【おすすめ本】広谷 直路『「泣き虫」チャーチル 大英帝国を救った男の物語』―激情家であり手練手管も 英雄の素顔とは =鈴木耕(編集者)

1 week 4 days ago
 タイトルがいい。なにしろ「泣き虫」なのだ。チャーチルといえば第2次世界大戦のイギリスの英雄にして重厚な政治家で、更には文筆家としても「ノーベル文学賞」を受けたほどの人物。サブタイトルに「大英帝国を救った男の物語」とあるがこちらの方が従来のチャーチルのイメージだ。ところがそれを逆手にとって、英雄伝説を壊すことなく見事にやんちゃな「もうひとりのチャーチル」を現出させたのが本書である。 著者には何冊かの翻訳書があるが自身の著書としてはこれが初めてだという。とてもそうは思えない手練..
JCJ