「集会・デモの自由を——埼玉「植樹際」弾圧から考える」

12月21日(2025年)文京シビックにおいて、「集会・デモの自由を——埼玉「植樹際」弾圧から考える」が行われた。主催は、2025年5月25日に秩父で開催された「全国植樹祭」に反対し、抗議行動を準備した「もうやめよう「植樹祭」埼玉実行委員会」だ。集会はタイトルにある埼玉「植樹際」弾圧と当該への支援活動が一段落ついたと判断された時点での総括的な意味も込めた集まりである。この「植樹際」と、それへの反対行動への弾圧の経緯等については実行委員会がサイトで詳しく情報発信してきたし、本サイトでも紹介しいるので、詳細についてはそちらを参照していただくとして、報告に必要な最低限の事実経過を極簡単に紹介する。
轟かせよう! 天皇出席の埼玉「植樹祭」中止の声を! 秩父現地行動報告」/実行委・吉田
埼玉植樹祭「でっち上げ」弾圧:敗戦80年後の天皇制・警察国家」/桜井大子

1 秩父市は、集会とデモの会場や公園の使用をすべて拒否した。
2 そのため、デモのための集合かつ出発を秩父駅とし、デモ申請もそれで行った。
3 5月25日当日、実行委が秩父駅に到着した時にはすでに、大量の右翼が「植樹際」反対行動への妨害・攻撃のために参集していた。参加者は右翼の「殺せ」「叩き出せ」等の恫喝や妨害にさらされ続けた。
4 3の状況が続くことでデモ出発は大幅に遅れ、その渦中で、デモ妨害者の1人がデモ参加者に対して「あいつに蹴られた」と騒ぎ、デモ終了後には、さらに別の妨害者が「あいつに殴られた」と警察に訴えた。
5 警察はその事実無根の訴えをもとに、3人の参加者に対して事情聴取とそのための出頭を強要してきたが、3人はそれを拒否し、当日はそれで終わった。
6 7月3日、埼玉県警秩父署の警官2名が3人のうちの1人の自宅を訪れ、でっち上げ「傷害事件」の被疑者として事情聴取のための秩父署への出頭を要請。
7 当該は出頭拒否。その後も出頭要請は続き、当該は拒否し続けた。出頭要請は4回を数え、8月、警察は検察へ書類送検し、事態はそこで止まっている。

右翼の妨害による酷い混乱状態が作り出されたことと、その中で起きたでっち上げ弾圧の経緯について、主催の実行委員会はいくつかの問題・論点を掲げているが、会場・公園を行政が貸さないという事態を重視している。また、右翼の暴力と警察による弾圧、そして行政によるデモ・集会の自由を奪う公園や会場を使用させないといった措置は、今ではさまざまな市民運動の現場で起こっていることだ。集会は、そういった経験を共有し、議論しようということで準備された。

集会では実行委からと4つの現場から報告を受けた。こちらも超簡単だが紹介しよう。

実行委メンバーから、反天皇制運動における会場問題を中心に報告。首都圏において現在はほぼ使えなくなっている会場と公園について、それらがいつどのような理由でそうなったのか、詳細な報告がなされた(資料は実行委のサイトで公開予定)。

今回の「植樹際」弾圧の弁護人川村理弁護士からは、たくさんの事件に関わってきたが、逮捕という弾圧から始まる弁護活動ばかりの中で、でっちあげによる「被疑者」への、逮捕をちらつかせた度重なる出頭要請とどのように闘うのか、というレアなケースであったこと、今後にも活かしていける事例であるなど、とても興味深い話だった(資料は実行委のサイトで公開予定)。

現場からの報告として、
・茨城育樹祭反対闘争と事後弾圧について、行動の主催者であり被弾圧当該から。当日の行動と、情宣のために大学の外でビラを撒き、校内の掲示板にビラを貼ったとことで2名が逮捕されるという、信じがたい弾圧とその後について報告された。
・争議非合法化攻撃=情宣活動禁止攻撃と「集会・デモの権利」について、組合の争議活動への弾圧、たとえば争議対象の自宅に周囲何メートル以内に近づくなとの判決や、違反したら多額の罰金が課せられ自宅差し押さえなど厳しい事態を報告された。また、資料には公園使用を勝ち取るための行政への取り組みなどとても興味深い例が紹介されている。
・「ヘイトデモは表現の自由?——カウンターの現場から」として、差別・排外主義に反対する連絡会のメンバーから、2009年の蕨市から始まるヘイトデモとカウンター行動について詳細な報告がなされた。公園問題では、新宿デモの際は柏木公園解散を!と呼びかけられた。
・「オリンピックと公共空間」について、報告者であった反五輪の会のメンバーが病気のため欠席、急遽「オリンピック災害」おことわり連絡会のメンバーがピンチヒッター。オリンピックのために居住地を奪われた人々のこと、普段は人々の憩いの場であり、集会やデモに使ってきた公園も潰されていった現状等について、くわしく報告された。

それぞれの報告はとても興味深く、たくさんの人に知っていただきたい内容だった。それぞれ資料やレジュメが出されおり、実行委のサイトで公開される予定なので、そちらを参照されたし。https://u525shokujyusaino.hatenablog.com/

最後にでっち上げられた「傷害事件」の「被疑者」当該から、挨拶と報告。「殴られた」と訴える相手の顔も性別もわからないし、実際のところ、右翼の暴力を避けてなんとか歩くだけだったこと、こちらが殴るような状況になどなかったことを説明。それはデモ参加者の誰もが納得する話だ(警察だって同じだろうに)。また、警察には名前も住所も伝えていないのに、秩父警察から自宅まで来たことなど、この弾圧劇のずさんさと気持ちの悪さが伝わってきた。そして、支援会や弁護士とともに、秩父警察の出頭・取り調べ要請を拒否するという自身の意思を貫いてこられたと、支援の重要性も強調。

集会・デモがまともに持ち得ないという非民主的な社会に私たちは生きている。だからこそさまざまな問題について意思表示していく必要がある。それを怠ることでさらに酷い事態を迎えることになるのはわかりきっているのだ。大きな集まりではなかったが、そういった危機感とそれに抗う人たちとの繋がりの大切さを共有できる集会だった。(D)

 

カテゴリー: 報告, 運動情報 パーマリンク