2.6サイバー局新設と
警察法改悪に反対する市民集会

【2022.2.8 発言者レジメへのリンクを追記

●サイバー警察局新設の警察法改正案国会提出

 2022年1月28日、警察法の一部を改正する法律案が閣議決定され、国会に提出された。警察庁にサイバー警察局を新設し、関東管区警察局に全国を管轄するサイバー特別捜査隊を新設する法案だ。
 「誰一人取り残さない」デジタル改革により、すべての人がデジタルによる手続を強いられようとしている。その結果うまれる社会の不正アクセスに対する脆弱性を、「誰も取り残さない」監視の強化によって対処しようとするものだ。
 戦後日本の警察は、戦前戦中の教訓から国家警察を解体し、自治体警察で犯罪捜査を行ってきた。捜査権限があるのは都道府県警察(東京は警視庁)で、国の行政機関である警察庁はその調整をしてきた。今回の法改正で、初めて警察庁が「重大サイバー事案」の捜査など法執行を直接行うことになる大改革だ。

●マイナンバーカードに運転免許一体化法案も

 今国会には、マイナンバーカードに運転免許情報を一体化する道路交通法改正案も提案予定だ。2024年度末に一体化を開始するためということで、警察庁が 警察情報管理システムを「警察共通基盤」上に順次共通化・集約化し、警察庁と都道府県警察のシステム間の連携強化を図ろうとしている。当面は運転免許情報や相談情報を「共通基盤」に一元的に集約するが、将来的には他の業務も集約していくことを予定している。

「デジタル社会の形成に関する重点計画」
         (2021年12月24日閣議決定)
(4)マイナンバーカードの普及及び利用の推進
 ② マイナンバーカードと運転免許証との一体化の実現
 令和6年度(2024年度)末にマイナンバーカードとの一体化を開始する。これに先立ち、警察庁及び都道府県警察の運転免許の管理等を行うシステムを令和6年度(2024年度)末までに警察庁が整備する共通基盤(警察共通基盤)上に集約する。(46頁)

国や地方公共団体の手続等の更なるデジタル化に関する具体的な施策
 ② 警察業務のデジタル化
 警察情報管理システムを、警察共通基盤上に順次共通化・集約化しつつ、更なる警察業務のデジタル化を通じて、国民の利便性の向上や負担軽減を図るとともに、行政手続の処理の 効率化と警察情報管理システムの整備・維持に係るコスト削減を図るため、以下の取組を行う。
・運転者管理システムは、令和5年(2023年)1月に警察共通基盤上で一部の都道府県警察において運用を開始し、令和6年度(2024年度)末までには全都道府県警察において運用を開始する。(93頁)    (以下略)

 法制度的にもシステム的にも、警察が大きく変わろうとしている。それが市民生活に何をもたらすか検証し、法改正に反対する集会が行われる。主催者の呼びかけを掲載する。 

https://www.jca.apc.org/shiminren/wp-content/uploads/2022/01/image.png

◆日時:2022年2月6日 14時 (開場:13時30分)
◆会場:文京シビックセンター 4階シルバーホール
 ○アクセス 地下鉄 丸の内線・後楽園駅/三田線・春日駅
 地図:https://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/civiccenter/civic.html
●オンライン配信も予定しています。
 https://vimeo.com/event/1709950
◆集会サイト
  https://www.jca.apc.org/shiminren/?page_id=472
●参加費:500円
●オンライン参加の方は以下の振込口座に参加費を振り込んでください。集会終了後一週間ぐらいを目安に振り込んでもらえると助かります。
  振込口座番号 00120-1-90490
  加入者名 盗聴法に反対する市民連絡会
  通信欄に「2.6集会参加費」と明記してください
●会場に来られる場合は、新型コロナ感染予防のため、マスクの着用をお願いします。
●主催:2・6集会実行委員会
・連絡先: 盗聴法に反対する市民連絡会
      hantocho-shiminren@tuta.io
 JCA-NET 070-5553-5495(小倉)

<発言者>
  【2022.2.8発言レジメ追記 クリックすると開きます】
サイバー局新設で市民社会の何が変わる?
 中森圭子(盗聴法に反対する市民連絡会)
デジタル改革と運転免許証・マイナンバーカード一体化
 原田富弘(共通番号いらないネット)
「自衛隊サイバー防衛隊」は何をやろうとしているのか
 木元茂夫(すべての基地に「No!」を・ファイト神奈川)
警察の治安弾圧-治安管理・治安弾圧の現状と課題
 安藤裕子(破防法・組対法に反対する共同行動)
スーパーシティ/スマートシティで進む監視と管理
 内田聖子(NPO法人アジア太平洋資料センター<PARC>共同代表)
ほか

  警察庁は新たに「サイバー局」を設置する大幅な組織改革を打ち出しています。サイバー局の新設に伴って、これまで都道府県が担っていた犯罪捜査に対して、国(警察庁)が自ら捜査権限をもつサイバー犯罪対応の専門部隊も新設されます。こうした組織再編は、国内のサイバー犯罪対策だけでなく、海外の捜査機関との連携の強化も意図してのことといわれています。
 すでに2022年度の概算要求で、必要な組織再編や人員などが計上されています。国直轄の捜査機関や局の新設などは、警察法の「改正」が必要となる重要な問題であり、関連する法案などが通常国会に上程されることになります。
 私たちは、警察庁が国直轄の捜査機関を新設することには絶対反対です。インターネットをはじめとする「サイバー」空間は、集会、結社、言論など表現の自由の空間であり、また通信の秘密は憲法で保障された私たちの基本的人権の一部です。「サイバー局」は基本的人権によって保障されたコミュニケーションの権利を掘り崩すことになります。私たちは、捜査機関による私たちのコミュニケーションへの監視・介入を許す警察法の改悪には絶対反対です。
 警察法の改悪とサイバー局の新設は、この間政権が強引に推し進めてきたデジタル監視社会化の一環です。デジタル庁やサイバー関連の法・制度改悪、マイナンバーのなしくずし的な利用拡大、自治体レベルでの強引な「デジタル」化、子どもをターゲットにしたデジタル管理教育、自衛隊のサイバー戦争関連部隊の増強など、改憲とも連動した動きであることを見逃すわけにはいきません。本集会では、これらがもたらす新たな監視社会体制について、様々な角度から、問題点を探り、サイバー局新設と警察法改悪反対のアクションの第一歩にしたいと考えています。

● 警察法の一部を改正する法律案

 改正案は、警察庁のサイトに掲載されている。
   要綱(63KB)
  案文・理由(118KB)
  新旧対照表(164KB)
  参照条文(180KB)
  参考資料(112KB) ※以下の概要図

        警察法改正案概要

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