茨城育樹祭(第4 6 回全国育樹祭)に反対する声明

 

私たちは茨城育樹祭に反対します。

全国育樹祭は戦争により荒廃した森林資源の育成を謳って天皇が植樹する、全都道府県持ち回りで行われる天皇行事です。国民体育大会(2024年から国民スポーツ大会)、全国豊かな海づくり大会、国民文化祭と共に四大天皇行事として天皇制が地域の人々に再認識され、「国民統合」する機能を果たしています。全国育樹祭は天皇の植えた木をその後継者が手入れを行うことで森林育成の継続を謳う行事です。今年の11月に茨城県の潮来市で育樹祭が行われます。

しかし育樹祭は樹木の成長と天皇家の継続を重ね合わせただけの、何の意味もないイベントです。天皇が木を植えた後に皇太子や皇族がその木を手入れしたからといって、何が起きるというのでしょうか。彼らはただの人間です。何も起きはしません。

環境保護や森林保護を本当に考えるのであれば、天皇の植樹のために森を切り開いて会場を造るようなことをするはずがありません。森林保護を考えるなら植樹祭や育樹祭とその関連行事にかかる膨大な労力と莫大な費用を、たとえば林業後継者の育成に使えばいいのであって、天皇や皇族を持ち出す必要はありません。育樹祭は必要のない行事です。

植樹祭の前身である愛林日が植樹行事として行われたのは1934年4月、茨城県紫尾村(現在の桜川市真壁町大字羽鳥)にある鬼ヶ作国有林においてでした。茨城県は植樹祭・育樹祭発祥の地と言えますが、当初から天皇制と結びついた行事として行われていました。

戦前、天皇家はこの国最大の土地所有者であり山林保有者でした。現在の国有林は天皇家のものでした。彼らはそこから利益を得ていました。彼らがやっていることは、田畑を潰したショッピングモールが木を植え、森を切り開いたニュータウンで花を育てるのと同じです。

天皇制とは、女性差別・身分差別・民族差別がなければ成立しない制度です。また、人はみな平等であり一人一人が社会の主人公であるという民主主義と対立する思想です。王制と民主主義は本質的に両立しません。世襲の君主とはその国、その地域の多くの人々を踏みつけ、絞り取り、従わせる存在であり、それは戦前の絶対君主であろうと戦後の象徴であろうと変わりありません。私たちには天皇制はいりません。

私たちは育樹祭と天皇制に反対します。

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●声明賛同のお願い
・団体名、もしくは個人名 ・公表の可否を明記し下記までお送りください。
メール2023iikaigi⭐️gmail.com(⭐️→@)
・第一次締切:2023 年10 月30日
・呼びかけ:潮来育樹祭に反対する会議(いい会議)

 

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