超マイナーな「反天皇制市民1700ネットワーク」誌ご紹介

「反天皇制市民1700ネットワーク」誌。創刊は1996年6月。以来ほぼ途絶えることなく25年間年2回の発行を続けてきました。1990年「即位の礼・大嘗祭」違憲訴訟の判決確定後もネットワークは「小泉首相靖国参拝違憲アジア訴訟」「台湾靖国訴訟」「『おかしな人』名誉毀損訴訟」「靖国合祀イヤです訴訟」「安倍首相靖国参拝違憲訴訟」と靖国・天皇制を問う一連の訴訟をつなぐ全国ネットワークの役割も果たしてきました。

冊子発行の原動力はアジアとともに加害も見据えた反戦・非戦の思いと直結する反靖国思想、反天皇制の思いがその底流にあります。遺族原告や戦争体験原告らの熱いエネルギーにも大きく支えられてきました。

今、ネットワークの最大の役割は1990年「即位の礼・大嘗祭」から2020年、「即位の礼・大嘗祭」への監視、異議申し立てのつなぎを担うことです。その媒介でもある「1700誌」です。

 

30年後、2020年、「即位の礼・大嘗祭」の異議申し立ては全国1700原告の基礎の上に東京の「即位・大嘗祭違憲訴訟」を皮切りに関西での「京都・主基田抜穂の儀違憲訴訟」の住民監査、京都地裁への提訴で口火を切りました。ネットワークは今しばらくこの闘いを担って行くことになります。

発行に関わる私たちの月日も30年加算されました。「反天皇制市民1700ネットワーク」誌も年を重ねるごとに「反天皇制」をいっそ幅広く、読み応えあるものに刷新、進化をめざしています。

ところで、この「『1700』ってなに?」とよく質問されます。以下は冊子表紙裏面毎号定位置の発行主旨です。

1700人もの原告が名を連ね、1990年に提訴された「即位の礼・大嘗祭」違憲訴訟は、“門前払い”  判決を乗り越え、1995年3月、控訴審の大阪高裁では、敗訴ではあったものの、即位の礼・大嘗祭は憲法の政教分離違反の疑いありとする画期的判決を勝ちとり、最高裁をボイコットし、この判決を確定させました。

裁判終了後も幅広くネットワークを結びたいと結成されたのが、この「反天皇制市民1700ネットワーク」です。

天皇制を廃止するために、何が必要か、何ができるだろうかを思考するための一助として、この機関誌を出し続けています。

年2回の発行です。ぜひご講読を!!

この勇気ある1700名をネットワークに残し「反天皇制市民1700ネットワーク」としました。
 1990年当時、天皇制に関わる異議申し立てなどまだまだタブー感が強い中、「即位の礼・大嘗祭違憲訴訟」の呼びかけに全国から1700名が原告として名乗りを上げました。もちろんこの声は反天皇制に直結するもの、公費での儀式は違憲、との主張など幾つもの思いが寄せ集まったものでしたが1700名もの「反天皇制」は予想を上回ったものでした。

戦争を知る世代が減少していくこの30年の間、天皇制をめぐる世論(左翼、右翼陣とも)の動向は大きく様変わりしています。戦後77年、天皇制をめぐる左翼陣営、天皇制をめぐる右翼陣営、その根幹はどのように変遷してきたのか、それと連動しての平和運動はどのように変遷したのか、「1700誌」には書き込みたい。もちろん一筋縄での答えはむずかしい。ただ、この日本で、排外にさらされる人びと、身を縮めてしか生きれない人びとが天皇制の何かを教えてくれるかもしれない。

1700誌編集には当初より心してアジアを見据え、台湾、沖縄の声に耳を傾けてきました。しかしまだまだマイノリティ当事者の「天皇制」についての声が響いていない感も免れません。

ではあるが、大上段に「反天皇制」と銘打った私たちのネットワークは本旨から離れることなく本気で「天皇制」廃止のためには何が必要か、何が出来るか、どのような底力が必要か、考え論議を重ねたいと考えています。私たちの関与のあるなしにかかわらず様々な形で「天皇制」の足下が揺らぎ出すかもしれない、その動きは加速するかもしれない。

「敵基地攻撃能力保有」が閣議決定し、いよいよ「平和憲法」が瓦解する音が聞こえだした今、それでもあとしばらくの間「天皇制」の行く末を見届けたい。誌面では様々な天皇制論を力強く、面白く展開していきたい。あくまでも「タブーなき議論」に向けて!

何はともあれこの「1700誌」ぜひ一読を!

文責:徐 翠珍(反天皇制市民1700誌)

*頒価:500 円/年2回発行、年会費 1000 円
郵便振替:00910-6-300997
加入者名:反天皇制市民 1700ネットワーク
ファックス:06-7777-4925

カテゴリー: 書籍・パンフレット紹介, 運動情報 パーマリンク