『スパイ防止法、通信傍受による盗聴、監視など全くごめんだ』

高市政権が進める「スパイ防止法」の策定や「通信傍受」の導入は、私たちのプライバシーを脅かす重大な危機です。
平和憲法の理念を揺るがし、市民への国家監視を強める極めて危険な動きに対し、私たちは断固反対の声を上げていかなければなりません。

高市政権は政府のインテリジェンス機能強化の司令塔になる国家情報会議(NIC)と事務局を担う国家情報局(NIB)を7月31日に設置した。今後、インテリジェンス機能の更なる強化に向け、外国勢力が情報を盗んだり、国内の政策に影響を及ぼしたりすることを防ぐ「スパイ防止法」の策定や外国を対象に情報を集める「対外情報庁」の設置を目指すという。

また、朝日新聞(26年7月28日)は自民党が政府に安保目的の通信傍受を提言すると報じた。通信傍受は、情報収集の「本丸」とされる。「監視」や「盗聴」のことであり、米国や英国では、一定の条件のもとで、政府がメールや通話、クレジットカードの決済など膨大な通信情報を集めているとされる。自民党の提言では、外国の情報機関の活動を支援したり、金銭などを受け取ったりする行為に刑事罰を科す「外国監視防止法」の整備や、対外情報庁の2027年度末までの設置も検討するよう求めたとある。

自民党のホームページではこの提言の全体を公表している。「情報防衛力」なる言葉を新たに打ち出したことが特徴である。「情報防衛力」とは国民を監視するための力ではない。外国勢力による隠れた工作から、国民の自由な判断と民主主義の公正を守るための力であるとした。このため情報防衛力の強化を、抑制、収集、監督の三本柱として一体的に進めるとし、これまでの特定秘密保護法、セキュリティ・クリアランス制度、能動的サイバー防御法から新たにステップを踏み出すとした。これまでに積み上げてきた秘密保持立法や国民監視制度の上にさらにインテリジェンス機能の強化を図るとしたのだ。政府有識者会議の検討項目などを見ると、警察庁、公安調査庁、国家情報局のそれぞれの強化の方針が具体的に示され、特に安保関連の通信傍受能力強化があげられ、2027年度末までの対外情報庁設置法案の策定を示した。

「スパイ防止法」や「対外情報庁」の設置、さらに自民党の通信傍受の提言の必要性はどこにあるのか、根本的な議論が必要である。諸外国と友好的な関係を築き、武力による紛争解決を否定する平和憲法の考え方とは明らかに異なっている。「あらたな戦前」と言われる最近の防衛力の強化、安保の強調と一体に進められる高市政権のインテリジェント政策は、戦前、治安維持を名目に、国家権力が検閲などを通じて市民を監視してきたことを思い起こさせるものがある。特高警察の復活といってもいい動きだ。

スパイ防止法、通信傍受による盗聴、監視の法制度作りを強く警戒して、労働組合としても市民運動と連携して反対運動を広げていかねばならない。