国家による慰霊・追悼を許すな! 8・15反「靖国」行動 報告

本サイトも参加を呼びかけていた、国家による「慰霊・追悼」を許すな!8.15反「靖国」行動は無事終了した。今年は久しぶりの集会とデモを同日に行うというスタイルだった。集会では「戦争・死者・天皇制:ウクライナ戦争下で考える」をテーマに、小倉利丸さんの講演と4団体からのアピールを受けた。会場は在日本韓国YMCA国際ホールで集会参加者は140人を超え、会場の外で講演を聞きながらデモ出発を待つ人たちも多かった。

「武器を取らないことを原則としてみたい」という言葉から本題に入った小倉さんの講演は、幾つかの重要な視点を提示した。

日常的な暴力に対する非暴力の対抗措置の模索が、国家間の暴力としてある戦争においてはなぜ難しいのか、についての考察。あるいは自衛のための武力行使を「やむなし」と思わせる言論操作の問題。1931年に陸軍省が出した『満州事変の概要』による状況分析が、多くの「やむなし」と考える人々を作り出した歴史と、「やむなし」論とは違う流れを作り出す平民社の言論が、圧倒的少数者にしか支持されたなかった歴史を考察。また、ジュディス・L・ハーマンによる『心的外傷と回復』など紹介しながら、日常的に受ける暴力と戦争のトラウマには繋がりがあるとの指摘を引きつつ、反戦・平和を考える際にこのような考察に自覚的に着目する必要があるだろうこと等々。示唆に富む話だった。

講演の後、「大軍拡と基地強化にNO!アクション2022」の池田五律さん、「武器取引反対ネットワーク」の杉原浩司さん、「日韓民衆連帯ネットワーク」の渡辺健樹さん、「戦時下の現在を考える講座」の加藤匡通さんから、それぞれアピールをうけ、デモに出発した。

集会終了後の蒸し暑い夕方、参加者約150名でデモ出発。「国家による慰霊・追悼反対!」「戦争で死ぬことを賛美するな」「戦争は国家による殺人だ」「天皇制の植民地侵略責任の追及するぞ」など、元気に声を上げて歩いた。デモは例年通り、靖国神社の大鳥居を睨むところまで歩き、「靖国いらない!」「英霊作るな!」のコールを繰り返した。右翼の数はここ数年で激減し、自分達のコールの声を聞きながら歩くことができた。それはとてもよかった。(大子 22.8.18)

*講演記録は後日、「運動情報」の「講演記録」に収載予定。

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