【書評コラム】『星の教室』高田郁 著

憲法26条:能力に応じて等しく教育を受ける権利
声高に叫び続けよう!

日本国憲法第26条では、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と定められています。義務教育の重要性と、それを誰もが等しく享受できる社会であるべきだという、本書の核心となる法的・倫理的根拠です。

 星の教室(角川春樹事務所)著者: 高田 郁
ISBN-10:4758414785
ISBN-13:978-4758414784

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

2026.10.01

舞台は2001年。主人公の潤間(うるま)さやかは、中学校の卒業証書を受け取っていない。社会でも家庭でも生き辛く過ごす彼女はある日、夜間中学の存在を知る。中国残留孤児おばあさん、在日韓国人1世のハルモニ、戦争や貧困、病で義務教育を終えられなかった人びとと共に、再び希望を見いだしていく姿を描く。

筆者は大阪の天王寺夜間中学を始め、奈良、東京の夜間中学校を丹念に取材を行い、小説として昨年発行された。今年映画化され、11月6日から全国公開される。

文庫版、コミックスとシナリオブックも書店に並んでいるのでお薦めです。

現在、国は夜間中学校の推進に舵を切り、卒業証書があっても、学び直しを望む人も受け入れられるようになって、44都道府県・政令指定都市に69ヶ所の夜間中学校が設置されています。

大阪では逆に、必要とする多くの人びとに背を向け、統廃合などで縮小へと向かい、通えない・通いにくい人びとが切り捨てられている。憲法26条・能力に応じて等しく教育を受ける権利を声高に叫び続けよう!

mountain

関連動画情報
本作を実写映画化した映画『星の教室』公式サイトの予告編です。夜間中学を舞台にした物語の温かい世界観を映像でご確認できます。
映画『星の教室』の本予告映像で、桜田ひより演じる主人公や個性豊かなクラスメイトたちの学びの様子を視聴できます。