【共同声明】強制動員問題の解決へ 日本政府は強制労働を認めよ! 日本企業は賠償に応じよ!

2024年3月4日

呼びかけ団体 強制動員真相究明ネットワーク

2018 年 10 月、11 月と韓国大法院(最高裁)は強制動員被害者の主張を認め、動員した企業(日本製 鉄、三菱重工業)に賠償を命じました。大法院は、戦時の強制動員を日本企業による反人道的不法行為 とし、企業に対する被害者の「強制動員慰謝料請求権」を認めたのです。その際、反人道的不法行為ヘの 慰謝料請求権は日韓請求権協定の適用対象ではないと判断しました。

しかし、日本政府はこの判決を日韓請求権協定違反とみなして韓国政府に抗議し、経済制裁をおこな いました。さらに 2021 年には閣議決定により強制連行や強制労働の用語を「適切ではない」とし、教 科書から削除させるなど、強制連行・強制労働の歴史を否定しました。このような日本政府に同調し、 日本企業は賠償に応じようとしなかったのです。

そのなか、2023 年 3 月に韓国政府が示した解決策は、韓国政府傘下の財団が賠償相当額を肩代わり して支払うというものでした。しかしこの策は被告企業を免罪するものでした。それは日本政府の歴史 否定に加担し、行政が司法判決を形骸化し、被害者を分断してその尊厳を侵すものだったのです。

このような動きの中で、韓国大法院は 2023 年 12 月と 24 年 1 月、強制動員被害者への賠償を企業に 命じる判決を続けて出しました。あらためて韓国の司法が強制動員慰謝料請求権を認め、時効の起算日 を 2018 年 10 月の大法院判決時としたのです。これからも韓国での強制動員被害者・遺族が訴えた裁判 の勝訴は続きます。

これらの判決は、戦時の人権保護、人権侵害の救済をすすめる国際人道法、国際人権法の理念に即し たものであり、強制動員被害者の尊厳を回復するものです。わたしたちは韓国の判決を支持します。

2005 年 12 月、国連総会は「国際人権法の重大な違反および国際人道法の深刻な違反の被害者に対す る救済および賠償の権利に関する基本原則とガイドライン」を決議しました。そこでは被害者の救済と 賠償のために、継続的な違反の停止、事実の検証と公開、失踪者や遺体の捜索、文化的慣例による遺体 の改葬、尊厳や権利を回復する宣言や判決、事実の認定と謝罪、責任者の処罰、被害者への祈念・追悼、 教育での正確な記載、違反に対する適切な説明、再発の防止の保障などを掲げています。これが現代の 被害者救済の国際規範です。

戦時の労務動員は日本政府の動員計画によって 1939 年から始まり、企業は政府から動員数の承認を 受け、朝鮮総督府の関与の下で甘言や命令によって動員し、労働を強いました。皇民化政策の下、主権 や名前や言葉を奪われていた植民地の民衆にとって、それは「強制動員」でした。

日本政府はこの強制動員(強制連行・強制労働)を認知し、史料を公開し、遺骨を返還し、韓国の判決 を認め、謝罪と賠償をおこない、動員被害者の尊厳と権利を回復し、追悼行事や教育を行い、再発を防 止しなければなりません。日本企業も同様です。日本製鉄、三菱重工業、不二越等の当該企業は率先し て自ら行った強制労働について謝罪し、賠償すべきです。それが国際的な信用を得る道です。

また、すべての強制動員被害者の救済につながる方策を日韓両政府で協議すべきです。日本企業で戦 時の強制動員に関与した企業は形を変えて 300 社ほどが現存しています。新たな財団・基金の設立によ る被害者救済も可能です。
わたしたちは訴えます。植民地主義を克服し歴史否定やレイシズムを超えていこう! 日本政府は強制労働を認めよ! 日本企業は賠償に応じよ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

賛同団体(順不同)

兵庫朝鮮関係研究会、在日韓国人問題研究所 外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会 鵲の会、ウリ法律事務所、過去と現在を考えるネットワーク北海道
オフィス TK、従軍慰安婦問題を考える北海道の会 朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会 「慰安婦」問題解決オール連帯ネットワーク、i 女性会議・京都、反安保実行委員会、日本とコリアを結ぶ会・下関、平和を考え行動する会、朝鮮文化研究会、緑の党、名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会 日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワーク 一般社団法人協働舎、市民の政策研究会「くるま座」 『反天ジャーナル』編集委員会、天皇制問題情報交換会、尹奉吉義士共の会、戦争させない市民の風・北海道 長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 ワールド・ビヨンド・ウォー、宗教法人 長命寺、人権平和・浜松、浜松駅前毎日スタンディング 日本とコリアを結ぶ会(ニッコリ会)・下関 茨城マウム、ネットみと 強制動員問題解決と過去清算のための共同行動 平和と生活をむすぶ会、天皇制を考える会:静岡 福田村事件を記録する旧田中村・民の会、ベルリン女の会、映画「侵略」上映委員会 日本製鉄元徴用工裁判を支援する会 奈良県での朝鮮人強制連行等に関わる資料を発掘する会

連絡先:神戸学生青年センター気付 強制動員真相究明ネットワーク
TEL 078-891-3018 FAX:078-891-3019
E-mail shinsoukyumei⭐️gmail.com(⭐️→@)

カテゴリー: 呼びかけ, 運動情報 パーマリンク