暗号化の仕組み

以下は、Global Encryption Coallitionのウエッブに掲載されている暗号についての簡単な説明です。暗号は、インターネットの通信のプライバシーやセキュリティや相互の信頼性を高める上で必須の手段です。他方で、以下の説明にあるように、暗号を人々のセキュリティに用いる場合と国家のセキュリティに用いる場合とでは、場合によっては利害が相反することが起きます。近年の傾向として、政府等が人々の通信を監視する必要から、人々の利用する暗号(とくにエンド・ツー・エンド暗号)を弱体化させて、政府に暗号解読の特権を与えられるような法制度などの導入が試みられるようになっています。JCA-NETは、人々の暗号利用を弱体化させるいかなる法制度や政策にも反対する立場をとっています。


暗号化の仕組み

●暗号化とは何ですか?
暗号化とは、データをスクランブルまたはエンコードして、元の状態に戻す手段を持つ人だけが読めるようにするプロセスです。暗号化は、安全で信頼できるインターネットの重要な機能であり、機密情報のデータセキュリティを提供します。

●暗号化はどのような場合に使われるのですか?
暗号化は、コンピュータシステムに保存されているデータや、インターネットを含むコンピュータネットワークを介して送信されるデータを保護するためによく使われます。金融取引や個人的なメッセージのやり取りでは、セキュリティを高めるために暗号化がよく使われます。暗号化は、データが改ざんされていないかどうかを確認したり(データの完全性)、通信している相手が本当の相手であるという信頼性を高めたり(認証)、メッセージが送受信されたことを確認したりする際に重要です。

●暗号化の仕組み
ネットワーク上で通信されるデータの場合、最新の暗号化は、受信者と送信者だけが知っている秘密の値または鍵を使用してデータをスクランブルします。保存されているデータの場合、秘密の値は通常、データの所有者のみが知っています。暗号化にはさまざまな種類があり、最適なシステムでは安全性と効率性のバランスがとれるものになります。

エンド・ツー・エンドの暗号化は、最も安全な暗号化の形態です。(リンク先は英語)エンド・ツー・エンドの暗号化とは、送信者と受信者だけがメッセージを読むことができる暗号化方式のことです。通信サービスを提供している第三者であっても、暗号化キーを知ることはできません。

●暗号化が重要な理由
個人のセキュリティ
インターネットを利用した犯罪は、最も急速に増加しているセキュリティ上の脅威の一つであるため、暗号化はこれまで以上に重要な意味を持ちます。最も安全な暗号化方式であるエンド・ツー・エンドの暗号化により、何十億もの人々が毎日オンラインで送信する機密情報の機密性が保たれ、犯罪者の手に渡らないことが保証されます。

国家のセキュリティ
エンド・ツー・エンドの暗号化は、スパイ、テロリスト、敵対的な政府が、政府関係者の機密通信にアクセスして悪用したり、コンピュータシステムやデータベースに侵入して、経済、インフラ、セキュリティに大規模かつ体系的な混乱を引き起こすことを防ぎます。
また、法執行機関、軍関係者、機密業務を監督する政府関係者、緊急対応者の私的な機密通信も保護されます。また、暗号化は、電力網を動かすシステム、国民の機密データを含むデータベース、主権国家の経済的安定に不可欠な金融機関のデータベースなど、国家安全保障と本質的に結びついた機密性の高いシステムも保護します。

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