1 month 1 week ago
本書は、沖縄を「宿命の島」にしようとする者たちへの怒りと抵抗の書であり、怒りと抵抗に実証的な肉付けを与える理論の書である。 この原稿を書いている時、著者から動画が送られてきた。自衛隊の訓練に抗議していた住民を、宮古島駐屯地のトップが恫喝している場面だ。メ ッセージには「かつての沖縄戦前と同じですね。最初は大人しかった軍人が横柄で乱暴に、そして残酷になっていった」とある。 本書で描く沖縄の空は、厚く重苦しい天蓋に覆われている。天蓋は沖縄の戦前から戦後、現在に至る抑圧と差別の歴..
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1 month 1 week ago
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1 month 1 week ago
2025 年10月21 日、自民党と維新の会の連立合意を受けて、高市早苗自民党総裁が首相 に指名され、高市内閣が発足しました。「戦後」を根底から覆す極右政権の登場です。 高市政権は、昨年衆院選での自民党大敗による改憲勢力の3分の2割れと市民の頑張り で停滞を余儀なくされていた明文改憲を、本命の9条改憲を主軸に据えて強行する方針を 打ち出しました。 自民党と維新の会の連立政権合意に、「憲法9条改正」と「緊急事態条項」 に関する「両党の条文起草協議会」を設置すること、「 緊急事..
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1 month 2 weeks ago
フォトジャーナリストである著者が、福島、沖縄、パレスチナの3つの場所を巡る6年間の取材記録である。共通するのは「不条理を押しつけられた場所」。 福島では遺骨を探す男性。地震と津波で父と妻と次女を失い、原発事故で避難する「一時帰宅」の機会に、次女の遺骨を探す。自宅近くで除染廃棄物を集める「中間処理施設」の計画が進む。 沖縄では沖縄戦の遺骨を収拾するボランティア男性。遺骨捜索は「行動で示す慰霊」と考える。辺野古の米軍基地建設で、遺骨の混じった土砂が使われる懸念を示す。 福島の男..
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1 month 2 weeks ago
台湾有事を巡る中国の出方について米政権内の見方は二つに分かれている。トランプ大統領は、10月20日、記者団から中国軍が台湾に侵攻する可能性を問われ「中国はそんなことはしたくないだろう」と答えた。そのうえで「習国家主席にそうした様子はまったくみられない」「台湾は彼にとって非常に重要な存在だろうが、何かが起こるとは思わない」と述べた。一方、米情報機関は2027年までに中国軍が台湾に侵攻できる能力を保有すると分析。これを根拠に侵攻の可能性は高いという武力行使説は少数派だが、根強く..
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1 month 2 weeks ago
リベラル派の若き旗手として政界に躍り出た辻元清美氏も、もう還暦を越えた。今や重鎮政治家として日本の舵取りを担うべき地位にいる。彼女が対談相手に選んだのが日刊現代第一編集局長の小塚かおる氏。日頃から息が合う友人関係だから日本政治の奥深い闇を徹底的に語り合える。 辻元氏が珍しく弱音を吐いているのも、心を許した相手だからだろう。 彼女が国会を舞台にした「飲み食い政治」を拒 否し、新しい風を吹かせたことも有権者の記憶に残る。その記憶をもう一度確かめながら、新しい日本の在り方を探る。..
JCJ
1 month 2 weeks ago
辺野古新基地建設事業を巡っては、沖縄県が国と、これまで14件もの訴訟を争ってきた。しかし、訴えは、和解・取下げの4件を除き、いずれもほとんど本論に入ることなく、門前払いされてきた。 一方、辺野古周辺住民らの抗告訴訟も、原告適格の壁にぶつかってきた。しかし那覇地裁は本年8月7日、防衛局の設計変更申請を不承認とした県の処分を取り消した国土交通大臣の裁決取り消しを求めて周辺住民18人が提起した抗告訴訟で、一部の原告適格を認定、次回から工事の適法性そのものについての審理に入るとした..
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1 month 2 weeks ago
大浦湾には6月初めまで、作業船がひしめいていたが‥‥ 辺野古新基地建設事業は、2014年の着手から、すでに11年が経過した。当初の埋立承認申請では、「工事期間5年」、「施設建設5年」とされていたから、本来なら今頃は、米軍の運用が始まっているはずだった。ところが、大浦湾海底部にマヨネーズのような軟弱地盤が拡がっていることが判明し、地盤改良工事が必要となった。そのため、防衛局は設計変更を申請。知事は不承認としたが、国土交通大臣が知事に代わって承認(代執行)し..
JCJ
1 month 2 weeks ago
ノンフィクション・ジャンルからチョイスした本の紹介です(刊行順・販価は税別)◆今尾恵介+金田章裕『地図と読む 日本の街道』帝国書院 10/9刊 1800円日本各地にある街道の地理的、歴史的な変遷をたどる道案内。古代から残る街道、江戸時代に整備された街道、鉄道開通後の近代の街道…など、時代ごとに解説する。 地図や地理関連の本を多数執筆する著者ならではの視点で読み解く一冊。〓著者の今尾氏は1959年横浜市生まれ。地図研究家。現在、地図情報センター評議員を務める。地図や地形、鉄道..
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1 month 2 weeks ago
私たちは毎年、「9月2日」をめどに、「不戦のつどい」を開いてきた。今では、「戦争のために、ペンとカメラ、マイクを握らない」との誓いを、市民とともに確認し合う恒例行事となっている。 9月2日は、1945年、東京湾に停泊した米戦艦ミズーリ号の甲板上で、大日本帝国が連合国との間でアジア太平洋戦争の降伏文書に調印した日だ。日本では、その半月前の8月15日、天皇の玉音放送によって日本は「終戦」を迎えたとする見方が一般的だが、大日本帝国の無条件降伏とポツダム宣言の受諾は、この9月2日の..
JCJ
1 month 3 weeks ago
「市民と共に歩み、自立したNHK会長を求める会」は9日、来年1月に迫るNHK次期会長選任に向けて東京・渋谷のNHK前で集会を開き、NHK経営委員会に「政権に忖度せず、市民・視聴者の声に耳を傾けて次期会長選任を」と呼びかけた。 集会の冒頭、元TBS「報道特集」キャスターの金平茂紀さんが「イギリスにはBBCという公共放送があり、アメリカの放送局が無視するガザ問題について積極的に報道を続け、世界中の人が見ている」と指摘。「NHKもBBCを手本に、見て良かった、聞いて良かったと思え..
JCJ
1 month 3 weeks ago
福島原発事故による損害について、最高裁の多数意見は国に賠償責任がないとした。国に賠償責任があるとした説得力に富む三浦裁判官の意見ではなく、なぜ全く説得力のない意見が、多数意見なったのだろうか。 本書は、その背景を綿 密な取材に基づいて明らかにしている。多数意見の3名の裁判官の内、2名は東京電力と深い繋がりのある大手法律事務所の出身者であり、1名は定年退官後間もなく同様な大手法律事務所に就職した。 最高裁は地裁、高裁の裁判官に対し、常々「裁判官が公平であるのは当たり前である。..
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1 month 3 weeks ago
ドナルド・トランプが2017年1月に米国大統領に就任し、「外敵」は決して入れない、との姿勢をより明確に示し、メキシコ国境の「壁」の防御強化を始めて以降、「不法移民排除」の路線は継続強化されてきた。そして、2025年1月からのトランプ政権の第2期では、きわめて早急な移民抑制と排除が続けられているように見える。 もちろん、不法就労者や違法薬物問題は米国社会にとり、きわめて深刻な問題で、それを防ぐという名目は、米国民の同意を得やすいことだ。“TACO”と世界から揶揄 トランプ本..
JCJ
1 month 3 weeks ago
8月7日、芥川賞作家・目取真俊さんの自宅が沖縄県警に家宅捜索された。沖縄防衛局の被害届を受けた器物(キャンプシュワブ基地のフェンス)損壊容疑だという。 目取真さんが「損壊」したというフェンスは、経年劣化により鉄パイプは錆び、ネットは破れて垂れさがっているのを、市民が確認している。管理不行き届きを目取真さんに責任転嫁するでっち上げだ。自身のブログで精力的に新基地建設工事の状況や反対運動について発信を続ける彼への嫌がらせ弾圧としか言いようがない。 これは、前号で報告した安和桟橋..
JCJ
1 month 3 weeks ago
生成AIの問題は著作権のみにとどまらず、ニセの情報を手軽かつ大量に生み出すことができる点にもある。利便性や産業推進の観点が強調されがちな中、生成AIによるフェイクや嫌がらせで,、公共や人権がおびやかされることはないのか、その現状とこれからについて考え、学ぶ会を開催する。開催:オンライン(Zoom)のみ料金:1,000円( https://peatix.com/event/4599488/view で申し込み) 申込締め切りは、10月28日(火) 17:00 ※出版ネッツ..
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1 month 3 weeks ago
JCJ
1 month 3 weeks ago
終戦80年、しかも排外主義の政治勢力が伸長というこの夏、戦争を扱った番組から特に印象的なものを振り返る。 広島テレビ『テニアン 玉砕と原爆の島』は、広島・長崎への発進基地となったテニアン島で、米軍の攻撃下で日本人移民が集団自決した悲劇や、かつての滑走路が訓練場として再整備されている実態を伝えた。NHK『BSスペシャル 原爆裁判~被爆者と弁護士たちの闘い~』は、1963年の東京地裁の「原爆投下は国際法違反」という判決を、提起した岡本尚一弁護士や原告の被爆者5人の側から見つめ、..
JCJ
1 month 4 weeks ago
JCJは2025年の第68回JCJ大賞に、関東大震災で朝鮮人や中国人、そして方言などで疑われた日本人を含んだ軍や警察、自警団による虐殺の資料や新たな記録を掘り起こし、なぜ虐殺が起きたのかに独自の地道な取材の積み重ねで迫った安田浩一氏の『地震と虐殺 1923-2024』を選んだ。 また、JCJ賞には中国新聞社の被爆80年企画「ヒロシマドキュメント」、琉球新報社の沖縄戦80年企画「新しい戦前にしない」キャンペーン、鹿児島テレビ放送のドキュメンタリー「警察官の告白」に代表される鹿..
JCJ
1 month 4 weeks ago
この参院選における参政党の躍進は、多くの市民を戦慄させた。それは彼らの極右的主張のみならず、荒唐無稽な陰謀論や似非科学(「メロンパン」から「文化マルクス主義」まで)を公然と語り、メディアやSNS上で、どれほど否定されようとも動じない様に、異様さを感じたからであろう。 陰謀論や似非科学は以前から存在した。とりわけコロナ禍以降、ワクチン懐疑論やマスク不要論を通じて、政治的志向を持たないように見えた隣人が、突然陰謀論を語り始める恐怖を、多くの人が経験しているはずだ。 そうした危機..
JCJ
1 month 4 weeks ago
「習近平氏は建国(中華人民共和国)100周年の2049年までに米国に代わって中国が世界の覇権国になるのを本気で追求しています」「台湾有事が起きる可能性は低いと思います。武力統一に踏み切れば、共産党体制を動揺させると習氏は考えています」――。中国の習近平国家主席を長年研究する大東文化大学東洋研究所教授の鈴木隆氏=写真=は8月23日、JCJオンライン講演に出演。対米関係と台湾問題の2つの重大テーマについてこう指摘した。 集団指導体制、高度経済成長、人口増加、この3つが終焉した中..
JCJ
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5 hours 53 minutes ago
日本ジャーナリスト会議(JCJ)のブログです。
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