「紀元節」と「天皇誕生日奉祝」に反対する2.11&2.23連続行動

2月11日は反「紀元節」銀座デモ 。新橋のニュー新ホールに集合し、デモ前の短い時間だがアピール交換や行動宣言の読み上げなど行い、15時半銀座デモに出発した。

デモ前集会では、会場から以下の5団体から呼びかけやアピールを受けた。
1)「3・1朝鮮独立運動」日本ネットワークから「3・1朝鮮独立運動104周年」連続行動への呼びかけ
2)「戦時下の現在を考える講座」から2.25「戦争から逃げる 兵役拒否を考える集会」への呼びかけ
3)「G7いらない 首都圏ネットワーク」から4.2発足集会と今後についてアピール
4)沖縄・琉球諸島における基地・軍拡問題の訴えと署名の呼びかけ
5)現在進行中の即位・大嘗祭違憲訴訟の現状や次回口頭弁論の案内

それぞれ課題の重要性と行動の意義など訴えられ、行動への参加が呼びかけられた。

また、この銀座デモと同様に反「紀元節」行動を主催する2団体との文書による交換メッセージや行動宣言文が読み上げられ、宣言文は会場全体で採択された(文末掲載)。

交換メッセージは、〈第57回2.11東京集会・実行委員会〉と〈アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)〉から。反「紀元節」を掲げ、自分達とほぼ同時に行動する人たちがいることを実感できる瞬間だ。デモ出発前に元気が湧く。

デモは会場を出てすぐ目の前にある新橋駅前SL広場横から出発。そこにはすでに右翼が10人前後だろうか集まっていて、歴史を無視した実にくだらない誹謗中傷をがなり立てていた。出発直前には参加者が持っていた横断幕を奪い取ろうと飛びかかってくる者や、デモへの妨害を試みる者たちがデモ終了までまとわりついてきていた。デモ車は蹴られていた。デモ解散後も車道の真ん中で車に突進してくる者たちがいたという報告もあり、驚くばかり。警察はデモ参加者への理不尽で失礼な命令や暴言を吐き続け、参加者を押したり触ったり。突出したひどい状況はなかったものの、右翼も警察もいつもと変わらないウンザリする事態を作り出していた。

それでもデモは人を繋いでくれたり、非日常の景色を眺めながら1人考えながら歩いたり、道ゆく人にアピールできたりと、特別な時間と稀有な場である。デモの権利は守り続けねば、と改めて思う。

デモ前集会とデモへの参加者は重ならない人たちもあり、延べ100人くらいの参加者だった。

2月23日の「天皇誕生日奉祝反対」討論集会 は南部労政会館で開催。
のむらともゆき「徳仁天皇制のいま」、天野恵一「統一教会と象徴天皇制」、桜井大子「皇位継承問題のゆくえ」と短めの問題提起が続き、休憩を挟んで会場全体による討論。反天皇制の開いた形の討論集会は久しぶりで、会場からの発言も多く、興味深い議論ができた。個人的には面白い集会になったと思う。

参加者は65人。少なすぎると心配するのはやめよう。バブルが弾けた天皇課題ではこんなものかもしれない。ここでめげずに続けることの方がよほど重要なのだ。会場には久しぶりの方や初めてらしい人もちらほら。また会いましょう! (D子)

*主催の実行委は連続行動の簡単な報告集(B5判・6ページ)を出します。本サイトからも購入できます。関心のある方は以下の方法でどうぞ。
本サイト「連絡箱」に「2.11&2.23連続行動報告集希望」として、お名前と送付先を入れて送信していただければ、実費(送料+100円)で送付いたします。
送付の際に振替用紙を同封しますので、受け取り後、入金をお願いします。

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【行動宣言】

「紀元節」と「天皇誕生日奉祝」に反対する2.11 & 2.23連続行動 宣言

私たちは今年も、「建国記念の日」(2月11日)と「天皇誕生日」(2月23日)の「奉祝」に反対する行動に連続して取り組むべく、この場を共にしている。

「国民の祝日に関する法律(祝日法)」によれば、2月11日は、「建国をしのび、国を愛する心を養う」日である。かつてこの日は「紀元節」であり、それは神武天皇が橿原の地で初代天皇として即位したという『日本書紀』の記述に基づいて制定された。敗戦によっていったん廃止されたこの祭日を、「国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」(祝日法)として「復活」したのだ。

そして2月23日、天皇としてその誕生日を祝われる徳仁は、「神武天皇から数えて126代目の天皇」であるとされている。神武天皇が歴史的に存在しない神話上の天皇であることは常識だ。さらに天皇誕生日は、かつて「天長節」として祝われ、「紀元節」とともに天皇の祭祀が行われる「四大節」の一つであった。ここに神権主義的な天皇と象徴天皇とは、矛盾なく接合されてしまっているといわなければならない。

これらの「記念日」の本質は、天皇神話を日本の「伝統」の核として位置づけること、すなわち日本は天皇の国であるということを改めて「国民」に再確認させることにあるが、それはかつての「皇国史観」の単なる復活なのではない。折に触れて、象徴天皇制国家である「日本国の国民」であることをあらためて意識させ、まとめ上げる。そのためのさまざまな装置のひとつとして、天皇の記念日は機能しているのだ。

昨年の「建国記念日」への首相メッセージで岸田は「自由と民主主義を守り、人権を尊重し、法を貴ぶ」日本の「国柄」を守りを育ててきた「国民」の努力と絆を賛美してみせた。そういう日本国家の自画像は、平和のシンボルとしての象徴天皇制という像に見合ったものである。

いま岸田政権は、ロシアによるウクライナ侵略戦争をも利用しながら、中国による軍事的脅威を、緊張を激化させる方向で煽り立て、「台湾有事」を想定した大軍拡の道を突き進んでいる。昨年12月に閣議決定された「国家安全保障戦略」など安保関連3文書は、敵基地攻撃能力(「反撃能力」)の保持を明記し、今年度から5年間の「防衛費」を総額で「43兆円程度」と見積もった。さらに関連予算と合わせた防衛費を2027年度にはGDP比2%と倍増させる方針も打ち出した。それが実現するならば、日本は世界第3位の軍事大国となるのだ。このような大軍拡を進める国家が「平和国家」であるはずがない。

今年に入って、「敵基地攻撃能力」を可能とするために、中距離弾道ミサイルと巡航ミサイル「トマホーク」の日本配備までが閣議決定された。これらがほとんど琉球弧(南西諸島)に配備されようとしていることは明らかだ。アメリカの対中戦争において、日本の自動参戦は当然の前提とされている。日本国家と米軍によって対中戦争のための前線基地とされてきた沖縄は、「先制攻撃の基地」としてその位置づけをますます「高度化」させられようとしている。

自衛隊が「自衛」のための最低限の武力どころか、最大限の攻撃力を持つ軍隊として登場しつつあることは明らかだ。しかし、その軍事力強化は、常に他国の脅威から自国の平和を守るという論理だてで進んでいる。「平和の危機に対しては、国民一丸となってこれに当たらなければならない」という、戦争政策としてある国家主義的な民衆統合のイデオロギーと対決しよう。

天皇制を賛美し、その統合作用を強化するための記念日はいらない。今年の2・11&23連続行動に取り組むにあたって、このことを明確に宣言する。

2023年2月11日
集会参加者一同

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