2026年9月16日、最高裁判所第二小法廷(尾島明裁判長)は、私たちの「即位・大嘗祭等違憲差止等請求事件」上告および上告受理申立に対し、上告棄却および上告を受理しない決定を行なった。
私たちはこの不当決定に対して強く抗議するものである。
私たちが提起した本件訴訟は、2019年に強行されてしまった「即位の礼・大嘗祭」をはじめとする一連の天皇の「代替わり」儀式が、日本国憲法の政教分離、主権在民原則に対する重大な違反行為であることから、われわれ主権者の「基本的人格権」と「納税者基本権」に基づいて、一連の儀式への違法な国費支出差し止めと、当該儀式がもたらす人格権侵害に対する国家賠償を求めて、2018年に提訴したものである。これに、「代替わり」関連の儀式である2020年の「立皇嗣の礼」について、また、神道神話を流布する「国民祭典」を政府各省庁が後援したことの不当性も新たに提訴し本件訴訟に併合された。
しかし一審・東京地方裁判所においては、私たちが一体のものとして提起した裁判を勝手に分離し、とりわけ「納税者基本権に基づく差止訴訟」部分に関しては、一度の口頭弁論も開かないまま、却下・棄却された。そして、「人格権に基づく差止訴訟」部分も棄却され、「国家賠償請求」部分についても棄却された。
何よりも国の行為について住民訴訟を提起できないことは、法の欠陥といわなければならない。国側は、本件諸儀式は主権者である「個々の国民」に向けられたものではなく、たとえ宗教的感情を害するものであったとしても、「具体的権利侵害」はないとする。諸儀式が個々の日本国に居住する人間に向けられたものでないならば、なぜかように多額の国費を費やしてこのような儀式を行なう必要があるというのか。儀式を行なう側は、その天皇を民の上位におき尊崇させる効果を認識しているからこそ行なうのである。政府の式典委員会は「各式典が、国民こぞって寿ぐ中でつつがなく挙行できるよう」に協力を求めていたし、儀式を賛美する言論はメディアを通して報道され続けた。社会的な同調圧力が大きく作りだされたのであり、まさしく祝意は強制されたのである。
私たちは、このような一審の審理不尽に対し控訴した。にもかかわらず、二審・東京高裁民事第2部は不当にも1回の審理をもって弁論を終結し、不当判決を下した。
こうした日本国憲法に反する国の行為を規制することが日本国憲法に規定された裁判所の本来の役割であるにも関わらず、裁判所は国の主張をそのまま追認し、内容に踏み込まず形式的な判断を下し続けた。
2019年の「即位の礼・大嘗祭」をはじめとする一連の天皇の「代替わり」儀式についての裁判上の闘いはとりあえず終止符を打たざるを得ないが、私たちは引き続き予想されるさまざまな天皇儀式に反対し、少なくとも日本国憲法に規定された天皇制を乗り越えることがないように引き続き闘っていく。
2026年9月20日
即位・大嘗祭違憲訴訟の会
即位・大嘗祭違憲訴訟弁護団
