平和で持続可能な未来に向けた日韓市民社会の各界有志の共同宣言


以下は〈日韓和解と平和プラットフォーム〉からの呼びかけです。

 ぜひ、賛同を!

「平和で持続可能な未来に向けた日韓市民社会の各界有志の共同宣言」
 賛同のお願い

私たち「日韓和解と平和プラットフォーム」(以下、日韓プラットフォーム)は、広島で開催されるG7会議を前に、日韓プラットフォーム韓国運営委員会の緊急要請を受け、「平和で持続可能な未来に向けた日韓市民社会の各界関係者の共同宣言」(以下、共同宣言)を、来る5月19日に向けて発表することにしました。

〈共同宣言の趣旨〉
・この共同宣言は、現在の日韓の外交のあり方に深い疑念を抱き、「新しい戦前」状態を推し進める政治と外交、そして軍事拡大化政策に反対し、過去の歴史に真摯に向き合い、その深い反省に立ちながら、武力による平和ではなく、対話による外交によって東アジアの平和の構築の道を追求する多くの日韓市民の願いに基づいています;
・この共同宣言は、今月、広島で開催されるG7会議を意識したもので、来る5月19日に発表を予定しています。
・この共同宣言は、日韓プラットフォームをこえて、広く日韓の和解と平和を願う市民団体および市民の賛同を募り、日韓政府と市民社会に訴えようとするものです;
・韓国においては記者会見が5月19日に行われる予定です。日本においてもこの連帯行動を報道機関に伝えていく予定です。

〈共同宣言への賛同の方法〉
「日韓共同宣言に賛同します」と一言メールに明記の上、団体名もしくは個人名(所属団体・役職)を送ってください;

・送り先 日本キリスト教協議会(NCC)藤守総務宛:fujimor⭐️ncc-j.org(⭐️→@)
・締め切りは5月15日中といたします。時間が少なく申し訳ありません。

よろしくご協力をお願い申し上げます。

2023年5月7日

《呼びかけ》 日韓和解と平和プラットフォーム (韓国)運営委員会
(日本)運営委員会

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「平和で持続可能な未来に向けた日韓市民社会の各界有志の共同宣言」

日韓両国の市民社会の発展をめざす有志は、不幸な過去を乗り越えながら互いに理解し、より良い未来を共に作っていくために連帯してきました。私たちは、両国政府が過去を直視しながら同じ過ちを繰り返さないよう協力し、日韓両国と世界をより平和で安全で、持続可能なものにしていくために共に努力することを、希望し求めてきました。

しかしながら最近、大韓民国(以下、韓国)の尹錫悦政権と日本の岸田文雄内閣との間で行われている一連の外交活動は、日韓関係を「健全な関係」に戻すこととはかけ離れており、不幸だった過去を乗り越えてより良い未来を作っていこうとする日韓両国市民の熱い希望とも相反します。両国と世界をより平和で持続可能なものにすることとも程遠いものです。これに対して私たち日韓両国の市民は、日韓関係の懸案に関しての私たちの立場を直接明らかにしようと思います。

私たちは強制動員(強制連行)被害賠償に関する第三者弁済方式の解決策に反対します

朝鮮人労働者の強制動員は日本帝国による植民地支配期に行われた反人道的犯罪行為です。この犯罪行為に対する被害者の賠償請求は、植民地支配の事実を認めないまま政府間で行われた1965年の日韓請求権協定によって消えたとは考えられません。日本政府および韓国政府は、韓国大法院(最高裁)の確定判決によって賠償請求権を行使しようとする被害者の権利を侵害することはできず、そうする資格もありません。尹錫悦大統領は第三者弁済方式を提案し、「求償権の行使は想定していない」と明らかにしましたが、これは明白な越権行為です。生存している被害者はすべて「第三者が債権者の意思に反してむやみに弁済し消滅させても良い性質の債権ではない」として財団に拒否通知しました。韓国の国家人権委員長は「強制動員の損害賠償問題は金銭問題だけでなく人権侵害の認識と謝罪を通じて被害者に人間の尊厳性を回復する問題」という声明を発表しました。しかし日本の岸田内閣は強制徴用の事実自体を認めず「旧朝鮮半島出身の労働者問題」とのみ表現しています。日本軍性奴隷(慰安婦)問題や今年で100年を迎える関東大震災当時の朝鮮人虐殺問題についても、岸田内閣は過去の歴史を否定する安倍内閣の歴史修正主義を踏襲しているだけです。「歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体的に継承している」という岸田首相や内閣関係者の発言は信用できません。誤った過去を直視しなければ、日韓市民間の理解も信頼も得られず、未来の日韓関係の発展も期待できません。日韓市民の相互理解が不十分なまま、直接的な被害者の同意もなしに日韓政府が強行した「日韓慰安婦合意」が被害者に大きな傷を与え、日韓関係をより一層悪化させたことを繰り返してはなりません。日本自身が植民地主義の歴史を清算することが、過去の誤りを再び繰り返さない民主的で成熟した社会の創造へつながるのです。

私たちは福島原発汚染水の海洋放出に反対します

東京電力・福島第1原子力発電所に保管中の汚染水の海洋放出に関する問題は、福島地域住民の安全に関する問題であるだけでなく、日本はもちろん海を共有する全世界に影響を及ぼす国際的な問題です。域内のすべての当事者がそのような排出が安全であることを、科学的手段を通じて確認し、同意するまで福島原子力発電所の汚染水を海に放出してはなりません。検証されていない汚染水の海洋放出は自然と生命に対する破壊行為です。しかし、東京電力と岸田内閣は福島住民と周辺国の憂慮にもかかわらず、今年の春と夏の間に放出する計画を公式発表しています。 東京電力と日本政府は「汚染水から放射性物質を除去した『処理水』の放出であるため科学的に安全だ」と主張していますが、多くの専門家が情報の信頼性に疑問を呈し、透明な情報公開を促しています。日本政府は処理されない放射性物質があることを認めながらも、正確な情報の公開を拒否しているのです。潜在的な被害当事者で構成された太平洋島嶼(とうしょ)フォーラム(PIF)は強い憂慮を表明し、日本政府が「他国に害を及ぼす行動をしてはならない」という国際法を遵守することを促しています。韓国政府をはじめとする周辺国の政府も、日本政府の海洋汚染水の投棄計画に断固たる反対の立場を表明しなければなりません。

私たちは日米韓の軍事協力と戦争演習に反対します

人権と人間の安全保障に直結する懸案には目を閉ざしながら、日米韓がひたすら追求するのは「戦争連合」の強化です。米国のバイデン政権の関心は、日本と大韓民国の軍事協力を促進し、米国が主導する日米韓の軍事協力へと発展させることであり、いわゆる「インド太平洋」地域において核抑止力に依存する攻撃的な戦争動員体制を構築することに集中しています。「力による平和」、「圧倒的に優越する戦争能力の確保」を追求する尹錫悦政権と「敵基地攻撃能力の保有」と「防衛予算の大幅増額」を推進する岸田内閣が、これに積極的に同調しています。日米韓三国は、昨年から遮断作戦訓練、対潜水艦訓練、ミサイル防衛訓練を共同で進めており、昨年11月の「インド太平洋における三か国パートナーシップに関するプノンペン声明 」以降、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)のミサイル情報をリアルタイムで共有しています。日米韓の軍事協力は表面的には朝鮮の核ミサイルの脅威に共同対応し「拡大抑止を実質化」するためのものですが、究極的には中国との戦争に備え、軍事力の優位を維持することにあります。岸田首相と尹錫悦大統領は、中国を「構造的挑戦」と新たに規定したNATO首脳会談に米国の招請を受けて参加しました。プノンペン声明では「台湾海峡」問題など「インド・太平洋水域での一方的な現状変更の試み」に対して共同で対応するという意志を明らかにしました。 しかし、「力による平和」はすでに失敗しているのです。むしろ、日米韓の武力示威が続けば続くほど、 朝鮮の核・ミサイルの強化も進みます。米国の核抑止力に対する日本と韓国の依存度が高まれば高まるほど、核戦争の危険性は増し、核軍備競争は加速化していきます。 日本と韓国の市民が望まない地域紛争に巻き込まれる可能性も高まっています。私たちは、日米韓の軍事協力と核戦争への演習に反対します。

敵対を止めて平和の道へ 平和憲法を守り、朝鮮半島の平和体制を構築しましょう

敵対は敵対を呼び、軍備拡大と戦争演習はまた別の軍事脅威と戦争危機を招きます。朝鮮半島の核問題をはじめ東アジアの対立状況は、相互信頼と交渉が不足しているために深刻化してきたものです。制裁と圧力では問題の解決にはなりません。関係改善が優先です。対話と交渉こそ進むべき道なのです。朝鮮の核ミサイル開発も、少なくとも交渉が続く中では中断もされてきました。

日本の平和憲法は、過去の戦争への反省から日本が東アジアと世界で二度と戦争を起こしてはならないという約束の産物であり、決して戦争が問題解決の手段にならず、あってはならないという共同の覚悟の表明です。今こそ日本の平和憲法とその精神の実現がますます切実になっています。私たちは平和憲法を改悪することに反対します。一方、朝鮮半島で70年間続いてきた不安定な休戦状態を恒久的な平和体制に転換しないまま、東アジアに平和が実現すると期待するのは難しいです。朝鮮の大陸間核弾道ミサイル実験の猶予措置に対し、関係国が対応措置をためらった結果、さらに深刻な不信と危機が訪れたのです。手遅れになる前に敵対関係をストップさせ、交渉を再開し、不安定な朝鮮半島の休戦体制を平和協定体制に置き換えるべき時です。関係改善と信頼構築を通じて、朝鮮半島の平和体制と非核化に進もうという6か国協議の合意精神を、再び生かさなければなりません。

日本の平和憲法体制の護持と朝鮮半島平和体制の形成はひとつのことで、東アジアをはじめとする国際平和協力の軸足であり、核兵器も核脅威もない東アジアと世界に進む鍵なのです。平和憲法を無力化し、朝鮮半島-東アジアに戦争危機と軍事対決を激化させる日米韓軍事協力は中止されなければなりません。日韓軍事協力も中止されなければなりません。 日本と韓国はいずれも核抑止力に依存する軍事戦略を捨て、核軍備競争の悪循環から脱却し、人と地球を保全するいのちと平和の道に進まなければなりません。

日韓両国政府が過去を直視しながら、より平和で安全で持続可能な世界を作るために建設的に協力することをあらためて訴えます。

2023年5月19日

(日本)日韓和解と平和プラットフォーム
【共同代表】
小野 文珖(宗教者九条の和)
髙田 健(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動)
野平 晋作(ピースボート)
光延 一郎(日本カトリック正義と平和協議会)

【運営委員】
飯塚 拓也(日本キリスト教協議会東アジアの和解と平和委員会)
石川 勇吉(愛知宗教者平和の会)
小田川 興(在韓被爆者問題市民会議)
北村 恵子(日本キリスト教協議会女性委員会)
金性済(日本キリスト教協議会総幹事)
白石 孝(日韓市民交流を進める希望連帯)
平良 愛香(平和を実現するキリスト者ネット)
武田 隆雄(平和をつくり出す宗教者ネット)
中井 淳(日本カトリック正義と平和協議会)
比企 敦子(日本キリスト教協議会教育部)
飛田 雄一(神戸青年学生センター)
渡辺 健樹(日韓民衆連帯全国ネットワーク)
渡辺 美奈(「女たちの戦争と平和資料館」(wam)
【事務局】
くじゅう のりこ(東アジアの和解と平和ネットワーク)
佐藤 信行(外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会)
潮江亜紀子(外国人住民基本法の制定を求める神奈川キリスト者連絡会)
藤守 義光(日本キリスト教協議会総務)
昼間 範子(日本カトリック正義と平和協議会)
柳 時京(日本聖公会 大阪川口キリスト教会)
渡辺多嘉子(平和を実現するキリスト者ネット)

(日本)賛同団体・賛同人

(韓国)日韓和解と平和プラットフォーム

(韓国)賛同団体・賛同人

 

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