10月のJCA-NETセミナー(グローバル暗号化デー特集)

=================================================

1 セミナー1:10月21日(月) 19時から 暗号化を阻む政府の動きに抗して
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(申し込み方法は最後をごらんください)

暗号技術はオンラインのコミュニケーションで安全を確保するための必須の手
段です。暗号化とは、データを人間には理解できない記号群に置き換えること
で読まれないように対処する技術ですが、通信のデータに人間がアクセスする
ときには、人間が読むことのできるデータとして表示されるので、暗号化の実
際を直感的に把握する場面にはほとんど遭遇しないかもしれません。その結果
として暗号化が果している役割は、家の玄関に鍵をかけることに比べても、そ
の効果や役割を実感しづらく、暗号化への対処が疎かになりがちです。

暗号化には、ネットの回線上のデータは暗号化されるがプロバイダーのサーバー
などでは暗号化されずに保存される場合と、プロバイダーですら通信の内容を
読むことができず、発信者と宛先の受信者双方だけが読むことのできる場合が
あります。後者のような場合をエンド・ツー・エンド暗号化と呼び、より一層
プライバシー保護にとっては好ましいものになります。

他方で、通信への監視をより一層強化したいと考えている政府や企業のなかに
は、私たちが自由に暗号化のツールを利用できるということを快く思っていな
い場合があることも知られています。米国、英国、EU、そして日本などの政府
は、テロ、子どもの性的虐待、薬物犯罪などの犯罪捜査で暗号化の弱体を狙っ
ており、ロシア、中国、エジプトなどの政府は、反政府言論の取り締まり目的
のために暗号化を禁止するなどの措置へと動いています。

今回のこのセミナーでは、暗号化のなかでも特に重要性を増しているエンド・
ツー・エンド暗号化を中心に、その仕組みを概説するとともに、政府などが画
策しているエンド・ツー・エンド暗号化を弱体化しようとする動きについても
紹介します。

なお、今回の企画は、グローバル暗号化デーへの参加企画になります。(グロー
バル暗号化デーについてはこの案内の最後をごらんください)

(参考資料)プライバシー・インターナショナル「プライバシーの保護:エンド
ツーエンド暗号化」(英文) セミナー当日までに日本語訳を提供します。
https://privacyinternational.org/sites/default/files/2022-09/SECURING%2…

Protonmail:エンド・ツー・エンド暗号化とは、どのようなもので、どのよう
な働きをするのか?
https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/knowled…

(EFF) エンド・ツー・エンドの暗号化を徹底解説。公開鍵暗号化システムの仕
組みとは?
https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/knowled…

Signal社長、Meredith Whittakerの声明
https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/knowled…

(Access Now) Appleに自社デバイスのエンド・ツー・エンド暗号化を回避する
計画を撤回して信頼を回復するよう要請
https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/knowled…

(米司法省国際声明)エンド・ツー・エンドの暗号化と公共の安全(日本、イン
ドなどとの共同声明)
https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/knowled…

2 セミナー2:10月26日(土) 15時から 暗号化ツールを導入する(メール、SNS、保存データ、パソコンのデバイス)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(申し込み方法は最後をごらんください)

21日のセミナーに引き続き暗号化を特集します。これまでも暗号化ツールにつ
いては、何度か紹介してきました。ネットやパソコンなどを利用する際に、ほ
とんど自覚することなく暗号化が機能している場合もありますが、意識的に暗
号化のツールを導入することが必要になる場合があります。

今回は、ほとんど事前の予備知識なしに導入できるいくつかの暗号化のツール
を中心に紹介します。メールやSNSについては、エンド・ツー・エンド暗号化
に対応しているサービスを使うことで容易に実現できる反面、これまで使って
きたサービスからの切り替えが必要になるという点がハードルになります。保
存データの暗号化やハードディスクの暗号化では特別のソフトウェアの導入な
どの作業も必要になりますが、以前よりも導入しやすくなっています。

暗号化は、知識として知っているだけでは自分の通信のプライバシーを防御で
きるわけではありません。実践が第一なのです。しかしまた、パソコンやネッ
トを苦手とする人たちにとって、暗号化は取り組みにくい課題と感じられる結
果として、セキュリティのリスクに曝されやすくなる傾向があるともいえます。
こうした点を念頭に置きながら、苦手な皆さんがひとつでも暗号化ツールの導
入を実現できるためのノウハウを提供するように工夫します。

このセミナーで使用しているオンライン会議室Jitsi-meetもエンド・ツー・エ
ンド暗号化での会議を行なえるようになっています。この点についても、実際
に試してみる予定です。

なお、今回の企画は、グローバル暗号化デーへの参加企画になります。(グロー
バル暗号化デーについてはこの案内の最後をごらんください)

(参考資料)
メール
- Proton https://proton.me/mail
- tuta https://tuta.com/ja
デバイス(ファイル)の暗号化
- Veracrypt
https://www.veracrypt.fr/code/VeraCrypt/
https://www.gigafree.net/security/encrypt/VeraCrypt.html
- Cryptpad
https://pilot.jca.apc.org/nextcloud/index.php/s/J6aRkHmRDfQG59i
PGPを使った暗号化
- LibreOfficeの文書の暗号化
https://help.libreoffice.org/latest/en-US/text/shared/guide/openpgp.html
- ThunderbirdでPGPを使う(メッセージのデジタル署名と暗号化)
https://support.mozilla.org/ja/kb/digitally-signing-and-encrypting-mess…

3 セミナー3:10月29日(火) 19時から フォローアップ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(申し込み方法は最後をごらんください)

毎月最後の回は、これまでのセミナーで取り上げたテーマの積み残しや、うま
く解決できなかった課題、あるいは皆さんが抱えている疑問や問題を出し合っ
て解決していく回になります。今月はグローバル暗号化デーにあわせて暗号化
のなかでも特に重要なエンド・ツー・エンド暗号化をめぐる各国の規制動向や
実際の暗号化ツールの紹介などをテーマにしました。これらの話題だけでなく、
自由な意見交換ができますので、フォローアップの回を利用して疑問や意見な
どを出していただければと思います。セミナーに参加できなかった方も、ぜひ
遠慮なく参加してください。

このセミナーではLinuxOSにも力を入れています。初心者の方でLinuxに関連す
る質問などができる場所が限られていますので、ぜひ疑問や質問を持ち寄って
ください。

そのほか技術的なテーマとして、これまでセミナーで取り上げてきたものの一
例。

- TwitterやFacebookに代替するMastodonの使い方
- CryptPadの使い方
- パスワード管理
- Wordpressによるブログの設置
- Zoomに代替するJitsiを使ったオンライン会議
- 暗号化サービスProtonやTutanotaのメールサービス
- 機械翻訳の活用(DeepL)
- LinuxOSの導入と活用
- ブラウザのプライバシー、セキュリティ設定
- Internet Archiveの使い方

など。

最近の社会・政治的なテーマでセミナーやメーリングリストなどで話題になっ
た事柄の一例。
- 国連サイバー犯罪条約
- ガザ戦争とIT産業の戦争責任
- 能動的サイバー防御
- 生成AI
- マイナンバーとデジタルID
- インターネット遮断
- 政府による暗号規制
- ミャンマー軍事政権とネット監視
- ジェンダーとインターネット
など。

4 参加方法
~~~~~~~~~~~~

参加費 無料(カンパ大歓迎)

JCA-NETの会員以外の方でセミナーに初めて参加される方は予約が必要です。

下記の申し込みフォームから申し込んでください。
https://pilot.jca.apc.org/nextcloud/index.php/apps/forms/s/xscRGorFgCHn…

あるいはメールで申し込む場合は
jcanet-seminar@jca.apc.org
まで以下の各項目を記載して申し込んでください。

申し込み内容
- おなまえ
- メールアドレス
- 参加希望のセミナー番号(複数可)
- 今後もセミナーの案内を希望するばあいは「案内希望」とお書きください。
- セミナーのメーリングリストに参加希望のばあいは「メーリングリスト希望」
とお書きください。

オンラインはJitsi-meetを使用します
オンライン会議室 Jitsi-meetのマニュアル
https://www.jca.apc.org/jca-net/ja/node/93

JCA-NETの会員メーリングリスト、digital-rightsメーリングリストに登録さ
れている方は、当日30分前に配信される、メーリングリストからの会議室案内
をみてアクセスしてください。

-----
余裕のある方は是非カンパをお願いします。
セミナーはJCA-NETの会員の会費で運営されています。
郵便振替口座
JCA-NET (シ゛ェイシーエイ-ネット )
記号番号:00190-3-417584
ゆうちょ銀行〇一九店 417584

5 グーバル暗号化デーとは
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

毎年10月21日前後に、グローバル暗号化連合(現在約400団体)に加盟する各団
体が暗号化をテーマとして様々なイベントに取り組んでいます。今年は4回目
になります。JCA-NETは毎年セミナーのテーマをグローバル暗号化デーに合わ
せた内容として参加しています。

(参考)グローバル暗号化連合の設立声明
暗号化は、人々やその情報、通信をプライベートかつ安全に保つのに役立つ重
要なテクノロジーである。 しかし、一部の政府や組織は、暗号化を弱めよう
としている。これは、世界中の何十億もの人々の安全を脅かす危険な前例とな
る。 暗号化を弱体化させる一国の行動は、私たち全員を脅かす。

グローバルな連合として、私たちは各国政府と民間企業に対し、暗号を弱体化
させる努力を拒否し、世界中の人々を守るために強力な暗号の使用を強化し、
促進するポリシーを追求するよう求めるものである。また、企業が自社のサー
ビスやプラットフォームに強力な暗号化を導入し、顧客を保護する努力を支持
し、奨励する。
https://www.globalencryption.org/about/

グローバル暗号化連合
https://www.globalencryption.org

6 セミナー参加者を中心としてdigital-rightsというメーリングリストが設置されています
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

セミナーで取り上げたトピックなどを中心に、幅広くインターネットにおける
諸問題や、ネットのセキュリティやプライバシー、非営利のオープンソースの
ソフトウェアの導入、あるいは政府や企業の情報通信政策、国際情勢など技術
的なノウハウから社会問題まで様々なトピックの情報交換が行なえます。参加
を希望される方は、
toshi@jca.apc.org
まで、件名に「メーリングリスト参加希望」と書き、メール本文に
おなまえ
配信希望のメールアドレス
を記入して送信してください。登録作業をいたします。

問い合わせ先
小倉利丸(JCA-NET理事)
toshi@jca.apc.org
070-5553-5495