奥山たえこ:東京都杉並区議会議員(無所属)

« 日誌(抄):'07/12/24〜'07/1/6 | メイン | 日誌(抄):'08/1/7〜2/10 »

議員ボーナスが3月に増額されます。

  昨年末、12月27日、「あなたは、杉並区議会議員の報酬がいくらか、ご存知ですか?」と、このブログに書きました。知ってびっくりなのでは!? と思ったからです。

  議員は、月額報酬599,000円、ボーナスは3.6か月。年収では、10,314,780円。
#議長や委員長には報酬額に手当が加えられます。
#奥山は今年は、副委員長なので、月額報酬620,000円になります。

  今回、区長を始めとする特別職の期末手当ボーナス分が、0.35か月上げられて3.95か月になりました。この3月から適用されます(ボーナスは、6,12,3月に支給される)。
アップ分を金額にすると、議員の場合、303,992円になります。年収では、10,618,772円に。
#ちなみに区長は、0.35か月相当で、608,997円アップ。

  この議案は、賛成多数で可決。反対したのは、わが社会民主党・みどり、共産党、生活者ネット、一人会派の、けしば誠一さん、堀部やすしさん、松尾ゆりさん、北島邦彦さん。

  この議案を提案したのは、杉並区長ですが、杉並だけの議案ではありません。各地でアップされています。
それは、職員がアップしてきている(人事院勧告による)ので(今回別途議案で、現業職員の給与の切り下げ議案も可決されました)、それに均衡させて上げても「よろしいのではないか」という報酬審議会の答申に従ってはいます。
  ところが、この審議会の会長は、杉並区社会福祉協議会の会長と同一人物であり、いわば身内のような人です。第三者とは言えない。これではお手盛りと言われても仕方ないでしょう。実は2年前にも同じ議案があり、わが会派はやはり反対し、本会議で幹事長の小野清人さんが反対意見を述べました。
区議会の議事録のサイトに飛んでから、キーワード「報酬審議会」と入れて、平成17年第4回定例会,12月05日-21号の項をご覧下さい。
当時のわが会派の意見開陳が出ます。

  今回奥山は、総務財政委員会の委員なので、その場で質疑し、30万円がいかに大金であるか、こんな値上げに理由はないし到底認められない、区民に説明もできないと反対の意見開陳をしました。しかし、数の論理で残念ながら可決されました。
#議事録は、2月初旬には出来上がると思います。上のアドレスから探せます。
#平成19(2007)年12月27日 総務財政委員会です。

  なお、値上げ分の受取り返上はできません(区に対する利益供与になるので、議員は禁止されている)。それでも拒否を宣言すれば、区は供託をすることになりますが、これが大変な手間がかかります。職員が一日動くくらいの手間で、その人件費は税金のムダ遣い……と、悩ましいです。介護保険審議会の報酬は、それでも受取り拒否して供託してもらいましたが。今は廃止された費用弁償分は、使わずに別途積み立てをして、区外の団体等に寄付しています。


  ところで、月額60万なのだから、0.3か月相当は20万であって、なぜ30万? と思いますか。
  実は、期末手当の基準となる議員の月額給与相当額には、職務加算として0.2、管理職加算として0.25、都合0.45か月が加算されます。だから、30万ほどになるのです。
#議員は、もちろん管理職ではありません。職務加算というのもおかしい。仕事の内容が異なるのはそういう職務なのだから。でも一般職員と均衡をとってそうなっている、これは国会議員からして、ほぼすべての議員がそうであるとのこと。
  「均衡」といって、職員と同じにしておく理由はまったくありません。国会議員の勤務日は現在ほぼ通年になっていますが、地方議会の会期は年間12週間ほどであり拘束期間はわずかであって、勤務実態に労働者性はありません。
#議会のない時期にももちろん議員の仕事をしてはいますが。

  結局、議員の給与はどのようにあるべきかの議論もなく、職員に合わせて当然のように上げていくというあり方は、到底容認できるものではありません。
  今回この議案解説をどのように書こうかと思案しました。年末はその時間がとれないので、とりあえず呼びかけだけで済ませたのは、区民のみなさんに到底納得いただけないと判るからです。ひどすぎる!のお声もすでにいただいています。


  なお、報酬自体については、奥山は、議員は専業議員として専念できるくらいの額は必要だと考える立場です。議会は平日夜間、休日にやればよい。給与もその程度でよい、外国ではそのようにやっているという言い方もあります。しかし、それだと行政へのチェック機能はとうてい果たすことができません。実際に仕事のありようは、休日の区別なし、24時間いつでも仕事というものだからです(ただし現在の額が妥当なのかどうかは、判断がむずかしい。大学生の子どもを抱えている人とは事情も異なりますし)。
  これは大変な重要で見解のわかれる問題なので、今日はここまでにしておきます。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)