【1月1日】
天皇、皇族◆皇居・宮殿で行われた「新年祝賀の儀」で、徳仁「新しい年を共に祝うことを誠にうれしく思います。年頭に当たり、国民の幸せと国の発展を祈ります」。宮殿「松の間」で、秋篠宮、紀子や愛子ら皇族が徳仁、雅子に順次あいさつ。徳仁、雅子が皇族と共に宮殿の各部屋を回り、石破茂首相や閣僚、衆参両院議長、最高裁長官らから「祝賀」を受ける。各国の駐日大使らもあいさつに訪れる。悠仁が儀式と別に、徳仁、雅子にあいさつする。明仁、美智子は皇居での儀式に出席せず、秋篠宮、紀子や愛子ら皇族が東京・元赤坂の赤坂御用地にある仙洞御所を訪問し、あいさつ。前年11月に故三笠宮の妻百合子が死去したことから、三笠宮「家」と高円宮「家」の皇族は出席を控える。明仁の弟の常陸宮は89歳と高齢で、負担を考慮し欠席となったと報道。
徳仁◆新年に当たり、宮内庁を通じて感想を公表。能登半島地震や各地の災害、物価高などによる苦労を案じた上で「人々がお互いを思いやり、支え合いながら、さまざまな困難を乗り越えていくことができるよう願っている」とつづり、当年は戦後80年の節目に当たるとして「終戦以来、人々のたゆみない努力により、今日の平和と繁栄が築き上げられた」とする一方、世界各地では戦争や紛争で多くの命が失われている現状に「深い悲しみを覚える」と記したと報道。
徳仁、雅子、愛子◆能登半島地震の発生1年に当たり、宮殿で黙とうしたと、宮内庁が明らかに。/宮内庁が新年に際し、天皇一家が石川県の伝統芸能「御陣乗太鼓」のお面を見ながら、由来や演奏などについて話す様子の写真と映像を公開。
「SNS発信」◆共同通信が新年企画「皇室のいいね! SNSで発信」を配信。/本記のリードで「両陛下の活動、身近に」と掲げ「天皇、皇后両陛下の活動を紹介し、皇室を身近に感じてもらおうと、宮内庁は公式インスタグラムでの情報発信に力を入れている。フォロワー数は180万を超え、投稿には数万単位で「いいね!」がつく。皇居の自然や伝統文化、宮中行事が写真や動画で楽しめる。民間のノウハウを採り入れた新たな試みで、幅広い年代に魅力を発信している」と配信。/「『正しい情報』で理解深め/民間ノウハウ活用」と掲げ「秋の地方訪問シーズンを迎えた昨年10月、天皇、皇后両陛下は佐賀市で催された国民スポーツ大会(旧国民体育大会)の総合開会式に出席された。貴賓席から会場に向け、にこやかに手を振る天皇陛下はあいさつで、スポーツがもたらす感動や喜びを分かち合い、交流が深まるよう願った。/同行した報道陣に交じって、宮内庁でインスタグラムを担当する黒田卓歩広報推進専門官(31)が真剣な表情で両陛下の様子を見つめる。隣のカメラマンとやりとりし、写真と映像に収めた」と配信。/サイドで「欧州王室は活発/子ども向けに似顔絵付き」と掲げ「欧州各国の王室はホームページが充実し、交流サイト(SNS)を使った情報発信も活発だ。宮内庁がインスタグラムを始めると、オランダ王室や英王室、ルクセンブルク王室、スペイン王室がフォローし、皇室との親交の深さを示した」と配信。/「現場の雰囲気、伝わるよう/宮内庁・藤原麻衣子室長」と題し、藤原麻衣子・宮内庁広報室長のインタビュー記事を配信。「宮内庁のインスタグラムを担当する藤原麻衣子広報室長(46)に皇室の情報発信の現状や今後の取り組みについて聞いた。/--投稿に際し、どのようなことを心がけているか。/天皇、皇后両陛下の公務に同行した広報室職員が、その場にいなければ感じ取れないことを大切にしている。視察先で見せる両陛下の朗らかな表情や、懇談した人たちとの和やかな雰囲気など、両陛下のお人柄や公務に臨まれるお気持ちが写真や映像から伝わるようにしている。投稿する写真や映像では、両陛下が目を閉じられていないか、風で髪が乱れていないかといった点まで細心の注意を払っている」。
「新年祝賀の儀」◆石破茂首相が、静養先の東京・紀尾井町のホテルニューオータニから皇居に出向き、妻と共に新年祝賀の儀に出席。
「日本のラジオ100年」◆共同通信が新年企画「日本のラジオ100年 放送飛び出し広がる可能性」で「岐路を経て、変わる聴き方/国家的装置から親密な場へ」と題し、「1925年に始まった日本のラジオは、昭和天皇の即位行事やベルリン五輪など国家的な出来事を瞬時に共有するメディアに。戦時中は戦意高揚の装置となり、終戦を伝える玉音放送も届けた」と報道。
「戦後80年」◆共同通信が新年企画「基調・戦後80年」で「新しい『平和論』を/日本の特異性、考え抜く/同時代史が歴史になる時」と掲げ、ノンフィクション作家保阪正康のインタビュー記事を配信。書き出しで「〈終戦の日を保阪少年は北海道南部の八雲町で迎えた。当時5歳、翌年4月に新たに生まれ変わった八雲小学校に入学した。自らを『戦後民主主義の第1期生』と語る。戦時の灯火管制がなくなり街が明るくなった。それが保阪さんの戦後の始まりだった〉/『小学校の校庭に天皇のご真影と教育勅語を収めた奉安殿があったんですね。戦時中は神聖な場所です。それをある日、校長がつるはしを振るって壊していた。子ども心に何でこんなことをするのかと思いましたね』」
【1月2日】
天皇、皇族◆「新年一般参賀」が皇居で催され、徳仁があいさつで、能登半島地震や各地の災害に触れ「いまだにご苦労の多い生活をされている多くの方々の身を案じている」とした上で「本年が安らかで良い年となるよう願っている」。雅子や愛子、秋篠宮、紀子や明仁、美智子らと宮殿・長和殿のベランダに立つ。参賀は午前と午後に計5回実施し、明仁、美智子は午前の3回、故常陸宮の妻華子は初回にだけ出席。前年11月に故三笠宮の妻百合子が死去したとして、三笠宮「家」と高円宮「家」の皇族は出席を控える。戦後80年の節目となる当年、徳仁、雅子が広島、長崎、沖縄を訪問する方向で宮内庁が検討しているとして、共同通信が、参賀に訪れた沖縄県豊見城市の女性が「沖縄や被災地に思いを寄せてくれる姿に元気をもらえる」と話したと報道。
「大詔奉戴日」◆1942年の当日、毎月8日を「大詔奉戴日」とすることを閣議決定。太平洋戦争開戦の「詔勅」が出た41年12月8日にちなみ、士気高揚のため従来の「興亜奉公日」(毎月1日)に代えて、神社などでの必勝祈願や各戸の国旗掲揚を義務づけた。
皇居落書き◆皇宮警察本部が、皇居内のトイレに落書きしたとして、器物損壊の疑いで男性を現行犯逮捕。皇居で催された「新年一般参賀」に訪れていたとみられると報道。
「英国土木学会」◆1818年の当日、ロンドンのコーヒーハウスで「英国土木学会(ICE)」が発足。世界初の土木技術者の集まりで、28年に英王室の「勅許」により法人格を取得した後、国際的な団体へと成長し、現在は150カ国以上に9万7千人を超える会員がいると報道。
【1月3日】
天皇、皇族◆故三笠宮の妻百合子が前年11月に死去してから50日目となるとして、東京都文京区の豊島岡墓地で「墓所五十日祭の儀」が営まれ、喪主で孫の彬子や秋篠宮、紀子ら皇族が参列。悠仁、愛子らに続き、親族や宮内庁幹部が拝礼。徳仁、雅子と明仁、美智子は慣例で参列せず、それぞれ使者を送る。
【1月4日】
「紀元節」◆1873年の当日、明治政府が「五節句」を廃止し、神武天皇即位日の「紀元節」と天皇誕生日の「天長節」を祝日にする布告を出す。太陽暦2月11日の紀元節は、1948年に「国民の祝日」法制定で廃止されたが、66年の同法「改正」で「建国記念の日」として復活した。
「蹴鞠初め」◆京都市左京区の下鴨神社で、平安時代の貴族らが興じた蹴鞠を奉納する「蹴鞠初め」が行われる。継承する蹴鞠保存会によると、蹴鞠は飛鳥時代に大陸から仏教とともに伝わったといい、保存会は明治天皇の「勅命」で設立されたと報道。
【1月5日】
「戦後80年」◆共同通信が「太平洋戦争終結80年を迎える中、日米両政府が戦没者遺骨収集の共同作業を加速させている」と報道。「日米の覚書に基づき、激戦地で米国が回収した遺骨のうちアジア系のDNA鑑定を日本が受け持ち、身元特定と遺族への返還を促進する。戦没者遺骨収集推進法は2029年度までを集中実施期間と定めており、期限をにらみながら作業を進める」。
【1月7日】
鴨場◆宮内庁が、埼玉県と千葉県にある「鴨場」で2月と3月に開催する見学会の参加者を募集していると報道。「鴨場は皇族が外交団を招いて伝統のカモ猟を紹介する接遇場所。参加者は、猟に関するビデオを見た後、職員の解説を聞きながら場内を巡る」。
ジャンマリ・ルペン◆フランスの極右政党、国民戦線(FN、現国民連合=RN)を結成した政治家ジャンマリ・ルペンがパリ近郊ギャルシュの施設で死去したと、フランスメディアが伝える。RN指導者マリーヌ・ルペンは三女で、1972年、他の右翼運動家らと共にFNを結成して党首に就任し、1980年代半ばには訪日して当時の中曽根康弘首相と面会。2010年には日本の民族派団体「一水会」の招きで再訪し、靖国神社を参拝したと報道。
【1月8日】
美智子歌集◆美智子が皇太子妃、皇后として過ごした昭和、平成の時代に詠み、未発表だった466首を収めた歌集「ゆふすげ」が15日に出版されると報道。
【1月9日】
徳仁、雅子◆共同通信が企画記事「皇室ノート」で「陛下『忘れられない記憶』/震災30年、神戸訪問へ」と題し「6400人以上が犠牲となった1995年の阪神大震災で、皇室は人々の悲しみに寄り添い、長く続く復興の歩みを見守ってきた。現地に直接足を運び、折に触れて震災に言及することで「被災地を忘れない」とのメッセージを送った。発生から30年となる17日、天皇、皇后両陛下は神戸市で追悼式典に出席される」と配信。
佳子◆東京都港区の麻布台ヒルズギャラリーを訪れ「ポケモン×工芸展-美とわざの大発見-」を鑑賞。
上皇侍従◆上皇侍従真庭匠が依願退官する宮内庁人事が公表される。
英王室◆英国のキャサリン皇太子妃が43歳の誕生日を迎えたと報道。前年がんを公表し、治療を経て「公務」に復帰していたとして、夫のウィリアム皇太子がX(旧ツイッター)で「この1年、あなたが示した強さは驚くべきものだった。誕生日おめでとう。愛しています」。
戦死者追悼◆沖縄戦で命を落とした岩手県出身者を悼む慰霊祭が、最後の激戦地となった沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園内に設置されている「岩手の塔」で開かれる。
カーター元米大統領国葬◆前年12月29日に100歳で死去した民主党のカーター元米大統領の国葬が、首都ワシントンのワシントン大聖堂で営まれる。バイデン大統領が9日を「国民追悼の日」に指定。
【1月10日】
天皇、皇族◆「講書始の儀」が皇居・宮殿「松の間」で開かれ、徳仁、雅子のほか、秋篠宮、紀子や愛子ら皇族も出席。大阪大の武田佐知子・名誉教授(服装史学)が「古代の衣服と社会・国家・国際関係」、京都大の矢野誠・名誉教授(国際経済学)が「産業革命サイクルと市場の質」、東京大の谷口維紹・名誉教授(免疫学)が「サイトカインによる免疫応答の概要と科学・技術のこれから」と題して講義。講書始の儀は、学問奨励のため、明治天皇が1869年に始めた「御講釈始」が由来とされ、「大正」時代に宮中儀式として制度化したと報道。
「雅子と同期」◆共同通信が「トランプ人脈開拓に奔走/外務省同期に雅子さま」と題し、新たに国家安全保障局長に就く岡野正敬・外務事務次官の横顔記事を配信、「トランプ次期米大統領が2016年大統領選で初当選した際、駐米公使としてトランプ氏周辺の人脈開拓に奔走した。当時、安倍晋三首相と就任前のトランプ氏による異例の会談実現に裏方として貢献した。外務省の入省同期には皇后雅子さま(当時は小和田雅子)もいる」。
「香淳皇后実録」◆2000年に97歳で死去した香淳皇后の生涯を記した「香淳皇后実録」が3月に編集を終え、25年中に公開される見通しとなったと報道。「宮内庁が08年から編さんを続け、約17年かけてまとめた。明治から平成の四つの時代を生き、戦後の新憲法下で『象徴』となった昭和天皇と歩んだ皇后の姿を知る史料となりそうだ」。
上皇侍従◆警察庁長官官房人事課付の倉前嘉孝を上皇侍従に起用する宮内庁人事が公表される。
ウェールズ「国歌」◆前年11月に着任した鈴木浩・駐英国大使が英西部ウェールズの「国歌」にあたる歌を地元のウェールズ語で歌う動画が英国で話題になっていると報道。鈴木のX(旧ツイッター)に投稿され、BBC放送や民放も動画を紹介し、ウェールズのモーガン自治政府首相が鈴木に直接謝意を示したという。
【1月12日】
米バーレーン関係◆ハリス米副大統領が、海軍第5艦隊が司令部を置く中東バーレーンのハマド国王やサルマン皇太子と電話会談し、安全保障や経済分野で協力を強化する方針を確認。
【1月13日】
皇族確保策◆与野党は1月24日に予定される通常国会の「召集」に合わせ、皇族数確保策の議論を再開すると報道。「取り仕切る衆院正副議長は、夏の参院選前に結論を得ることを目標に据える。ただ、自民党と立憲民主党は、女性皇族の『配偶者と子』に皇族身分を付与するかどうかで隔たりがある。意見集約に向けて、この溝をいかに埋められるのかが焦点だ」。
佐渡金山追悼式◆岩屋毅外相が、韓国の趙兌烈外相と会談後の共同記者会見で、世界文化遺産「佐渡島の金山」の追悼式を巡り「韓国政府と丁寧な意思疎通をしていきたい。両国の未来のため、前に進み続けられることが大事だ」。
【1月14日】
英国王◆英王室が、チャールズ国王が27日にポーランドで、第2次大戦中にナチス・ドイツにユダヤ人が虐殺されたアウシュビッツ強制収容所の解放から80年の記念式典に出席すると発表。ドゥダ大統領と面会すると報道。
「帰国の記帳」◆石破茂首相が、皇居で「帰国の記帳」。
【1月15日】
秋篠宮、紀子◆東京都文京区の文京シビックホールを訪れ、第65回交通安全国民運動中央大会に出席。秋篠宮があいさつで、年間2千人以上が交通事故で亡くなっている現状を指摘し「運転者や歩行者それぞれが相手の立場に配慮し、思いやりのある行動をとることが求められている」。
英王室◆英皇太子の妻キャサリンが、X(旧ツイッター)で、がんが「寛解した」と明らかに。
【1月16日】
徳仁、雅子◆阪神大震災の30年追悼式典に出席するため、特別機で羽田空港から出発し、神戸市に入る。兵庫区の兵庫県立兵庫津ミュージアムで震災の特別展示を視察した後、1995年の被災当時を知る人たちと「懇談」。
「戦没者追悼式」◆硫黄島(東京都小笠原村)の慰霊施設「鎮魂の丘」で、都主催の戦没者追悼式が開かれる。
「国民スポーツ大会」◆国民スポーツ大会の改革を巡り、日本スポーツ協会が、競技団体を集めた説明会を東京都内で開く。事前に行ったアンケート結果が公表される。都道府県対抗方式に78%が賛成と回答し、男女総合優勝の天皇杯などを決める総合成績の算出方法に関しては「現状のままでよい」が59%で「見直しが必要」は27%だったと報道。
【1月17日】
徳仁、雅子◆神戸市の兵庫県公館で催された阪神大震災の30年追悼式典に出席。徳仁があいさつで「震災の経験と教訓を基に、安全で安心して暮らせる地域づくりが進められるとともに、得られた知見が国の内外に広がり、次の世代へと引き継がれていくことを期待する」。式典に先立ち、被災地を支援する団体と「懇談」。「人と防災未来センター」に移り、地元の小学生が防災を学ぶ様子を見学。
明仁、美智子、愛子◆明仁、美智子が、阪神大震災の発生時刻に合わせて東京・元赤坂の仙洞御所で黙とうしたと、宮内庁が明らかに。愛子も皇居・御所で黙とう。
靖国合祀訴訟◆第2次世界大戦の戦没者合祀のため、国が靖国神社に情報を提供したのは違法だとして、韓国籍の複数の遺族が国に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(岡村和美・裁判長)が、遺族側の上告を棄却。違法性の判断はせず、不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」が経過したと認定し、遺族側敗訴が確定。三浦守・裁判官が反対意見を述べ「遺族側の主張を前提にすれば、憲法の政教分離原則に違反する」。除斥期間の判断をするためには重要な事実の認定や検討が必要だとして、審理を高裁に差し戻すのが相当だと述べる。
「昭和100年」◆政府が、「昭和改元100年」(2026年)に関する施策について、関係府省庁の連絡会議を持ち回りで開き、基本的な考え方や施策の方向性を決定。26年に政府主催の記念式典を開催するとともに、歴史遺産の収集・公開やシンポジウム開催など、昭和の体験を未来につなげるための施策を推進するとしたと報道。
【1月18日】
西都原古墳群◆共同通信が連載企画「歴史を旅する」の第22回で「九州最大の前方後円墳/ヤマト王権と深いつながり」を配信。「西都原古墳群には九州最大の前方後円墳がある。古墳時代、ヤマト王権との関係が深かった一つの証しだ。南九州はヤマトにとってどのような存在だったのか。宮崎県西都市にある西都原古墳群を中心に考えてみた。(略)全国的に古墳の巨大化が進んだ古墳時代中期、5世紀前半には国内最大の帆立て貝形古墳『男狭穂塚』、九州最大(国内48番目)の規模となる前方後円墳『女狭穂塚』が造られた。/天照大神の命令で地上に降り立った孫のニニギノミコトと、その妻コノハナサクヤヒメの墓との伝承も残る。1895年には天皇家の祖先が葬られた可能性があるとして陵墓参考地となった」。/共同通信が連載企画「歴史を旅する」の第22回で「女狭穂塚に仁徳天皇妃?/支配の視点から築造」と題し、宮崎県立西都原考古博物館の東憲章・副館長のインタビュー記事を配信。「〈なぜここに?〉/神話では現在の宮崎、鹿児島県境にある高千穂峰、あるいは宮崎県高千穂町が「天孫降臨」の地とされます。その子孫、神武天皇は船軍を率いて日向を出て、大和を平定し初代の天皇の位に就いたとなっています。/8世紀に成立した日本書紀や古事記にある神話を、作り話として否定する時期もありましたが、近年は弥生や古墳の時代に起きたことを示唆するとの見方もあります。/天皇の祖先が大和に降臨してもよかったはずです。わざわざ南九州に降り立った話となったのは、何らかの影響力のある豪族、勢力がいたと考えることもできます」。
長崎市長銃撃事件◆1990年、昭和天皇の戦争責任に言及した当時の長崎市長本島等(2014年に92歳で死去)が右翼の男に銃撃され、重傷を負った事件から35年となり、市内で集会が開かれる。生前の関係者や国連に核兵器廃絶署名を届ける「高校生平和大使」ら約15人が参加。
【1月20日】
秋篠宮◆総裁を務める日本動物園水族館協会の水族館技術者研究会に出席するため、京都府を訪問。研究会は京都市内で開かれる。
英議会◆1265年の当日、英王室から武力で実権を奪った貴族シモン・ド・モンフォールが招集した議会が、ロンドンのウェストミンスター・ホールで始まる。貴族や聖職者に加え、各都市、州から騎士や市民の代表を招いて国政を討議し、英国で最初の議会と称されると報道。
【1月21日】
秋篠宮◆京都市の京都水族館を視察。
【1月22日】
天皇、皇族◆「歌会始の儀」が皇居・宮殿「松の間」で催され、徳仁、雅子や秋篠宮、紀子ら皇族が出席。儀式後、入選者10人が徳仁、雅子と「懇談」。
徳仁、雅子◆「戦後80年」に当たり、「戦没者慰霊」のため、太平洋戦争の激戦地・硫黄島(東京都小笠原村)を4月に訪問する方向で宮内庁が検討していることが、関係者への取材で分かる。関係者によると、硫黄島訪問は自衛隊機を使い、日帰りとなる見込みと報道。
皇族確保策◆衆参両院が、皇族数確保策を巡る与野党協議を31日に衆院議長公邸で開く日程を固めたと、複数の関係者が明らかに。
「歌会始」◆宮内庁が、歌会始の一般応募で佳作に選ばれた14人と、それぞれの歌を発表。/翌年の歌会始の題が「明」に決まり、宮内庁が応募要領を発表。
「大化の改新」◆646年の当日、孝徳天皇が「改新の詔」を発布したと報道。「『大化の改新』で実権を握った中大兄皇子らが、中央集権国家を目指す新方針を天皇の名で示したもので、豪族の私有地を廃し私有民を公民化。地方行政制度を整え、耕地分配の班田収授法や統一税制を定めた」。
「戦後80年首相談話」◆林芳正・官房長官が記者会見で、石破茂首相による戦後80年の談話を出すかどうかを問われ「現時点で決定していない。これまでの経緯を踏まえ、さまざまな観点から考える」。石破内閣の歴史認識に関し「これまでの首相談話を含め、歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継ぐ」。公明党の斉藤鉄夫代表が官邸で記者団に、戦後80年の首相談話を出すべきだと主張。
【1月23日】
「天皇誕生日」◆宮内庁が2月23日の天皇誕生日に実施する一般参賀の要領を発表。徳仁は雅子と共に皇居・宮殿の長和殿のベランダに立ち、「祝賀」を受けると報道。
サウジ皇太子◆トランプ米大統領が、サウジアラビアの事実上の最高権力者ムハンマド皇太子と電話会談。皇太子が今後4年間で対米投資と貿易を6千億ドル(約93兆9千億円)に拡大するとの意向を示したと、AP通信が国営サウジ通信を引用して伝える。
靖国参拝誤報◆共同通信社が、自民党の生稲晃子・参院議員(現外務政務官)が2022年8月15日に靖国神社を参拝したとする誤報配信を巡り、他の議員参拝など関連出稿の検証結果をまとめる。22年を挟む19~24年の6年間に記事化した国会議員は延べ144人で、生稲を除いた延べ143人について事実関係に誤りはなかったと報道。
靖国参拝報道◆共同通信社が、各報道機関が政治家の靖国神社参拝を報じるのは、先の大戦を巡る歴史認識を映し出すからと報道。「極東国際軍事裁判(東京裁判)のA級戦犯が1978年に合祀されており、戦没者を追悼する行為に、先の侵略戦争を正当化する思惑があるとの疑念は国内外に根強い。政治・外交問題をはらむ靖国参拝や追悼の在り方は戦後80年を迎える中で重要な取材テーマとなり続ける」。
【1月24日】
徳仁◆第217通常国会が「召集」され、参院本会議場で行われた開会式に出席。「お言葉」を述べる。
徳仁、雅子、愛子◆徳仁、雅子が、皇居・東御苑で皇宮警察本部の年頭視閲式を視察。愛子も初めて出席。皇宮警察の直江利克・本部長があいさつで、当年が戦後80年の節目の年であり、大阪・関西万博も開催されることを踏まえるとして「皇室守護の使命を果たすべく、あらゆる事態を想定して万全の態勢を構築する必要がある」。
「安定的な皇位継承」◆石破茂首相が施政方針演説で「安定的な皇位継承」に言及。皇族数の確保を「喫緊の課題」と位置付け、国会で早期に立法府の総意が取りまとめられるよう、積極的な議論を期待するとしたと報道。
「箱根竹ノ下の戦い」◆1336年の当日、後醍醐天皇の建武新政府に反旗を翻した足利尊氏が駿河国箱根竹ノ下(現・静岡県小山町)で、新田義貞ら天皇方の討伐軍を破ったと報道。「討伐軍は味方の裏切りで崩れた。尊氏は、敗走した義貞を追って都に入り、南北朝の動乱が始まった」。
【1月25日】
サッカー皇后杯◆サッカーの第46回皇后杯全日本女子選手権で、WEリーグ勢による決勝が広島市のエディオンピースウイング広島で行われ、三菱重工浦和が3大会ぶり2度目の優勝を果たす。
【1月27日】
徳仁、雅子◆皇居・宮殿で、農林水産祭の天皇杯受賞者と面会。
徳仁、雅子、愛子◆東京・上野の国立西洋美術館で開催中の「モネ 睡蓮のとき」を鑑賞。
華子◆宮内庁が、常陸宮の妻華子が新型コロナウイルスに感染したと発表。常陸宮は検査の結果、陰性だったと報道。
【1月28日】
「飛鳥・藤原の宮都」◆政府が、「飛鳥・藤原の宮都」(奈良)を世界文化遺産候補として推薦することを閣議了解し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に正式版推薦書を提出。阿部俊子・文部科学相が記者会見で「登録が実現するよう、引き続き関係自治体と連携をしながら取り組む」。飛鳥・藤原は天皇の宮殿跡である飛鳥宮跡(明日香村)や藤原宮跡(橿原市)、極彩色の壁画が発見された高松塚古墳(同村)など計19の資産で構成され、6世紀末期から8世紀初頭にかけ、東アジアの古代国家形成期において中央集権体制が誕生、成立した過程を示すとされると報道。
関西万博◆防衛省が、4月12日に開かれる大阪・関西万博の開会式に航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」を派遣する方向で調整に入ったと、複数の政府関係者が明らかに。関係者によると、開会式には徳仁、雅子や首相らの出席を見込んでいると報道。
ザンビア大統領訪日◆政府が、ザンビアのヒチレマ大統領が2月3~7日の日程で訪日すると発表。徳仁と会見し、石破茂首相と会談すると報道。
米中東政策◆米ニュースサイト、アクシオスが、トランプ政権の中東担当特使ウィットコフがサウジアラビアを訪れ、事実上の最高権力者ムハンマド皇太子と会談する予定だと報じる。米政府当局者の話としていると報道。
【1月29日】
男系男子継承◆政府が、国連の女性差別撤廃委員会が前年10月、男系男子に皇位継承を限る皇室典範の「改正」を勧告したことへの対抗措置を発表。同委員会の事務を担う国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に支払っている日本の任意拠出金の対象から同委員会を除外する内容で、27日に委員会側に伝達し、外務省によると異例の措置となると報道。日本の男女共同参画分野の取り組みを理解してもらうために予定していた委員会委員の訪日プログラムを取りやめるとも。北村俊博・外務報道官が記者会見で明らかに。「皇位につく資格は基本的人権に含まれない。男系男子に限定されていることは女性に対する差別に該当しない」。「皇位継承の在り方は国家の基本に関わる事項だ。女性差別撤廃委員会で取り上げることは適当でない」。
戦死者追悼式◆大阪府が、吉村洋文知事と横山英幸・大阪市長が2月6日に沖縄県糸満市を訪れ、府出身戦没者の追悼式に参列すると発表。戦後80年で60回目の節目を迎えるに当たり、主催する大阪府遺族連合会から招待を受けたと報道。
弥栄会館◆帝国ホテルは、京都・祇園にある国登録有形文化財の弥栄会館(京都市東山区)を改修して翌年春に開業するホテルの名称を「帝国ホテル 京都」にすると発表。弥栄会館は1936年に完成し、演劇やコンサートなどに利用されてきたが、老朽化や耐震性の問題で近年は大部分が使われない状況になっていたと報道。
【1月30日】
徳仁、雅子◆7月上旬にモンゴルを「公式訪問」する方向で調整が進められていることが、政府関係者への取材で分かる。関係者によると、日程は1週間程度の見通しと報道。
徳仁、雅子の硫黄島訪問◆共同通信が、徳仁、雅子の硫黄島訪問について編集委員・大木賢一の評論記事を配信。「愛子 さまも同行を/次世代への継承を目の前で」と題し、「天皇、皇后両陛下が4月に太平洋戦争の激戦地・硫黄島を訪問される方向で調整中だ。愛子さまも同行すれば、戦争の記憶を若い世代につなぐ象徴的な出来事になろう。宮内庁はぜひ愛子さま同行を実現させてほしい」。
「皇室制度改革」◆共同通信が企画記事「皇室ノート」で「女性皇族の生き方を左右/制度改革、結論出るか」と題し、「上皇さまの退位をきっかけとした皇室制度改革は紆余曲折を経て、焦点が定まりつつある。議論の場となっている衆参両院は昨年9月の中間報告で、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する案を『認める方向』と明記し、衆院議長らは夏の参院選前に結論を得たいとの考えを示す。女性皇族の生き方を大きく左右する改革は実現するのか」と配信。
国連拠出金◆社民党の福島瑞穂党首らが、外務省の担当者を国会に呼び、政府が国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に支払っている日本の任意拠出金の対象から国連の女性差別撤廃委員会を除外するよう求めた措置の撤回を求める。福島党首「日本がジェンダー平等に背を向けているとの誤ったメッセージを世界に発信することになる」。立憲民主党の早稲田夕季・衆院議員、共産党の山添拓・参院議員らが同席。
「大覚寺」展◆共同通信が「受け継がれる〝宝〟たち/『大覚寺』展」を配信。「京都市の北西に位置する真言宗の大本山、大覚寺。天皇家とゆかりが深い同寺所蔵の名宝が一堂に会する『大覚寺』展が東京・上野の東京国立博物館で開かれている。/大覚寺は平安時代に嵯峨天皇が造らせた離宮が前身。876年に寺になって以降は法皇や親王らが門跡となってきた」。
【1月31日】
徳仁、雅子◆宮内庁が、徳仁、雅子が7月前半にモンゴルを「公式訪問」すると発表。「国際親善」が目的で、フレルスフ大統領との面会や最大の祭典「ナーダム」への出席などのほか、第2次大戦後の抑留中に死亡した日本人の慰霊碑を訪れることを検討しており、関係者によると、日程は1週間程度の見通しというと報道。宮内庁によると、22年11月にフレルスフ大統領夫妻が訪日した際、徳仁、雅子と皇居・御所で会見して招請し、その後も重ねて招待があったといい、林芳正・官房長官が記者会見で「わが国とモンゴルとは、長きにわたり幅広い分野で協力関係を進展させてきた」。
秋篠宮、紀子、佳子◆東京・池袋の文化施設を訪れ、第73回関東東海花の展覧会を視察。
彬子◆宮内庁が、故三笠宮「家」の彬子が新型コロナウイルスに感染したと発表。「活動」の場を置く京都府の住まいで療養すると報道。
皇族確保策◆衆参両院が、各党派代表者を衆院議長公邸に集め、皇室の課題に関する全体会議を開く。額賀福志郎・衆院議長が、皇族数の確保策について当国会中に結論を得たいと表明。女性皇族が婚姻後に「配偶者と子」も含め、皇族の身分を保持するのかといった主要2案に論点を限定して議論を深める方向となったと報道。衆参正副議長の考えとして、皇族身分に加え、皇統に属する男系男子の養子縁組を認める案の2点に絞り、2、3月に複数回議論したいと提案したところ、大半の党派は賛同したが、共産党は「論点を限定するのは同意できない」と反対し、女性宮家や女性・女系天皇の検討を求める。玄葉光一郎・衆院副議長が会議後の記者会見で、皇族からの直接の意見聴取について「憲法上の問題もあるかと思うので、慎重に進める必要がある」。/共同通信が「『喫緊の課題』4年目突入/参院選控え、合意不透明」と題し、「衆参両院は皇族数確保策を巡る協議を再開した。女性皇族の結婚に伴う皇籍離脱が相次ぎ、皇室活動の先細りが懸念されている。与野党は『喫緊の課題』との認識を共有しながら議論は進まず、国会での協議は4年目に突入した。今年は夏の参院選を控え、与野党の駆け引きが活発になるのは確実だ。落ち着いた環境の確保は難しく、合意形成の行方は不透明だ」と配信。
「旭日大綬章」◆英統治下の香港で最後の総督を務めたクリストファー・パッテンに、日英交流にも貢献したとして、旭日大綬章を渡す叙勲伝達式が、ロンドンの日本大使公邸で開かれる。パッテンは2009年から高松宮殿下記念世界文化賞の国際顧問。前年はオックスフォード大総長として徳仁、雅子を同大に迎えたと報道。