やじうま日誌 2023年3月

【3月1日】
常陸宮◆明仁の弟の常陸宮が、発熱の症状が出て東京都渋谷区の日本赤十字社医療センターに入院。宮内庁が発表。数日前から37度台の発熱を繰り返し、2月28日に同センターを受診した。新型コロナウイルスとインフルエンザの検査は陰性で、宮邸に戻ったが、再び発熱したと報道。
眞子◆眞子の夫小室圭が、米ニューヨーク州で弁護士として活動を始めたことが、関係者への取材で分かる。知人によると、小室から「宣誓式を経て、正式に弁護士になることができた」との報告メールが届いたと報道。同州の裁判所のウェブサイトには弁護士登録されたことが記載された。登録は現地時間の2月27日付。
【3月2日】
秋篠宮、紀子◆東京・上野の日本学士院会館を訪れ、若手研究者の支援を目的に日本学術振興会が設けた「育志賞」の第13回授賞式に出席。式典後、受賞者と懇談。育志賞は、在位中の明仁が即位20年に当たり、日本学術振興会に金一封を贈ったことをきっかけに2010年度に創設された。
常陸宮◆宮内庁が、発熱の症状があり入院中の常陸宮が尿管結石との診断を受け、手術を受けたと発表。
【3月3日
徳仁、雅子◆皇居・宮殿で、農業や畜産業、水産業などの分野で優れた業績を上げた農林水産祭の天皇杯受賞者7人と面会。徳仁「さまざまな困難を乗り越え、研究や努力によって大きな成果を収め、農林水産業や地域社会の発展に貢献されたことをうれしく思います」。
皇室外交:徳仁、雅子◆皇居・御所で、モンゴルのザンダンシャタル国家大会議長夫妻と会見。宮内庁によると、英語で懇談し、徳仁が皇太子時代の2007年にモンゴルを「公式訪問」した思い出や、日本の支援に対するモンゴル側の感謝などが話題になったと報道。
秋篠宮、紀子◆東京都千代田区のホテルで、地域医療に長年貢献した医師を表彰する第11回「赤ひげ大賞」のレセプションに出席し、受賞者と懇談。主催は日本医師会と産経新聞社。
「応神天皇陵」◆日本考古学協会などの研究者団体が、宮内庁が応神天皇陵として管理する大阪府羽曳野市の誉田御廟山古墳(5世紀前半)を立ち入り調査。同古墳は世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」の構成資産の一つで、墳丘長425メートルと、国内で2番目に大きい前方後円墳と報道。
ルーマニア大統領◆政府が、ルーマニアのヨハニス大統領が5~9日の日程で訪日すると発表。滞在中、徳仁と会見し、岸田文雄首相と会談する予定と報道。
【3月5日】
常陸宮◆宮内庁が、発熱のため日本赤十字社医療センター(東京都渋谷区)に入院していた常陸宮が退院したと発表。宮内庁によると、約2週間後に再入院し、発熱原因とみられる尿管結石を破砕する手術を受けると報道。
英王室◆英国のチャールズ国王の次男で、「公務」を引退して米国へ移住したヘンリー王子が、米カリフォルニア州で作家と対談し「人生を通じて、自分は他の家族とは少し違うと感じていた。母(故ダイアナ)も同じように感じていた」と打ち明けたと、英メディアが報じる。王室との確執を暴露した自伝「スペア(予備)」に関するイベントで、トラウマ(心的外傷)の専門家で作家のガボール・マテと母の死や精神的な苦悩について対談。自伝で認めた薬物摂取を巡り「コカインは何の役にも立たなかった。大麻は違う。実際に助けられた」。
【3月6日】
皇室外交:徳仁◆皇居・御所で、モロッコのタールビー・エル・アラミー衆院議長と会見。宮内庁によると、気候問題や水問題が話題になり、議長からモロッコでの近年の干ばつや降雪について説明があり、徳仁は、皇太子時代の1991年にモロッコを訪問した際の思い出を語ったと報道。
佳子◆東京都千代田区の東京交通会館を訪れ、全国の女性が暮らしに役立つアイデアを作品にした「第54回なるほど展」を視察。
華子◆宮内庁が、常陸宮の妻華子が、姉の西田泰子が4日に死去したため、4日から30日間、喪に服すと発表。華子は旧伯爵の「津軽家」出身と報道。
英国王戴冠式◆英国のチャールズ国王の次男で、英王室批判を展開するヘンリー王子と妻メーガンが、5月6日にロンドンで営まれる国王の戴冠式に招待されたことが分かる。夫妻の広報担当者によると「戴冠式に関するメールを受け取った」が、出席するかどうかは明らかにしていないと、英メディアが報じたと報道。
アンゴラ大統領◆松野博一・官房長官が記者会見で、アンゴラのロウレンソ大統領が12~15日の日程で訪日すると発表。滞在中に岸田文雄首相と会談し、徳仁とも会見する予定と報道。
【3月7日】
皇室外交:徳仁、雅子◆皇居・御所で、ルーマニアのヨハニス大統領夫妻と会見。宮内庁によると、大統領が隣国のウクライナ問題に触れ、避難民の受け入れ状況などを説明。徳仁が「人道支援」に敬意を表した上で「戦争により多くの人が亡くなっていることに心を痛めている。一日も早く平和が戻ってくることを心から願っている」。
「斉明天皇陵」◆飛鳥時代の女帝・斉明天皇(594~661年)の墓とされる牽牛子塚古墳(奈良県明日香村)で墳丘がライトアップされる。国史跡指定から当年で100年を迎えたのを記念した。宮内庁は、同県高取町の古墳を斉明陵として指定しているが、研究者は日本書紀などの記述や天皇陵に多い八角墳の特徴から牽牛子塚古墳を斉明陵とみていると報道。
【3月8日】
「信任状奉呈式」馬車列◆新任の外国大使が本国から持参した信任状を天皇に手渡す「信任状奉呈式」で、皇居への送迎に使う馬車列が3年ぶりに再開。フィジーとパキスタンの大使の信任状奉呈式を順次実施。
【3月9日】
「鴨場」◆新型コロナウイルス禍で見合わせていた宮内庁の「鴨場」見学会が2月、約3年ぶりに再開したと報道。「鴨場は、江戸時代に将軍家や大名家に伝わってきた独特の猟の技を保存しており、『伝統文化の継承』という皇室の役割に触れる場の一つだ。皇族が接待役となって駐日外国大使らをもてなすほか、生態系の保護にも一役買っている」と共同通信。
「古事記」◆712年の当日、国の創世神話から推古天皇までの歴史を記した「古事記」が完成し、編さんした太安万侶が元明天皇に「献上」したと報道。
【3月10日】
秋篠宮、紀子◆東京大空襲から78年となり、犠牲者の遺骨が納められている東京都慰霊堂(墨田区)で営まれた法要に参列。
【3月11日】
天皇一家◆皇居・御所で東日本大震災の発生日に当たり黙とうしたと、宮内庁が発表。
徳仁、雅子◆共同通信が「天皇陛下は皇后さまと共に、東日本大震災の被災地に『引き続き心を寄せていく』との思いを強く持たれている。新型コロナウイルス禍で途絶えた現地訪問は、6月に岩手県で開かれる全国植樹祭出席で即位後初めて実現する見通しだ。復興状況を目にし、人々の声に直接耳を傾ける機会となる。陛下は震災を忘れず、将来の災害への備えが重要とも言及している」と報道。
明仁、美智子◆宮内庁によると、東京・元赤坂の赤坂御用地にある仙洞御所で、東日本大震災の発生時刻に合わせて黙とう。
【3月13日】
徳仁、雅子◆皇居・宮殿「春秋の間」で、警察庁長官表彰を受けた全国優秀警察職員95人と面会。徳仁が「皆さんの努力により治安が維持され、国民生活が安定していることを誠に心強く思っている」とあいさつ。2人が警察職員に歩み寄って懇談。当日から新型コロナウイルス対策のマスク着用ルールは緩和されたが、宮内庁によると、近い距離で懇談する機会が設けられたことからマスクを着用。
皇室外交:徳仁、雅子◆皇居・御所で、アンゴラのロウレンソ大統領夫妻と会見。徳仁「長きにわたる内戦を乗り越えて、国民和解と国の発展のために大統領が指導力を発揮していることに敬意を表します」。/宮内庁の池田憲治次長が定例記者会見で、2020年に徳仁、雅子の「国賓」としての訪英が調整されたが、新型コロナウイルス禍で延期となったとして「なるべく早い段階で実現いただきたいと考えている」。
秋篠宮、紀子◆宮内庁の池田憲治次長が定例記者会見で、5月に予定される英国のチャールズ国王の戴冠式に、秋篠宮と紀子が参列する方向で準備すると明らかに。英国側から、「元首」かその代理の出席を願う通知が届いていたが、天皇が外国の戴冠式に参列した例はなく、徳仁、雅子は「国賓」として別の機会に訪英する可能性があることを踏まえたとしていると報道。
【3月14日】
三好達◆元最高裁長官の三好達が6日、心不全のため東京都内の病院で死去したと報道。1995年に第13代最高裁長官に就任、97年に退官した。最高裁長官に在任した2年間に、沖縄の米軍用地強制使用を巡る代理署名訴訟や最大6・59倍の格差を違憲状態とした参院定数訴訟、愛媛玉串料訴訟の3件の大法廷判決で裁判長を務め、愛媛訴訟では玉串料の公費支出を違憲とする多数意見に対し、合憲とする反対意見を述べた。保守系団体「日本会議」の会長を務めた。
【3月15日】
三の丸尚蔵館◆皇室ゆかりの美術品などを収蔵、展示する皇居・東御苑の「三の丸尚蔵館」の建て替え工事が一部終了し、宮内庁が報道陣に公開。名称に「皇居」を追加し、新館は11月3日に開館する予定と発表。
宗像大社◆世界文化遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」を構成する宗像大社(福岡県宗像市)が、辺津宮本殿を囲む六つの末社の修復を終え、「ご神体」を仮の住まいから社に戻す「末社本殿遷座祭」を開く。宗像大社は大規模改修「平成ノ大造営」を2013年に開始。「ご神体」は本殿脇の仮宮に移されていた。
【3月16日】
佳子◆水戸市を訪問し、日本三名園の一つ、偕楽園で行われた「左近の桜」の植樹式典に出席。式典に先立ち、県立水戸聾学校で手話を使って生徒たちと交流。園内で、梅林や水戸藩第9代藩主の徳川斉昭の別邸「好文亭」を見て回り、藩校「弘道館」を視察。
皇嗣職宮務官◆皇嗣職宮務官石神留美子が、依願退職する宮内庁人事が公表される。
【3月18日】
秋篠宮、紀子◆東京・元赤坂の赤坂御用地にある赤坂東邸で、障害者らが日頃培った職業技能を競う「第10回国際アビリンピック」に出場するためフランスに派遣される日本選手団と面会。宮内庁によると、換気や人との距離に配慮した上で、2人はマスクをせずに選手ら約30人と約45分間懇談したと報道。
【3月20日】
常陸宮◆尿管結石を破砕する手術を受けるため、東京都渋谷区の日本赤十字社医療センターに入院。手術は21日に予定していると、宮内庁が発表。総裁を務める発明協会が都内で開催する23日の「第81回全日本学生児童発明くふう展」表彰式は欠席し、妻華子が出席すると報道。
京都御所◆宮内庁京都事務所が24~28日、京都御所(京都市上京区)で春の特別イベント「宮廷文化の紹介」を開催すると報道。「満開の桜を描いた普段は非公開の襖絵を展示するほか、等身大の人形で儀式の様子を再現。古式ゆかしい装束をまとって行う蹴鞠や雅楽の実演もある」。
【3月21日】
英国大使館◆東京都千代田区の英国大使館が、同所での外交活動開始150周年を記念し、大使公邸を近隣住民らに公開。約千人が訪れ、夕食会を開くダイニングルームや、故エリザベス女王の肖像画が飾られた大広間などを観覧。
【3月22日】
徳仁◆米ニューヨークの国連本部で開かれた「第6回国連水と災害に関する特別会合」で、ビデオメッセージ形式で基調講演。「近年の気候変動によって水災害や渇水が頻発し、対応が人類共通の課題となっている」。水に関する持続可能な開発目標(SDGs)達成に向け、世界の行動が加速していくことを願うと述べる。
【3月23日】
徳仁、雅子、愛子◆徳仁、雅子の側近が、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での日本代表チームの優勝について、2人と愛子が「お喜びになり、日米両チームの選手たちの健闘をたたえられていた」と明らかにしたと報道。
英皇太子◆英国のウィリアム皇太子がウクライナ隣国ポーランドを訪れ、警戒に当たる英国軍の兵士らを激励。英国とポーランド両軍の兵士と面会し「自由を守ることは非常に重要だ」と伝える。ウクライナ国境から約65キロの場所で、事前に予定は公表されていなかった。ロイター通信などが伝える。
東御苑◆皇居東側の約21万平方メートルを占める庭園「東御苑」は一般に公開され、豊かな自然や旧江戸城の史跡を楽しむことができると共同通信が報道。「1968年の開園以来、開放エリアを徐々に広げ、時の天皇の意向を取り入れながら姿を変えてきた。3年後にはオープンテラスのカフェもできる予定だ。宮内庁は、皇室への理解がより深まる場を目指している」。
公安尾行◆東京弁護士会が、天皇制に反対する40代男性を2013年10月~14年4月、警視庁の警察官が少なくとも21日にわたり尾行や監視をしたのは人権侵害だとして、20日付で警視庁に警告したと発表。同会によると、男性は13年10月、当時の天皇明仁、皇后美智子が国民体育大会から車で帰路に就く際、沿道で「もう来るな」などと書いた横断幕を掲げ、その後、尾行されたり遠くから監視されたりした。男性の申し立てを受け同会が調査し、ナンバーなどから警視庁の管理する車が使われていたことが判明。警視庁は照会に対し回答を拒否したという。
【3月24日】
徳仁、雅子◆皇居・御所で、過疎地や離島など厳しい環境で医療や福祉を支えてきたとして、医師らに贈られる厚生労働大臣表彰の医療功労賞受賞者10人と面会。徳仁があいさつで「皆さんの活動がそれぞれの地域の人々の健康に寄与し、人々の支えとなってきた」。医療功労賞の主催は読売新聞社。
常陸宮◆宮内庁が、常陸宮が日本赤十字社医療センター(東京都渋谷区)を退院したと発表。
宮内庁人事◆前駐フランス兼アンドラ、モナコ大使の伊原純一を式部官長に、皇室経済主管の小山永樹を皇嗣職宮務官長に起用し、式部官長の秋元義孝と皇嗣職宮務官長の石井裕晶が依願退官する4月1日付の宮内庁人事が公表される。
「帰国の記帳」◆岸田文雄首相が、皇居で「帰国の記帳」。
【3月25日】
皇居・乾通り◆皇居で乾通りの一般公開が始まる。春は4年ぶりで「令和」初との報道。公開は4月2日までの9日間。
【3月27日】
久子◆9日に死去した扇千景(本名林寛子)元参院議長の本葬が、東京・芝公園の増上寺で営まれ、故高円宮の妻久子が参列。
「表現の不自由展」◆芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展を巡る混乱で損害が生じたとして、高須クリニックの高須克弥院長らが、愛知県の大村秀章知事に対し、芸術監督だったジャーナリスト津田大介らに損害賠償を請求するよう求めた訴訟の判決で、名古屋地裁が請求を棄却。原告は高須のほかに、政治団体「減税日本」(代表・河村たかし・名古屋市長)の同市議らで、原告側は、昭和天皇の肖像を燃やすシーンがある映像作品などが展示され抗議が殺到した企画展「表現の不自由展・その後」を巡る混乱で、文化庁が減額した補助金を津田らが賠償すべきだなどと主張していた。日置朋弘・裁判長は判決理由で、減額分は芸術祭実行委員会が県側に戻し入れたと指摘。一時中止となった企画展の再開に伴う警備費も、県ではなく実行委の負担だったとして、県に損害の発生は認められないと結論付ける。
【3月28日】
芸術院賞◆日本芸術院が、優れた芸術活動を表彰する2022年度日本芸術院賞に「博士の愛した数式」などの作品で知られる小説家の小川洋子ら9人を選ぶ。授賞式は6月下旬に日本芸術院会館(東京)で開かれ、例年、天皇皇后が出席すると報道。
英王室◆ヘンリー英王子や英人気歌手エルトン・ジョンら著名人グループがプライバシーを侵害されたとして英紙デーリー・メールの発行会社を提訴した訴訟で、2人が27日から始まった予備審問に出席するためロンドンの裁判所に姿を見せたと、英メディアが報じる。王子らは前年10月、同紙が雇った私立探偵に車や家の中に盗聴器を仕掛けられるなど個人情報を違法に収集されたとして提訴した。
サウジ皇太子◆中国の習近平・国家主席が、サウジアラビアのムハンマド皇太子と電話会談。中国外務省が発表。中国の仲介でサウジとイランの国交正常化に向けた対話が「大きな成果を上げた」と誇示して「(正常化)プロセスへの支援を今後も続けたい」と述べ、「中東の平和と安定、発展にさらに貢献したい」とも語り、中東への関与拡大に意欲を示したと報道。ムハンマド皇太子が中国の仲介に「心からの感謝」を示し、中東地域で「中国は建設的な役割を果たしており、サウジは称賛する」と語る。
【3月29日】
徳仁、雅子◆大雪などで甚大な被害を受けた北海道と青森県、新潟県に見舞金を贈ったと報道。宮内庁の鈴木敏夫・総務課長から3道県の東京事務所長らに伝達。
英王室◆1871年の当日、英国で音楽の殿堂として有名なロイヤル・アルバート・ホールがロンドンに開業。ビクトリア女王が夫アルバート公の遺志を継いで完成させ、クラシックからロックやポップス、演劇、バレエまで幅広く鑑賞できる場として今も愛されていると報道。
【3月30日】
UAE◆アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド大統領が、長男のハリド氏をアブダビ首長国皇太子に任命したと、国営の首長国通信などが伝える。実子を後継者候補とし、直系の権限強化を進めたと報道。
【3月31日】
宮内庁人事◆上皇侍従の下均が依願退職し、書陵部長の野村善史、管理部長の坂井孝行が定年退職する宮内庁人事が公表される。
皇室関連車両◆JR東日本が3月から東京総合車両センター(東京都品川区)で、皇室関連の車両の車庫とみられるれんが造りの建物の解体を進めていると、共同通信が報道。「三種の神器の一つ、八咫鏡の複製を輸送した『賢所乗御車』の車庫との見方もあるが、公式には詳細が明らかにされていない。JR東はれんがの壁の一部を、周辺の再開発で建設するビルに移築して保存する方針。/近現代の皇室と鉄道に詳しい放送大の原武史教授(日本政治思想史)によると、車庫には皇室が使う車両が保管されていて、中でも『賢所乗御車』が貴重とされる。1915年に大正天皇の即位の礼を京都で行う際、皇居の賢所にある八咫鏡の複製を輸送するため、鉄道院(当時)が大井工場(現東京総合車両センター)で製造した。28年には昭和天皇の即位の礼にも使われた。原教授『神器を運ぶ車両の車庫を壊す判断は、皇室に対する考え方が時代と共に変化したといえるのではないか』」。
遷都◆1923年の関東大震災直後、陸軍はひそかに遷都に向けた意見書を準備していたと、共同通信が報道。作成したのは、後に陸軍大将となる今村均で、今村は、手記「私記・一軍人六十年の哀歓」に、参謀次長の武藤信義から命じられ「東京は震災及び防空上、絶対に帝都としては不適当」と書き残している、と。「だが、意見書は結局、日の目を見ることはなかった。震災から11日後の9月12日、天皇により、遷都を明確に否定する詔書が発せられたからだ。『東京は帝国の首都にして政治経済の枢軸となり国民文化の源泉』/今村は武藤から「不遷都の詔書を拝した以上、いかんともいたしかたない」と言われたと振り返っている」。

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