【女性部会】:『時々、吠えるオンナ #5』『社内相談窓口』が機能しないのはなぜか?
女性部会より……
女性部会では、女性組合員が主体となって、女性の視点から労働条件の改善や職場の環境向上、教育機会の確保などを目指します。具体的な活動内容は、ジェンダーに関する課題の解決、育児や介護との両立支援、管理職への提言、組合活動への女性の参画促進など多岐にわたります。
たちまち今、労働問題などが顕在化していなくても、過重労働、減給やリストラ、セクハラ・パワハラ・モラハラ、アカハラ、ブラックバイトなど地位保全に不安が少しでもあれば、お気軽にお問合せください。いざという時のために、とりあえず組合に入っておいて、会社には公表せず「非公然組合員」として活動されている方もおられます。自立した女性の皆さんの参加をお待ちしております。
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時々、吠えるオンナ #5
『社内相談窓口』が機能しないのはなぜか? 女性部会組合員より寄稿
2026.10.01
あなたの会社にも、「安心してご相談ください」と書かれたハラスメント相談窓口のポスターがあるでしょう。規程にも相談者のプライバシー保護や不利益取扱いの禁止が明記されているはずです。しかし、そのポスターの陰で明白な現実が存在します。窓口はあっても機能していないのです。機能しないのは不具合が生じているからではなく、そもそも「そういう仕様」だからです。会社にとって窓口は労働者を守るためではなく、「対策をしている」と言い張るための免罪符に過ぎません。
厚生労働省の令和5年調査によれば、ハラスメントを知った後の勤務先の対応として、パワハラで53.2%、セクハラで42.5%が「特に何もしなかった」と回答しています。事実を知りながら半数以上の会社が放置する現実が、窓口が会社の体裁を守るために存在していることを証明しています。
社内窓口が機能しない背景には、3つの構造的課題があります。
第一に、担当者が「会社の人」である点です。総務部長や人事課長が兼任するため、自身の評価と給与を握る会社に対して中立な判断は下せません。「言い過ぎた意図はなかった」「誤解があったのでは」と、被害は容易に矮小化されます。
第二に、報復リスクの存在です。「相談したら損をする」―このことを相談者は実体験として知っています。加害者が上司や影響力のある人物の場合、相談内容が本人に漏洩して不利益を被ったり、逆に被害者が「あなたにも非があるのでは」と詰問されたりするケースもあります。解決よりも組織防衛が優先されてしまうのです。
第三に、「事実調査をしない」体質です。被害者が日時や発言、状況を詳細に説明しても、加害者が「覚えていない」と言えばそれ以上の追及はされません。目撃者がいても「指導の範囲内だ」とされれば、被害は「なかったこと」にされます。結果として加害者は職場に残り、被害者だけが居場所を失い追い詰められていきます。
つまり、社内窓口に相談することは「加害者と同じ組織の中で、加害者を告発する」ことにほかなりません。これが機能するはずがないのです。
2022年から中小企業にもパワハラ防止措置が義務化され、放置は労働施策総合推進法違反や安全配慮義務違反にあたります。会社もこのリスクを知りながら、ハラスメントを認めて対応するコストよりも隠蔽する方が安いと計算して実行しています。制度はあっても、それを使って人を守ろうとする意志がないのです。
この計算を壊す答えは、社外の力である「労働組合」にあります。組合に加入すれば、憲法第28条に基づく「団体交渉権」が得られます。正当な理由なき拒否は不当労働行為(労働組合法第7条第2号)となり、会社は法的義務として交渉のテーブルにつかなければなりません。個人の訴えを「検討します」と流してきた会社も、組合からの申し入れは無視できなくなります。また、組合の介在自体がハラスメント防止対策のチェック機能として働きます。そして、組合の力を最大限に生かし、会社を動かすために不可欠なのが「記録」です。日時、場所、具体的な発言、目撃者、相談後の会社の対応・不対応をすぐにメモに残してください。発生当時の詳細な記録は嘘をつかず、会社が知っていながら放置したことを証明するにも強力な証拠となります。
社内相談窓口が機能しないのは、会社の利益を守るシステムだからです。システムは外から壊すしかありません。ハラスメントに悩む同僚がいたら、なにわユニオンの存在を教えてあげてください。会社の理不尽な構造に屈せず、自分と誰かのために声を上げる、そんな毅然たる「吠える女」として、ともに労働組合の権利を行使していきましょう。


