ドイツ連邦議会での演説:左翼党が連邦議会でチャールズ国王が演説することを批判

要約・翻訳:編集部

ツァイト・オンライン 2023年3月30日
https://www.zeit.de/politik/deutschland/2023-03/bundestag-koenig-charles-staatsbesuch-bundestag?sort=desc&page=15&utm_referrer

左翼党(Die Linke)は、予定されているイギリス国王の演説に対し、君主という存在に対する根本的な批判で反応した。左翼党代表のSchirdewanは「不適当だ」と語った。

連邦議会でイギリス国王チャールズ三世の演説が予定されているが、それに対して左翼党員の数名が批判の声を上げた。党首のMartin Schirdewanは通信社dpaに「民主主義の最高峰にある機関が、ある国の君主に対して腰をかがめるというのは不適当だ」と語った。
「しかも連邦議会が、このインフレもひどく貧困がどんどん広がっているときに、まさにこれほど裕福な家系に育った人に芳名帳へ記帳をさせるというのはどう考えてもおかしいと思う」とも述べた。

同じように述べたのは左翼党の副党首であるAteş Gürpınarだ。彼は「Augusburger Allgemeinen紙」に対して「連邦議会で王に演説させるというのはまったく言語道断だと私は思う。 思い出してみればいい。君主というのはいわば、歴史的なきらびやかなお飾りのついた独裁者と同じではないか」と語っている。「ドイツは百年以上前に君主制を廃止したことを喜んで然り、今どこかの国の君主を民主主義の心臓部に名誉ゲストとして招き入れるとは、かなり歴史を無視しているとしか言いようがない」とGürpınarは批判した。

しかもロンドンの宮廷付の儀礼係がここでのルールを決めるなどということは、国会の尊厳と相容れないことだとして、Gürpınarは議会ホールでの英国王の演説では席を外すつもりだと伝えた。チャールズ三世はドイツ連邦議員たちの前で演説をすることになる初めての君主だ。

すでに三年前にチャールズは皇太子として第二次世界大戦およびナチスの被害者への敬意を表する意味で演説をしている。ドイツへの旅は彼が国王になってから初めての国家正式訪問だ。前日の水曜日にはシュタインマイヤー連邦大統領がチャールズ三世を栄誉礼で歓迎し、国賓晩餐会でもてなした。

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