Access Nowとインターネットの遮断に反対する国際的な連携組織#KeepItOnが昨年のインターネットの遮断に関する報告書を公表しました。JCA-NETは#KeepItOnのメンバー団体です。なお報告書は英文になります。以下は報告書公表に関するプレスリリースを日本語に訳したものです。(理事:小倉利丸)


2023年の暴力とインターネット遮断:過去最悪の年となる
発行:2024年5月15日
最終更新日:2024年5月15日 2024年5月15日
内容注:以下の記事には暴力への言及が含まれている。

2023年は、ほとんどすべての指標において、過去最悪のインターネット遮断の年となった。当局は、暴力、戦争犯罪、民主主義への攻撃、その他の残虐行為を隠し、可能にし、悪化させ、何百万もの人々の人権を押しつぶし、39カ国で少なくとも283回、意図的にインターネットを遮断した。

本日5月15日、 Access Nowと#KeepItOn連合の新しい報告書Shrinking democracy, growing violence: Internet shutdowns in 2023は、過激化への傾向が蔓延する危険な1年を通して、人権に対する残忍な攻撃の類をみない影響と破壊を明らかにした。報告書全文とグローバル・スナップショットを読む。

2023年は、インターネット遮断が引き起こし、激化させた破壊の年であった。パレスチナからミャンマーまで、その目的は徹底的な妨害であり、当局がこれを実現した。彼らは不安定で恐るべきタイミングで遮断スイッチを押し、身体的危険、精神的苦痛、コミュニティの荒廃の交差する地点で最大の打撃を与えた。
Felicia Anthonio, #keepiton キャンペーンマネージャー、Access Now

主な調査結果は以下の通りである。

  • 過去最悪の年。当局は39カ国で少なくとも283件のインターネット遮断を実施し、2022年の40カ国201件の遮断から41%増加した。
  • 戦争の引き金。パレスチナミャンマースーダンウクライナを含む9カ国で、戦争当事者が紛争中に少なくとも74回インターネットを遮断した。
  • 規模の拡大。インド、イラン、ミャンマー、パレスチナ、ウクライナの数百万人の人々が、少なくとも211回(世界全体の75%)の遮断を経験し、エチオピア、ミャンマー、パキスタンの当局は継続している遮断を長期化させた。
  • 範囲の拡大。少なくとも80の複数の地域または全国的な規模で遮断があった。
  • 新たな加害者たち。ケニア、モザンビーク、ネパール、スリナムが初めてインターネットを遮断した。
  • 暴力。暴力行為に関連する遮断が少なくとも173件(2022年比26%増)、重大な人権侵害が記録された11カ国では少なくとも51件の遮断があった。
  • 縮小する民主主義。抗議行動中に15カ国で少なくとも63件の遮断があり、選挙に関連した5カ国で少なくとも5件の遮断があった。
  • シャットダウンの歴史を持つコンゴ民主共和国、ナイジェリア、シエラレオネが#KeepItOnの公約を守り、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の司法裁判所が再度の遮断の使用に反対する判決を下し、Freedom Online Coalition(FOC)が選挙中にインターネットを遮断しないよう政府に求める画期的な声明を発表した。


Access Nowと#KeepItOn連合としては、2023年のインターネット遮断の事態の深刻さについて、いくら強調しても強調しきれないほどである。政府、市民社会、民間セクターを問わず、世界中のすべての利害関係者は、インターネット遮断を恒久的に終わらせるために緊急の行動を取らなければならない。
Zach rosson, #keepiton データアナリスト at Access Now

2023年、以下の当局と戦争当事国がインターネットを遮断した。アルジェリア、アゼルバイジャン、バングラデシュ、ブラジル、中国、キューバ、エチオピア、ガボン、ギニア、インド、インドネシア、イラン、イラク、ヨルダン、ケニア、レバノン、リビア、モーリタニア、モザンビーク、ミャンマー、ネパール、オマーン、パキスタン、パレスチナ、カタール、ロシア、サウジアラビア、セネガル、ソマリランド、スーダン、スリナム、シリア、タンザニア、トルコ、トルクメニスタン、ウガンダ、ウクライナ、アラブ首長国連邦、ベネズエラ。

報告書全文M/a>とグローバル・スナップショットを読む。

https://www.accessnow.org/press-release/keepiton-internet-shutdowns-202…