『読売新聞・歴史検証』(0-33)

「特高の親玉」正力松太郎が読売に乗り込む背景には、王希天虐殺事件が潜んでいた!?
四分の三世紀を経て解明される驚愕のドラマの真相!!

電網木村書店 Web無料公開 2003.12.1

序章:「独裁」「押し売り」「世界一」 3

巨大企業の自宅訪問と系列専売、生産と流通の双方支配は禁止

 わたしの考えでは、新聞にかぎらず、広告費を使える知名度の高い巨大企業の「訪問販売」は、全面的に禁止すべきである。昔からの行商は資本力のない庶民の緊急避難の生業なのである。

 あわせて提案するが、巨大企業の系列専売店制度をも禁止すべきなのである。日米自動車戦争の現状からも明らかなように、経済大国日本の「ケイレツ」販売は、自由競争の原理に反する鎖国の延長である。経済的弱者への自由競争の押しつけとは別の次元で、巨大企業による生産と流通の「ケイレツ」支配は、禁止されるべきである。本来ならば、そういうキャンペーンの先頭に立つべきメディアの業界に、この自覚が欠けているのは、いったいどうした理由によるものなのであろうか。

 同じ大手紙でも、記者の方は、ますますエリート化している。女性記者も少しは増えたが、ほとんどが男性で、お坊ちゃん風、背広にネクタイ、社旗を立てた高級乗用車に乗っている。中身は「インテリ・ヤクザ」だともいわれるが、一応、表面上は上品な業界のように見える。

 それなのに、なぜ、拡張販売員だけが、昔ながらのテキ屋風なのだろうか。

 詳しくいえば限りがない。要するに、新聞の拡張販売という仕事自体に、職業上の倫理の基礎となる近代的な合理性が欠けているのではないだろうか。事実経過から判断すると、すでに小手先のごまかしで済む問題ではなくなっている。「新聞セールス近代化センター」の社告の写真のような、社会人に成り立ての若者が志願したくなるような仕事ではないのだ。

 実感でいうと、以上のような「押し売り」の頻度、および押しの強さでは、何といっても読売がダントツである。さきに「扉を蹴り飛ばし」た例で、一応は遠慮して「××新聞」と記したのも、実は、読売だった。発行部数が増えれば、その分だけ新たな拡張販売に投ずる資金も増える。読売の「押し売り」頻度は加速する。世界最高の発行部数、一千万部突破とか何とかいうのは、この「押し売り」の成果の累積以外のなにものでもないと信ずる。


(0-3-4)ピストル密輸のテキ屋「拡販団長」の身元を隠す大手紙報道