戦争のシンボル

おぞましい状況に直面している。様々な情報が飛び交い、何が真実なのかわからない。ロシアの軍事侵攻が間違っているのは明らかだ。それに対して、ゼレンスキー大統領がSNSで盛んに情報発信し、総動員令で18歳から60歳の男性の出国を禁止し、CIAの情報と、ポーランド経由のNATOの武器で抗戦している。ウクライナ国旗をあらわす青と黄色が氾濫し、プーチンを「狂人」「サイコパス」「パーキンソン病」などと揶揄する批判が跡を絶たない。現実にそうした障碍や疾患を抱える人々への配慮はどこへいったのだろう? 戦争が、差別を助長し、ナショナリズムを高揚させ、個人の尊厳を踏みにじる。

この戦争を望み、仕掛け、喜んでいるのはロシアだけなのだろうか? 白人の難民が優先的に支援され、有色人種の難民が置き去りにされる。ウクライナの爆撃がクローズアップされ、中東やレバノンの爆撃が忘れ去られる。世界の支配者層が、この戦争に乗じて、目をそらさせたいこと、強化させたいこと、復活させたいことが山ほどある。


軍事支援も経済制裁も要らない。脅威に対して脅威をもって応える社会は終わりにしたい。それがどこの国のものであれ、国旗を掲げたくない。核兵器も原発も、抑止力やエネルギーにはさせない。ウクライナ前線で、上官からの民間人への攻撃命令を無視して射殺された兵士。逮捕覚悟で、ロシアの国営放送に乗り込み、反戦のプラカードを掲げた女性。そして犠牲となっている民衆に心を寄せ、わたしたちも連帯し、反戦の意思表示をしたい。日本も他人事ではない。いつかこのままでは、「日の丸」、「君が代」、
そして天皇が、ふたたび戦争や祖国防衛のシンボルとされる日が必ず来る。わたしたちに出来る闘いがあるはずだ
(水蓼)

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