やじうま日誌 2023年11月

【11月1日】
佳子◆ペルーを「公式訪問」するため、民間機で羽田空港を出発。当年は日本とペルーの外交関係樹立150周年に当たり、10日までの日程で、記念式典への出席やボルアルテ大統領を表敬訪問するなどして「友好親善」を図ると報道。
久子◆宮内庁が、故高円宮の妻久子が日本バドミントン協会の名誉総裁に同日付で就任したと発表。協会によると、名誉総裁は新設のポストで、久子がこれまでジャパン・オープンの試合を観戦してきたことなどが考慮されたと報道。
常陸宮◆東京都千代田区の帝国ホテルを訪れ、総裁を務める大日本蚕糸会主催の蚕糸功労者表彰式に出席。
英国王戴冠式◆英国で5月に開かれたチャールズ国王の戴冠式で使用された椅子4脚がロンドンでチャリティーオークションにかけられて、10月31日に計3万2760ポンド(約600万円)で売却され、売上金はホームレスなどを支援する慈善団体に寄付されると、英BBC放送が伝える。特注の椅子にはウィリアム皇太子夫妻やヘンリー王子らが座ったが、購入者は自分が落札した椅子に誰が座ったかを知ることはできないというと報道。
恩賜賞◆東京都千代田区の帝国ホテルで、大日本蚕糸会主催の蚕糸功労者表彰式が行われ、ブライダルファッションデザイナーの桂由美に恩賜賞が贈られる。
「明治の日」◆超党派の「明治の日を実現するための議員連盟」が国会内で民間団体と合同集会を開き、明治天皇の誕生日に当たる11月3日の「文化の日」に「明治の日」と併記を求める祝日法「改正」案を提出する方針を確認。翌年の通常国会で成立を目指すとしており、議連会長の古屋圭司・元拉致問題担当相(自民党)「明治は、日本が近代国会に生まれ変わった重要な足跡だ」。公明党の中野洋昌・元内閣府政務官、立憲民主党の大島敦・企業・団体交流委員長、日本維新の会の馬場伸幸代表や国民民主党の前原誠司・代表代行らが参加。
【11月2日】
天皇、皇族◆徳仁、雅子「主催」の秋の園遊会が東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれ、シンガー・ソングライターの松任谷由実ら各界の「功労者」、自治体の関係者ら約千人が出席。即位儀式や新型コロナウイルス禍の影響で見送りが続き、秋は2018年11月以来5年ぶり。秋篠宮、紀子ら皇族が「懇談」に加わる。愛子や明仁、美智子は欠席。
秋篠宮◆東京都千代田区のイイノホールを訪れ、林業の持続的な発展などに貢献した個人・団体を表彰する式典に出席。総裁を務める大日本山林会の主催で「日頃からそれぞれの地域において林業の再生や森づくりに力を尽くしておられる皆さまに敬意を表する」とあいさつ。
美智子◆菊池洋子(ピアノ)の「子守歌ファンタジー」のCDリリースを共同通信が紹介。収録曲の「おもひ子」は菊池洋子の恩師田中希代子のファンだったという美智子の作品と報道。
佳子◆ペルー「公式訪問」に向かう途中、搭乗したリマ行きの民間機で機体トラブルが相次ぎ、経由地の米ヒューストンに足止めに。離陸して約1時間後、メキシコ湾の上空を飛行中にトラブルを知らせるアナウンスが流れたため、ヒューストンの空港に戻ったが、乗り換えた機体もトラブルで離陸できなかった。佳子は空港近くのホテルに宿泊。宮内庁によると、ペルー到着は予定より丸1日遅れ、2日深夜になる見通しと報道。
三の丸尚蔵館◆皇室ゆかりの美術品を収蔵、展示する皇居・東御苑の「皇居三の丸尚蔵館」が3日にリニューアルオープンするのを前に、報道陣向け内覧会が開かれる。増築した新館部分で、オープンに合わせて翌年6月23日まで記念展「皇室のみやび—受け継ぐ美—」が開催されるほか、徳仁の即位5年と徳仁、雅子の結婚30年を記念した特別展示も12月24日まで開かれると報道。
【11月3日】
徳仁◆皇居・宮殿「松の間」で行われた文化勲章の「親授式」で、受章者7人に勲章を手渡す。
「文化勲章」◆文化勲章の「親授式」が皇居・宮殿「松の間」であり、歴史の塩野七生、能楽の野村万作、書の井茂圭洞、経済学の岩井克人、スポーツ振興の川淵三郎、分子生物学・免疫学の谷口維紹、有機合成化学・有機金属化学の玉尾皓平の7人に徳仁から勲章が手渡される。
「叙勲」◆政府が2023年秋の叙勲受章者を発表。「最高位」の旭日大綬章は井戸敏三・元兵庫県知事や片山虎之助・元総務相ら14人に授与し、俳優の三浦友和や、スタジオジブリの映画音楽などで知られる作曲家の久石譲らに旭日小綬章が贈られると報道。旭日大綬章はほかに飯島彰己・元三井物産社長、尾崎裕・元大阪ガス会長、金子原二郎・元農相、鉢呂吉雄・元経済産業相らで、瑞宝大綬章に秋元義孝・元宮内庁式部官長、河戸光彦・元会計検査院長の2人が選ばれる。
佳子◆ペルーの首都リマに到着。日本との外交関係樹立150周年に際した「友好親善」目的の「公式訪問」で、経由地での機体トラブルの影響で到着は丸1日遅れたと報道。【11月4日】
佳子◆ペルーの首都リマの外務省トーレタグレ宮で、日本とペルーの外交関係樹立150周年記念式典に出席。あいさつで「両国の歩んできた歴史に思いをはせるとともに、訪問先で交流を深め、ペルーの魅力や素晴らしさをより深く知りたい」。これに先立ち、ペルー日系人協会が運営する「日秘文化会館」で協会主催の記念式典に臨む。日系人ら8人と「懇談」。日本庭園に松を記念植樹する行事に出席。リマ近郊に移り、日系2世の神父が中心となって設立した「エンマヌエル協会」が運営する老人ホームなどを視察。世界遺産マチュピチュ遺跡を視察するため、民間機でクスコに到着。
皇位継承策◆岸田文雄首相(自民党総裁)が、安定的な皇位継承策を「喫緊の課題」と位置付け、臨時国会中の進展を目指すと、共同通信が報道。「自民に総裁直轄の組織を新設し、旧皇族男系男子の皇籍復帰を軸に検討を進める。野党は日本維新の会や国民民主党が自民に同調する一方、立憲民主党は女性宮家創設に前向きな立場。今後、皇位継承資格の範囲が焦点となる」。
【11月5日】
佳子◆ペルーの世界遺産マチュピチュ遺跡を視察。視察中、報道陣から印象を問われ「すごく壮大な景色で、この場に立ってみると、すてきな空気を感じます」。視察後、マチュピチュ村役場を訪れ、村長と面会。
【11月6日】
徳仁、雅子◆「文化勲章」受章者と「文化功労者」らを皇居・宮殿に招き、小食堂「連翠」で「懇談」。徳仁「努力を重ね、学術、文化、芸術、スポーツの分野で大きな成果を収められたことを誠に喜ばしく思います」。
佳子◆インカ帝国の首都として栄えたクスコ近郊にあるサクサイワマン遺跡を視察。市中心部の大聖堂でキリスト教の「最後の晩餐」を描いた巨大な絵画を見学。庁舎で、市主催の歓迎式典に臨む。空路で首都リマに戻る。
皇位継承策◆自民党の茂木敏充・幹事長が、麻生太郎・副総裁、萩生田光一・政調会長と国会内で会談し、安定的な皇位継承策の党内議論を近く始める方針を確認。記者会見で「できるだけ早期に方向性を出したい」。岸田文雄首相が会談に先立つ党役員会で、皇位継承策を憲法「改正」と並べて「先送りできない課題」と強調。
新宿御苑◆「緑が豊かで多くの人に親しまれる東京都新宿区の新宿御苑は、徳川家康からの拝領地に由来する」と共同通信が報道。「その地が近代農業発展のための試験場になり、1906年に皇室庭園として御苑が誕生。世界からの賓客を迎えた」。1896年に建造された重要文化財「旧洋館御休所」は、宮内省内匠寮が設計した建物で「軒下にレースを思わせる繊細な装飾が施され外光を取り込む半円形の大きな出窓が目を引く。当時天皇や皇族が御苑内で休むために作られたという」。
【11月7日】
佳子◆ペルーの首都リマの初等特別支援学校を訪れ、聴覚障害がある児童らと「交流」。歓迎行事で、現地で使う「スペイン語の手話」を用い「ここに来られて幸せです。私のために準備をしてもらったことに愛を込めて心から感謝します」。学校関係者によると、佳子から要望があり、約1カ月半前に職員がスペイン語の手話の動画を送ったというと報道。日本の無償資金協力で移築された日・ペルー友好国立障害者リハビリテーションセンターを訪れ、車いすの子ども患者へのスポーツ療法を視察。宿泊先のホテルに戻り、国際協力機構(JICA)が防災コースなどで受け入れた元研修員や、元留学生らと「懇談」。
日英関係◆先進7カ国(G7)外相会合に参加するため訪日したクレバリー英外相が、都内で開かれた歓迎式典に出席。あいさつで、徳仁、雅子がエリザベス女王の国葬に参列したことに触れ「やすらぎを感じることができた」。
キルギス大統領◆松野博一・官房長官が記者会見で、中央アジア・キルギスのジャパロフ大統領が17〜20日の日程で訪日すると発表。滞在中に徳仁と会見すると報道。
英国王◆英国のチャールズ国王が、即位後初めて英議会開会日に政府の施政方針演説を読み上げ「新型コロナウイルス禍とウクライナでの戦争が英国に課題をもたらした。国を良くするために先を見据えた判断をする」。イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘を巡り「イスラエルへのテロ行為に対応し、ガザの人道的支援などの課題にも国際的なパートナーと取り組む」。英国の欧州連合(EU)離脱について「離脱で得た自由を生かし、経済の競争力を高める」。君主が政治介入を避けるべき立場にあることから、特定の施策に肩入れしないよう淡々と読み上げたと報道。
「帰国の記帳」◆岸田文雄首相が、皇居で「帰国の記帳」。
ペルー◆南米ペルーのヘルバシ外相が辞任したと、同国メディアが報じる。訪米したボルアルテ大統領とバイデン米大統領との首脳会談を実現できなかったことへの批判が原因とみられ、ペルーには佳子が訪問中だが、行事日程にほぼ影響はない見通しだというと報道。
キトラ古墳◆1983年の当日、奈良県明日香村のキトラ古墳で石窟内の奥壁に「玄武」の彩色壁画が確認される。四方を守る4神の一つで、その後、残る「青竜」「白虎」「朱雀」や、現存する世界最古の本格的な中国式星図とされる天文図も見つかり、国宝に指定されたと報道。
【11月8日】
徳仁◆「秋の叙勲」のうち、大綬章の「親授式」が皇居・宮殿「松の間」で開かれ、旭日大綬章の井戸敏三・元兵庫県知事ら計17人に勲章を手渡す。
「大綬章親授式」◆「秋の叙勲」のうち、大綬章の「親授式」が皇居・宮殿「松の間」で開かれ、旭日大綬章の井戸敏三・元兵庫県知事ら計17人に、徳仁が勲章を手渡す。
「秋の叙勲」◆
岸田文雄首相が、皇居で行われた「大綬章親授式」に出席。午後、皇居で行われた「重光章伝達式」に出席。
常陸宮◆東京都港区のホテルを訪れ、障害児入所施設などで長年働く職員や看護師らを表彰する「ねむの木賞」と「高木賞」の贈呈式に出席。ねむの木賞は1967年、美智子が作詞した「ねむの木の子守歌」の著作権を社会福祉法人「日本肢体不自由児協会」に贈ったことを記念して創設されたもので、常陸宮は協会の総裁を務めていると報道。
佳子◆ペルーの首都リマの大統領府を訪れ、ボルアルテ大統領主催の昼食会に出席。あいさつで「多くの人々によって培われてきた両国の友好親善関係が末永く続いていくことを願う」。車で大統領府に到着した際、玄関でイゲラス外務副大臣や国家警察の儀仗隊の出迎えを受ける。大統領と握手を交わして記念撮影し、約20分間会見。これに先立ち、マルテ広場にある日本人のペルー移住100周年記念碑に供花。宿泊先のホテルで、国際協力機構(JICA)から派遣されたボランティアや専門家、在留邦人と「懇談」。夜、ペルー日系人協会の運営する「日秘文化会館」の劇場で150周年記念公演を鑑賞。
【11月9日】
明仁◆「12月23日に90歳になられる上皇さまは皇太子時代や天皇在位時代、自ら車のハンドルを握ることがあった。天皇在位中の愛車は、侍従名義で1991年式のホンダの『インテグラ』だった」と書き出す論説記事を共同通信が配信。「公務のない日、住まいだった皇居内の御所から大手門近くにあるテニスコートまで、上皇后さまらを乗せて運転していたのを何度か見たことがある。ただ天皇在位中、皇居外で運転することはなかった。(略)運転する車が御所を出発、数十メートル走った先で突然停止。上皇さまが運転席から降り、小走りに御所に戻ってくる。周囲が戸惑う中、側近が尋ねると、本人は「免許証を忘れたから取りに帰る」と釈明した。/側近は「車をUターンして戻ればいいのに、生真面目な性格の上皇さまは一時的でも『免許証不携帯になる』と考えていた」と打ち明ける」。
佳子◆ペルーの首都リマで、日本の文化や価値を伝承する授業に取り組む「ラ・ウニオン学校」を視察。隣接する日本庭園で松を記念植樹。ラ・ウニオン運動場協会の創立70周年記念式典に出席。日本人実業家でアンデス考古学者だった故天野芳太郎が設立した「天野博物館」で、アンデス文明の羽毛製の織物や土器などを見て回る。ペルー訪問の一連の日程を終え、首都リマの空港から民間機で帰国の途に就く。/「公式訪問」先のペルーで、移住から124年となる日系人の歩みに触れたと、共同通信が報道。「異国の地で困難を重ねた人々をいたわる姿勢は、上皇ご夫妻に始まり、現在の皇室へ引き継がれている。佳子さまは100歳を超えた移住1世の女性の手を握り、思いを受け止めた」。
「新年一般参賀」◆翌年1月2日に皇居で催される新年一般参賀について、宮内庁の西村泰彦長官が記者会見で、新型コロナウイルス禍で取り入れた事前申込制をやめ、希望者が入場できるコロナ禍前の形で開催する方針を明らかに。参賀者が密集しないよう、1回当たりの入場者数は制限することを検討していると報道。
教育勅語◆木原稔・防衛相が参院外交防衛委員会で、戦前の「教育勅語」を、自身の国会事務所に以前置いていたことを明らかに。「私の地元熊本の出身者(の井上毅ら)が起草した文書なので、以前、議員会館の部屋に飾っていた」。立憲民主党の小西洋之議員から教育勅語を評価しているのかと問われ「政治家としてさまざまな主張をしてきたのは事実だ」。「政治家としての思想信条に関し、防衛相としてこの場でお答えするのは差し控えたい」。
【11月10日】
「大綬章親授式」◆「秋の叙勲」のうち、大綬章の「親授式」が皇居・宮殿「松の間」で開かれ、旭日大綬章の井戸敏三・元兵庫県知事ら計17人に、徳仁が勲章を手渡す。11月に新館がオープンした皇居・東御苑の「皇居三の丸尚蔵館」で、徳仁の即位5年と徳仁、雅子の結婚30年を記念した特別展示を鑑賞。
秋篠宮、紀子◆東京・池袋の大型商業施設のホールを訪れ、各地の特産品を集めた農林水産祭「実りのフェスティバル」を視察。
皇位継承策◆自民党が総務会で、安定的な皇位継承策を検討する総裁直轄の組織の新設を決める。森山裕・総務会長が記者会見で、できるだけ早く議論を始める必要があると主張。党見解をまとめる時期に関して「いつまでにということより熟議をして国会としてどうまとめていくかが大事だ」。
佳子◆民間機で羽田空港に到着し、ペルーから帰国。
皇位継承策◆額賀福志郎・衆院議長が、細田博之・前衆院議長の死去を受け「一刻も早い回復を祈っていたが痛恨の極みだ」との談話を発表。細田前議長が安定的な皇位継承を巡る国会での議論の推移を気にかけていたと明かし「微力ながらその思いを引き継いでいきたい」。
皇居・乾通り◆宮内庁が、秋の皇居・乾通りの一般公開を25日から12月3日までの9日間、実施すると発表。
【11月11日】
秋篠宮、紀子◆全国育樹祭の式典出席などのため、茨城県を訪問。午前、行方市の県水産試験場内水面支場を視察。午後、潮来市の「茨城県水郷県民の森」を訪れて育樹祭関連の行事に臨み、在位中の明仁、美智子が2005年に全国植樹祭で植えた樹木の手入れをする。その後、行方市の施設で、緑を守り育てる活動に取り組む福島県や岐阜県の小学生らの発表を聞く。水戸市に移り、宿泊先のホテルで育樹祭の関係者の懇談会に出席。/現地では「潮来育樹際に反対する会議」が呼びかけた潮来育樹際反対デモが行われ、45人が参加。
サウジ皇太子◆アラブ連盟とイスラム協力機構(OIC)が、パレスチナ自治区ガザ情勢を協議するため、サウジアラビアの首都リヤドで合同の臨時首脳会議を開催。サウジの実権を握るムハンマド皇太子が冒頭「パレスチナの同胞に対する野蛮な戦争を非難し、断固として拒絶する」。
【11月12日】
秋篠宮、紀子◆水戸市の体育館で開かれた第46回全国育樹祭の式典に出席。秋篠宮が「森林は地球環境を守る上で重要な役割を果たしている。国土緑化に力を尽くされている全国の皆さまに深く敬意を表し、このような活動が一層発展していくことを期待します」とあいさつ。つくば市で森林総合研究所を視察。帰京。
サウジ皇太子◆イランのライシ大統領が、サウジアラビアの実権を握るムハンマド皇太子と同国の首都リヤドで会談。イラン大統領府によると、2国間関係と地域の協力を発展させるとともに、両国の関心事や地域情勢について詳細に議論することで一致。パレスチナ自治区ガザ情勢も協議。
【11月13日】
「内奏」◆岸田文雄首相が、皇居で「内奏」、赤沢亮正・自民党衆院議員の副大臣認証式に出席。
副大臣認証式◆政府が、辞任した神田憲次・財務副大臣の後任に自民党の赤沢亮正・政調会長代理を起用。皇居での認証式を経て正式に就任。
【11月14日】
徳仁、雅子◆東京都渋谷区の国連大学を訪れ、自然と人間の共生のために優れた研究をした個人らを表彰する「コスモス国際賞」の30回記念の式典に出席。徳仁があいさつで「地球温暖化に起因する気候変動などの課題が深刻さを増している」。国際賞が人類と地球の将来に寄与することを願ったと報道。
佳子◆ペルー「公式訪問」を終えたことを報告するため、東京都八王子市にある昭和天皇の武蔵野陵と香淳皇后の武蔵野東陵を参拝。
ベトナム国家主席◆松野博一・官房長官が記者会見で、ベトナムのボー・バン・トゥオン国家主席が27〜30日に訪日すると発表。滞在中に徳仁と会見すると報道。
戦死者追悼◆第65次南極観測隊を乗せる予定の南極観測船「しらせ」が、フィリピンのレイテ島沖を通過。太平洋戦争末期に起きたレイテ沖海戦の犠牲者に対し、乗員が黙とう。南極観測船はレイテ島沖の通過に合わせ、船上で戦没者追悼式を行うのが慣例となっているが、荒天のため取りやめたと報道。
【11月15日】
徳仁◆東京都渋谷区の新国立劇場を訪れ、イタリアの音楽家ベルディ作曲のオペラ「シモン・ボッカネグラ」を鑑賞。
秋篠宮◆東京都港区で開かれた農事功績者表彰式に出席。総裁を務める公益社団法人「大日本農会」の主催。あいさつで「近年の気候変動が影響していることに加え、世界情勢の緊迫化を背景とした資材高騰を含め、さまざまな事象を考慮した農業生産に取り組むことが求められている」。
皇位継承策◆内閣法制局の木村陽一・第1部長が衆院内閣委員会で、皇統に属する一般国民から男系男子を皇族とするのは、門地(家柄)による差別を禁じた憲法14条に抵触しないとの見解を示す。皇族の養子縁組を認め、旧皇族男系男子が皇族復帰する案に関し「憲法14条の例外として認められた皇族という特殊な地位の取得で、問題は生じないと考えている」と答弁。立憲民主党の馬淵澄夫議員が内閣委で、旧皇族の男系男子に皇族復帰の意思確認をするかどうか質問。松野博一・官房長官「政府として具体的な把握や、接触は行っていない」。「国会での議論を注視しながら、適切に対応したい」。
【11月16日】
秋篠宮◆埼玉県羽生市のさいたま水族館を視察。明仁の「発案」で日本のニシキゴイと、インドネシアのヒレナガゴイを交配させたヒレナガニシキゴイが展示されており、日本動物園水族館協会の総裁を務めている秋篠宮が、「一般客に交じって」見て回ったと報道。さいたま市のホテルに移動し、水族館技術者の研究会に出席。
佳子ペルー訪問◆上川陽子外相が、ペルーのゴンサレスオラエチェア外相と米サンフランシスコで会談。佳子が両国の外交関係樹立150周年に合わせてペルーを「公式訪問」したことに触れ「大変丁寧に受け入れていただき、心から感謝申し上げる」。
皇位継承策◆自民党が、安定的な皇位継承策を議論する総裁直轄組織の初会合を17日午前に開くと発表。麻生太郎副総裁がトップに就くと報道。
7条解散◆立憲民主党が衆院憲法審査会で、首相の衆院解散権を制限するため、改憲を視野に検討する必要があると表明。衆院解散は、憲法7条で内閣の助言と承認を受けた天皇の国事行為と規定するものの、事実上首相が判断するため「首相の専権事項」とされるが、野党筆頭幹事を務める立民の中川正春議員「大義なく与党の都合で解散するのは国民を愚弄することになる」。7条解散を禁止し、内閣不信任決議案が可決された際の69条に基づく解散に限定するため「改憲を視野に入れて検討する必要がある」と主張。
【11月17日】
徳仁、雅子、秋篠宮、紀子◆徳仁、雅子が、皇居・宮殿の小食堂「連翠」で訪日しているキルギスのジャパロフ大統領夫妻との昼食会に出席。宮殿の南車寄で出迎える。秋篠宮、紀子も昼食会に同席。宮内庁によると、前菜に手まりずしなどの和食を提供。外国「賓客」を招いた昼食会で和食を出すのは初めてで、徳仁、雅子の「発案」というと報道。これに先立ち徳仁、雅子が大統領夫妻と約20分間会見。徳仁「今回の訪日が両国の友好関係が強化される契機になることを願っている」。
皇位継承策◆自民党が、党内に設置した総裁直轄の新組織「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」の初会合を党本部で開く。会長に就いた麻生太郎・副総裁「具体的な方策については皇室典範などの法改正の必要性を考えなければならない」。「皇室の在り方はわが国の根幹をなす極めて重要な課題だ。静謐な環境で議論を深めたい」。メンバーには、茂木敏充・幹事長、萩生田光一・政調会長、森山裕・総務会長ら党執行部に加え、保守系の中曽根弘文、衛藤晟一、山谷えり子・各参院議員も入ったと報道。会合後、事務局長を務める木原誠二・幹事長代理が記者団に、政府の有識者会議が答申した枠内で論点を整理すると説明。
皇族復帰◆内閣法制局の木村陽一・第1部長が衆院内閣委員会で、皇位継承策を巡り、旧皇族男系男子を皇族復帰させるため現皇族の養子とする制度創設は「憲法の許容するところだ」との見解を表明。皇位の世襲を定めた憲法2条を踏まえ「制度を円滑に運用することは憲法の要請だ」。「現在一般国民の皇統に属する方を新たに皇族とすることを可能とする制度」の法制化は合憲との認識を示した上で、皇族復帰できる対象は「皇室典範に委ねられている」と述べる。
京都御所◆宮内庁京都事務所が京都御所(京都市上京区)で22〜26日、秋の特別イベント「宮廷文化の紹介」を開催し、襖絵を初公開して、雅楽や蹴鞠を実演するほか、天皇が日常生活を送った御常御殿は建具を外し、内部の様子を見られるようにすると報道。京都御所は、大火で全焼後の1855年に再建されたが、同事務所によると、現存する皇后宮常御殿は、孝明天皇の「きさき」だった英照皇太后と明治天皇の皇后だった昭憲皇太后が使ったという。
サッカー天皇杯◆日本サッカー協会が、天皇杯全日本選手権決勝の川崎—柏を12月9日に控え、会場となる国立競技場で同4〜6日に優勝チームに渡される天皇杯を特別展示すると発表。
【11月18日】
国体見直し◆全国知事会が、国民体育大会(翌年から国民スポーツ大会に改称)の在り方について見直しに乗り出したと報道。13日に首相官邸で開かれた政府主催の全国知事会議で、会長の村井嘉浩・宮城県知事が「タブーを恐れず、幅広く検討したい」と言及し、同様の検討を進めている日本スポーツ協会とも意見交換しながら、協議を進める構えという。
【11月20日】
天皇、皇族◆徳仁、雅子が皇居・東御苑にある音楽堂「桃華楽堂」を訪れ、皇宮警察音楽隊の創設70周年を記念する演奏会を鑑賞。明仁、美智子のほか、秋篠宮、紀子や佳子ら皇族も同席。約30分間にわたり、徳仁の即位を祝って作られた行進曲「令和」や、「ブルータンゴ」など計6曲が披露されたと報道。
【11月21日】
徳仁、雅子、愛子◆東京・上野の東京国立博物館を訪れ、特別展「やまと絵—受け継がれる王朝の美—」を鑑賞。
皇位継承策◆超党派の保守系議員でつくる日本会議国会議員懇談会が、国会内で安定的な皇位継承策について協議。会の皇室制度プロジェクトチーム座長で自民党の衛藤晟一・参院議員が、国会論議が停滞した原因について、差配役の細田博之・前衆院議長に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点が判明し、問題視されたことが影響して「動きがなかなか取れなかった」と述べる。岸田文雄首相が所信表明演説で議論の前進を各党に呼びかけた背景について、衛藤議員「額賀福志郎議長に代わり、新体制になったので、早く動かしてくれという形になった」。
【11月22日】
秋篠宮◆東京都港区で、水産業の振興や発展に貢献した個人を表彰する式典に出席。あいさつで、日本は漁業や養殖業が盛んで、関連する加工業や流通業が発展してきたとし「長年にわたり、各分野の振興に力を尽くしてきた皆さまに深く敬意を表する」。大日本水産会の主催。
皇位継承策◆宮内庁の西村泰彦長官が記者会見で、皇位継承策を巡る国会での議論について「口を挟む立場ではない」とした上で「現時点の皇室全体を見渡すと、安定的な皇位継承という観点からは課題がある。皇族数の減少は皇室の活動との関連で課題がある」。自民党の総裁直轄の新組織「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」について「要望があれば説明に伺う」。/神谷宗幣・参政党代表が、安定的な皇位継承策に関し記者会見で「男系男子で継承する形を主張している。女系の宮家ができることは好ましくないと考えている」。
秋篠宮邸◆宮内庁の西村泰彦長官が記者会見で、前年9月に終わった秋篠宮邸改修の経緯について言及。秋篠宮、紀子は「工事費を抑えたい」との意向だったが、工期延期などの影響で高額になったとし「宮内庁として大変心苦しく感じている」。秋篠宮「家」の職員が大幅に増員されて、事務スペース拡充などのため約2年半かけて改修し、総工費は約30億2千万円で、30日に誕生日を迎える秋篠宮の記者会見を前に、改めて説明した方がいいと判断したというと報道。
飛鳥宮跡◆飛鳥時代に歴代天皇の宮殿があった奈良県明日香村の飛鳥宮跡(国史跡)で、宮殿中枢に当たる「内郭」の内部で、45メートル以上にわたる掘っ立て柱塀跡が見つかり、県立橿原考古学研究所が発表。飛鳥宮跡は造営順に3期の遺構に分かれ、舒明天皇が造営した最も古い飛鳥岡本宮期のものとみられると報道。
英王室◆英国のチャールズ国王が、「国賓」として訪問中の韓国の尹錫悦・大統領夫妻をロンドンのバッキンガム宮殿に招き、歓迎行事を開催。国王が、朝鮮王朝と英国の修好通商条約締結140周年の記念で大統領夫妻を招待。歓迎式典で国王と尹大統領、国王の妻カミラと大統領の妻金建希がそれぞれ馬車に乗り、沿道に両国の国旗が並ぶ通りをバッキンガム宮殿までパレード。夕食会にはウィリアム皇太子夫妻のほか、政治家やK—POPの女性グループ「ブラックピンク」のメンバーら約170人が出席。
サウジ皇太子◆中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカによる新興5カ国(BRICS)がオンラインで臨時首脳会議を開き、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザの情勢について協議。新たにBRICS加盟が決まったサウジアラビアやイラン、アルゼンチンなど6カ国の代表とグテレス国連事務総長も出席。サウジはムハンマド皇太子が参加し、国際社会はイスラエルへの武器輸出を禁止すべきだと訴える。
「ジュン アシダ」◆「日本におけるプレタポルテ(高級既製服)の先駆的ブランド「ジュン アシダ」が創立60周年の節目を刻んだ」と、共同通信が報道。「デザイナー芦田淳さん(1930〜2018年)が確立したのは『正統派のエレガント』。(略)淳さんは60年代に皇太子妃(当時)美智子さまの専任デザイナーに就くなど、第一級のデザイナーとして早くから活躍。パリにも進出、アトランタ五輪では日本選手団のユニホームも手がけた」。
【11月23日】
愛子◆学習院大4年の愛子が12月に22歳の誕生日を迎えるのを前に、成年皇族としての月日が長くなる中、単独での初「公務」がいつになるのか注目されると、共同通信が報道。「これまでの女性皇族の例では、10代でのデビューが目立つ。(略)宮内庁は、前年の元日に宮殿であった『新年祝賀の儀』参列を、愛子さま自身による「初めての公務」として扱っている。/両陛下の公務に同行することはそれまでにもあった。2016年8月、東京都内で「水の日」記念行事に出席したのが『公の式典への初参加』とされる」。
新嘗祭◆岸田文雄首相が、皇居で「新嘗祭神嘉殿の儀」に参列。
「帰国の記帳」◆岸田文雄首相が、皇居で「帰国の記帳」。
【11月25日】
皇居・乾通り◆皇居・乾通りの一般公開が始まる。12月3日までの9日間実施すると報道。
【11月26日】
徳仁◆東京都港区のサントリーホールを訪れ、ドイツのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の来日公演を鑑賞。首席指揮者兼芸術監督のキリル・ペトレンコらと「懇談」。
「八咫の火祭り」◆和歌山県田辺市の世界遺産、熊野本宮大社周辺で「八咫の火祭り」が行われる。熊野の山道で迷った神武天皇を3本足の八咫烏が道案内したとの言い伝えから、人々を幸福に導くとの願いを込めて1999年に始まったと報道。
【11月27日】
徳仁◆皇居・御所で、訪日中の英国のロバート・リード最高裁長官と会見。宮内庁によると、司法分野における日英両国間の人的交流や、徳仁が英オックスフォード大に留学した際の思い出などについて話したと報道。リード長官は、最高裁の公式招待で訪日。
佳子◆ペルー「公式訪問」を終えた感想を、宮内庁を通じて文書で公表。「多くの方々が日本とペルーの架け橋になってきたこと、多岐にわたる分野で両国が深いつながりを持っていることを感じた」。「一つ一つの出会いや出来事はどれも心に残る大切なものであり、これからも幾度となく思い出すことと思う」。
誉田御廟山古墳◆世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」の一つ、誉田御廟山古墳(応神天皇陵)近くの誉田八幡宮(大阪府羽曳野市)で翌年の干支「辰」にちなんだ竜の土鈴作りが追い込みを迎えていると報道。
【11月28日】
徳仁、雅子、秋篠宮、紀子◆徳仁、雅子が皇居・宮殿で、訪日中のベトナムのボー・バン・トゥオン国家主席夫妻と会見。宮内庁によると、徳仁「日越の関係が、今回の訪日によって、さらに大きく発展していくことを期待する」。宮殿内の小食堂「連翠」で昼食会が開かれ、秋篠宮、紀子らが同席。冒頭、徳仁、雅子の「発案」で、日本酒で乾杯したと報道。
常陸宮◆88歳の誕生日。宮内庁によると、宮邸で妻華子と庭の散策や野鳥の観察をするほか、友人を招いて歓談することを楽しみにしていると報道。
高松宮記念世界文化賞◆岩波剛(演劇評論家)が10月15日、肺炎のため東京都の自宅で死去したと報道。新潮社で書籍編集の傍ら、演劇論を執筆。91〜21年、「高松宮殿下記念世界文化賞」の演劇・映像部門の選考委員を務めた。
【11月29日】
桓武天皇◆大阪府枚方市の禁野本町遺跡で、百済寺跡から北に延びる大規模な道路跡(奈良時代後半から平安時代初期、8世紀後半〜9世紀前半)が見つかり、市文化財課が発表。百済寺は、7世紀後半に滅んだ朝鮮半島の「百済」の王族末裔に当たる百済王氏が築いた寺。長岡京(京都府長岡京市など)、平安京の時期に重なり、これらに遷都した桓武天皇は、母親が百済氏族の「和氏」出身で、「百済王らは私の外戚」というほど信頼を寄せていたといい、たびたび枚方市付近でタカ狩りなどをしていた記録が残っていると報道。
サウジ皇太子◆博覧会国際事務局(BIE、本部パリ)の総会で、2030年万博をサウジアラビアの首都リヤドで開催すると決める。サウジ国営通信によると、同国の実権を握るムハンマド皇太子が開催決定を歓迎し、サウジへの「国際的な信頼」の表れだと喜んだと報道。
【11月30日】
秋篠宮◆58歳の誕生日。これに先立ち、東京・赤坂御用地の赤坂東邸で記者会見し、皇室の高齢化や皇族の減少に伴う「公務」の在り方について「人数が少なくなれば、引き継ぐのが難しくなる。何らかの見直しを行うことは必要になってくるのではないか」と述べたと報道。この1年で印象に残った出来事として、ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラム組織ハマスとイスラエルの衝突を挙げ、特にパレスチナ自治区ガザで多くの子どもが犠牲になっていることに「非常に心が痛んだ」と語ったという。佳子が改修後の宮邸に入らず、別棟で暮らしている点に触れ、結婚によって皇室を離れることを念頭に「最初から(宮邸に)部屋を設けない考えを持っていた」とし「プライベートなことでセキュリティー上のこともあり、公表しなかった」と述べる。
天皇、皇族◆秋篠宮が、58歳の誕生日を迎え、徳仁、雅子にあいさつするため、皇居・御所を訪問。半蔵門から車で入る。東京・元赤坂の赤坂御用地にある仙洞御所に向かい、明仁、美智子にあいさつ。これに先立ち、愛子が赤坂御用地にある秋篠宮邸を訪れ、秋篠宮に「祝い」のあいさつをする。
久子◆日本サッカー協会(JFA)元会長の川淵三郎の文化勲章受章を祝う会が、東京・国立競技場で開催され、JFA名誉総裁の故高円宮の妻久子、森喜朗・元首相らが祝福の言葉を贈る。
「昭和改元100周年」◆自民党の有志議員が国会内で会合を開き、「昭和」への改元から100周年に当たる2026年に、政府主催の記念式典開催を目指す議員連盟を設立。会長に就任した麻生太郎・副総裁「激動と復興の昭和の時代を振り返り、国の将来を考える機会にしたい」。会合には議員約40人が参加し、議連事務総長に加藤勝信・前官房長官が就く。

カテゴリー: 2023年, やじうま日誌(皇室動向) パーマリンク