【おすすめ本】加藤 喜之『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』―トランプ政権の支持基盤、特異な宗教集団の実像=福嶋 亮大(立教大学教授)<br />

2 days 9 hours ago
 今の米国は内戦の可能性もささやかれるほどに分断を深めているが、その根幹には宗教、特に世界の終末とキリストの再臨を信じる福音派の存在がある。 日本人にはつかみにくいその教義と歴史を、生き生きとした文体で描いた本書は、タイムリーであるばかりか、宗教をレンズとする米国精神史・政治史にもなっている点で、稀有の一冊である。 福音派は、プロテスタント系の保守的・道徳的な原理主義であり、聖書を字義通りに受け取る立場からハルマゲドン(最終戦争)の到来を語ったが、1920年代にはその時代錯誤..
JCJ