(APC)女性活動家にとって、ベネズエラは抑圧の実験室であると同時にレジスタンスの場でもある

女性活動家にとって、ベネズエラは抑圧の実験室であると同時にレジスタンスの場でもある
スペイン語版
2025年11月7日
ローラ・ビダル
グローバルに活動しているベネズエラ人でありラテンアメリカ人。ラテンアメリカおよびヒスパニック系コミュニティ担当編集者。教育学博士(インフォーマル学習を専門)。文化交流、新技術、ジェンダー問題、文化的想像力など、一つに絞らず、それらを横断してた関心をもつ。


GenderITのためのイラスト:タブリズ・ガジ

過去10年間、ベネズエラ人として、国外にいながら深く関わりつつ、ベネズエラの人権とデジタルの権利状況をモニターしている。同僚や親しい友人の中には、家宅捜索、投獄、亡命、拷問を経験した者もいる。彼らは恐怖やメディアへの発言を禁じる直接命令によって沈黙を強いられていることが多い。彼らの物語が表面化するのは、遠く離れた街で偶然出会った時のプライベートな瞬間や、Signalの消えるメッセージで共有される一瞬だけだ。

ここで語る体験の多くは、友人や同僚のものである。彼らの物語を、リスクに晒さずに完全に——あるいは部分的にさえ——共有することはできない。彼らを守るため、証言は絡み合い、時にぼかさされ、最も重要な詳細のみが保持されている。匿名性さえも常に十分とは言えない。これらの証言の一部は、すでに国外に出た者たちによるものだ。他方、本稿の構成に協力した専門家たちは、今も国内に残り、権力への挑戦を少しでも試みた者を罰するシステムの中で生き延びている。

こうしたテクノロジーによる抑圧はすべての人々に影響を与えるが、女性——特にジャーナリスト、活動家、政治に関わる女性、あるいは政府を公然と批判する者たち——にとっては、すでに直面している構造的差別をさらに悪化させる。

オンラインのハラスメント、デジタル監視、個人情報の暴露(ドックス)は、しばしばジェンダーに基づいて、彼女たちの身体や家族、信頼性を標的とし、屈辱を与え沈黙させるよう設計されている。こうした攻撃は特に悪質で、男性同業者には向けられない方法で公的な評判を失墜させることを狙う。性的脅迫、中傷キャンペーン、職業的・道徳的誠実さを貶めようとする試みなどが典型だ。

身元が特定される恐怖——写真やメッセージが国家の報復を正当化する材料にされる恐れ——は、すでにレジスタンスの計り知れない代償にさらなる重圧を加える。匿名性を保っていても、リスクは依然として大きくのしかかる。多くの女性にとって、選択は発言するか沈黙するかだけでなく、暴露されるか安全かである。逮捕は虐待や拷問の脅威を伴うが、女性にとっては性的虐待がほぼ確実なものになっている。

ベネズエラ政府は、弾圧を告発しにくくするため、様々な脅威のレベルを構築してきた。それでも完全に沈黙させることはできていない。

ベネズエラで起きているのは一つの弾圧メカニズムではなく、テクノロジーと立法を武器化するカオスと管理の網だ。この網を探るには時間がかかる。そして、混乱や絶え間ない変化、矛盾した情報など、一般的な分類では捉えきれないものに対する一定の耐性も必要だ。法律は異議申し立てを犯罪化するために利用され、官僚機構は恐怖を生み出し移動を制限する武器として使われ、デジタルツールは標的を絞った弾圧と大規模監視の両方を可能にする。それでも女性活動家たちは、創造的なレジスタンスの方法で主導し参加している。その詳細は後述する。

メディア・立法・テクノロジーに基づく管理するシステム

ベネズエラの権威主義への転落は、段階的かつ周到に計画されたプロセスだった。メディア環境の変容は、このプロセスがどのように展開されてきたかを示す最も明白な事例の一つだ。ベネズエラの独立メディアは一夜にして消滅したわけではない。段階的に解体され、法的な手続き上の細部が報道機関に対する武器へと変貌する緩やかな侵食を通じて再構築さてきた。この転換は2009年、数十のラジオ局の強制遮断と、国内最古で最高視聴率を誇るテレビ局の一つRCTVの放送免許更新拒否の決定で始まったと言える。自らを革命的・反帝国主義的指導者と称したウゴ・チャベス大統領は、同局が2002年4月11日のクーデター未遂事件(チャベス大統領が一時的に失脚した事件)を支持したと非難した

2024年に話を移すと、ベネズエラのNGO「Espacio Público」の報告書は400以上のメディア機関が閉鎖されたと記録している。Ipys Venezuelaもまた、「情報砂漠」の地図を通じてこの現象を記録している。そこでは独立メディアや非政府組織の情報は広大な地域と数百万の人々に届いていない。 ある町では、新聞は若者の思い出のなかにも存在していない。

法的検閲は法律の制定・施行方法にまで及び、異論がいつでも犯罪化される可能性が確保された。戦略はいつも同じだった。秩序維持や社会平和保護を名目に曖昧で広範な法律を導入し、恣意的に適用して政府の管理体制に脅威を与える者を黙らせるという方法だ。2017年に成立した反憎悪法は、この目的で最も効果的な手段の一つとなった。この法律は憎悪や差別、暴力扇動のメッセージを拡散したとされる者に対し重い懲役刑を科すが、「憎悪メッセージ」の定義は曖昧なままだ。

2024年には市民社会組織を標的にした新たな法律が導入された。今回は透明性と財政監督機能を口実としたものだ。いわゆる反NGO法は、非政府組織に対し厳格な政府の監督下での登録を義務付け、曖昧な規定により当局は任意の組織を閉鎖できる権限を与えた。複雑な人道危機という状況下で、国家の対応が広範に行き届かない中、これにより多くの人々が重要な支援を受けられなくなった。さらに、組織や機関を超え、個人を監視・弾圧するより標的を絞った抑圧手法が推し進められていった。

パスポート:剥奪可能な特権

危機の最新の局面で、私は、友人たちがパスポートを無効にされたことを知り、コロンビアとの国境を越えて脱出を余儀なくされるのを目撃した。この措置は2017年から組織的に用いられてきたが、2024年には、その年の激戦となった大統領選挙後に急増し、国内外のジャーナリスト、女性人権活動家、活動家が標的となった。

多くの人にとって、パスポートが無効化されていた事実は青天の霹靂だった。出国を試みた際に空港で止められ、有効な旅券を持たないと告げられて初めて知る者もいれば、オンラインで自身の状況を確認すればさらに監視対象になる恐れから、あえて調べようとしない者もいた。警告が出される恐れから、人々は不安な状態に留まらざるをえず、予測不可能性そのものが抑圧の手段となって体制を強化した。人権活動家ルイス・カルロス・ディアスは説明する。「問題を解決しようと公的機関を訪れた者でさえリスクに晒され、軍の情報機関にその場で拘束された事例が報告されています。中には尋問を受け、恐喝され、身体的虐待を加えられた者もいました」。他の者たちは拘置施設に消え、家族は処遇を知らされないままだった。

ディアスはまた、サイレント・アラートの存在を指摘した。これは移民データベースに隠されたマーカーで、即座に人の入国を阻止するわけではないが、二次レビューを誘発する。サイレント・アラートが付いた人物が検問所を通過すると、移民当局者は情報機関の上司に連絡するよう指示され、その上司が人物を拘束するか通過を許可するかを決定する。

国外にいる者にとって、パスポートの無効化は事実上の永久追放を意味した。もはやベネズエラへの帰国可能性だけでなく、他国での生活継続そのものを左右する事態だ。国外在住の人権活動家アナ*(身元保護のため仮名)は、パスポートの無効化によって中長期的に家族と再会する可能性が断ち切られたと語る。

さらに深刻な影響を受けた者もいる。デジタルの権利専門家であり、Access NowでデジタルIDとデータ保護の専門家を務めるマリアンヌ・ディアス・エルナンデスは、自身の専門知識にもかかわらず、長年他の人たちに警告してきたシステムに自ら閉じ込められてしまったと語る。彼女のパスポートは無効にはされなかったが、特にベネズエラ政府が海外の人権活動家にこれまで通り注意を払っているとすれば、新しいパスポートを取得するのは非常に困難になるだろう。「私はいつそうなるかを計算しています」と彼女は言う。パスポートの出国スタンプが押されるたびに、空白のページが尽きて居住国に留まることを余儀なくされる瞬間が近づく。移動の可能性はほとんど、あるいは全くない。「事実上の無国籍状態」だと彼女は呼ぶ。

ベネズエラでパスポート無効を通告された者たちは、慎重かつ密かに脱出計画を練り、コロンビアやブラジルとの間の管理が緩い国境を越えざるをえなくなった。逃亡を経験した者たちは、これらの国境は流動的で、地元の人々が仕事や学業、買い物に日常的に利用していると説明する。大きなスーツケースを二つ持ち歩いて不審な目でみられるようなことがなければ、紛れ込むことは可能だ。つまり、どれほどの時間がかかるかわからないまま、素早く目立たぬために、全てを置いていく必要があるのだ。しかし、それすらもコロンビアやブラジルの入国審査官が目を瞑り、出国証明を求めずにスタンプを押してくれるかどうかにかかっている。時には成功するが、時には失敗する。

何千ものパスポートが警告なく無効化されている。公的な発表もなく、特定できるパターンもない。人権活動家、ジャーナリスト、政治活動家、ソーシャルメディアの著名人が標的となっているが、全員ではない。この不確実性、恣意性が戦略の一部だ。恐怖は予測不能の中で育つ。

政府アプリとドローン:密告と監視の道具

かつては主に情報機関や治安部隊の領域だった活動が、今やデジタル技術を活用した密告ネットワーク、群衆監視、反体制派の組織的な追跡へと拡大している。モバイルアプリケーション、地域監視体制、ドローンのような新興ツールの統合により、抑圧はかつて考えられなかった規模で拡大した。

この変化の最も顕著な例の一つが、ベネズエラ政府が推進するアプリケーション「VenApp」だ。政府はこれを、市民と国家機関の直接対話ツールとして位置付けている。当初、政府はこれをTech & People Solutions SRLといういささか正体不明な企業が開発した電子政府サービスプラットフォームと説明した。同社は名前を変更しており、パナマやドミニカ共和国に拠点を置く他の企業とも連携し、それらの国々で同様のプロジェクトに携わってきた。VenAppは、ベネズエラの人たちが基本サービスへの苦情を申し立てたり、インフラ障害を報告したり、支援を要請したりする手段として提示された。しかし、登場当初から、Atlantic Council Democracy + Tech’s InitiativeのIria Puyosaのような研究者は、このアプリがはるかに邪悪な目的のために使用されているのではないかと疑っていた。「私たちはその機能から、ユーザー監視、反体制派支持者の個人情報の暴露(Doxxing)、抗議者の位置特定に利用される可能性が高いと予想していた」とPuyosaは述べた。

2024年の選挙後の危機は彼女の予想を裏付けるものとなった。抗議活動がピークに達した7月30日、ニコラス・マドゥロは公に、VenAppに「テロ活動へ」の関与が疑われる個人を報告する機能追加されると発表した。国営メディアは、この報告機能の使い方を説明する情報キャンペーンを開始し、政府支持者に抗議者や野党関係者、さらには反政府と見なされる隣人さえも告発するよう促した。政府はわずか1日後にアプリを主要プラットフォームから削除したが、被害は既に広がっていた。親政府系インフルエンサー、政府寄りのネットワーク、国家機関は、「異議申し立ては通報されるべきもの」というメッセージを既に拡散していた。

Telegram、X(Twitter)、TikTok上の親政府系ネットワークは、この告発呼びかけを増幅する中心的な役割を果たした。一部のグループは抗議者の顔写真を掲載した「指名手配」ポスターを発行し、ユーザーに彼らの特定と暴露を促した。

ルイス・カルロス・ディアスはこう分析する:「問題はVenApp自体ではなく、その意図だ。政府の食料支援プログラムに関わる地域リーダーや地元PSUV(与党)組織者は既に非公式に通報する立場にあったが、VenAppはそれを公然と行う手段と化した」。これにより地域密告が制度化され、活動家や近隣住民を標的にする構造が生まれた。通報された者は多くの場合、ガス供給や食料補助、その他の生活必需品へのアクセスを奪われた。これは単なる監視ではなく、7月28日の選挙敗北に対する政府の微小な復讐手段だった。国家は残存する忠誠派に自分たちのコミュニティを攻撃する権限を与えたのだ。」

Laboratorio de Pazの共同ディレクター、レクシス・レンドンによれば、監視とデジタル密告システムの活用は、貧困層や人道的支援を必要とする女性たちに不均衡な影響を与え、彼女たちを強制と支配といった多様な暴力の標的にしている。「領土紛争地域や非正規武装集団が存在する地域では、国家と非国家アクターが同時に圧力をかけ監視を行うため、彼女たちの脆弱性はさらに増幅される」 顕著な例が、ペモン先住民の指導者であり守護者であるリサ・ヘンリト隊長だ。彼女はソーシャルメディア上で監視、犯罪化、脅迫の標的となった。この事例は、先住民の女性指導者がジェンダー、民族性、政治的抑圧が複合した幾重もの暴力に直面していることを示している。

こうした事態は、女性がジャーナリストとして、政治的議論の場や異議申し立ての場、人権擁護活動において可視化され活動的になるほど標的とされるといった、コミュニケーションエコシステムの中で発生している。このパターンは単なる逸話ではなく、一貫して存在し記録可能なものだ。ProBoxとC-Informa連合による2023年ベネズエラ野党予備選挙opposition primariesの監視では、女性候補者は男性候補者より60%多いジェンダー関連のオンライン攻撃を受けていた。これらは政治綱領や政策姿勢への批判ではなく、ジェンダーに基づく侮蔑や女性蔑視の罵倒——「mujerzuela」(売春婦)、「sayona」(夜の伝説的生物を指す)、「ロカ」(狂女)、「ケ・ブエナ・ケ・エステス」(「お前は超セクシーだ」)といった言葉がX(旧Twitter)、TikTok、Facebook、YouTubeなどのプラットフォームに溢れた。ベネズエラのデジタルの権利団体「Conexión Segura y Libre」のバレンティーナ・アグアナは、ソーシャルメディア上のやり取りを観察し、こうした傾向を確認している。「これは長年続いてきた現象だ。男性には見られない、一貫した名誉毀損攻撃が存在する」

こうした性的・非人間的な攻撃の集中砲火は、女性の知的・政治的能力を貶めるだけでなく、公人としての正当性を侵食することを目的としている。政治アナリストのナタリア・ブランドラーが指摘するように、「政治の世界では、言葉が女性の能力を否定し、人々の目から見て彼女たちを人間として軽んじるために使われる」のだ。

7月の選挙結果に抗議するデモ中、Conexión Segura y Libreは群衆上空を旋回し、デモ参加者を上から撮影するドローンの存在を記録した。その目的は必ずしも明確ではなかったが、パターンは明白だった——多くの場合、これらのドローンが撮影した映像は後に政府系メディアや政府関係者のソーシャルメディアに登場した。一部の動画は群衆の中の個々の顔をズームアップし、誰が参加していたかの記録を作成し、将来の報復対象としてマークする可能性があった。国営放送局Venezolana de Televisiónや ディオスダド・カベロら高官は、集会を撮影したドローン映像を頻繁に共有し、野党指導者や参加者に対し「お前たちは特定された」と知らせてきた。

Conexión Segura y Libreは、これらのドローンが遠距離から特定の個人を鮮明に捉える能力があることを指摘する。威嚇戦略の一環として、デモ参加者を意図的に特定・追跡する試みだと示唆している。同団体は、政府系メディアが抗議者の顔をクローズアップで強調した複数の野党集会空撮を記録した。8月3日のカラカス集会では、野党指導者マリア・コリーナ・マチャドが身元を隠すため顔を覆ってバイクで到着したが、ステージに上がる際に覆いを外した瞬間をドローンが撮影していた。同様の映像は、8月17日と28日にカラカスや他都市で行われた野党デモでも共有された。

Conexión Segura y Libreはまた、ソーシャルメディアを通じ、2024年7月30日から8月3日にかけて、カラカス中心部の複数地域上空でドローンが飛行しているのが確認されたとの報告を受けた。点灯したライトから、抗議活動の発生が予想される場所を探索していたと推測される。特に注目すべきは、マチャドの集会前夜、カラカス・ラスメルセデス地区でドローンが都市を監視しているのが目撃された点だ。

監視テクノロジーは、抗議活動を撮影したことを自慢する政府公式投稿だけでなく、ドローン本体の写真を提供した匿名の内部告発者を通じて、目に見える形で記録された。 Conexión Segura y Libreが記録した事例の中には、8月17日の「Gran protesta mundial」(「世界的大規模抗議」)があり、カラボボ州バレンシアのソーシャルメディアユーザーがドローン操作者の画像を同組織に共有した。Conexión Seguria y Libreが直接分析した画像とユーザー報告に基づき、同団体は政府・企業向けアプリケーション設計のAutel Robotics Enterpriseシリーズドローンが使用されていたことを高い確度で特定した。資料の追加分析から、使用モデルはEVO Max N4またはT4と結論づけられた。これらの高性能クワッドコプター・ドローンは民生用や映像撮影用ドローンとは異なる。メーカーによれば、これらのモデルはインフラ監視、捜索救助活動、法執行機関向けアプリケーションを想定して設計されている。

情報戦争におけるレジスタンスの対応

ベネズエラの独立系メディアにとっての最大の障壁の一つは、アクセスを維持することそれ自体だ。2016年から2025年にかけて、ベネズエラのデジタルの権利団体Conexión Segura y Libreは228のブロックされたドメインを特定した。このうち180は現在も有効で、89はデジタルメディア機関に属する。同一ウェブサイトへの代替ドメインは、アクセスポイントを多様化し検閲回避を図る戦略だ。

VPNは依然として制限回避で最も広く使われる手段であり、外部サーバー経由でインターネット通信を迂回させることで遮断コンテンツへのアクセスを可能にする。しかしVPNだけでは十分な防御策とは言えない。多くのベネズエラ人は、VPNを効果的に利用するための技術的知識やリソース、安定したインターネット接続の要件を満たしていない。

この格差が、デジタル検閲下でも情報の流れを維持することを目的としたプロジェクトの出現を促した。その一例がNoticias Sin Filtro (「フィルターなしのニュース」)だ。これはベネズエラ人が自らVPNを設定する要件を満たすことなく、ブロックされたニュースサイトにアクセスできるよう支援するプラットフォームである。Conexión Segura y Libreが開発したこのアプリは、情報統制が最も強化された7月28日の選挙のわずか1週間前にリリースされた。複数のVPNシステムに組み込まれており、ユーザーは技術的な障壁を最小限に抑えながら、ブロックされたメディアのニュースを読んだり聴いたりできる。

ディレクターのアンドレス・アズプルアによれば、分散型インフラのため政府がアプリを完全に遮断するのは極めて困難だという。多くの独立系ニュースプラットフォームは、これを失われた視聴者を取り戻すための重要なツールと見なしている。サイトがブロックされるたびに、国内トラフィックが遮断されVPN利用者しかアクセスできないため、ベネズエラ国内の読者数は激減する。Noticias Sin Filtroのようなアプリは単なる利便性だけでなく、人々を暗闇に閉じ込めようとする国家の試みへの対応なのだ。

デジタルアクセスがますます制限される中、代替的なニュース配信モデルも登場し、情報を物理的な公共空間に戻している。その一例がEl Bus TVだ。公共空間にいる人々に対して直接ニュースを届ける手段として創設された。デジタルアクセスに依存せず、移動式ニュースサービスとして機能し、遮断やフィルタリングが困難な方法で情報を拡散する。その仕組みは単純だ。ジャーナリストや広報担当者が市バスに乗り込み、重要なニュース記事を読み上げたり発表したりする。乗客は、そうでなければ入手困難な出来事の最新情報を得られるのだ。

El Bus TVとConexión Segura y Libreは緊密に連携している。デジタルセキュリティ研修や作業方法の共有を通じて、両組織は地域社会で強い存在感を維持している。こうした活動の中で、El BusのメンバーはNoticias Sin Filtroアプリを紹介し、遮断されたニュースソースに安全かつ容易にアクセスする方法を説明する。定期的な訪問や対面での会合(特に高齢住民に重点を置く)を通じて、Conexión Segura y Libreはアプリの受容に対して質的アプローチを取っている。バレンティーナ・アグアナによれば、こうした活動では女性が主導的な存在であり、とりわけアプリの利点に敏感に反応しているという。

El Pitazo、Tal Cual、Runrunesといった独立系メディアや、ARI Móvil(Alianza Rebelde Investiga -「反逆同盟調査」の略称)が主導する同様の取り組みは、このコンセプトをさらに発展させている。ARI Móvilは移動式ニューストラックとして機能し、3つの異なるデジタルメディアをカバーする。これらの車両は地域を巡回し、独立系報道にアクセスできなくなった人々にニュースを届けている。

前述のように、こうした取り組みは単独では機能しない。多くの場合、独立系ジャーナリスト、ファクトチェッカー、草の根のコミュニケーション担当者が協力し、時にはWhatsAppを通じて市民が支援する非公式の情報ネットワークを活用して、信頼できる情報を拡散し、政府の偽情報に対抗している。公式チャンネルが電波やソーシャルメディアを操られた情報で埋め尽くす中、これらのネットワークは分散型のファクトチェックシステムとして機能し、虚偽情報を訂正し、情報源を検証し、少なくとも一部の人々が現状を把握し続けられるようにしている。

こうした戦略は回復力の一形態となり、絶え間ない政府の管理に対抗して進化している。人々はその規制にもかかわらず、情報にアクセスする方法を学ぶだけでなく、自身とネットワークを守る新たな手法も開発している。デジタル監視が蔓延し、ソーシャルメディア活動が現実世界の結果を招きうる国では、誰を信頼すべきか、信頼できる情報をどこで入手するか、安全に共有する方法を理解することが必須のスキルとなった。

この情報レジスタンスのエコシステムは、ある種の実験室とも見なせる。絶えず進化するシステムの中で、新たな検閲手法には新たな回避策が生まれ、ニュースを求める行為そのものが静かな抵抗の形態となっている。これは適応の継続的なプロセスであり、必要性と「ベネズエラにおいて情報へのアクセスは単なる権利ではなく、正当な対抗力の行使である」という共有された認識によって形作られている。

出典:https://genderit.org/feminist-talk/women-activists-venezuela-laboratory…