講演 千本秀樹「天皇制文化の象徴としての「紀元節」に抗して:
◆◆◆民衆の文化とは何か」
2月11日、アカデミー文京にて反「紀元節」行動実行委による集会が行われた。例年行われていた反「紀元節」行動は、徳仁天皇即位後の2021年より、2.23の「天皇誕生日」を祝わない行動もまとめてやろうと、2.11─23連続行動として準備されている。『反天ジャーナル』編集委メンバーもこの実行委に参加。
大雪が予想されていたが前日も雪は大したことはなく、当日は晴れ。集会では、千本秀樹さん(現代史研究)の講演と、5団体(基地・軍隊はいらない! 4.29集会、3.1朝鮮独立運動103周年東京集会・アクション、武蔵野五輪弾圧救援会、「オリンピック災害」おことわり連絡会、反軍拡と基地強化にNO!アクション2021)からアピールを受け、2団体(アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館、第56回なくせ!建国記念の日・許すな!靖国国営化 2・11東京集会実行委員会)からの交換メッセージを紹介してデモに出発。集会・デモともに参加者は100名。
千本さんは、近代国家が作られる過程で、民衆の中にあった慣習や表現、言葉遣いなどが捨てさられ、それまで続いてきた、アイヌや琉球諸島も含む各地の多様な「文化・伝統」を、天皇制国家の価値観に基づき統一し定められていった歴史を詳細に紹介された。話は婚姻の制度、動物の鳴き声等々、具体例を多く用いながら、面白く展開した。2002年以降の小6教科書から旧石器時代と縄文時代がなくなった事例にも驚かされた。ついこの前の話ではないか…。
(*講演全文記録はこちら→)
デモでは「建国神話」はいらない、天皇の神話を押し付けるなと、訴え歩いた。先頭車からのスピーチは説得力のある語りで、街頭の人々にも届いたはず。と願う。
例年通り妨害者たちも登場。歩道側からさかんにデモ参加者に罵声を浴びせたり、飛びかってこようとしたり。先頭では、横断幕を奪い取ろうと横断幕を持つ仲間につかみかかった。一時騒然となったものの、ともかく無事終了。
妨害者たちの暴力やヘイトは、少なくとも天皇制に支えられているし、場合によっては天皇制を支えてもいる。天皇制が隠し持つ暴力の一つだ。めげずに声を上げていくしかないと思うばかりの感想で終わった。
(大子 2022.02.14)