やじうま日誌 2024年5月

【5月1日】
皇位継承策◆共同通信が「政府の有識者会議が2021年末に提言した皇族数確保策について、自民党は妥当とする党見解をまとめた。各党の意見が出そろい、大型連休明けに本格化する政党間協議で、①女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持して公務を担う②旧皇族の男系男子が現皇族との養子縁組により皇族に復帰する―の2案を軸に制度化の議論が交わされる。(中略)歴史上、女性天皇は8人いる。いずれも男系で、母方だけが天皇の血筋にある女系天皇はいない。伝統を重んじるのは分かる。共同通信の世論調査では女性天皇支持が若年層を中心に9割に達している。女系天皇の可能性にとらわれるあまり、象徴天皇制の根幹に関わる皇位継承策をまた先送りするようなら、無責任のそしりを免れない」と主張する「論説」記事を配信。
古代史研究者◆笹山晴生(東京大名誉教授、日本古代史)が4月12日、老衰のため死去したと報道。奈良時代や平安時代の天皇制などの研究で知られ、05年には女性天皇の是非を検討した小泉純一郎政権の「皇室典範に関する有識者会議」のメンバーを務めた。著書に「古代国家と軍隊」「日本古代衛府制度の研究」など。
【5月2日】
徳仁、雅子、愛子◆「静養」のため、栃木県の御料牧場に入る。車で到着。徳仁が県知事らの出迎えに感謝し「新緑がきれいですね」。敷地内の放牧地を散策。
外国人登録令◆1947年の当日、外国人を管理する外国人登録令が公布、施行される。日本の統治下にあった朝鮮、台湾の出身者を「外国人」と規定し外国人登録と証明書携帯などを義務化。52年のサンフランシスコ平和条約発効と同時に外国人登録法に代わる。
【5月3日】
ポーランド「5月3日憲法」◆1791年の当日、ポーランド(当時はリトアニアとの連合国家)の議会が憲法を制定。欧州初の近代的な成文憲法で、「5月3日憲法」と呼ばれ、三権分立の原則と世襲による王制を規定。翌年のロシアとの戦争などにより短期間で失効した。
【5月4日】
「国民スポーツ大会」◆共同通信が「在り方の見直しを求める声が相次ぐ国民スポーツ大会(旧国民体育大会)に関し、日本スポーツ協会などは大型連休明けにも、議論を本格化させる。新たに設ける検討部会には全国知事会も加わる見通しで、5月中に第1回会合を開く方向で調整を進めている。多くの競技を集中的に行う方式を改め『通年開催』とするなどの構想がある」と報道。
「吹上御苑」◆皇居の西側に広がる森「吹上御苑」で自然観察会が開かれ、一般応募で当選した約90人が参加。観察会は明仁、美智子の意向を受けて始まり、春の恒例行事となっていると報道。
鳩山一郎◆1946年の当日、連合国軍総司令部(GHQ)が日本自由党総裁の鳩山一郎を公職追放に。戦後初の衆院選で自由党が第1党となり、次期首相として組閣に着手した直後で、代わりに吉田茂が首相に就任。鳩山は追放解除後の54年に首相となる。
【5月5日】
多摩動物公園◆1958年の当日、東京都日野町(現・日野市)に東京都多摩動物公園が開園。当初は恩賜上野動物園の分園で、広大な敷地を生かし、おりや柵の使用を抑えた展示様式を採用したと報道。
【5月7日】
徳仁、雅子、愛子◆「静養」先の栃木県から帰京。
「昭和改元100年」◆「昭和改元100年」となる2026年に政府主催の記念式典の実現を目指す与野党有志による議員連盟が設立総会を国会内で開き、岸田文雄首相宛ての要望書を採択。発起人に、自民党の麻生太郎・副総裁や公明党の山口那津男代表、日本維新の会の馬場伸幸代表らが名を連ね、麻生副総裁が、1968年に「明治改元100年」を記念した政府主催式典が開かれたことに触れ「明治より昭和の方が長い。昭和は国民にとって明治に劣らず、歴史的にも深い記憶になっている」。馬場代表「昭和は全ての国民が夢や希望にあふれ、わくわくどきどきするような時代だった」。
「帰国の記帳」◆岸田文雄首相が皇居で「帰国の記帳」。
皇位継承策◆額賀福志郎・衆院議長が、自民党や立憲民主党など与野党の代表者と議長公邸で会食し、安定的な皇位継承策を巡り翌週にも与野党協議を始める考えを伝える。関係者が明らかに。
財閥◆1952年の当日、サンフランシスコ平和条約の発効を受け、財閥商号の使用を禁じる政令が廃止される。49年に連合国軍総司令部(GHQ)が三井、三菱、住友の商号や商標を使用禁止としていた。
【5月8日】
明治天皇陵◆京都市伏見区の明治天皇陵に設置されたちょうず鉢と石柵が、黒いスプレーで落書きされていたことが、管理を担う桃山陵墓監区事務所への取材で分かる。文字のようなものが複数書かれており、事務所は伏見署に被害届を提出したと報道。
靖国神社宮司◆京極高晴(元靖国神社宮司)が6日、硬膜外血腫のため死去したと報道。09年から13年まで靖国神社の第10代宮司を務めた。旧豊岡藩(兵庫)の藩主だった京極家15代当主。
明治天皇陵◆明治天皇陵(京都市伏見区)に設置されたちょうず鉢と石柵が、黒いスプレーで落書きされていたことが、管理を担う宮内庁の桃山陵墓監区事務所への取材で分かる。文字のようなものが複数書かれており、事務所は伏見署に被害届を提出したと報道。
皇族数確保策◆「皇族数確保に関する各党の見解が出そろい、約2年4カ月ぶりの与野党協議は17日開催へ向けた調整が進む」と共同通信が報道。「政府の有識者会議が示した主要2案が軸となる。「女性皇族が婚姻後も皇族の身分保持」案に対し、立憲民主党は配偶者と子への身分付与や、『女性宮家』創設も並行して議論すべきだと主張。自民、公明両党と一部で隔たりがある。『養子縁組による旧皇族男系男子の皇族復帰』案でも、立民は慎重な検討を求める」。
【5月9日】
佳子◆当月下旬のギリシャ「公式訪問」を前に、東京都八王子市にある昭和天皇の武蔵野陵と香淳皇后の武蔵野東陵を参拝。
徳仁◆「春の叙勲」のうち、大綬章の「親授式」が皇居・宮殿「松の間」で開かれ、「最高位」の桐花大綬章の大谷直人・前最高裁長官や、旭日大綬章の石井隆一・元富山県知事ら計13人に勲章を手渡す。式後、受章者を代表して大谷前長官が「この栄誉に対し、それぞれの分野において一層精進を重ねる決意です」とあいさつ。徳仁「長年それぞれの務めに励まれ、国や社会、人々のために尽くしてこられたことに深く感謝します」。
吹上御苑◆共同通信が「皇居の北西側に広がる吹上御苑は、絶滅危惧種を含む約6千種の動植物が生息する自然の宝庫だ」と書き出す企画記事を配信。「約22万平方メートルの森は昭和天皇の意向で極力手を入れずに育まれてきた。天皇、皇后両陛下の住まいの御所がある重要エリアで、壁や柵に囲まれ、普段立ち入りは側近らに限られるが、毎年春に自然観察会が催され、都心に残る貴重な場所を散策できる」。
「春の叙勲」◆岸田文雄首相が、皇居で午前中に開かれた「大綬章親授式」に出席。午後、「重光章伝達式」に出席。
【5月10日】
サウジ皇太子◆林芳正・官房長官が記者会見で、サウジアラビアのムハンマド皇太子が20~23日の日程で訪日すると発表。滞在中、徳仁と会見し岸田文雄首相と会談すると報道。林官房長官「両国の親善関係が一段と深まることを期待する」。
大津事件◆1891年5月11日にロシア皇太子ニコライ(後の皇帝ニコライ2世)が津田三蔵巡査に切り付けられ負傷した大津事件について、滋賀県警察部(現県警)がまとめた資料2点を滋賀県立公文書館が公開していると報道。反露派の「壮士」(自由民権運動の政治活動家)の内偵記録、巡査に関する証言がまとめられているという。
鉄道◆「明治時代」の1874年に関西地方で初めての鉄道が神戸―大阪間で開業してから150周年を迎えたと報道。国内初となった新橋―横浜間の開業から約1年半後の開通。JR西日本や国土交通省の資料によると、明治政府は1869年、重要港を抱える神戸と、京都を結ぶ路線の建設を決定。74年に大阪間が開業。77年に京都まで延伸し、明治天皇が「臨席」した記念式典が神戸、大阪、京都の各駅で行われたという。
守谷絢子◆宮内庁が、2018年に結婚した故高円宮の三女守谷絢子が、第3子となる男児を出産したと発表。宮内庁によると、命名について、高円宮家と相談の上、公表は控えると報道。
【5月11日】
「令和」◆元号が「令和」になってからの5年間で、68万2325社の企業が設立されたことが、東京商工リサーチの調査で分かったと報道。「令和生まれの企業は企業全体の18%に上った。東京商工リサーチの担当者は『新型コロナウイルス禍の影響を受け、新しい生活様式や新たな時代のニーズをくみ取った企業が多い』と分析している。一方、令和に設立され、既に倒産した企業も1316社あったという」。
佳子◆東京都千代田区のイイノホールを訪れ、第33回森と花の祭典「みどりの感謝祭」の式典に出席。
愛子◆東京都千代田区の国立公文書館を訪れ、特別展「夢みる光源氏―公文書館で平安文学ナナメ読み!」を見学。宮内庁によると、愛子が単独で「公務」に臨むのは初めてと報道。
【5月14日】
徳仁◆皇居内の生物学研究所の脇にある水田で、「農業奨励」のための恒例行事である田植えをする。
【5月15日】
雅子、紀子、華子、信子、久子◆雅子が東京都渋谷区の明治神宮会館を訪れ、名誉総裁を務める日本赤十字社の全国赤十字大会に出席。名誉副総裁の紀子や常陸宮の妻華子、故寛仁の妻信子、故高円宮の妻久子も出席。雅子が日赤の活動に尽力した個人や団体の代表に賞状などを授与。金沢星稜大の学生赤十字奉仕団として、能登半島地震で被災した子どもたちの支援に当たった大久保百茄や、パレスチナ自治区ガザで医療支援事業に従事した大阪赤十字病院の看護師川瀬佐知子がそれぞれ活動内容を報告。式典後、川瀬らと懇談し、雅子がガザの状況について「大変な環境だったのでしょう。現地の方はどのように過ごされていますか」。
皇位継承策◆衆参両院が、安定的な皇位継承策に関する与野党協議を17日午後に衆院議長公邸で開催すると発表。額賀福志郎・衆院議長ら両院正副議長や、林芳正・官房長官が出席し、各党会派を代表する議員がそれぞれ見解を表明すると報道。
「神の国」◆2000年の当日、当時の森喜朗首相が神道政治連盟国会議員懇談会で「日本は天皇を中心とした神の国」と発言。
「葵祭」◆京都三大祭りの一つ「葵祭」が京都市で開かれ、「平安装束姿」のヒロイン「斎王代」ら約500人の行列が京都御所を出発し、下鴨神社を経て上賀茂神社に向かう。葵祭は両神社の例祭で、6世紀の欽明天皇の時代に飢餓や疫病が流行し、五穀豊穣を祈ったのが始まりとされると報道。
【5月16日】
秋篠宮、紀子◆パラ陸上の世界選手権開会式出席などのため、神戸市を訪問。1泊2日の日程で、市立灘さくら支援学校を訪問し、障害のある児童らと一緒にボッチャの試合に参加。近くの児童センター「こべっこランド」を視察。市内のホテルで、パラ陸上の日本選手団と「懇談」。
皇位継承策◆自民党の麻生太郎・副総裁が麻生派会合で、安定的な皇位継承策に関する与野党協議に関し「静謐な環境で真摯に協議し、立法府の総意を築き上げていきたい」。出席者が明らかに。
肉食禁止令◆675年の当日、天武天皇が牛、馬、犬、猿、鶏の食肉を禁止する詔を布告したと報道。日本書紀に記録があり、史料に残る最初の肉食禁止令とされる。
【5月17日】
秋篠宮、紀子◆神戸市の神戸ユニバー記念競技場を訪れ、パラ陸上の世界選手権開会式に出席。秋篠宮があいさつで「練習の成果を存分に発揮され、素晴らしいパフォーマンスを披露してくださることを期待しています」。式典に先立ち、視覚障害者の1500メートル走などを観戦。
皇族確保策◆衆参両院の各党派代表者が衆院議長公邸に集まり、皇室の課題に関する全体会議を開く。2022年1月以来、約2年4カ月ぶりの協議再開で、政府有識者会議が示した皇族数確保が主要論点になると報道。衆参13党派の代表者が出席し意見表明。自民と公明党、国民民主党が政府の有識者会議が示した2案を評価する見解を示し、日本維新の会は旧皇族男系男子の皇族復帰を軸に検討するよう求める。立憲民主党は配偶者と子への皇族身分の付与や、女性皇族が婚姻後も皇室にとどまり当主となる「女性宮家」の議論を併せて要請。旧皇族男系男子の皇族復帰に関して、対象の限定が門地差別を禁じた憲法14条に反する可能性を指摘。共産党は女性・女系天皇を認めるべきだと主張。額賀福志郎・衆院議長が週1回のペースで議論を進めると提案。「立法府の総意を取りまとめたい」と述べ、6月23日に会期末を迎える当国会中の集約を目標にする意向を示す。立憲民主党の野田佳彦・元首相が記者団に「今国会はとても無理ではないか。拙速な議論は良くない」。/共同通信が「皇族数確保に関する与野党協議が約2年4カ月ぶりに開かれた。安定的な皇位継承策を見据えた動きだ。ただ本格的な議論は2005年の小泉政権時代に始まり、結論は棚上げされている。一度は『女性・女系天皇』を容認する方向性が示されたものの、秋篠宮家の長男悠仁さま誕生で見送られた。その後に旧民主党政権で検討された「女性宮家」創設は、政権交代で機運がしぼんだ。皇位の安定継承は危機的状況が続く」とリードで書くサイド記事を配信。
旧桜宮公会堂◆明治天皇の資料などを収集・展示する記念館として1935年に建設され、現在は婚礼施設として使用されている大阪市北区の歴史的建造物「旧桜宮公会堂」の90周年を記念し、明治時代のフランス料理を再現したコースが建物内のレストランで提供されていると報道。牛ヒレ肉のポワレやズワイガニのクリームコロッケなど、明治期の晩さん会で振る舞われたとされるフランス料理を、明治天皇の大阪訪問時の資料などを参考に再現しちるという。
サウジ皇太子◆政府が、岸田文雄首相がサウジアラビアのムハンマド皇太子と21日に東京都内で会談すると発表。ムハンマド皇太子は22日に徳仁と会見する予定と報道。
【5月18日】
鴨場見学会◆宮内庁が、埼玉県と千葉県にある「鴨場」で6月に開く見学会の参加者を募集していると報道。締め切りは5月21日という。
【5月19日】
「玉音放送」◆共同通信が放送100年を記念した企画「音と光の世紀」の20回目で「天皇の肉声で敗戦受け入れ/軍は録音盤奪取に動く」とタイトルに掲げた記事を配信。「1945年夏、太平洋戦争での日本の敗北は決定的となっていた。首相の鈴木貫太郎らは戦争終結を目指すが、軍は徹底抗戦の構えで、クーデターも予想される。/社団法人日本放送協会の前会長で国務大臣・情報局総裁の下村海南(本名・宏)は8月8日、昭和天皇に面会し、終戦の大号令を天皇自らラジオで発するよう訴えた。軍の暴走を抑えるため、情報局次長の久富達夫らと相談した上で、前代未聞の提案に及んだ(読売新聞社編『天皇の終戦』」)。/広島、長崎に原爆が落とされ、ソ連も参戦する中、政府は降伏を決める。14日の『御前会議』で、天皇は『私はいつでもマイクの前に立つ』と明言し、終戦の詔書の起案を求めた(下村著「終戦秘史」)。/14日深夜、天皇は詔書を読み上げ、レコード盤に録音された。立ち会った下村らがこの録音盤を侍従らに託し、宮城を出ようとしたところで、陸軍兵士に監禁される。陸軍の一部が国体護持を唱え、『玉音』の放送を止めようとしたのだ。(中略)元昭和女子大教授の竹山昭子は著書『戦争と放送』で『詔書の内容ではなく、天皇のナマの声がラジオで放送されたという事実によって、日本国民は敗戦を受け入れた』と総括している」。
「三船祭」◆平安貴族の船遊びを再現した車折神社(京都市右京区)の「三船祭」が京都・嵐山である。三船祭は宇多上皇が行った船遊びを模していると報道。
サウジ国王◆中東の産油国サウジアラビアの国営通信が、サルマン国王が高熱と関節痛のため、西部ジッダの医療機関で健康診断を受けると報じる。
【5月20日】
サウジ皇太子◆林芳正・官房長官が記者会見で、サウジアラビアのムハンマド皇太子による当日からの訪日を延期すると発表。サウジ側から前日深夜、高齢の父、サルマン国王の健康状態を考慮し、延期せざるを得なくなったと連絡があったと説明。22日に徳仁と会見する予定だったと報道。
中東情勢◆サリバン米大統領補佐官が、エルサレムでイスラエルのネタニヤフ首相と会談し、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの本格侵攻に反対するバイデン大統領の立場を改めて伝える。ガザ支援拡大に向け、利用可能な検問所や海上からの物資搬入を含めた具体的な措置を提案したと、ホワイトハウスが発表。イスラエル訪問に先立って、サウジアラビアでムハンマド皇太子とも会談したと報道。
「米沢上杉家」◆山形県にあった米沢藩最後の藩主で、沖縄県令(後の知事)なども務めた上杉茂憲(1844~1919年)と上杉家のゆかりの品を公開する後期特別展が5月25日~6月23日、同県の米沢市上杉博物館で開かれると報道。母に送った直筆の手紙、先祖の上杉謙信が正親町天皇から「拝領」した短刀など61点が並ぶという。
「高雄曼荼羅」◆京都国立博物館などが、神護寺(京都市右京区)が所蔵する9世紀の国宝「高雄曼荼羅」を科学分析した結果、生地を紫に染めた染料に「紫根」と呼ばれる材質が使われていたと発表。文献では、高雄曼荼羅は淳和天皇の発願で制作されたと伝わり、神護寺の谷内弘照貫主は「紫根は貴重なもので、天皇家に近い人でないと使えない時代と考えられる。文献が裏付けられる結果だろう」と話したと報道。
【5月21日】
徳仁、雅子◆東京都千代田区の区立九段幼稚園を訪れ、5歳児クラスの園児が、併設された小学校の5年生と一緒に工作する様子を視察。5月5日の「こどもの日」にちなんだ恒例の交流行事と報道。
徳仁◆インドネシアで開かれた「第10回世界水フォーラム」で、ビデオ形式で基調講演。「繁栄を分かち合うための水」と題して英語で約20分間スピーチし「水を分かち合う文化や歴史的施設は、社会が自然との共存をたゆまず続けてきた姿を示している」。
サウジ皇太子◆岸田文雄首相が、サウジアラビアのムハンマド皇太子とオンライン会談。経済やエネルギー分野を含め包括的に両国の関係強化を図る「戦略的パートナーシップ協議会」の設置で一致。イスラエル軍とハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザ情勢を踏まえ、中東地域の平和と安定に向けて緊密に協力する方針を確認。水素やアンモニアなどクリーンエネルギー分野での協力推進を申し合わせ、ムハンマド皇太子が日本への原油の安定供給を約束すると述べる。
イラン元皇太子◆1979年のイラン革命前の王制で皇太子を務め、米国で亡命生活を続けるレザ・パーレビが、ヘリコプター墜落事故で死亡したイランのライシ大統領について「追悼にも値しない残虐な虐殺者だ」。最高指導者ハメネイ師を頂点とする現体制の転換を訴える。
【5月22日】
彬子◆故寛仁の長女彬子が英国留学時代の生活をつづった「赤と青のガウン」の文庫版が4月、PHP研究所から刊行されたと報道。同社が2015年に発売した単行本について前年5月、読者がX(旧ツイッター)で「プリンセスの日常が面白すぎる」と投稿し、広く拡散され品切れ状態が続いたことから、文庫版の刊行が決まったという。
サッカー天皇杯◆1935~40年に全日本蹴球選手権(現サッカー天皇杯全日本選手権)の優勝チームに授与されていた「大日本蹴球協会杯」が横浜市にある慶応大の合宿所で見つかり、東京都内の日本サッカー協会で返還式が行われる。40年の第20回大会で慶応大の卒業生と学生からなる慶応BRBが優勝したが、戦争の激化で41~45年は大会が中止となり、返却の機会を失ったまま、保管されていたとみられると報道。
【5月23日】
秋篠宮◆水戸市を訪れ、総裁を務める日本植物園協会の第59回大会に出席。開会式のあいさつで「植物園は多様性の保全、植物情報の発信など多岐にわたる重要な役割を担っている。社会的重要性を意識し、植物園のますますの発展に寄与していただくことを願っている」。これに先立ち、水戸市植物公園を訪れる。
美智子◆宮内庁の西村泰彦長官が定例記者会見で、美智子が、安定的な皇位継承に関する議論を進める額賀福志郎・衆院議長に「よろしく進めてくださいね」という趣旨の発言をしたとする当日発売の「週刊新潮」の記事について「上皇后さまが額賀議長に皇位継承について何かお話しになったことは全くありません」。週刊新潮からの取材にも事実を否定していたと明らかにし「皇室の制度について皇族が政治的関与をしたという誤解を招きかねず、見過ごせなかった」。額賀議長は前年12月、明仁の誕生日「祝賀」のため、東京・元赤坂の仙洞御所を訪れ、側近が同席した上で明仁、美智子と面会していたと報道。
女性皇族◆共同通信が「親善の舞台へ陰ながら努力/海外訪問臨む女性皇族」と掲げる企画記事を配信。「秋篠宮家の次女佳子さま(29)は日本との外交関係樹立125周年に際し、25日からギリシャを訪問される。国家間の親善を図る公式訪問は、皇室に期待される大きな役割の一つだ。華やかな国際舞台の陰で、女性皇族たちは相手国の歴史や文化を学び、外交儀礼の振る舞いまで入念に準備して臨んでいる。(中略)皇族数の減少で公式訪問の担い手は限られ、女性皇族は佳子さまに集中しているのが現状だ。今後は天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが加わることが期待される」。
皇族確保策◆衆参両院で、皇室の課題に関する各党派代表者会議が衆院議長公邸で開かれ、自民党が主要論点の皇族数確保の必要性に関し「多くの党派の考え方に隔たりはない」として早期に結論を得るべきだと主張。立憲民主党が2017年の天皇退位特例法の制定過程を踏まえ、各党の合意を得て議論を進めるよう要請。額賀福志郎・衆院議長が記者会見で、毎週1回の開催方針を撤回し、各党派への個別聴取に切り替えると明らかに。国会の法案審議日程が窮屈になっているためと説明し「丁寧に意見聴取し、各党派と共通の思いを持つようにしなければならない」。/立憲民主党が皇室に関する全体会議で、2017年の天皇退位特例法制定時の議論を踏まえ「日程や論点整理など、各党の合意を得て進めてほしい」と要請。
皇位継承策◆立憲民主党の野田佳彦・元首相が、安定的な皇位継承に関し記者団に「具体策は今後の検討課題とせざるを得ない」。
信任状奉呈式◆皇居・宮殿「松の間」で、ロシアのノズドレフ駐日大使がプーチン大統領からの信任状を天皇に手渡す「信任状奉呈式」がある。外務省が非公開とするよう要請し、報道機関が求めた撮影を認めず、外務省担当者が「現下のロシアを巡る国際情勢を踏まえ、儀式の様子の写真と映像を対外的に公表することは望ましくないと判断した」と説明したと報道。報道機関が要請した場合、宮内庁は儀式の様子の写真と映像を提供しており、同日実施されたギリシャ駐日大使については通常通り提供されたという。
【5月24日】
皇位継承策◆岸田文雄首相が、自民党の麻生太郎・副総裁、茂木敏充・幹事長と東京都内のホテルで昼食を兼ねて会談。関係者によると、自民が推薦候補を擁立した静岡県知事選の情勢を巡り協議したほか、安定的な皇位継承策に関する今後の党対応についても話し合ったと報道。林芳正・官房長官も同席。
会食◆岸田文雄首相が、東京・紀尾井町のホテルニューオータニの日本料理店「千羽鶴」で自民党の麻生太郎・副総裁、茂木敏充・幹事長、林芳正・官房長官と昼食。
【5月25日】
徳仁、雅子◆第74回全国植樹祭の式典出席などのため、羽田発の特別機で岡山県を訪問。岡山市の県立岡山工業高を訪れ、26日の全国植樹祭の式典で演奏するジュニアオーケストラが練習する様子を見学。これに先立ち、岡山工業高が実施する地域の課題解決に向けた授業について、パネルで説明を受ける。宿泊先のホテルに隣接する施設で、地域の緑化活動に尽力した人たちと「懇談」。
徳仁◆岡山市で夜、市内にある昭和天皇の四女で明仁の姉の池田厚子の自宅を「私的」に訪問。
佳子◆ギリシャを「公式訪問」するため、民間機で羽田空港を出発。6月1日までの日程で、英国経由で26日午前に首都アテネに到着し、滞在中、サケラロプル大統領を表敬訪問して外交関係樹立125周年記念式典に出席すると報道。
サッカー天皇杯◆サッカーの第104回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK共催)が開幕し、レモンガススタジアム平塚などで1回戦8試合が行われる。
【5月26日】
徳仁、雅子◆岡山市で第74回全国植樹祭の式典に出席。徳仁があいさつで「森林を健全な姿で未来の世代に引き継いでいくことは、私たちに課せられた大切な使命である」。2018年7月の西日本豪雨で被災した倉敷市真備町地区を訪れ、復興状況を見て回る。災害後に整備された「まびふれあい公園」で、伊東香織・倉敷市長から当時の状況について説明を受ける。公園内で被災した住民と「懇談」。夜、帰京。
佳子◆ギリシャの首都アテネに到着。世界遺産のアクロポリスにあるパルテノン神殿を視察。
【5月27日】
秋篠宮、紀子◆第2次大戦中に海外などで死去した身元不明の戦没者を慰霊するとして、厚生労働省が主催して東京都千代田区の千鳥ケ淵戦没者墓苑で開いた拝礼式に参列。
佳子◆ギリシャの首都アテネにある国立ギャラリー(美術館)で、日本とギリシャの外交関係樹立125周年記念式典に出席。あいさつで「日本の学校では、古代ギリシャの人々の知恵がさまざまな形で紹介されている」。引き続き、メンドニ文化相主催の昼食会に参加。午前には、アクロポリス博物館を見学。アテネ近郊のサラミナ島にフェリーで渡り、17世紀に建立されたファネロメニ修道院を視察。
明治天皇陵◆明治天皇陵(京都市伏見区)に設置されたちょうず鉢などに落書きしたとして、京都府警伏見署が、器物損壊の疑いで、男子高校生を書類送検。「不満を発散させるためにやった」と容疑を認めていると報道。
【5月28日】
明仁、美智子◆「私的旅行」として栃木県日光市を訪問。太平洋戦争中に明仁が疎開し、1945年8月の終戦を迎えた場所で、東武日光駅に到着。当時過ごした日光田母沢御用邸などを訪れる。御用邸が残る公園を散策。御用邸のそばにあり、明仁が疎開中に学習院初等科の授業を受けた東大大学院付属植物園日光分園を訪れる。31日までの滞在中、ゆかりの地を巡ると報道。
佳子◆ギリシャの首都アテネの大統領府で、サケラロプル大統領を表敬訪問。徳仁の言葉として「ギリシャと日本との友好親善が深まることを願っております」と伝える。近くの首相府に移り、ミツォタキス首相夫妻と懇談。1896年に第1回近代五輪が開催されたパナシナイコ競技場を視察。競技場内の博物館で、1964年と2021年の東京大会のポスターなどを見て回る。全ギリシャ体育協会の柔道場に移り、柔道クラブの10~20代の選手が練習に取り組む様子を見学。宿泊先のホテルで、画家やピアニストらギリシャで活動する在留邦人と「懇談」。
「帰国の記帳」◆岸田文雄首相が、皇居で「帰国の記帳」。
サウジ国王◆サウジアラビアの国営通信が、肺炎治療を受けていたサルマン国王がオンライン形式で閣議を主宰したと伝える。
戦死者追悼◆バイデン米大統領が戦没将兵記念日(メモリアルデー)に南部バージニア州アーリントン国立墓地で戦没者を追悼し「彼らはわれわれの自由のため戦った」。すべての世代には専制主義から民主主義を守る義務があると訴える。
【5月29日】
徳仁、雅子、愛子◆東京都千代田区の紀尾井ホールを訪れ、今井信子をはじめとした国内外のビオラ奏者らによるコンサート「ヴィオラスペース2024」を鑑賞。
秋篠宮◆東京都千代田区の有楽町朝日ホールを訪れ、総裁を務める日本動物園水族館協会の通常総会に出席。あいさつで、能登半島地震で被災した石川県七尾市の「のとじま水族館」に触れ「力を合わせ、避難させた動物の飼育をはじめ、さまざまな支援を続けていただければと思う」。
佳子◆ギリシャの首都アテネの国立ギリシャろう者施設を訪問。
【5月30日】
明仁◆共同通信が「平和を願い、国民に寄り添う。上皇さまが在位中に貫かれた姿勢の原点とされる場所がある」と書き出す企画記事を配信。「栃木県日光市。戦中、政府が進めた学童疎開は小学5年だった上皇さまも例外ではなく、1944年7月から終戦後しばらくまでをここで過ごした。あれから80年。上皇さまは、同じく疎開経験がある上皇后美智子さまと、忘れられぬ地を訪ねた」。
佳子◆ギリシャの首都アテネから空路でイオニア海のケルキラ島に入り、孤児院を訪れる。2007年に世界文化遺産に登録された旧市街を視察。「居合わせた人たち」と言葉を交わしながら街を歩き、1691年に貴族の社交場として建てられた市庁舎などを見て回る。報道陣を前に「訪問した場所それぞれとても魅力的で、温かく迎えていただいて、とてもありがたく思っています」。アジア美術館で、日本との外交関係樹立125周年と「日本・ギリシャ文化観光年」の記念行事に出席。館長の案内で美術館を見学。民間機で首都アテネに戻る。
【5月31日】
徳仁即位5年◆共同通信が「令和の時代と一体化求めて/即位5年、変わる皇室像」と題した保阪正康の「識者コラム」を配信。「天皇陛下が即位されてから5年が過ぎた。令和という時代も国民の間に定着したと言っていいであろう。定着とは天皇、皇后両陛下と国民の間に紐帯ができるという意味になる。一言で評すれば、「新皇室像の確立」という言い方ができようか。/新皇室像とは、両陛下と愛子さまの3人で国民に示す、ご家族一体の姿と言ってもいい。天皇陛下の温厚で懐の深い所作は、明らかにこの時代の人々の心情に影響を与えている。(略)近現代日本の天皇は、明治、大正、昭和、平成、そして令和と続いてきたわけだが、ここにきて現代史の天皇像が次第に完成の域に達してきたと、私には思える。(略)幸い国民の間では、時代の要請と天皇個人の乖離がないのが当たり前になっているから、天皇陛下の心情もくみ取りながら、冷静な論議が可能のように思えるのである。これも私見だが、天皇陛下ご自身の意向を確かめることを考えても良いのではないか。令和の天皇陛下が、国民や時代と向き合っている姿の中に、「歴史」は凝縮しているとの実感こそ大切にしたいからである」。
秋篠宮、紀子◆第35回全国「みどりの愛護」のつどいの式典出席などのため、羽田発の民間機で和歌山県を訪問。障害のある子どもが通う上富田町の県立南紀はまゆう支援学校や、津波防災教育センターが入る広川町の「稲むらの火の館」を視察。津波から町を守る防災林となっている「広村堤防」を歩き、地元の小中学生から防災活動について説明を受ける。
明仁、美智子◆栃木県日光市への私的旅行を終え、帰京。28日から滞在し、明仁が太平洋戦争中に疎開した日光田母沢御用邸が残る記念公園を散策したほか、1945年8月に終戦を迎え、父昭和天皇の「玉音放送」を聞いた南間ホテル(廃業)があった奥日光の湯ノ湖にも足を運んだと報道。
「昭和100年記念式典」◆岸田文雄首相が、「昭和改元100年」となる2026年に政府主催の記念式典を開催することに意欲を示したと報道。実現を目指す超党派議員連盟の麻生太郎会長(自民党副総裁)公明党の山口那津男代表や日本維新の会の藤田文武幹事長、国民民主党の玉木雄一郎代表らが国会内で首相と面会し、麻生会長らから要望を受けて「ぜひ進めていきたい」と述べたという。政府で有識者会議を設置し、検討する見通しと、議連メンバーが明らかに。
佳子◆ギリシャ「公式訪問」の現地日程を終え、首都アテネ郊外の空港から民間機で帰国の途に就く。
「平和の礎」◆沖縄県が、糸満市の平和祈念公園の石碑「平和の礎(いしじ)」に、新たに判明した181人を刻銘すると発表。

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