王室の維持に年間5億ポンド(990億円)

英国の王制に反対し共和制を求めるキャンペーン団体リパブリックが、レイチェル・リーブス(Rachel Reeves)財務大臣に書簡を送り、政府に王室の推定5億ポンド(約990億円)にも及ぶの費用を削減するよう求めた。ここに手紙の全文を紹介する。
またリパブリックは、「王室の費用は年間5億ポンド:王室財政報告」と題するレポートも作成している(ここからダウンロードできる)。(編集部)

2024年10月17日

親愛なる財務大臣

私は、あなたが公共サービスや福祉の予算を削減しようとしていると報じられる一方で、王室の莫大な費用が増え続けていることを懸念しています。また、あなたの同僚である国会議員たちが、eメールに対する返答の中で、王室予算がどう使われているかについて、ひどい無知を示していることも非常に懸念しています。議員たちがこのように何も知らないままで、制御不能なほど膨れ上がる王室の予算について、真剣な議論をすることは困難です。

リパブリックは最近、王室の維持に年間 5億ポンド以上の費用がかかっていることを示す報告書を発表しました。あなたの党内の一部の主張とは反対に、その費用はどれも王室財産から出ていません。王室財産は王室予算に一切含まれず、その利益は王室補助金の増額に使われているのです。

アイルランドの国家元首の費用が、警備費を除くと約400万ポンドであることは注目に値します。それでも、英国の国家元首のために5億ポンドを支払うことが正当化できるでしょうか?  政府が重要な公共サービスの削減を検討しているのであれば、王族に年間5億ポンドを渡す正当性はありません。あなたの言うように、「痛みを伴う」決断が必要なのであれば、その削減はトップから始めるべきではありませんか?

私は、王室の予算を削減し、君主に年俸制を導入し、王室の経費について調査を行うことを求めます。調査により君主制の財源とその使い道を明確にし、ランカスター公領とコーンウォール公領の取り扱いを見直し、王室補助金の廃止を検討すべきです。

敬具

リパブリックCEO グラハム・スミス

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