英国:君主制への支持は過去最低水準に、廃止を求める声が高まっている

(英国)国立社会調査センター(NatCen)
2025.09.11
https://natcen.ac.uk/news/public-support-monarchy-falls-historic-low-while-calls-abolition-start-rise

(翻訳・要約:編集部)

(英国)国立社会調査センター(NatCen)は、英国社会意識調査(BSA)の新たな調査結果を発表し、過去40年間における国民の君主制に対する見方の変化を明らかにしました。

君主制支持率、調査開始以来最低水準に
1983年に初めてこの質問が行われた際、英国国民の5人に4人以上(86%)が、君主制の存続は「非常に重要」または「かなり重要」だと回答していました。しかし、2024年には、この意見を持つ人は約半数(51%)にまで減少し、NatCenが世論調査を開始して以来、最低水準となりました。

一方、君主制を「あまり重要ではない」または「全く重要ではない」と答えた人の割合は、1983年の10人に1人(10%)から2024年には10人に約3人(31%)に増加しました。君主制の完全廃止を支持する人も、1983年のわずか3%から2024年には15%に増加しています。

君主制か、選挙で選ばれる国家元首か
BSAの調査では、今回初めて国民に対し、君主制を維持するか、選挙で選ばれる国家元首に置き換えるかについて調査しました。過半数(58%)が君主制の維持を支持し、約4割(38%)が選挙で選ばれる国家元首を望んでいます。

しかし、データは年齢、政治的立場、アイデンティティによって明確な隔たりがあることを示しています。

世代間の隔たり:16歳から34歳の若年層の約6割(59%)が選挙で選ばれる国家元首を支持しているのに対し、55歳以上の層の4分の3(76%)は君主制の存続を支持しています。

政治的な隔たり:保守党支持者の82%が君主制の維持を望んでいる一方、労働党支持者はほぼ二分されています(君主制維持49%、選挙で選ばれる国家元首48%)。緑の党支持者の間では選挙で選ばれる国家元首への支持が強く(70%)、自由民主党支持者の57%、改革党支持者の77%が君主制の存続を望んでいます。

地域差:スコットランド人(Scottish)(59%)とウェールズ人(Welsh)(64%)の大多数は選挙で選ばれる国家元首を支持している一方、君主制への支持は英国人(British)(62%)やイングランド人(English )(68%)の間で高くなっています。

君主制への支持は、時系列的に均等に低下したわけではありません。2011年・2012年には、チャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式、エリザベス女王の即位60周年記念、そしてロンドンオリンピックへの女王の参加といった出来事と重なり、支持が上昇しています。しかしその後は着実に低下し、2022年のエリザベス女王崩御後に一時的に上昇したものの、再び低下傾向に戻りました。

国立社会調査センターのリサーチディレクター、アレックス・ショールズ氏は次のように述べています。

「英国社会意識調査は40年以上にわたり君主制に関する世論を追跡調査してきましたが、最新のデータは世論がどれほど変化したかを明確に示しています。君主制への支持率は調査開始以来最低水準にまで低下し、その将来に疑問を抱く人がかつてないほど増えています。同時に、直接選択を迫られた場合、国民の大多数は依然として選挙で選ばれる国家元首への移行よりも君主制の維持を望んでいます。重要性の低下と根強い支持というこの緊張関係は、今後数年間の君主制の役割に関する議論を形成する上で極めて重要となるでしょう」

*国立社会調査センター(National Centre for Social Research:NatCen)は、英国最大の独立系非営利社会調査機関。
*これは2025年9月に公表されたもので、エプスタイン事件に関係したアンドリュー王子の称号剥奪(2025年10月)や逮捕(2026年2月)などの影響は反映されていない。

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