【おすすめ本】青木 美希『なぜ日本は原発を止められないのか?』―事故の記憶を呼ぶ覚ます キーパーソンの戦いと挫折の跡も=七沢潔(ジャーナリスト)<br />

2 months 1 week ago
 これは急激に「原発回帰」に向かう日本と日本人の横っ面を思い切り引っ叩いて、忘れかけている原発事故の記憶のリマインドを迫る書である。 本の構成は「復興」から事故プロセス、原発マネー、核兵器、脱原発と読み手の関心を誘うように蛇行するが、「原子力ムラ」「安全神話」「規制の虜」「原発ゼロ」「避難計画」・・・断続的に挿入されるこの12年間の新聞記事は、事故直後には日本の原子力体制の矛盾を暴き、批判する言説が溜まったマグマのように噴出していたことを思い出させる。同時に著者が直撃取材した..
JCJ

【羽田空港衝突事故 第5弾】国交官僚の人生から透けて見える新自由主義的交通行政の半世紀/安全問題研究会

2 months 1 week ago
元日を襲った能登半島地震とともに全国の正月気分を引き裂いた「1・2羽田事故」。安全問題研究会は、過去4回にわたって本欄で報じてきた。今回は、前回報じた、空港施設の幹部人事に介入した元国交省官僚の姿を通して、過去半世紀間続いてきた交通行政の本質を読み解く。なぜなら彼の人生にこそ、旧運輸省から国土交通省に変わっても連綿と続いてきた「新自由主義的国交行政」が凝縮されていると考えるからだ。空港施設に「別の有力国交省OBの名代」を名乗って乗り込み、乗田俊明社長に面会してまでポストを要求した本田勝・元国交省事務次官は1953年生まれ。76年、東大法学部卒業後、旧運輸省に入る。大臣官房文書課で運輸省が国会提出する法案などを担当後、1985年2月、大臣官房国有鉄道部財政課国有鉄道再建実施対策準備室に配属される。85年4月、準備室が正式に対策室(国鉄再建実施対策室)となるのに合わせ、本田氏は補佐官に就任した。当時の運輸省は、鉄道監督局に国有鉄道部(国鉄部)が置かれていた。1984年から国鉄部は大臣官房に移されるが、それは国鉄「再建」を求める首相官邸の意向に国鉄部を従属させることを目的とするものだった。

【フォトアングル】逆転敗訴 福島原発東京控訴審「不当判決」と弁護団=12月26日、東京高裁前、酒井憲太郎撮影

2 months 1 week ago
                   福島から東京へ避難した住民47人が損害賠償を求める福島原発被害東京訴訟の控訴審判決では2018年の1審判決で認めた国側の責任を認めなかった。弁護団は「国の責任否定 不当判決」と抗議の意思表示をした。2022年最高裁は判決で国の責任を認めなかった。その誤りを正すのではないかと期待されたが、結果は最高裁のコピペと言われるものだった。     JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年1月25日号
JCJ