加速する異次元の軍拡
2022年の「安保3文書」を閣議決定(「反撃能力」(=敵基地攻撃能力)を有することを明記し、5年間の防衛費を約43兆円とする)以後の岸田政権による軍拡路線が止まらない。2024年度の防衛予算は、前年比16.5%増の約8兆円にも上った。しかしそれだけでなく、2023年度補正予算や後年度負担を加えると実質16兆円! である。
それら予算は、自衛隊の統合司令部設置やサイバー部隊増強などの組織改編、護衛艦の空母化などの装備増強、琉球弧におけるミサイル基地強化や米軍をはじめとした他国軍との「敵基地攻撃能力」を前提とした軍事演習の強化などに使用される。また、全国の自衛隊基地は地下化や強靱化が施され、トマホークなど長距離ミサイルの保有を含む約80箇所の弾薬庫の新・増設も予定され、長期にわたる戦争が可能となる「継戦能力」の強化が進められているのだ。他方で、殺傷兵器輸出にも踏み込む武器輸出に道を開く日英伊共同の戦闘機開発など、数々の研究開発費も盛り込まれ、「死の商人」国家へも爆進している。
中国を名指した軍事演習、負傷兵を民間病院へ搬送して治療する演習、自衛隊員から血液採取による、自衛隊員用の血液製剤の備蓄制度なども始まり、戦争が具体的されている。
沖縄差別政策
沖縄の辺野古米軍基地建設は、大浦湾側の軟弱地盤の改良工事をめぐる設計変更を認めない玉城デニー沖縄県知事に対して、ついに、国による代執行が決定した。住民を守るための行政不服審査法を国の機関・沖縄防衛局が私人(住民)になりすまして、行政(県)の工事執行を求めるという、法の精神を全く逸脱した暴挙を司法が追認したのだ。政府・司法が一体となった基地建設の押し付けは、琉球処分以来一貫した日本(ヤマト)政権による沖縄差別・植民地的支配の継続によるものである。
侵略・植民地支配の歴史の改竄・糊塗
この1月に、群馬県高崎市の県立公園にある朝鮮人追悼碑が行政(群馬県)によって強制撤去された。「労務動員による朝鮮人犠牲者を心から追悼」と刻まれた碑の撤去は、日本政府による、侵略戦争・植民地支配の歴史の否定(歴史修正主義)の流れを象徴するものである。来年2025年は、敗戦後80年を迎えるが、韓国では、「徴用工」へ損害賠償を求める大法院での判決が出されるなど、日本政府の戦争加害・植民地支配加害への反省・謝罪・補償は、全くなされていない。
ちなみに、今年2024年は、明治維新以後の近代日本が最初の海外派兵(台湾出兵)を行ってから150年にあたる。1874年のこの派兵が琉球処分に、さらに日清戦争後の下関条約による台湾割譲を受けての1895年の日本軍の台湾侵攻につながっていく。台湾侵攻は当初激しい抵抗に遭い、一定の「平定」までに5ヶ月を要した。その間、台湾側の死者1万4000名以上、日本軍も4500名の戦争・戦病死をもたらしたといわれる(近衛師団長・北白川宮能久も病死)。これは西洋諸国以外での最初の武力による植民地「獲得」となり、日本の本格的な植民地支配が始まるのである(沖縄・アイヌモシリなど「内国」を除き)。
サンフランシスコ講和条約と日米安保条約の発効から72年目
アジア・太平洋戦争では「国体護持」のために沖縄民衆を捨て石にし、戦後は天皇制延命のために「天皇メッセージ」によって沖縄を米国に売り渡した、反省なき象徴天皇制国家・日本は、日米安保体制のもとで、改めて沖縄を最前線とする戦争へと邁進しているように見える。米軍・自衛隊一体となった「有事」への準備は、明らかに戦争の挑発でもある。
そうした中で、サンフランシスコ講和条約と日米安保条約が発効した4月28日と戦争責任・植民地支配責任をとらずに延命した昭和天皇の誕生日であった4月29日に今年も連続行動に取り組む。「台湾有事」を声高に喧伝し恐怖をあおり、琉球弧のミサイル基地化を中心とした「異次元」の軍拡と米軍への従属的一体化を進める日本政府に対し、軍拡・戦争反対の声と、侵略戦争・植民地支配の歴史を改めて見直し、責任追及と謝罪・補償を求める声をあげていこう!
4.28-29の連続行動にぜひ参加・賛同をお願いします。ともに闘いましょう!
沖縄・安保・天皇制を問う4.28-29連続行動実行委員会
【呼びかけ団体】アジア連帯講座/研究所テオリア/市民の意30の会・東京/スペース21/戦時下の現在を考える講座/立川自衛隊監視テント村/天皇制問題情報交換会/反安保実行委員会/ピープルズプラン研究所/「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/靖国・天皇制問題情報センター/連帯社/労働運動活動者評議会
連絡先:東京都千代田区神田淡路町1-21-7 静和ビル2A 淡路町事務所気付
電話:050-3630-8945
振替:00110-3-4429[ゴメンだ!共同行動]
———————————————————————————————————-
4.28-29連続行動に参加・賛同します。
*参加・賛同費は、個人1000円・団体2000円です
お名前
ご住所
お電話・メール
お名前の公表 可 ・ 否
メッセージ
*この賛同用紙は、現金で実行委に手渡しされる場合にお使い下さい(賛同費を振り込んで頂いた方は、この紙の郵送は不要です)