体的指導に当たっては、全ての教職員間の共通理解を図った上で、一貫性のある、かつ、粘り強い指導が行われることが重要であること。
・問題行動等への対応に当たっては、児童生徒の規範意識の向上を図るための取組みと併せて、個々の児童生徒の状況に応じて、教育相談等を通じて、問題行動等の背景やそれぞれの児童生徒が抱える問題等をきめ細かく把握して対応することが必要であり、このような観点からの教育相談・カウンセリング機能の一層の充実に努めること。


別紙  「生徒指導体制の在り方について」調査研究報告書(概要)
 -規範意識の醸成を目指して-
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121502/052/002.htm

・生徒指導に当たっては、児童生徒の発達段階や個々の子どもたちの成長に合わせた指導が大切である。
・児童生徒の個別の事情や、特別な背景等に対する考慮も必要であり、その場合には、児童生徒又はその家庭に対する特別な配慮が必要である。
・ 「出席停止の措置」を効果的に運用していくためには、「措置までの手順」「措置する場合の支援」「措置後の対応」などに関する教育委員会規則等での提示、保護者・住民等への周知について、具体的な手だてを講じる必要がある。

2007/2/5
問題行動を起こす児童生徒に対する指導について(通知)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/07020609.htm

・一時の感情に支配されて、安易な判断のもとで懲戒が行われることがないように留意し、家庭との十分な連携を通じて、日頃から教員等、児童生徒、保護者間での信頼関係を築いておくことが大切である。
・教員等は、児童生徒への指導に当たり、いかなる場合においても、身体に対する侵害(殴る、蹴る等)、肉体的苦痛を与える懲戒(正座・直立等特定の姿勢を長時間保持させる等)である体罰を行ってはならない。体罰による指導により正常な倫理観を養うことはできず、むしろ児童生徒に力による解決への志向を助長させ、いじめや暴力行為などの土壌を生む恐れがあるからである。

別紙 学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰に関する考え方

・教員等が児童生徒に対して行った懲戒の行為が体罰に当たるかどうかは、当該児童生徒の年齢、健康、心身の発達状況、当該行為が行われた場所的及び時間的環境、懲戒の態様等の諸条件を総合的に考え、個々の事案ごとに判断する必要がある。
・個々の懲戒が体罰に当たるか否かは、単に、懲戒を受けた児童生徒や保護者の主観的な言動により判断されるのではなく、上記(1)の諸条件を客観的に考慮して判断されるべきであり、特に児童生徒一人一人の状況に配慮を尽くした行為であったかどうか等の観点が重要である。

2009/3/27


「教師が知っておきたい子どもの自殺予防」のマニュアル及びリーフレットの作成について

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/046/gaiyou/1259186.htm

第2章 自殺のサインと対応
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/
2009/04/13/1259190_5.pdf

P8  子どもの場合は、人間関係が家庭と学校を中心とした限られたものになっています。
そのなかで問題が起きると、大人とは比べものにならないストレスが子どもを襲います。

2001/11/6
出席停止制度の運用の在り方について(通知)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121502/013.htm

・児童生徒の問題行動に対応するためには、日ごろからの生徒指導を充実することが、まずもって必要であり、学校が最大限の努力を行っても解決せず、他の児童生徒の教育が妨げられている場合に、出席停止の措置が講じられることになる。
・教職員が児童生徒の悩みや不安を受け止め、カウンセリングマインドを持って接するよう努めること。
・出席停止を保護者に命ずる際には、理由及び期間を記載した文書を交付しなければならない。命令の伝達は文書の手交又は郵送によることとし、口頭のみにより命ずることは認められない。
・出席停止を命ずる文書には,理由及び期間のほか、当該児童生徒の氏名、学校名、保護者の氏名,命令者である市町村教育委員会名、命令年月日等について記載することが適当である。また、理由の記載に当たっては、根拠となる法律の条項や要件に該当する事実を明示することが必要である。
・「出欠の記録」の「出席停止・忌引等の日数」欄に出席停止の期間の日数が含まれ、その他所定の欄(例えば「備考」など)に「出席停止・忌引等の日数」に関する特記事 項が記入されることとなること
・「総合所見及び指導上参考となる諸事項」については、その後の指導において特に配慮を要する点があれば記入することとなること

2010/2/1
高等学校における生徒への懲戒の適切な運用の徹底について(通知)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121502/1309914.htm

・指導の透明性・公平性を確保し、学校全体としての一貫した指導を進める観点から、生徒への懲戒に関する内容及び運用に関する基準について、あらかじめ明確化し、これを生徒や保護者等に周知すること。
・懲戒に関する基準等の適用及び具体的指導について、その運用の状況や効果等について、絶えず点検・評価を行い、より効果的な運用の観点から、必要な場合には、その見直しについても適宜検討すること。
・懲戒に関する基準等に基づく懲戒・指導等の実施に当たっては、その必要性を判断の上、十分な事実関係の調査、保護者を含めた必要な連絡や指導など、適正な手続きを経ること。

2010/3/
生徒指導提要
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/__icsFiles/afieldfile/
2011/07/08/1294538_01.pdf


P44  交友関係の把握は生徒指導においては特に重要であり、どのような友人とどのような交際をしているのかを学校の内外を通じて把握することが大切です。(中略)また児童生徒が交友関係のなかでどのような位置にいるかも知る必要があります。

P168  3 問題行動を起こした児童生徒への効果的な指導の進め方
 ・問題行動の事実を正確に把握し、その背景を明らかにするとともに、教員間の十分な共通理解を図った上で、校内での指導、家庭への支援・措置、関係機関との連携などの措置を講じなければなりません。

P170 教員は、共感的な態度で指導を行い、児童生徒が、自分を理解してくれる、存在を認めてくれるなど自己存在感を持つよう指導しなければなりません。

P180 3  少年非行への対応の基本
 (1) 正確な事実の特定
 (2) 本人や関係者の言い分の聞き取りと記録
 (3) 非行の背景を考えた指導

2012/2/
初版

文部科学省 国立教育政策研究所 生徒指導リーフレット
http://www.nier.go.jp/shido/leaf/

リーフ1  生徒指導って、何?
https://www.nier.go.jp/shido/leaf/leaf01.pdf

・同じような働きかけを行ってはいても、個々の教師が時々の必要性から判断して行っている、
気がついたときに行うようにしている、気になる児童生徒には行ってきた、一部の教師が責任を持って行っていると思う、可能な限り行っているが十分かどうか自信はない、正直言うと生徒指導を行っているという自覚は持っていなかった…などの状況であるとすれば、意図的に生徒指導が行われているとは言えません。
・自校の児童生徒をどのような児童生徒へと育んでいくのか、どのような働きかけであれば望ましい大人へと成長・発達していってくれると考えられるのかを明確にし、それが実現するような働きかけを計画的に行う。

2013/1/18
資料8.大阪市立桜宮高校の男子生徒の自殺事案について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/attach/1347559.htm

体罰の禁止について
個々の懲戒が体罰に当たるか否かは、単に、懲戒を受けた児童生徒や保護者の主観的な言動により判断されるのではなく、上記(1)の諸条件を客観的に考慮して判断されるべきであり、特に児童生徒一人一人の状況に配慮を尽くした行為であったかどうか等の観点が重要である。

2013/6/28
2013年6月28日成立 9月28日施行
いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)
2013年9月21日(土)、NPO法人ジェントルハートプロジェクト
第8回「親の知る権利を求めるシンポジウム」 武田配布資料
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/20130921boushihou.pdf
2013/10/11
「いじめの防止等のための基本的な方針」(平成25 年10 月11 日 文部科学大臣決定)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1340770.htm  から抜粋
「重大事態への対処」 
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/2013ijime_judaijitaihenotaisho.pdf 
2013/8/9
体罰根絶に向けた取組の徹底について(通知)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1338620.htm

・教育委員会及び学校は、実態把握の方法が十分であるか点検し、日頃から主体的に体罰の実態把握ができる方策を講じ、継続的に体罰の実態把握に努めること。
・体罰等の報告・相談があった場合、学校の管理職は、直ちに関係する児童生徒や教員等から状況を聴取し、その結果を教育委員会へ報告するとともに、被害児童生徒の受けた心身の苦痛等を踏まえ、その回復のため真摯に対応すること。

・教育委員会は、体罰を行ったと判断された教員等については、客観的な事実関係に基づき、厳正な処分等を行うこと。特に、以下の場合は、より厳重な処分を行う必要があること。
 1 教員等が児童生徒に傷害を負わせるような体罰を行った場合
 2 教員等が児童生徒への体罰を常習的に行っていた場合
 3 体罰を起こした教員等が体罰を行った事実を隠蔽した場合等

2014/9/14
子供の自殺が起きたときの背景調査の指針(改訂版)[ 概要]
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/
2014/09/10/1351863_01.pdf


 ・調査対象は,自殺又は自殺が疑われる死亡事案
 ・詳細調査への移行の判断
  ⇒ 全ての事案について移行することが望ましいが,難しい場合は,
    少なくとも次の場合に詳細調査に移行する
  ア)学校生活に関係する要素(いじめ,体罰,学業,友人等)が背景に疑われる場合
  イ)遺族の要望がある場合
  ウ)その他必要な場合
2014/9/14
子供の自殺が起きたときの背景調査の指針(平成26 年7 月改訂版)
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/
2014/09/10/1351863_02.pdf


 P13 アンケート調査や聴き取り調査を実施する場合,
  これらは詳細調査において,専門的な見地から適切かつ計画的に実施されるべきである
 一方で,アンケート調査や聴き取り調査は可能な限り速やかに開始することが望ましい
  このため,設置者は,学校から基本調査の結果の報告を受け,詳細調査への移行を判断
 する際に併せて,詳細調査の組織の設置まで更に1週間以上を要するなど時間がかかる
 場合には,この時点で詳細調査に先行して,アンケート調査や聴き取り調査を実施する
 かどうかを速やかに判断
2016/4/8
学校事故対応に関する指針
http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/__icsFiles/afieldfile/2016/04/08/1369565_1.pdf


「指導死」に関する武田の記述(「日本の子どもたち」 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/ 内)

わたしの雑記帳 
2004/5/28
男子生徒がカンニングを疑われ?自殺
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/message2004/me040528.htm
2005/1/23
長崎市立小島中学校、安達雄大くん(中2・14)自殺事件の裏に隠された、学校・教師の問題
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/message2005/me050123.htm
2005/2/16
寝屋川市の小学校侵入・教師刺殺事件と、寄せられたメール
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/message2005/me050216.htm
2005/10/23
部活動における「過呼吸」の陰にひそむ問題 (2005/10/29追記)
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/message2005/me051023.htm
2006/10/9
所沢高校・井田将紀くん
(高3・17)自殺事件。教師の叱責による自殺について
教師の叱責による自殺・自殺未遂・登校拒否一覧
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/messege2006/me061009.htm
2007/8/10
全国学校事故事件を語る会の文科省訪問と、教師によるしっ責自殺ゼロについて
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/message2007/me070810.html
2008/8/17
北海道立稚内商工高校の男子生徒(高2・16)の教師しっ責後の自殺について
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/message2008/me080817.html
2009/1/12
指導死・西尾健司くん(020323)の場合。

http://www.jca.apc.org/praca/takeda/message2009/me090112.html
2009/5/3
最高裁の「体罰と認めず」の判決(2009/4/28)に思うこと。
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/message2009/me090503.html
2009/8/
指導死遺族が、文科省を訪問
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/message2009/me090802.html

オリジナル資料 (武田作成資料 PDF)
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/takeda_data.html
2009/9/15
2009年9月15日、
文部科学省の自殺予防に関する調査研究協力者会議でのヒヤリング
で武田が使用した資料
★ 文科省数字と警察庁数字の差
★  教師の体罰やしっ責によると思われる自殺 39例を一覧
  (当時は「指導死」という言葉の認知は低かったこと、公式文書に使われている言葉では
なかったことから、この言葉を使用)

「教師の体罰やしっ責によると思われる自殺」
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/0909shiryou3.pdf

2009/9/15
2009年9月15日、
文部科学省の自殺予防に関する調査研究協力者会議でのヒヤリング
で武田が使用した資料
★ 「提案」のところでは「指導死」という言葉を使用している

「子どもの自殺防止のためには、何をするべきか?」
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/0909teian.pdf
2012/11/17
第1回 「指導死」シンポジウム(東京開催)で武田が講演で、使用した資料

★「指導死」事例41件の分析
 ・こんな指導が子どもを追いつめる ・指導死をふせぐために ・指導死データ
 ・教師のいじめ(アンケート結果) ・事例

「指導死の特徴」
 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/shidoushi_shinpo.pdf
2014/5/8
「指導死」統計の更新
★指導死一覧 78件 
 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/20140508shidoushi_ichiran.pdf
★指導死一覧 報道・警察・文科省数字
 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/20140508shidoushi_toukeihikaku.pdf
 P1~2 1952年から2014年報道された指導死  
 P3~4 警察庁の統計 1977年から1988年、2007年から2012年
 P5~6 文科省(文部省)の統計 1994年から2012年
  
2015/11/10
学校等事件事故第三者調査一覧 (事案ごとの分類)
 (「指導死」事案有)
 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/20150410_chousaiinkai_jian.pdf

学校等の事件事故第三者調査一覧  いじめ・指導死が疑われる事案
 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/20150410%20ijime%20shidoushi%20chousa.pdf
2016/2/28
「指導死」一覧 83件
 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/201602%20shidoushiichiran.pdf

体罰裁判一覧(一部「指導死」を含む)
 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/201602%20taibatsuhanreiichiran.pdf
2016/5/26
更新「指導死一覧」
 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/Shidoushi%20ichiran.pdf 参照)

1952年から87件 平成(1989)年になってから66件(未遂10件を含む)



「指導死」に関する文献ほか
 
発行年 「指導死」に関する文献ほか
2008 「指導死」 生きる力を奪われた子どもたち
/ 大貫 隆志
世界子ども通信プラッサ
28号(2008年11月発行)
2009 県立所沢高校「事実確認後生徒自殺事件」に関する意見書
/ 明治大学名誉教授  日本教育法学会会長  伊 藤 進  

http://www.jca.apc.org/praca/takeda/sosho_no/040526itouikensho.html
2009年1月25日
東京高裁に提出
2009 「教師6人で繰り返された指導の『行き過ぎた部分』
/ 須賀 康
フライデー 9/18号
(2009/9/4発売)
2009 「密室の不適切な指導が自殺に発展 表には出ない“指導死”という恐怖
/ 奈良林 和子
サイゾー 
(2009年10月発行)
2012 いじめ・暴力 (※指導死についても言及)
/ 武田 さち子 
子どもの安全・安心
ガイドブック
子どもの権利研究第20号
2012年2月 日本評論社
2012 死を招く「指導」という名の「教師のいじめ」
/ 奈良林 和子
サンデー毎日
(2012年12月16日号)
2013 知っていますか 指導死  積り積もった絶望
/ 編集局 亀田 早苗
2013年1月23日付夕刊
毎日新聞
2013 文科省の怠慢が指導死を招く
/ 粟野 仁雄  奈良林 和子
サンデー毎日
(2013年1月27日号)
2013 「指導」という名の「いじめ」  指導死「41人」の衝撃
/ 編集部 野村 昌二
AERA
(2013年2月4日号)
2013 教育界の隠蔽体質が悲劇を繰り返す 大阪・高2自殺で指導死遺族が訴え
/ 奈良林 和子
サンデー毎日
(2013年2月17日号)
2013 教師の「言葉の暴力」が子どもを追い詰める
/ 奈良林 和子
サンデー毎日
(2013年3月3日号)
2013 桜宮高校男子生徒自殺事件 
生徒指導による子どもの自殺 「指導死」の視点から
/ 大貫 隆志
季刊 教育法 176号
(2013年3月25日発行)
2013 教育現場に潜む「指導死」という名の闇
/ 取材・文 奈良林 和子
婦人公論
(2013年5月7日 号)
2013 『指導死』  追い詰められ死を選んだ七人の子どもたち」
/ 大貫 隆志 編著 / 京都精華大学人文学部教授・住友 剛 / 武田さち子
高文研
(2013年5月発行)
2014
教師から「行き過ぎ」た生徒指導を受けた児童・生徒が自殺した場合の
民事責任について  - 一つの中間報告的考察 (1) -
/ 金沢大学教授・長谷川 隆
判例時報 No.2215
(2014年5月11日号)
2014
教師から「行き過ぎ」た生徒指導を受けた児童・生徒が自殺した場合の
民事責任について  - 一つの中間報告的考察 (2・完) -
/ 金沢大学教授・長谷川 隆
 
判例時報 No.2216
(2014年5月21日号)
2016
「教育における子どもの人権救済の諸相」
/ 中川 明
エイデル研究所
(2016年2月12日発行)
    

●その他

データ
2010年GHP 被害者アンケート
学校等における事件事故で、心身に被害をうけた当事者や家族・遺族を対象とした調査結果。

NPO法人ジェントルハートプロジェクト http://npo-ghp.or.jp/  資料集 http://npo-ghp.or.jp/data/
からダウンロード
知識
子どもに何があったのか 真実を知るための、いくつかの方法

学校等における事件・事故で、大切なお子さんを失ったご遺族に向け、「我が子に何があったのか」を知るための代表的な方法を収録した資料集です

NPO法人ジェントルハートプロジェクト http://npo-ghp.or.jp/  資料集 http://npo-ghp.or.jp/data/
からダウンロード
知識
~闘う人びとのために~  いじめ・体罰・学校とのトラブル 問題解決のヒント集
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/step.htm

知識
第三者委員会を立ち上げるなら

最近よく耳にする第三者調査委員会ですが、当法人では立ち上げを検討されている方や、成り立ちに疑問を持たれている方のために、注意点や、条件等をまとめてみましたので、是非参考にしてください。


NPO法人ジェントルハートプロジェクト http://npo-ghp.or.jp/  資料集 http://npo-ghp.or.jp/data/
からダウンロード
知識
隠ぺいの背景 相関図

2012年11月24日 NPO法人ジェントルハートプロジェクト
第7回 親の知る権利 シンポジウム 「なぜ学校は隠ぺいするのか」
武田発表資料

オリジナル資料 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/takeda_data.html
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/nazeinpeisurunoka.pdf

知識
いじめ自殺を例に、学校・教育委員会の隠ぺいの手口

2012年11月24日 NPO法人ジェントルハートプロジェクト
第7回 親の知る権利 シンポジウム 「学校はなぜ隠ぺいするのか」
武田発表資料

オリジナル資料 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/takeda_data.html
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/201507%20inpeinotegichi.pdf

提言

データ

学校事故事件の事後対応の主な問題点と課題
オリジナル資料 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/takeda_data.html

2015年11月10日 文部科学省の
「学校事故対応に関する調査研究」有識者会議 第4回
ヒアリングに、NPO法人ジェントルハートプロジェクトが呼ばれました。
小森美登里さんと、武田さち子が話をしました。

【武田資料】

資料1 「学校事故事件の事後対応の主な問題点と課題」、「事後対応への
     提言と要望」(レジュメ代わり)
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/20151110_monka_takeda_resume.pdf

資料2 「外部調査委員会設置にみる学校事故事件の事後対応の主な
     問題点と課題一覧」
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/20151110_jikotaiourei.pdf

資料3 「保育学校事故事件外部調査委員会一覧」
     (資料4の目次・索引代わり)
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/20151110_chousaiinkai_mokuji.pdf

資料4 「保育・児童施設及び学校における事件事故の調査・検証委員会
       (外部調査委員会) 一覧」 2015年11月3日更新版 108件
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/20151110_chousaiinkai_list.pdf

資料5 「武田さち子 発表要旨」 記者会見用レジュメ
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/20151110_monka_takedayoushi_media.pdf



2016/2/24 大阪市立桜宮高校バスケット部指導死事件、民事裁判判決(2016/2/24)

 2016年2月24日(水)、13時10分から東京地裁615号法廷で、桜宮高校指導死事件の民事裁判(平成25年(ワ)第32577号)の判決が言い渡された。
 裁判官は岩井伸晃氏(裁判長)、髙橋祐喜氏、周藤崇久氏。
 裁判所は、顧問教諭の有形力行使による暴行及び威迫的言動を、教育上の指導として法的に許容される範囲を逸脱した一連一体の行為として、不法行為法上違法と評価。自殺との相当因果関係、予見可能性を認定して、被告大阪市に、原告父に対し3715万余円、原告母に対し3626万余円、原告兄に対し154万円、計約7500万円の賠償を命じた。(生徒にもストレスに弱い面があったとして、3割の減額)。

 この事件で、元顧問教諭は、
 2013年2月13日、懲戒免職。
 2013年7月4日、大阪地検が、元教諭を傷害、暴行両罪で在宅起訴。
 2013年9月26日 大阪地方裁判所で、元顧問教諭(47)に対し、傷害と暴行の罪で、懲役1年、執行猶予3年の有罪判決(刑事裁判)。

 民事裁判で遺族側は、元顧問を被告にはしていなかった。
 国家賠償法第1条1項に「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる」とあり、多くの民事裁判で公務員である教師を被告にしても棄却され続けている。
 一方で、同法第2項には「前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。」とあることから、大阪市がすでに民事裁判で敗訴した場合に、元顧問に損害を請求することを提示していたのか、元顧問はこの民事裁判に補助参加人として参加していた。

 なお、これだけ注目された事件の判決なので、いずれ、判例時報や判例タイムズなどに判決文が掲載されるのではないかと予想するが、同種の事件の民事裁判に被害者側に何らかのヒントになればと思い、以下、判決内容を少し詳細に書いてみた。


判決要旨 (適宜内容を編集。なお、争点の数字は判決文のものと必ずしも一致しない)


争点1 元顧問教諭の言動を「一連の不法行為」とするか

 原告(遺族)側は、元顧問教諭Kの以下11の言動について、個別に違法性を主張するのではなく、一連の不法行為と主張した。

【本件行為】

① 「キャプテン辞めろ!」等の威迫的発言をしながら、Aを殴るなどした行為。

② 専攻実技授業において、男子及び女子の各バスケット部のキャプテンに対してリーダーについての考え方を発表させ、発表が意に沿わない内容であったことを理由に、Aを他の生徒らの前でひどく責め立て、キャプテン失格である趣旨の人格非難を行った行為。

③ 高校の「オープンスクール」の際、Aのプレーが意に沿わないものであったことを理由に、中学生等の見学者らや他の部員ら等の面前で、「キャプテン辞めろ!」と怒鳴りつけるなどの威迫的発言をした行為。

④ 他校との練習試合の際、AがTシャツの袖で汗を拭いた際にボールを取られたことに立腹し、少なくとも1回、本件生徒の頬を平手で殴った行為

⑤ 他校との練習試合の際、ルーズボールヘの飛びつき方が悪いとの理由でAを他の部員ら等の面前で激しく叱責し、体育館2階部分の周回ランニングコースを走らせる懲罰を科した上で、その走り方が全力でないとしてAを叱責した行為。

⑥ 他校との練習試合の際、練習試合の合間にAを呼びつけてその両頬を平手で数回殴打し、休憩時間中にもルーズボールヘの飛びつきの練習をさせ、「やる気が感じられない」などと難癖を付けて顔面又は頭部を平手で数回殴る暴行を加えた上、練習試合の終了後、再びルーズボールヘの飛びつきの練習をさせ、失敗する度に1回ずつ、合計で5回程度、その顔面及び頭部を平手で殴打する暴行を加え、また、バスケットボールを投げつけて2回くらい顔面に当て、「なんぼやっても一緒や。キャプテンも辞めろ」等の威迫的発言をし、その後、体育教官室に来た本件生徒に対して「聞かれても何も答えられなかったら、キャプテンなんかできんやないか。キャプテンなんか辞めてしまえ」等の威迫的発言をした行為。
 なおこれらの暴行により、Aは唇及びその周辺の出血及び打撲傷、鼻の打撲傷等の傷害を負った。

⑦ 他校との練習試合の開始前にAがKに「はい」と大きな声で返事をしたのに対し、「何がはいや!分からんくせに分かったふりをするな!」と難癖を付けて怒鳴り、練習試合中もAに対してワンプレーごとに「キャプテン辞めろ!」などと怒鳴りつけ、練習試合の後も本件生徒を他の部員ら等の面前で「キャプテン辞めろ!」などと怒鳴りつけた行為。

⑧ 体育教官室にAを呼び出し、Aが「しんどい」ことを理由としてキャプテンを辞めたいと申し出たにもかかわらずこれを認めず、約3ないし4時間にわたってAに対する威迫的言動を繰り返した行為。

⑨ 他校との練習試合において、他の選手の反則で試合が止まった際、プレー中であったAをベンチ近くに呼び出して他の部員ら等の面前で「何でディフェンスを見ない」等と責め立てつつ、コートを斜めに横切るような形で本件生徒を追い詰めるようにしながら顔面を少なくとも十数回にわたって平手で殴打し、その後のタイムアウトで試合が止まった際も、「しっかりやれ!」等の威迫的言辞を述べながら本件生徒の頬や側頭部を少なくとも2ないし3回にわたって殴打し、「叩かれてやるのは動物園やサーカスで調教されてる動物と一緒や。Aは動物か。」等の侮辱的言辞で責め立てた行為。
 なお、これらの暴行により、Aは、全治約3週間を要する上唇の中央部及び下唇全体の粘膜下出血並びに下唇左側の粘膜挫創の傷害を負った。

⑩ 練習試合の後、部員らを集めた上で、「Aのせいで今日は負けたんや」、「Aをキャプテンから外す」等と責任を全て本件生徒に押しつける威迫的発言をした行為。

⑪ Aを体育教官室に連れて行った上、約1時間にわたり責め立て、その際、「殴られるのがしんどいなら、キャプテン辞めて控えチームに行きな。試合も出さへん、それでいいんやな」、「これからも怒ったり叩いたりするけどキャプテン続けれるか」、「殴られてもいいんやな」等と理不尽な選択を強制した行為。


 裁判所は、上記⑧については、KがAに対して多少強い語調で話していた可能性は相当程度あるとみられるものの、長時間にわたる威迫的な言動を行っていたことを基礎付ける具体的な証拠は見当たらないとしたが、11の行為をほぼ事実として認定

 また、有形力の行使による暴行については、生徒の非違行為を前提とする懲戒として行われたものではなく、教員の生徒に対する指導の過程において教員の指導への生徒の対応が教員の意に沿わないことに対する制裁等として行われたもの(広義の体罰)と認められ、(中略)上教育上の指導として法的に許容される範囲を著しく逸脱した暴力的な虐待行為(文部科学省の示達に係る生徒の自殺の危険性を増大させる身体的虐待)とみるべきものであって、その違法性は強いものというべきである、とした。

 そして、これらの暴行に付随し又は前後して繰り返し行われた威迫的言動等も、本件バスケット部の顧問及び監督の教員としてキャプテン人事や選手起用及び練習方法等の全ての事項につき決定権を持って部員の生徒らを支配する立場にある補助参加人(K)を主体とし、これらの多数回かつ強度の暴行を伴い又は背景とするものである上、それ自体が極めて威迫的、攻撃的で侮辱的な罵倒や人格非難を伴うなど本件生徒に強い心理的打撃を与えて精神的に追い詰める内容や態様のものであり、かつ、非違行為に当たる余地のないプレー及び発表や発言の内容等が自らの意に沿わないとする補助参加人の不満や苛立ち等に起因するものであって、懲戒の対象となり得るものではなく指導の方法も注意や助言で足りるものであって、上記のとおり暴行の強度も次第に激化して出血や受傷を伴うより強度の暴行が複数回続いていたこと等に照らせば、本件生徒(A)に、自らのプレーや言動を契機としていつ何時、補助参加人(K)からこれらの威迫的言動等やこれに伴う強度の暴行等を誘発するか分からないという強い不安や恐怖及び苦悩や混乱を惹起したとみるのが相当

 罵倒して本件生徒の人格の尊厳を傷つける侮辱的な暴言とみるべきものなど、そもそも教育上の必要性や相当性を認め難いものが多数含まれており、全体として、本件生徒に強い心理的打撃や屈辱感等を与えるのみならず、本件バスケット部の他の部員等との関係でもいたずらに負い目を負わせて心理的葛藤等を惹起し、本件生徒の自尊心を著しく傷つけるものであって、著しい精神的苦痛をもたらす内容や態様のものであったというべきである。
 これらの諸事情を総合考慮すると、補助参加人による上記の威迫的言動等もまた、上記の暴行と相まってこれらと一体化し、教育上の指導として法的に許容される範囲を逸脱した一連一体の行為として、不法行為法上違法と評価されるものというべきであるとした。

 さらに、(⑪の言動は、)それまで何度も授業や試合等の場で補助参加人からキャプテン辞めろ等と責め立てられ、キャプテンを続けることが苦しい旨を申し出て辞める方向の考えをうかがわせる発言をしている本件生徒に対し、本来はキャプテンを辞めたからといって直ちにAチームでのプレーができなくなるものではなく、キャプテンを続けるからといって補助が加人から違法な暴行や威迫的言動等を受け統けることを甘受しなければならないものでもなく、このように理不尽な選択肢のみに限定すべき必要性は認められない以上、上記のような違法な暴行や威迫的言動等を背景として、本件生徒に耐え難い葛藤を生じさせる理不尽な選択肢のみを示した上でこれらを受け続けることを甘受させるべく不当に誘導してその応諾を事実上強制したものと評価すべきであって、上記の暴行や威迫的言動等と相まってこれらと一体化し、教育上の指導として法的に許容される範囲を逸脱した一連一体の行為として、不法行為法上違法と評価されるものというべきである(上記の理不尽な応諾の強制を含むこれらの一連の威迫的言動等の全体が、上記の暴行と相まって、文部科学省の示達に係る自殺の危険性を増大させる心理的虐待に該当するものとみるのが相当であるといわざるを得ないとした。
 (なお、全力で走ることを指示した⑤の行為については、不法行為に該当するとまでは言い難いとした。)

 
争点2 Kの有形力の行使や言動等の行為と自殺との因果関係

 他に本件生徒の自殺の原因となり得るような苦悩や問題を本件生徒が抱えていたことを認めるに足りる的確な証拠はないことから、本件生徒の自殺は、本件生徒が補助参加人による本件暴行等によって強い心理的打撃や屈辱感等を受けて著しい精神的苦痛を被り、これにより強い不安や恐怖及び苦悩や混乱に陥り、何を言ってもいかに努力してもこれを回避する手立てがなく、かえって更に暴行の強度や威迫的言動等の態様が激化して更なる身体的、心理的な受傷を甘受し続けるほかないという絶望感と心理的窮境に追い込まれ、精神的に追い詰められたことを原因として惹起されたものとみるのが相当であり、補助参加人(K)による本件暴行等がなければ本件生徒(A)が自殺に至ることはなかったといえることは明らかであって、補助参加人による本件暴行等と本件生徒の自殺との間に条件関係が優に認められるものというべきである、として相当因果関係を認定した。

 被告大阪市やKは、遺書にKの有形力の行使や叱責等に言及されていないことや、AがKに対し、キャプテンをしているのは大学進学のためである旨述べたこと等を指摘した上で、「本件生徒の自殺の主な原因は本件生徒が能力的に本件バスケット部のキャプテンとして求められる役割や責任を果たすことができないことや、そのことについて家族の期待に応えられないことについて思い悩み、その不安に耐えられなかったことであったとみるべき」で、「Kの有形力の行使や叱責等は、Aの自殺の背景ないし遠因の一つとして位置付けるのが相当」「母の対応がAを自殺に導いた不可欠の要因」と主張した。
 しかし裁判所は、「少なくとも本件生徒が自殺した平成24年12月の時点において、原告母及び本件生徒は、スポーツ推薦ではなく入学試験の受験による大学進学の選択肢を具体的かつ真摯に検討していた」ことや、「Kによる暴行や威迫的言動等に苦悩する様子を示していたAに対し、原告母はキャプテンを辞めるように勧めていること」、「Aをキャプテンから外す可能性を示唆された際も特段これに異議等を述べていない」ことなどから、原告母が既に苦悩を言動に表していた本件生徒にキャプテンを続けさせることに固執していたことをうかがわせるものとはいえない」として、否定した。

 また、Kの言動について、「補助参加人は、本件生徒の自殺の直後においては、(Aの担任の)S教諭に対し、「本当に暴力はよくない」、「気づいてやれなかった」等と自らの非と責任を認めて反省している旨の発言をし、本件ニュース番組に出演して自らの責任を認めて謝罪する旨の発言をするなどしていたにもかかわらず、本件刑事事件の判決宣告後の平成25年秋頃、S教諭に対し、本件生徒の自殺について前言を翻して「何で死んだかわからへん」等と自らに責任がない旨の発言をするなど、自らの刑事責任が執行猶予となり本件訴訟の提起を経て民事責任に係る求償のリスクを認識した後に態度を一変させている」として、「Kの上記供述はにわかに措信し難いものというべきであり、採用することができない。」とした。

 なお、「被告及び補助参加人は、長年にわたる補助参加人の指導歴の中で、有形力の行使や厳しい叱責を伴う強豪校に特有の厳しい指導によっても、自殺したり精神的な不調を訴えた生徒は一人もいないことを指摘」するが、「補助参加人による本件暴行等がなければ本件生徒が自殺に至ることはなかったといえることが明らかである以上、他の生徒らとの比較等に関する事情は、寄与度による減額の可否等において問題となり得るものの、本件暴行等と本件生徒の自殺との間の条件関係を否定する根拠となり得るものとは解し難い」とした。


争点3 予見可能性の有無

 前記のとおり、高校や中学校等の生徒や児童が教員の指導を契機として自殺に至ったとされる事例は、昭和27年頃から平成24年頃までの間に約60件(平成元年以降は約40件、平成10年以降は約30件)に上っており、平成19年頃以降、これらはいわゆる「指導死」と呼ばれ、教育関係者やメディア等によって社会問題として取り上げられており、補助参加人が本件暴行等を行った平成24年11月以前にも、このような「指導死」の事例が相当の件数に上っていることを指摘した上で、個々の具体的な事案の経緯等について詳細に紹介する雑誌記事や単行本等も相当数刊行されていたものである。

 そして、文部科学省は、平成21年3月に、生徒や児童の自殺の危険因子の周知と防止を目的として、「教師が知っておきたい子どもの自殺予防」と題するリーフレット(武田註:http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2009/04/13/1259190_12.pdf )を全国の高校、中学校及び小学校の教員に配布し、
 平成22年3月には、① 「命の教育と自殺の防止」(第6章Ⅱ第9節)及び② 「体罰の禁止」(第7章第2節4)の内容を含む「生徒指導提要」(武田註: http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/1294538.htm →生徒指導提要 第5章~第8章 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/__icsFiles/afieldfile/2011/07/08/1294538_03.pdf P192 P207 )を全国の高校、中学校及び小学校に配布して周知しており、
 上記①においては、高校生,中学生及び小学生の自殺者数が年間300人前後で推移するなど生徒や児童の命を取り巻く危機的状況の下で、生徒や児童に対する身体的虐待(身体に傷害が生じ又は生ずるおそれのある暴行を加えること)や心理的虐待(著しい虐待又は著しく拒絶的な対応など生徒や児童に著しく心理的外傷を与える言動を行うこと)が自殺の危険を高めることを指摘した上で、教員に対し自殺防止のための適切な措置や配慮を促す内容が記載されており、
 上記②においては、学校における生徒や児童への体罰は法律により禁止されており(学校教育法11条ただし書),身体に対する侵害(殴る、蹴る等)や肉体的苦痛を与える懲戒である体罰を行ってはならず、体罰による指導では正常な倫理観を養うことはできず、むしろ生徒や児童に力による解決への志向を助長することにつながる弊害があり、指導を行う際には体罰に及ぶことのないよう十分に留意する必要がある旨が明記されている。

 これらの事実に照らせば、補助参加人が本件暴行等を行った平成24年11月頃の当時において、生徒や児童に対する暴行や心理的外傷を与える言動(身体的、心理的虐待)が生徒や児童の自殺の危険性を増大させることについて注意喚起を促し、また、体罰等を行ってはならず、生徒や児童に対して自殺防止の措置や配慮を含む適切な指導を行うべき旨の示達を周知していたことが認められる。

 本件暴行等の態様は、上記の記事等において「指導死」の原因として例示されている教師の指導の態様(長時間に及ぶ口頭での注意等)に比べても、はるかに強い精神的苦痛を生徒に与え、深い絶望感を伴う精神的な窮境に追い詰めるものであったというべきである、とした。

 補助参加人(K)は、「本件暴行等を行った時点において、高校の保健体育の教諭並びに運動部の顧問及び監督を務める教員として、当該部に所属する生徒の自殺の予防のために適切な措置や配慮を講ずべき注意義務を負っていたにもかかわらず、それに反して生徒の自殺の危険性を増大させる行為である本件暴行等を自ら行い、その強度を激化させていったものであって、これらの自らの行為によって本件生徒が精神的に追い詰められて自殺に至る危険のあることにつき、当然に予見してこれに留意すべき立場にあり、かつ、現に予見し得たものというべきであるから、補助参加人には本件生徒の自殺について予見可能性があったものと認めるのが相当である。」として、予見可能性を認めた。

 被告及び補助参加人は、「指導死」として報道等がされているものの中には、指導態様が違法とはいえないものや指導と自殺との因果関係が明らかではないものも含まれており、これらを前提として報道等がされた事例から本来の「指導死」に該当しないものを除外すれば、指導を契機とする自殺という現象は極めて稀有なものである旨主張する。
 しかしながら、仮に、報道等がされた「指導死」の事例の一部に法的な評価として教員の指導の違法性や生徒の自殺との相当因果関係を認め難いものが含.まれていたとしても、そのことによって、補助参加人の高校の教員としての上記の注意義務の内容及びこれを前提とした本件生徒の自殺に係る予見可能性に関する評価及び判断が左右されるものではなく、現に教員の指導を契機とする生徒の自殺(「指導死」)の事例が平成24年当時(特に平成元年以降)において相当の件数に上っており、特に平成10年以降は年間の件数も増加していると認められる以上、そうした生徒の自殺を稀有な事態と軽視して教員の暴行や上記の言動を伴う行き過ぎた指導の危険性を過小評価することは相当ではないものというべきである(生徒の自殺という事柄の重大性に鑑み、形式的な年間の件数のみを理由にその危険性を軽視することは、文部科学省の示達の趣旨を正解せず、適切を欠くとの評価を免れないものといわざるを得ない。)

 被告及び補助参加人は、過去に指導と自殺との相当因果関係が裁判例で肯定された事例は、中学生又は小学生の事例であって、高校生である本件生徒とは事情が異なる上、本件は部活動における指導であって学習生活上の指導とは異なり、ある程度の厳しさを伴う指導は想定されているというべきであり、その意味で部活動における指導を受ける生徒の精神的負担も相当程度軽減されている旨主張する。
 しかしながら、中学生や小学生と高校生との間に、教員の指導を契機として自殺に至る蓋然性の大小に関して一般的に有意な差があることを認めるに足りる的確な証拠はなく、文部科学省も、全国の高校、中学校及び小学校の全ての教員に対して自殺防止のリーフレットを一律に配布し、その内容も高校生と中学生や小学生とを区別することなく教員に自殺の危険性や防止措置の必要性を注意喚起するものとなっており、自殺した生徒が高校生であることの一事をもってその自殺に係る教員の予見可能性が否定され得るものではないというべきである。

 
争点4 慰謝料と生徒が自殺したことに対する本人性格の寄与度分相殺

 裁判所は、
 本件暴行等の態様やその前後の経緯及びこれらによって本件生徒が受けた心理的打撃や屈辱感、不安や恐怖及び苦悩や混乱などの精神的苦痛の甚大さ、本件遺書に表れている本件生徒が17歳という若さで命を絶つことについての無念や自死に至るまでに追い詰められた精神的窮境その他一切の事情を考慮すると、本件生徒の被った精神的苦痛に対する慰謝料は2500万円と認めるのが相当であるとして、A本人の慰謝料を2500万円と認定。

 さらに、原告らが受けた甚大な精神的苦痛につき、被告(大阪市)において示談等のこれを慰謝する措置は何ら執られておらず、かえって、被告(大阪市)は、本件訴訟の提起後、本件生徒の自殺が本人の能力の欠如等を主な原因とし、原告ら家族の言動等を大きな要因として生じたものであるなどとして専ら責任を転嫁する対応に終始し、原告ら遺族の心情を更に害していること等の諸般の事情を総合考慮すると、原告父及び原告母の被った精神的苦痛に対する慰謝料の額はそれぞれ1000万円と認めるのが相当、と両親固有の慰謝料も認定。
 また、原告兄についても、「幼少時から生活やバスケットボールの練習等を共にし、補助参加人の本件暴行等への対応等につき相談相手となるなど、本件生徒との兄弟としての関係が特に緊密であったこと等に鑑みると、固有の甚大な精神的苦痛を被ったものと認められ、原告兄の被った精神的背痛に対する慰謝料の額は200万円と認めるのが相当である。と認定した。

 一方、担任教諭や原告父母に本件暴行等の実態や程度及びこれによる精神的苦境の実情等を十分に伝えて対処策の相談をすることなく一人で思い詰めて短期間に自殺を決意し自死に至ったことについては、本件生徒において、気が優しく気遣いが細やかで責任感が強く真面日で素直であるなどの非常に優れた美点を数多く備えていた一方で、上長による継続的な強度の暴行や威迫的言動等による強度の身体的、精神的負荷(ストレス等)に対して脆弱な面があったとみられることは否定し難く、本件生徒の自殺という結果の発生にそうした脆弱性が本件生徒自身の心因的要因として一定程度寄与したことは否定し難いものといわざるを得ない。
 本件生徒の自殺については、その自殺という結果の発生に本件生徒の上記のような心因的要因も一定程度寄与したものと認められることに照らすと、被告が賠償責任を負うべき損害の額については、損害の公平な分担の観点から、民法722条2項を類推適用し、本件生徒の自殺における補助参加人の本件暴行等の寄与度は、7割と認めるのが相当である。として、3割を減額した。



 武田私見 (法律の専門家ではありませんので、あくまで個人的印象です)

 今回の民事裁判の判決は、顧問の言動と自殺との因果関係を認めたという点で、画期的なものだった
体罰の違法性を認めた判決はいくつもあるが、私が知る限り、体罰と自殺との因果関係を認めた確定判決は、1994年9月9日に発生した内海平君の体罰自殺(940909)の判例しかない。(同判例の場合、体罰そのものと自殺の因果関係を認めたというよりも、担任教諭の体罰後の「安全配慮義務違反」と自殺という結果との因果関係を認めているので、若干、異なるかもしれない。)(福岡県の小学生の指導死の一審では、同じように担任教諭の「安全配慮義務違反」と自殺との因果関係を認めたが、高裁で和解している。)

 しかも今回、単なる有形暴力だけでなく、暴行に付随し又は前後して繰り返し行われた威迫的言動等も一連一体の不法行為として、自殺との因果関係が認められたことは大きい。
 とくに、「キャプテンを辞めて、試合にも出られなくなる」のがよいか、「怒られたり、殴られたりすることを受け入れたうえでキャプテンを続けるか」の理不尽な二者択一を迫ったことを「自殺の危険性を増大させる心理的虐待に該当する」と認定している。
 過去の「指導死」事例をみると、有形暴力を伴う指導よりも、圧倒的に有形暴力を伴わないものが多い。有形暴力を伴うものについても、暴力そのものよりむしろ、生徒に比べて圧倒的権力を有する教師の言葉で、死にまで追いつめられたと感じる事例が多い。そして、そういう事実があるにも関わらず、法的にも、世間の認識的にも、言葉での暴力は軽視されやすい。
 私自身、桜宮事件に関して、暴力以上に、上記の理不尽な二者択一を迫ったことが、男子生徒を死に追い詰めたと思っている。

 今回、この裁判を勝訴に導いた要因は、いくつかあると思われる。
 もちろん、遺族のあきらめない戦い、原告代理人・関聡介弁護士の手腕が大きかったことは言うまでもない。
 加えて、メディアの事件への関心の高さ、直後の生徒へのアンケート調査結果や市教委が設置した外部監査チームの調査結果(http://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000217951.html)、2013年9月26日大阪地方裁判所で、元顧問教諭(47)に対し傷害と暴行の罪で懲役1年、執行猶予3年の有罪判決が出たこと、試合時のビデオ画像、男子生徒が残した遺書や、兄からの助言でKにあてて書いた手紙(書いたものの、渡せなかった)、クラブノートの記載、親や兄に相談していたなど、顧問の言動を立証できるだけの証拠物がたくさんあったことも大きい。
 多くの場合、教師の暴力や暴言は、学校という外部の目が届かないところで行われており、とくに、有形暴力や暴言については、体育教官室など、被害者と加害者しかいない空間で最も激しくなされることが多いため、推測はできても、それを家族が立証することは難しい。
 また、被害生徒も、その周囲の生徒も、加害教諭や学校を守ろうとする他の教職員らからの、評価を含めた報復を恐れて、暴力や暴言があっても、なかなか証言できない。記録等も、学校内にある場合に、外部の目に触れる前に密かに処分されてしまうことが多い。
 そういう意味でも、学校事故事件における外部関係者における初動調査が、いかに大事かということも、この事案は示唆していると考えられる。

 なお、判決文には、指導死」という言葉が何回も登場した。この「指導死」という言葉は、私の所属するNPO法人ジェントルハートプロジェクトの理事であり、「指導死親の会」の共同代表でもある、故・大貫陵平くん(000930)の父・大貫隆志さんが考え出した造語である。
 私自身は、2009年9月15日に行われた文部科学省の自殺予防に関する調査研究協力者会議でのヒアリングに、「教師の体罰やしっ責によると思われる自殺」一覧 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/0909shiryou3.pdf を提出しているが、世の中に、指導死が広まったのは、大貫隆志氏がNHKの報道番組に出演したり、2012年11月17日(桜宮指導死事件が起きるおよそ1カ月前)に、都内で第1回「指導死」シンポジウムを開催( http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/shidoushi_shinpo.pdf )したり、高文研から2013年5月、「『指導死』  追い詰められ死を選んだ七人の子どもたち」(大貫隆志・住友剛・武田さち子著)が出たことも、寄与していると思われる。
 (桜宮の民事裁判も、大貫氏とともに、第1回と判決を法廷にて傍聴させていただいた。)

 この「指導死」の認知が、事件の防止につながらなかったことは残念でならないが、一方で、桜宮事件以前には、文科省は体罰についての通知を長い間、出すこともなく、せいぜいがいじめに関する通知のなかで、いじめが起きる背景として教職員の体罰に触れたり、判決文にもある「自殺予防」のリーフレットのなかで若干触れられる程度だったことを思えば、自殺の予見可能性にも多少なりとも寄与したと考えられる。
 そしてこのことは、たとえ負け続けてきた指導死裁判であっても、遺族が声をあげ続けてきたことが、ようやくここに結実したようにも感じる。

 いじめ防止対策推進法が出来た当時、報道で多く取り上げられていたこともあり、体罰や指導死についても議員立法する話もたびたび出ていたが、報道の下火とともに、そういった動きもすっかり下火になってしまった。
 一方で、私たちが働きかけている高校生の学校を原因とする自殺についても、日本スポーツ振興センターの給付を求めている動きについても、今回、判決文でわざわざ「中学生や小学生と高校生との間に、教員の指導を契機として自殺に至る蓋然性の大小に関して一般的に有意な差があることを認めるに足りる的確な証拠はなく、文部科学省も、全国の高校、中学校及び小学校の全ての教員に対して自殺防止のリーフレットを一律に配布し、その内容も高校生と中学生や小学生とを区別することなく教員に自殺の危険性や防止措置の必要性を注意喚起するものとなっており」と書かれていることは、高校生の自殺が「故意の死」とされていることへの否定の一つの根拠ともなり得るのではないかと期待する。 (me140322 me150523 参照)

 大阪市は、控訴しないことを決め、元教諭に対して、国家賠償1条2項による求償権も行使するという。(第2項には公務員の過失や不法行為によって行政が賠償責任を負った場合、その損害を行政側が公務員個人に請求できることになっているが、実際には請求される例はほとんどないと聞く)
 これは、暴力を振るったり、生徒を部活動でシゴキ殺しても、教師個人の損害賠償責任が民事裁判で認められず、おとがめなしと同等に扱われてきたことに対し、新たに一石を投じることになると思う。

 大阪市が、外部監査チームの結果が出た段階で、顧問や学校、市の責任を認め、遺族に真摯に謝罪していれば、今回の裁判は起こらずにすんだだろう。
 一旦は認められたはずの、顧問の言動の違法性や自殺との因果関係が覆され、民事裁判のなかで、本人や家庭の原因にすり替えられたことで、遺族は何重にも傷つけられた。
 外部監査チームの結論や刑事裁判での元顧問の反省の言葉、メディアの前での、顧問や学校管理職、行政の謝罪はいったいなんだったのかとも思わせられる。
 こうした対応の在り方や、何故遺族が裁判を起こさざるを得なくなるのかをも、今後の教訓として、ぜひ学校事故事件の事後検証の対象としてほしいと思う。

追記: 判決文には、事後対応以外、学校管理職や教育委員会の責任についてはほとんど触れられていなかった。
 まずは顧問の違法性を立証する必要があったこと、訴訟の対象にしなかったにもかかわらず、加害教師が補助参加人として参加して、遺族の感情を逆なですることが多かったため、その反論に労力を費やさざるを得なかったことなどがあるだろうが、その点はとても残念だ。
 外部監査チームの報告書にあるように、学校管理職や市教委の責任は重い。もし、そのどちらかが機能していたら、男子生徒はここまで追いつめられずにすんだと思う。


 なお、参考までに、オリジナル資料 http://www.jca.apc.org/praca/takeda/takeda_data.html に
・指導死一覧の更新版  http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/201602%20shidoushiichiran.pdf
・体罰訴訟一覧   http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/201602%20taibatsuhanreiichiran.pdf
をUPした。


2016/1/31 鹿児島県出水(いずみ)市の中村真弥香さん(中2・13)自殺(110901)の調査アンケート開示
(アンケート・作文開示訴訟一覧あり)

 2015年12月15日、鹿児島地裁で、遺族が開示を求めていた学校が自殺の背景調査のために全校生徒対象にとったアンケートの開示請求に対し、一部、開示を認める判決が出た。
 この真弥香さんの出水市立米津中学校では、 1994/10/29に舩島洋一くん(中3・14)が自殺し、調査のためにとったアンケートを遺族に見せることなく処分した。結果、いじめ自殺かどうかもあいまいなまま終わらせることができている(参照941029)。

 また、翌年1995年5月31日には、同じ鹿児島県の鹿児島市立中学校の池水大輔くん(中3・14)が自殺(950531)。この時も遺族には生徒のプライバシーを盾にアンケートを見せない一方で、文教委員会やメディアには配られた。遺族はマスコミを通じて、アンケートのコピーを入手している。
この時には、1994年11月27日に、愛知県西尾市立東部中学校の大河内清輝くん(中2・13)が長文の遺書を残して自殺(941127)し、いじめ自殺がセンセーショナルに取り上げられ、全国各地のいじめ自殺事件にスポットが当たっていたことも影響してか、この鹿児島市の事案は、両親からたびたびの抗議を受けて、いじめと自殺には関係があったと認めている。

 これら、過去のいじめが疑われる鹿児島県内の中学生の自殺の教訓はどうやら、いじめの防止ではなく、いじめの隠ぺいだったらしい。


【経 緯】

 2011年9月1日、鹿児島県出水(いずみ)市の市立米津中学校の吹奏楽部の中村真弥香さん(中2・13)が、鉄道自殺した。
 真弥香さんは、数人の女子生徒から、所属していた吹奏楽部で使っていた学校の楽器を壊されたうえ、弁償を強要されたり、文房具を壊されたりしたという。
遺族は、いじめが原因で自殺した可能性があるとして、学校に調査を依頼した。

 市教委は、①教委や学校関係者を中心とした調査委員会と、②外部専門家からなるいわゆる第三者調査委員会の2つの調査委員会を設置。 

 事故調査委員会は2011年9月7日、全校生徒対象に、記名式アンケート実施した(欠席者27名を除いた368名の生徒が回答)。
 アンケートには、 「去る9月1日に亡くなられた、2年生の中村真弥香さんのことについて、アンケートに協力してください。このアンケートは、中村さんのつらさを無駄にせず、二度とこのような悲しい出来事が起きないようにするための手がかりを得ることと、自分の子どもに何があったのか、真実を知りたいという家族の願いにこたえるために実施するものです。 みなさんがこのことを真剣に受け止め、知っていることを正しく誠実に答えてくれるよう願っています。」と書かれていた。

 一方、市教委が設置した事故調査専門委員会 、いわゆる第三者委員会は、メンバー5名の氏名を非公開。
 ・ 事故調査委員会の報告書案を見て、評価を行った。
 ・ 独自に追加して、アンケートや生徒の聴き取り、遺族への聞き取りも一度も行っていない。
 ・ 3回の会合を開いただけで報告書をまとめた。
 このようなやり方をした理由は、「知らない人だと生徒が身構えてしまって本当のことを言わない、遠方から来ている委員がいたので物理的にも生徒と接触を持つのは難しかったから」とする。

 2011年11月末  3か月後、専門委員会は13頁の報告書を提出。
 生徒への聞き取りの結果、「吹奏楽部の部員が離れて座っていた」「ノートがなくなって泣いていた」「楽器を掃除するスワブがなくなって、あとで下駄箱から見つかった」などが挙がったとしながら、いじめを認定せず、学校での出来事が自殺のきっかけか確認できなかったとした。



【アンケート不開示取り消し訴訟】

 当初、校長が遺族に見せると約束していたアンケートを1枚も見せてもらえないことから、遺族が出水市情報公開条例に基づき、事故調査委員会が同中学校の全校生徒を対象に実施したアンケート調査の回答用紙及びアンケートをまとめたものの各写しの開示請求。

 出水市教委は、「開示により、特定の個人を識別することができ、又は特定の個人を識別することはできないが、なお個人の権利利益を害するおそれがあること、及び個人の生命、身体、生活、名誉等の保護に支障を生ずるおそれがあることを理由として、全部不開示とする旨の決定。

 2014年4月4日、遺族が、アンケートを全部不開示とする処分の取り消し及び本件文書の開示決定の義務付けを求め、提訴。

 2015年12月15日、鹿児島地裁、一部認容判決(確定)

【主文】

1 出水市教育委員会が平成26年3月7日付けで原告に対していた別紙請求文書に関する不開示決定のうち、同目録2記載の公文書(ただし、別紙不開示部分目録1及び2記載の部分を除く。)を不開示とした部分を取り消す。

2 出水市教育委員会は、原告に対し、別紙請求文書目録2記載の公文書(ただし、別紙不開示部分目録1及び2記載の部分を除く。)を開示する旨の決定をせよ。


3 本件訴えのうち、別紙請求文書並びに同目録2記載の公文書中別紙不開示部分目録1及び2記載の部分の開示決定の義務付けを求める部分を却下する。

4 原告のその余の請求を棄却する。

5 訴訟費用は、これを4分し、その3を原告の負担とし、その余は被告の負担とする。


【請求文書目録】
1 米津中学校において平成23年9月7日に実施された全校生徒対象のアンケートの回答用紙の写し(ただし、固有名詞をマスキングしたもの)

2 米津中学校において平成23年9月7日に実施された全校生徒対象のアンケートの結果をまとめたものの写し(ただし、固有名詞をマスキング処理したもの)

武田私見

2014年1月15日付けの雑記帳(me140115)でも取り上げたが、生徒向けアンケートは学校や教育委員会が事実調査のためによく使う。
しかし、その結果について、遺族にはほとんど開示されないできた。

それが、大津の第三者調査委員会や、2013年9月28日に施行された「いじめ防止対策推進法」(以下「防止法」)
http://www.jca.apc.org/praca/takeda/pdf/20130921boushihou.pdf
以降は、遺族が見られることが増えてきた。
NPO法人 ジェントルハートプロジェクトの『学校等事件事故の調査・検証委員会についてのアンケート』 詳細版 http://npo-ghp.or.jp/wp-content/uploads/2016/01/GHP_report.pdf
P30 調査委員が特に参考になった資料ベスト5にも、児童生徒へのアンケートがあがっている。

出水市の自殺事件は、2011年9月1日なので、防止法以前ではあるが、教委や学校関係者中心の調査委員会と、外部の専門家からなる第三者委員会を設置する、自殺後間もない時期にアンケート調査を実施するなど、形のうえでは背景調査をきちんとやっているように見える。

しかし、内容はむしろ、第三者委員会が事件に終止符を打ち、ブラックボックスのなかで出した結論だけを遺族に押し付ける昔ながらの「隠ぺいのための第三者委員会」のやり方を踏襲していた。
すなわち、設置に遺族の意見をきかない、委員の氏名を非公開、遺族に聞き取りを行わない、学校や教委の言い分をそのまま認める内容だった。
(雑記帳me141218 参照)

今回のアンケート不開示取り消し訴訟判決で、生徒のアンケート結果をまとめたものの写しは、固有名詞などをマスキング処理したうえで、開示するよう判示された。
開示を認められたこと自体は評価するが、正直、まだ足りない。裁判長は学校・教委の隠ぺいの歴史を知らない。自分たちにとって都合の悪い事実は隠し、差し障りのないものだけを開示してきた。あるいは、平気で言い換えや改ざんをしてきた。学校・教委が一覧としてまとめたものが、果たして本当に正しく生徒の回答を移したものか、原本と照合してみなければわからない。
民事裁判でも必ずのように、原本との照合作業が行われる。それは、改ざんしていないかを確認するため、あるいは自分たちに都合のよい部分だけを出し、不都合な部分を隠していないかを調べるためだ。

出水市は控訴せず、年が明けた2016年1月8日、市教委は、アンケートの回答者の氏名や学年、部活動名など、個人が特定される部分を黒塗りにして、パソコンで打ち直した全校生徒300人分のアンケートを、遺族に手渡したという。
遺族は、改めて自殺の原因はいじめだったとして、第三者による調査委員会の設置を求めている。


なお、子どもの自殺に真摯に向き合ってこなかった鹿児島県では、

2014年1月8日、3学期の始業式の日、鹿児島市立中学校の女子生徒(中2)が登校中に学校近くの集合住宅4階から転落し、頭や腰の骨を折る重傷を負う。転落現場には「もう限界」などと書かれたノートが残されていた。
女子生徒は、担任教師に「クラスメートが見て笑っている」「ちょっかいを出される」など、いじめの被害を受けていることを訴えていた。また保護者も、「集団で悪口を言われた」「座っている椅子を蹴られた」と聞いたと学校側に相談していたという。

2014年8月20日、鹿児島県鹿児島市の県立高校の男子生徒(高1・15)が自殺。
遺族の要望でアンケート調査を行った結果、「かばんに納豆を入れられていた」「(男子生徒の)棚にゴミが入れられていた」「持ち物を隠されていた」などの回答が複数寄せられた。
しかし、学校は「いじめがあったかどうかは分からない」とした。
2015年6月、保護者が「いじめによる重大事態が発生したと思われる」と申し立て、12月17日になってようやく県が第三者調査委員会を設置した。

今度こそ、被害者や遺族の思いに寄り添い、きちんと事実が出てくるような調査を実施してほしいが、すでに不安材料が出ている気がする。 


事件事故後の作文・アンケートの開示をめぐる裁判        2015/12/   武田さち子 作成


【ケース1】 

1991/9/1 東京都町田市立つくし野中学校の前田晶子さん(中2・13)が、母親あてに外から「明日、どうしてもつくし野中学へいかなきゃいけない?」と電話した数10分後、自宅最寄り駅の線路に身を横たえて鉄道自殺。

1993/1/22 学校が生徒たちに書かせた作文の公開をめぐって、遺族が提訴。

1997/5/6 東京地裁で、原告の訴えを棄却。
東京地裁は、「作文は生徒の個人情報」とし、生徒との信頼関係がこわれることを理由に非開示処分。
原告は「この作文は、いじめの実態調査のために書かせた文書だ」と主張したが、裁判長は「そう言い切れない」とした。
一部「作文」の不存在認定。学校が「作文」の開示請求を知りながらそれを廃棄し、その事実を偽って報告したことに対して、裁判所は「極めて遺憾」とした。

1999/8/12 東京高裁で、控訴棄却。
(理由は一審とほぼ同様)

(上記、民事裁判で棄却判決後)
2002/8/13 父親が作文の開示請求を出したあと、母親が作文を処分されないための保険として、作文の開示請求を申請していたことに対し、町田市情報公開・個人情報保護審査会は、「筆跡などから執筆者本人が特定される可能性がある」ことを理由に、請求を棄却する答申を市教育委員会に提出。
一方で審査会は、残っていた作文289点の内容を整理した別紙を答申書に添付して、遺族に示した。
別紙の内容は、筆者が特定される恐れがある部分や真偽がわからない箇所は要約や削除。
「事件、自殺に関して知っていること」「学校の対応についての感想、意見」などの6項目を整理。
審査会は、「自殺から相当の時間が経過したことや両親の心情に配慮して例外的に作成した」と説明。


参照: http://www.jca.apc.org/praca/takeda/number/910901.html


【ケース2】 

1997/1/7  長野県須坂市常磐中学校の前島優作くん(中1・13)が、自宅の軒下で首吊り自殺。「あの4人にいじめられていた」「ぼうりょくではないけど ぼうりょくよりも ひさんだった」などと書いたメモがズボンのポケットに入っていた。

1999/3/2 父親が長野地裁に、公文書非公開非開示処分取り消しを求めて提訴。「学校側は親に対する説明義務があり、個人情報であってもプライバシー侵害のおそれのない本人や親に対する開示は認められるべきだ」と主張。

2000/12/21 長野地裁で全面棄却。
佐藤公美裁判長は、市教委側の主張をほぼ全面的に認め、「情報公開の範囲は地方自治体が自主的に決めるもので、非開示とした処分に違法性はない」として原告の訴えを棄却。
また、開示要求のあったすべての資料を「個人が識別される個人情報」と結論づけた。その上で「市の条例は市民が自己情報を取得する制度ではない。公開にあたってプライバシーの侵害を考慮する規定もない」とした。


参照: http://www.jca.apc.org/praca/takeda/number/970107.html


【ケース3】 

1998/7/25 神奈川県横浜市港南区で、神奈川県立野庭高校の小森香澄さん(高1・15)が、吹奏楽部でのいじめを苦に自宅で首吊り自殺。両親は市青少年相談センターに相談し、香澄さんの生前、カウンセリングなどを受けていた。

民事裁判のなかで、遺族は学校側が女子生徒の死の直後に書かせた「生徒の作文」を請求。
神奈川県は提出できない理由を3つ上げて拒否。
1.作文作成の主旨は、いじめの事実関係を調査する目的にはない。今後の教育指導に役立てるための内部資料として生徒に書かせたもので、主旨が違うから出せない。
2.生徒との信頼関係のもとに教育効果を得る目的で作文を書かせている。元々、第三者に見せることを想定していない。生徒が安心して書けるような配慮をしなければ今後、作文を書かせることができなくなる。
3.作文は作成した生徒のプライバシーにかかわることで、勝手に公開できない。

地裁は生徒の作文の開示請求を却下。原告側が不服申立。
作文の開示のみ独立して高等裁判所で審議。
高裁も、生徒たちのプライバシーや学校との信頼関係を壊すことを理由に非開示決定。ただし、生徒本人の同意があるものに関しては、証拠提出するよう裁判所が命じた。(遺族が個別に手紙で連絡をとって、同意書を送ってもらうことのできた生徒が7名。その中には「いじめ」があったという記述もあった。)

横浜地裁で原告一部勝訴の判決後、東京高裁で、県側が作文の開示を和解条件として出す。「生徒らに書かせた作文について、これらに含まれる女子生徒に関する情報を集約した文書(ただし、個人名及び作成者について判別できないようにしたもの)を作成し、一審原告らに公布する。一審原告らは、この文書の内容を口外しないこと及び第三者に開示しないことを約束する。」という内容を和解条項に入れて、和解成立。
しかし、和解後に開示された作文は、約束していた条件とはかなり異なっていた。


参照: http://www.jca.apc.org/praca/takeda/number/980725.htm


【ケース4】

2007/10/27  青森県八戸市の八戸工業高校の男子生徒(高1・16)が、自宅で自殺。
所属していたラグビー部でのいじめとそれに関連した同部顧問教諭の不適切指導により、睡眠障害や抑うつ症状を発症していた。
2004/4/ 男子生徒はラグビー部顧問の勧誘で同校に入学し、ラグビー部に入部。しかし入部直後から、部内でいじめを受けるようになり、5月には退部を決意。顧問教師に相談したが、「退部するなら退学しろ」と言って引き留めていた。

2011/4/ 両親は、校長やラグビー部の顧問の教師を相手に、慰謝料と逸失利益約7500万円の損害賠償を求めて提訴。

2014/11/ 遺族が県を相手に起こした民事裁判の仙台高裁で、裁判長はプライバシー侵害の恐れはないことと、自殺の動機につながる証拠調べの必要性を認め、県側にアンケートの開示命令。全851枚のアンケート回答のうち、自由記述欄に記載のあった34人分197枚を開示。内15枚について県は「原本を失くした」と説明していたが、その分も含めて開示された。
アンケートの自由記載欄には、「女子がいじめていた。ラグビー部のこもんの先生もいじめていた。自殺した生徒がラグビー部をやめたいと言ったのに、先生はラグビー部をやめるなら学校をやめろと言っておどしていた」「校長先生ももみ消そうとしています」「家に遊びに来た時、『死にたい』と言っていて理由は『部活がやっかい』と言っていた」など、クラスや部活で男子生徒がいじめにあっていた事実や、部活に悩んでいた様子について書かれていた。(2007年に閲覧したときには、いじめについて書かれたものはなかった)


参照: 「先生がいじめていた」いじめの存在示唆するアンケート見つかる 07年の青森県立高生自殺で」
加藤順子さん
http://bylines.news.yahoo.co.jp/katoyoriko/20150515-00045738/


【ケース5】

2011/9/1 鹿児島県出水市で、市立中学校の女子生徒(中2)が自殺。
事件直後に学校側は、全生徒を対象にアンケートを実施した結果、学校・教育委員会は「直接のきっかけとなる出来事は確認できなかった」と結論。
一方、遺族が独自調査をおこない、いくつものいじめの情報を得ていた。
学校の調査でも、遺族側の調査と同様の内容が記載されていたというが、「断片的な情報や憶測・伝聞情報が含まれている」などとして、二次被害を防ぐためにアンケートを非開示にするという。

2014/4/4 遺族がいじめに関するアンケート内容を開示しないとした教育委員会の決定の取り消しを求め、鹿児島地裁に提訴。

2015年12月15日、鹿児島地裁で、アンケートの結果をまとめたものの固有名詞をマスキング処理したものの不開示を取り消す一部認容判決(確定)。

参照: http://www.jca.apc.org/praca/takeda/number3/110901.html


【ケース6】

2011/10/11 滋賀県大津市のマンションから、市立中学校の男子生徒(中2・13)が自殺。

2012/9/7 父親が、男子生徒の自殺後、中学校が行ったアンケート調査の結果をまとめた書面の交付を求めたところ、
①学校長が父親に同書面の内容を部外秘とする旨を確約する書面の提出を求めたこと、
②開示請求対象文書の一部を不開示とする旨の処分をしたこと、
③一部の資料についてその存在すら明らかにしなかったこと
について、慰謝料を求めて、提訴。

2014/1/14 大津地裁で、原告の主張を認める判決。
①原告に対し、安易にアンケートで得た情報の一切を部外秘とする旨を約束させ、原告の予定していた調査を事実上不可能とした
②不開示とすべき事項を限定すべき注意義務を負っていたにもかかわらず、ほぼ全面非開示とした
③開示すべき資料を開示せず、存在を明らかにすることもしなかったことが個人情報保護条例違反に当たる
として、大津市に慰謝料の支払いを命じた。


参照: http://www.jca.apc.org/praca/takeda/message2014/me140115.html



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