ユーゴ空爆の背景 利権と歴史と謀略と侵略と(31)

ユーゴ戦争:報道批判特集

ユーゴ連邦、1100万人「勝利!」の判定

1999.7.9 WEB雑誌『憎まれ愚痴』28号掲載

1999.7.3.mail再録。

 先に「アメリカ敗れたり!」の判定を送りましたが、総人口6億のNATO諸国、しかも先進資本主義国の世界最強ハイテク同盟軍を相手取って、人口わずか1千1百万のユーゴスラヴィア連邦共和国が、「勝利!」したのだという判定を、以下、最新情報をも交えて、お送りします。

 昨日、1999.7.2.日本経済新聞のベタ記事が伝えたユーゴの政治状況は、クリントン、ブレアらの女衒(ぜげん:女を遊女に売る周旋を職業とした者。つまり、最低の男の意)風アングロ・サクソン連合の鼻っ柱に、ガツンと響き、彼らの目からは火が吹き出たのではないでしょうか。そのたったの1段の3行の見出しは、「ミロシェビッチ政権参加を示唆/ユーゴ最大の野党」で、本文は、以下のようです。


【ウィ-ン1日=窪田淳】ユーゴスラヴィア連邦議会を構成する与野党の代表は1日、特別会合を開き、紛争後の復興に向け挙国一致体制でミロシェビッチ政権を支えていくことを確認した。最大野党の「セルビア再生運動」の代表は、「復興にはすべての政党を総動員することが必要だ」と語り、政権参加を示唆した。

 米欧などは復興支援の条件としてミロシェビッチ大統領の辞任を促しているほか国内でも反政府デモが起きているが、政権中枢ではミロシェビッチ体制の基盤固めが進んでいることを裏付けた。

 会合はブラトビッチ・ユーゴ首相が緊急に呼び掛けたもので、与野党の代表による会合は北大西洋条約機構(NATO)による空爆後、初めて。ただ、民主党、モンテネグロ民主社会党の野党2野党の代表は出席しなかった。


 その一方、やはり、昨日、1999.7.2.米軍放送傍受(盗聴ではない)からテープ録音したABCラディオの「ニュウズ・コメンタリー」の冒頭項目では、ポール・ハーヴェイが、怒っているようなブッキラボーの厳しい口調で、つぎのように語りました。

(英語は「敵性語」の時代に育った「耳弱」の慣れないテープ起こしですから、特に個人の名前の綴りなどに、少しは間違いがあるかもしれませんが、不審に思われる方は、テープのコピーを御請求下さい)


 アメリカの飛行機がユーゴスラヴィアを爆撃していた間、皆さんは、10万人以上のアルバニア系住民が虐殺されたと聞かされました。10万人以上でした。

 今、われわれは、そこに入っています。そして、その数字は最大限でも、多分、1 万人人ぐらいだということを発見中です。

 クリントン大統領は、復員軍人の聴衆を前にして、こう語りました。「60万人のアルバニア系住民がコソヴォ州の中で捕らえられ、屋根もなく、食料も与えられず、帰宅を恐れ、そして、すでに、死刑執行人が掘った集団墓地に埋められている」。

 これは事実ではありません。

 事実ではないのです。国防総省は、釈明に努力しています。われわれは、その当時に、われわれが獲得することができた最上の情報を使ったのだ、と言っています。しかし、それは事実ではなかったのです。

 今でも、コソヴォには、新鮮な作物、小麦や、その他の穀類が実っています。これまでに報告されていたような、大掛かりな虐殺や虐待はなかったし、普通の生活が営まれていたのです。

 ボストン大学で国際関係論を専攻するアンドリュウ・ヴィコヴィッチ教授は、「われわれのコソヴォへの介入を正当化するために、かれらは、ミロシェヴィッチをヒトラーに仕立て上げなければならなかったのだ」と語っています。

 フロリダ州出身のポーター・ガス下院議員は、下院の情報委員会の委員長ですが、クリントン大統領には、この問題に関する信憑性への疑問がある」と語っています。

 WhileAmerican planes were bombing Yugoslavia, you were told that, more than hundred thousand ethinic Albanians have been slaughtered. More than hundred thousand....

 And now we are in there. And we are discovering the outside number is more like, may be ten thousand.

 President Clinton made an audience of veteran, quote,“six hundred thousands ethinic Albanians are trapped within Kosovo, with no shelter, short of food, afraid to go home, and already are buried in mass graves dug by the excutioners.”Not true.

 Not true. The Pentagon tries to explain, that, we were using the best information available to us at that time. But it was not true.

 Even todays, Kosovo, live stock, wheat and other crops, are growing. There are not slaughtered, wholesale are tortured, as well as reported, but, spend act as....

 A professor of national relations of Boston university, Andrew Vicovich, says, quote, “in order to justify our involvement in Kosovo, they had to make Milosovic into a Hitler.”

 Congressman Porter Gas of Florida, is chairman of house intelligence committee, says, there is a credibility question with president Clinton on these matters.


 さて、元・正真正銘の「敗戦国」のアメリカ軍の占領下の栄養不良少年としては、上記の日経のベタ記事に表現された1千1百万人のセルビア人の思いが、とても身に泌みます。6億人の代表者たちが、「復興援助」と引き換えに、「戦犯」ミロシェヴィッチ大統領の首を差し出せ、と吠えたのに対して、たとえ日頃は政敵でも味方を敵に売る気はない、われわれは乞食じゃないぞ、ピシャリと叩き返したのです。

 実は、米軍放送では、このところ毎日、上記の日経のベタ記事だといかにも上品な表現の、「復興支援の条件としてミロシェビッチ大統領の辞任」を求める実に下品な、無頼なカナキリ声が、響いていたのです。それも、演出過剰、嫌味たっぷり、テーブルをひっくり返すか、殴り付けてやりたいような、あの、不愉快極まりない「金満国家の元首」と「実力者の国務長官」の脅しの声が、不気味にハモって、ユーゴスラヴィア連邦共和国の全域にも、空の上から、響き渡っていたはずなのです。

 この事態の基本は、湾岸戦争のイラクと同様です。イラクの人口は1千7百万でした。それよりも少ない人口わずか1千1百万のユーゴスラヴィア連邦共和国が、総人口6億のNATO諸国、しかも先進資本主義国の世界最強ハイテク同盟軍を相手取っての戦いですから、普通の戦争の意味での「勝利」を得ることは、最初から不可能です。しかし、そのわずか1千1百万人が、2カ月半も、広島の原爆の6-7倍と言われる破壊力にさらされながら、地上でも同時に、麻薬密売で武器を入手する怪しげな傭兵部隊、外部から大量に流入し、4万のユーゴ軍より多い6-7万の兵力と言われたKLA(コソヴォ解放軍)を駆逐し、戦い抜き、NATOの独断を許さず、曲がりなりにも自国が加盟する諸国家連合(国際連合は誤訳)の決議を出させ、昔の社会主義国の仲間のロシア軍をも引き入れ、いまだ名目的とはいえ、とにもかくにも、国土の保全を約束させたのです。

 これは、やはり、偉大な、歴史的な勝利です。残念なのは、湾岸戦争後に落選した「悪魔」ブッシュとは違って、クリントンは2期目なので、大統領選挙で落選することは不可能だということです。しかし、別の場で突き落とすことは十分可能です。スキャンダルまみれのクリントンの嘘、教育ママの鉄の女、オルブライトの嘘、ラチャク村の「虐殺」の嘘、これらの嘘の限りを尽くした「地上最悪の欺瞞戦争」の正体を暴く材料は、湾岸戦争の時よりも豊富で、しかも、非常に早目に暴露され始めています。

 きたる7月31日には、ニューヨークで「NATOを裁く国際戦争犯罪法廷」が開かれます。私も参加します。別途、わがホームページに、その法廷に向けての調査項目などを入れてあります。ここで下される判決こそが、「人類史上最悪の悪魔国家」アメリカに対する「真の勝利」なのです。

1999.6.8.追記。その後、反政府デモ(1999.6.5)、「セルビア再生運動」ドラシュコビッチ党首が「ユーゴ連邦のブラトビッチ首相の退陣を要求し、当面、連邦政府の政権与党と連立を組むつもりはないとの考えを明らかにした」(1999.7.7)などの報道もあり、事態は極めて流動的のようです。改めて、後に論評します。

 以上。


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