「原発に死を!」 調査意見報道シリーズ

7. 馬鹿殿乱心?軍予算1千億強の泥棒に追い銭

1999.11.5.mail再録・若干追加。

 晩飯の消化の妨げ。夕刊の1面に、「この馬鹿奴!」と怒鳴ってしまう記事が載っていました。『日本経済新聞』(1999.11.5.夕刊)の見出しは、「原子力災害時/首相が緊急事態宣言/来週にも法案決定/自衛隊派遣要請盛る」(縦4段、横8行分)です。電話で友人に聞くと、『読売新聞』、『朝日新聞』、各夕刊でも報道されているそうです。

 法案の自民党案が決まり、来週にも閣議決定し、臨時国会に提出するというのですが、Y2Kもからみ、ますます人心の離反激しき折から、危険極まりない原発突進、中央突破作戦に向けて、「自衛隊」と称する予算では世界で2位とかの噂の軍隊まで待機させ、「総額1千296億円を補正予算を措置する」などとは、最早、正気の沙汰とは思えません。

 ところが、多くの「心情左翼」が取っているとか噂しきりの新聞、「似非紳士」こと、『朝日新聞』の記事には、まことにオオラカなことに、この「総額1千296億円」の「泥棒に追い銭」の金額が載っていないとのこと、直接「広報室」に電話して確認したので、間違いないようです。

 そこで、急ぎ、わが一心太助、「てえへんだ!てえへんだ!変だ!変だ!」と、この変事を、ご注進する次第です。

 以下、私がデスクだったら、「解説」に加える記事内容の概略紹介です。

 別途、すでに電話で取り寄せてあった広報発表資料、表紙を入れてA4判22頁、原子力委員会作成の19頁、

「平成12年度原子力関係経費の見積もりについて」によると、

「平成12年度原子力関係予算概算要求総表」

科学技術庁 3千374億円強

通産省   1千317億円弱

外務省等     898億円強

合計    4千778億円強

 となっています。「外務省等」の内の、その他大勢組の「等」は、運輸省、農林水産省、沖縄開発庁、厚生省、自治省、ですが、防衛庁が、ググーンと新参、ドドーンと割り込んで、3位に食い込むことになるので「しょう」。いや、省じゃなくて庁でした。(1999.11.7.追加。1999.11.5.夕刊『読売新聞』記事によると、総額1千296億円の細目は、科学技術庁関係178億円、通産省222億4千万円、厚生省関係105億4千万円、防衛庁44億5千万円となっていますので、少し訂正の必要あり)。

 これも別途、すでに送信済みのmailで、何度も論じたように、原発の電力のコスト、キロワット時8円は大嘘なのですが、資源エネルギー庁は、まるで何も論拠の法令がないのに、その計算の根拠と称する電力関係会社の提出資料を情報公開しようとしません。しかし、誰が何と言おうと、電力消費者の大部分は納税者でもあるのに、上記の「原子力関係経費」は、「コスト」とやらに含まれていないことは、認めざるを得ないのです。

 4千778億円強を、日本の総人口を約1億2千5百万として、これで割ると、1人当たり3千822円強となります。世帯数を人口の3分のとすると、1世帯当たり1万1千467円強となります。もしも、これに上記の「泥棒に追い銭」、ス園簿「総額1千296億円」の「軍」補正予算が加わるとすると、「平成12年度原子力関係予算概算要求」は、6千074億円となり、1人当たり4千592円強、1世帯当たり1万4千578円弱となります。

 しかし、もともと不必要で憲法違反の「軍」の費用全体がなければ、「原子力災害時/首相が緊急事態宣言/自衛隊派遣要請」などは、不可能 なのです。そこまでの計算は、もうしません。算数の時間は終了とします。

 でも、逆に、細部について、ひとつだけ、とても優しい心遣いの予算、「国民の理解促進に向けた取組」だけを紹介しておきましょう。

科学技術庁 80億円弱

通商産業省 77億円弱

合計    156億円強

「原子力への理解の促進を図る」ための「主な項目」の中には、「インターネット、マスメディア等を活用した原子力広報の推進」とあります。

 科学技術庁の方の備考の説明の冒頭には、「原子力委員会における情報公開等」が麗々しく記されていますが、予算の細目を子細に眺めると、額は一番少なくて、1億8千万円なのでした。本当は「情報『非』公開」のための予算なのではないのでしょうか

 私は、「地球温暖化防止ボン会議の閣僚級会合」で「原発批判が飛び出す異例」の事態を、「日本政府は『東海村の臨界事故の影響』と厳しく受け止めている」(『日本経済新聞』1999.11.4)など、その他多数の情報を見るにつけ、「緊急事態宣言」に、「自衛隊派遣要請」の権限を握ることになる「首相」殿が、正確に認識できないのであろうと判断します。これでは、かえって恐ろしさが増し、彼らの形容による「パニック」は、ますます広がり、怒濤のように「予算」国会に押し寄せることでしょう。

 現在の、そこかしこから「原発批判が飛び出す異例」の事態は、「異例」ではあっても、決して「異常」ではなくて、「東海村の臨界事故の影響」によって、始めて「正常」に働き始めた「危機管理感覚」の結果なのです。メディア報道の状況にも現われたように、これまでは押さえ込まれていた「原発怖い!」「原発止めて!」「原発に死を!」の声が、「王様の耳はロバの耳」のように、地面の下から、ド、ドーン、と、吹上げてきたのです。それを、軍の、緊急事態の、出動要請、などと、脅かせば脅かすほど、ますます「嵐を呼ぶぜ!」

 馬鹿殿、乱心!

 てえへんだ!てえへんだ!

 取り急ぎ以上。