ユーゴ空爆の背景 利権と歴史と謀略と侵略とメディアの嘘と(19)

ユーゴ戦争:報道批判特集

前例:(通称)ニュルンベルグ裁判

1999.6.4 WEB雑誌『憎まれ愚痴』23号掲載

資料1. 戦勝4カ国によるロンドン協定

 グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国政府、アメリカ合衆国政府、フランス共和国臨時政府及びソヴィエト社会主義共和国連邦政府により締結されたヨーロッパ枢軸諸国の主要戦争犯罪者の訴追及び処罰に関する協定。

 連合諸国が、これまで数回にわたって戦争犯罪者は裁判に付されるべきものである旨の意図を宣言してきことにかんがみ、

 また、占領されたヨーロッパ諸国におけるドイツ軍の残虐行為に関する1943年10月30日のモスクワ宣言が、残虐行為及び犯罪の遂行に責任を有し、またはこれに任意に参加したドイツ軍将兵及びナチ党員は、解放された諸国及びそれらの諸国内に創立されるべき自由な政府の法令により裁判され、かつ処罰されるため、彼らの憎むべき行為の行なわれた諸国に送還されるべきである旨を規定していることにかんがみ、

 さらにまた、モスクワ宣言は、その犯罪が特定の地理的制限を有せず、かつ、連合国諸政府の共同決定により処罰されるべき主要犯罪者の場合には該当しない旨の同意がなされていることにかんがみ、

 ここにグレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国政府、アメリカ合衆国政府、フランス共和国臨時政府及びソヴィエト社会主義共和国連邦政府(以下「署名国」という)は、全連合諸国の利益を代表し、かつ、正当にその権限を授与された上記4国政府の代表により、この協定を締結… ⇒ 全文を読む


資料2. 国際軍事裁判所規約

(1) 国際軍事裁判所の構成

 第1条

 1945年8月8日にグレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国政府、アメリカ合衆国政府、フランス共和国臨時政府及びソヴィエト社会主義共和国政府の署名した協定に基づき、ヨーロッパ枢軸諸国の主要戦争犯罪者の公正かつ迅速な審理及び処罰の目的をもって、ここに国際軍事裁判所(以下「裁判所」という)を設立する。

 第2条

 裁判所は、裁判官4名と予備裁判官4名をもって構成する。各署名国は裁判官2名と予備裁判官1名をそれぞれ任命する。各予備裁判官は、できる限り、裁判所の開くすべての会議に出席するものとする。裁判官が疾病又はその他の事由により、その職務を遂行することができないときば、予備裁判官がこれを代理する。

 第3条

 裁判所、裁判官または予備裁判官は、検察官または被告人もしくはその弁護人により忌避されることがない。各署名国は自国の裁判官または予備裁判宮を、健康上の理由またはその他の相当の理由により、交替させることができる。ただし、同一事件の審理中には、予備裁判官による以外の交替は行なうことができない… ⇒ 全文を読む


資料3. ニュルンベルグ裁判への批判

《この裁判所は同盟国による戦争行為の継続を象徴する》(1946年7月26日の法廷におけるアメリカ代表、首席検察官、ロバート・H.ジャクソンの発言)

 1945年8月8日、アメリカ、イギリス、フランス、ロシアの指導者たちがロンドンに集まり、《ヨーロッパ枢軸諸国の戦争犯罪人の訴追と処罰に関する協定》に署名し、その処理を適切に行うべく《国際軍事裁判所》(協定付属条例I条a項)を創設した。

 犯罪については、表題IIの6条で定められている。

1.……「平和に対する罪」は、戦争を引き起こした責任がある者に関するものである。

2.……「戦争犯罪」は、戦争に関する法と慣習の侵害に対するものである。

3.……「人道に対する罪」は、基本的に民間人に対するものである。

[勝者のみによって構成された軍事裁判所]

 このような形式の裁判権の構成については、すでに様々な意見が出されている。

1.……勝者のみによって構成されており、その結果として敗者が犯した犯罪のみを取り扱うことになるから、国際裁判所ではない。

 ………1946年7月26日に法廷を主宰したアメリカを代表する首席検察官、ロバート・H.ジャクソン[元司法長官・連邦最高裁判事]の発言には、以上の意見を認めるかのような、正確な理由(上記の引用部分……《この裁判所は同盟国による戦争行為の継続を象徴する》)が含まれていた。

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 以上。


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