やじうま日誌 2023年1月

【1月1日】
天皇、皇族◆「新年祝賀の儀」が皇居・宮殿であり、徳仁「年頭に当たり、国民の幸せと国の発展を祈ります」。宮殿「松の間」で、秋篠宮、紀子や愛子ら皇族が順次あいさつ。徳仁、雅子が皇族と共に宮殿の各部屋を回り、岸田文雄首相や衆参両院議長、最高裁長官らから「祝賀」を受ける。各国の駐日大使らがあいさつに訪れる。新型コロナウイルス禍を踏まえ、徳仁、雅子の意向で、女性皇族は前年に続き、ティアラの着用を控えたと報道。明仁、美智子は皇居での儀式には出席せず、徳仁、雅子と愛子が、東京・元赤坂の赤坂御用地にある仙洞御所を訪れてあいさつをする。秋篠宮一家ら皇族も訪問。
徳仁◆新年を迎え、宮内庁を通じて感想を公表。新型コロナウイルス禍での「国民」の苦労をいたわり、世界の戦争の犠牲に「深い悲しみ」を表明した上で「新しい年が、わが国と世界の人々にとって、希望を持って歩むことのできる年となることを祈ります」とつづったと報道。前年、沖縄の日本復帰50年で雅子と共に沖縄県を訪れ、戦没者を慰霊したことについて「平和の大切さを改めて心に刻んだ」とし、「世界各地で戦争や紛争が頻繁に起こり、多くの人々の命が失われていることに深い悲しみを覚える」と記したほか、災害や物価高の影響に触れ「人々が、これからもお互いに思いやりながら支え合い、困難な状況を乗り越えていく」よう願ったという。
徳仁、雅子◆当年の主要地方公務は、6月に岩手県で全国植樹祭、9月に北海道で全国豊かな海づくり大会、10月は鹿児島県で国体、石川県で国民文化祭が予定されると報道。植樹祭の式典は、東日本大震災で津波被害を受けた陸前高田市の復興祈念公園で開かれる。6月、結婚30年を迎え、雅子は12月に60歳の還暦となるという。/当年6月、結婚30年を迎えるとして共同通信が「苦楽を分かち合いながら歩んだ道は、決して平たんではなかった。(略)家族の根幹をなすものは、お互いへの信頼と尊敬の気持ち」と陛下は語る」とリードで書く企画記事「両陛下、結婚30年」を配信。
皇嗣職侍医◆皇嗣職侍医に大関敦子を起用する宮内庁人事が公表される。
【1月2日】
天皇、皇族◆新年の「一般参賀」が皇居で開催され、徳仁があいさつで「本年が、皆さんにとって、安らかで良い年となるよう願っています」。愛子が初めて参加。明仁、美智子は午前の3回、常陸宮と故三笠宮の妻百合子は車いすで1回目だけ出席。宮内庁庁舎前に事前申し込みが不要の記帳所が設置され、5330人が訪れたと報道。
【1月4日】
伊勢神宮参拝◆岸田文雄首相が、三重県伊勢市の伊勢神宮を、西村康稔・経済産業相、河野太郎・デジタル相ら閣僚と共に参拝。神楽殿で神楽奉納。
【1月5日】
明仁、美智子◆宮内庁が、明仁、美智子に前月、風邪の症状がみられたと明らかに。検査の結果、新型コロナウイルスやインフルエンザではなかったと報道。
愛媛玉串料訴訟違憲判決◆元最高裁判事で弁護士の千種秀夫が2022年12月17日、死去したと報道。1993年9月に初めて最高裁事務総長から直接、最高裁判事に就任。在任中、民間航空機選定に首相の職務権限が及ぶとしたロッキード事件丸紅ルートの大法廷判決(95年)、6・59倍の1票の格差を違憲状態とした参院定数訴訟の大法廷判決(96年)に関与。靖国神社の玉串料への公費支出が政教分離を定めた憲法に反するかどうかが争われた愛媛玉串料訴訟で97年、違憲とした大法廷判決の多数意見に賛同した。02年2月の定年退官後、弁護士登録。04年に「旭日大綬章」を受章。
英王室◆チャールズ英国王の次男ヘンリー王子が10日に出版予定の自伝の中で、妻メーガンの振る舞いなどを巡って兄のウィリアム皇太子と口論となった末、身体的な暴力を振るわれたと主張していることが分かる。英紙ガーディアンが事前に入手した内容として伝える。報道によると、王子がメーガン妃と結婚した翌年の2019年に問題の騒動が起き、当時住んでいたロンドンの自宅を兄が訪れて、メーガン妃のことを「気難しく無礼で、無愛想」だと指摘。2人が怒鳴り合いとなった後、兄が王子の襟首をつかみ、床にたたきつけたというと報道。
前ローマ教皇葬儀◆前年12月31日に95歳で死去した前ローマ教皇ベネディクト16世の葬儀が、カトリックの総本山バチカンのサンピエトロ広場で執り行われる。信者ら数万人が参列。外国から前教皇の母国ドイツと、イタリアの関係者のみを公式に招き、他にポーランドのドゥダ大統領やベルギーのフィリップ国王夫妻らが「個人の立場」で出席したと報道。
【1月7日】
競技かるた◆小倉百人一首競技かるたの日本一を決める第69期名人位と第67期クイーン位の決定戦が大津市の近江神宮で開かれ、クイーン戦は京都市の教員が3連覇。名人戦は静岡県の会社員が2連覇。近江神宮は百人一首の第1首を詠んだ天智天皇を祭っており、かるたに縁が深いと報道。
【1月8日】
英王室◆チャールズ英国王の次男ヘンリー王子が近刊書で、国王や兄ウィリアム皇太子への不満や批判を展開し、波紋を広げていると歩道。父からは王位継承候補の兄に比べて軽視され、兄からは暴力を振るわれたと主張。5月にある国王の戴冠式を前に家族内の深刻な不和が露呈し、王室は大きく揺れているという。10日に出版されるのは王子の自伝「スペア(予備)」で、先行入手した英紙によると、王子はこの中で、20歳の時に伝え聞いたという話を打ち明け、自身が生まれた日に父が母の故ダイアナ元妃に「素晴らしい。継承者(兄)とスペア(自分)を授けてくれた。これで私の仕事は終わりだ」と告げたとされる――など。
【1月9日】
英王室◆チャールズ英国王の次男ヘンリー王子が米CBSテレビで放映されたインタビューで、国王との不倫の末に再婚したカミラ王妃が当初メディアから「悪役」として描かれ、自身のイメージ回復に向けてメディアとの深い関係を構築するうちに「危険」な存在になっていったと主張。王室への批判を盛り込んだ自伝が10日に出版されるのを前に取材に応じ、英民放ITVで放映された別のインタビューでも、王室メンバーの一部が自らの評判を高めるために大衆紙と「結託している」と非難したと報道。ITVで、大衆紙があおり立てる王室内などの「対立」に、家族の一部やその周辺が加担していることを「悲しんでいる」と吐露し、自伝の出版に至った背景について、「沈黙」を貫けば状況が悪化する恐れがあると打ち明けている。
【1月10日】
秋篠宮、紀子、悠仁◆横浜市にある国際協力機構(JICA)の海外移住資料館を訪れ、北米や中南米への日本人移住の歴史や、現地での生活を紹介する展示を見学。沖縄移民の歴史に関する企画展も見て回る。日本に住むブラジルやアルゼンチン出身の日系人4人と懇談。
英王室◆英世論調査大手ユーガブが、英王室に関する調査の結果を発表し、ドキュメンタリー番組や自伝「スペア」で王室を批判しているヘンリー王子の好感度が前回調査から7ポイント下がり26%だったと明らかに。2011年に調査を始めて以来、最低。国王と皇太子の好感度も下がり、国王が60%、皇太子が69%だった。
【1月13日】
天皇、皇族◆「講書始の儀」が皇居・宮殿「松の間」で開かれ、徳仁、雅子のほか、秋篠宮、紀子や佳子ら皇族が出席。西洋近世史学の深沢克己・東大名誉教授が「地中海交易と『離散の民』の商人たち」、社会学の今田高俊・東京工業大名誉教授が「自己組織化の時代――持続可能な社会のために」、分子細胞生物学の広川信隆・東大名誉教授が「生命の要、分子モーター、細胞内のミクロの運び屋」と題して約15分ずつ講義。
彬子◆故寛仁の長女彬子が東京・上野の上野の森美術館を訪れ、日中国交正常化50周年の記念展「兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産」を視察。
沖縄戦元学徒隊員◆太平洋戦争末期の沖縄戦で看護要員として学徒隊に動員され、戦後は語り部として活動した中山きくが12日、がんのため那覇市の病院で死去したと報道。元隊員らでつくる白梅同窓会の会長を務め、沖縄を訪れた明仁、美智子と面会した。
【1月16日】
信子◆宮内庁が、前年11月に乳がんの摘出手術を受けた故寛仁の妻信子が、術後の補助療法として23日から慶応大病院(東京都新宿区)で放射線治療を始めると発表。
皇宮警察護衛官◆皇宮警察の男性護衛官にけがをさせたとして、警視庁捜査1課が、傷害と公務執行妨害の疑いで、ニュージーランド国籍の男性を逮捕。捜査関係者への取材で分かる。一般公開されていた皇居・東御苑から立ち入り禁止エリアに侵入したとして、護衛官が職務質問していたという。捜査関係者によると、逮捕容疑は7日、警戒中だった護衛官に体当たりして転倒させ、顔などに1週間のけがを負わせた疑いと報道。
【1月17日】
徳仁、雅子、愛子◆皇居・御所で黙とうし、阪神大震災の犠牲者を悼んだと報道。
明仁、美智子◆宮内庁によると、明仁、美智子が東京・元赤坂の赤坂御用地にある仙洞御所で、阪神大震災災の発生時刻に合わせて黙とう。
御用掛◆御用掛に岩見美鈴が就く宮内庁人事が公表される。
「帰国の記帳」◆岸田文雄首相が皇居で「帰国の記帳」。
ハワイ◆1893年の当日、ハワイで米国への併合を望む勢力がクーデターを起こし王政廃止を宣言。リリウオカラニ女王は退位に追い込まれる。後にハワイは米領に編入され、50番目の州となる。
【1月18日】
天皇、皇族◆「歌会始の儀」が皇居・宮殿「松の間」で開かれ、徳仁、雅子のほか、秋篠宮、紀子や佳子ら皇族が出席。愛子は学業があるとして、前年に続き参列を見送る。題は「友」で、徳仁、雅子や皇族、一般の入選者10人らの歌が伝統的な節回しで朗詠されたと報道。
秋篠宮、紀子◆東京都新宿区の新宿文化センターを訪れ、第63回交通安全国民運動中央大会に出席。
「歌会始」◆宮内庁が、「歌会始」の一般応募で佳作に選ばれた15人と、それぞれの歌を発表。儀式では披露されないが、徳仁、雅子が歌に目を通すと報道。/翌年の「歌会始」の題が「和」と決まり、宮内庁が応募要領を発表。
大逆事件◆1911年の当日、明治天皇の暗殺を計画した大逆罪で幸徳秋水ら24人の社会主義者らに、大審院特別法廷が死刑判決を言い渡す。半数は特赦で無期懲役に減刑されたが、幸徳ら12人は処刑される。
【1月19日】
秋篠宮◆総裁を務める日本動物園水族館協会の行事出席などのため広島県を訪れ、広島市の平和記念公園にある原爆慰霊碑に供花。公園内の被爆遺構展示館と原爆資料館を視察。視察の前に、近くの広島国際会議場で、日本動物園水族館協会の動物園技術者研究会に出席。1泊2日の日程で、20日は広島市安佐動物公園を視察後、空路で帰京する。
【1月20日】
徳仁、雅子◆皇居・東御苑で皇宮警察本部の年頭視閲式を視察。
秋篠宮◆日本動物園水族館協会の総裁として広島市の安佐動物公園を視察。午後に帰京。
【1月21日】
「六孫王五輪塔」◆清和天皇の孫・六孫王(源経基)の墓の伝承がある巨大な「六孫王五輪塔」(奈良県宇陀市)について大阪大谷大の狭川真一教授(仏教考古学)が、石材に残った矢穴(くさび跡)の痕跡から、破壊されたのは従来伝えられていた幕末ではなく、戦国時代と分かったと明らかに。近くの秋山城(宇陀松山城)の改修で石材の一部が持ち去られた可能性があるというと報道。
【1月22日】
上皇侍従◆上皇侍従堀田祥吾が依願退官する宮内庁人事が公表される。
ビクトリア英女王◆1901年の当日、大英帝国のビクトリア女王が81歳で死去。1837年に18歳で即位。63年超の「治世」の間に、英国では工業化と都市化が進み、世界経済の覇者として黄金時代を築き、即位50年、同60年の式には世界の植民地代表がロンドンに集ったと報道。
【1月23日】
徳仁◆第211通常国会が「召集」され、参院本会議場で行われた開会式に出席。
秋篠宮、紀子◆政府が、ギリシャのミツォタキス首相が1月28~31日に訪日し、岸田文雄首相と会談する日程を公表。滞在中、秋篠宮、紀子と会見する予定と報道。
佳子◆東京都渋谷区の青山学院講堂を訪れ、第45回聴覚障害児を育てた母親をたたえる会の式典に出席。手話を交えてあいさつし「お子さまとの信頼関係を大切にされながら、心を配り、ともに歩んでこられたと想像しております」。
上皇侍従◆上皇侍従に斉藤貴彦が就任する宮内庁人事が公表される。
位階◆前年10月1日に79歳で死去したプロレスラーで、参院議員も務めたアントニオ猪木(本名猪木寛至)に対する従四位と旭日中綬章の伝達が、東京都内で遺族に行われる。
【1月24日】
平城宮跡◆1961年の当日、奈良市・平城宮跡の調査で最初の木簡が出土したと報道。小豆や酢などの食材を請求する内容が書かれており、数日のうちに約40点の木簡が発見された。63年には約1900点が出土。最初の木簡を含む一部が国の重要文化財に指定された。
【1月25日】
徳仁、雅子◆皇居・御所からオンラインで、福島県三島町の特別養護老人ホーム「桐寿苑」を視察。入所する高齢者3人と懇談。9月の敬老の日にちなんだ行事で、宮内庁によると、英国のエリザベス女王の国葬参列などで徳仁、雅子の日程の都合が付かず、このタイミングになったと報道。
佳子◆東京都港区のホテルを訪れ、名誉総裁を務める日本テニス協会の創立100周年記念式典に出席。
【1月27日】
秋篠宮、紀子、佳子、彬子◆東京・池袋のサンシャインシティ文化会館を訪れ、第71回関東東海花の展覧会を鑑賞。
【1月28日】
サッカー皇后杯◆サッカーの皇后杯全日本女子選手権の決勝が大阪市のヨドコウ桜スタジアムで行われ、日テレ東京VがINAC神戸を4―0で下して2大会ぶり16度目の優勝。
【1月30日】
秋篠宮、紀子◆東京・元赤坂の赤坂御用地にある宮邸で、訪日しているギリシャのミツォタキス首相夫妻と会見。宮内庁によると、通訳を介さず、首相から地球温暖化の問題やギリシャの遺跡保存の課題、両国の地域交流などについて話があり、耳を傾けていたというと報道。首相夫妻は、両国関係の強化などを目的に「実務訪問賓客」として訪日。
サウジ皇太子◆ロシア大統領府が、プーチン大統領がサウジアラビアのムハンマド皇太子と電話会談したと発表。世界の石油市場安定のため、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど主要産油国でつくるOPECプラスの枠組みでの協力強化を協議したとしていると報道。インタファクス通信が伝える。
【1月31日】
天皇誕生日一般参賀◆宮内庁が、2月23日の天皇誕生日に皇居で実施する一般参賀について、6万1031人の応募があり、4826人が当選したと発表。天皇誕生日の一般参賀は2020年以降、新型コロナウイルス禍で中止が続き、即位後初の開催となると報道。2月23日午後には宮内庁庁舎前に記帳所を設置する予定。

 

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