国家・天皇による「慰霊・追悼」を許すな! 8・15反「靖国」行動報告(2025)

本サイトでも紹介したが、今年も「国家・天皇による「慰霊・追悼」を許すな! 8・15反「靖国」行動」が呼びかけられ、8月11日の「『戦後80年』『昭和100年』を問う」集会と8月15日の反「靖国」デモが行われた。集会・デモは無事終了、参加者はどちらも85名だった。

11日集会の講師は北村小夜さんと池田五律さん。

北村さんは「『昭和100年』が喧伝される不穏な時代に」というタイトルで、幾つかの問題提起をされた。戦前から現在に至るまでの「教育勅語」の問題や、1950年代終わりにかけて展開された教員に対する勤務評定反対闘争(勤評闘争)等々、エピソードも問題提起も興味深い話ばかりだった。

北村さんは、戦中を生き、戦後を教員として学校をめぐるさまざま問題と立ち向かいながら、戦争に向かう国家へのアンチ、天皇制が作り出す戦前・戦後の多岐にわたる問題などに言及し行動を続けてこられている。とりわけ、障がい者への差別政策や「日の丸・君が代」問題を軸に、関連するさまざまな課題と向き合ってこられた。長い長いたたかいの延長にいまの北村さんがあることを感じさせられるお話だった。講演の記録は、近いうちに本サイトで紹介する予定である。お楽しみに。

池田さんからは、タイトル「『戦後80年慰霊の旅』という象徴天皇制の政治」どおりの内容で、天皇による慰霊問題を大展開された。池田さんは「戦争に協力しない!させない!練馬アクション」を中心に、長く反戦・反自衛隊・反軍拡を掲げて言論・行動の活動を続けてきた人だ。だから、天皇による「慰霊・追悼」問題も、この国の戦争国家化という視点で語られる。とても興味深く、知っておくべきこと満載の話だった。講演内容は池田さん自身によって文章化され、本サイトに掲載することができた。ぜひ、読んでいただきたい。戦後80年慰霊の旅」という象徴天皇制の政治(上)

15日の恒例の反「靖国」デモは、緊張をもって迎えられた。今年5月に行われた植樹際反対デモでは、右翼による文字通りの暴力的妨害と警察によるずさんな警備やデモへの規制は酷く、その後のデモ参加者一人へのでっち上げ弾圧は継続中である。また、昨年の茨城育樹際ビラ弾圧も記憶に新しい。一昨年は、8.15のデモでも逮捕者が出た。「天皇弾圧」が続いている状況下、という認識をなんとなくでも多くの人が共有していと思う。

例年よりも少しマシだったか?と思われるものの、実際は右翼のデモ妨害も、警察のデモに対する規制も酷いものであった。何事もなく無事終了してよかった。

デモの主張はたくさんあるが、究極的には天皇や国が戦争で死んだ人たちを慰霊・追悼することへの異議申し立てである。国が戦争で人を殺し、そして、死んだ人を慰撫する。国のために死ぬ人間を作り続けるためである。これは戦争をする国はどこでもやっていることだ。「全国戦没者追悼式」と「靖国神社」は、まさにこれである。

だからデモのスローガンは「戦戦争は 国家による殺人だ」であり、「戦争で死ぬことを褒めるな」であり、「殺すな!殺されるな!」なのだ。そして、「国家・天皇による慰霊・追悼を許すな!」となるのだ。この主張が変わることはない。(D子)

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