国家による「慰霊・追悼」を許すな!8・15反「靖国」行動への参加・賛同の呼びかけ

国家による「慰霊・追悼」を許すな! 8・15反「靖国」行動実行委員会

徳仁天皇即位から5年、その「独自性」は十分に発揮されているようには見えない。先細り必至の天皇家の存続に向けた制度設計も未だ確定していない。そうした中で、「皇位の安定的継承」をめぐり、衆参両院議長と各党代表者らによる協議が2年4カ月ぶりに再開された。

2021年12月にまとめられた政府の有識者会議の報告書が提示してみせたのは、結婚後の女性皇族の皇族身分保持と、養子縁組による旧皇族男系男子の皇族復帰の2案だ。「皇族数の確保」(皇位継承者の確保)のために、「皇族」(または「準皇族」)という特権身分を拡大し再編しようとしている。それを、国会の場で議論せず、議事録も公開しないで密室での談合で進めてしまおうというのだ。こうした動きの全体に、われわれは天皇制の差別性、血の原理と門地主義に貫かれた醜悪な本質を見る。皇族身分の拡大など許されない。天皇制は消滅されるべきである。

このように、なおも無視しえない天皇状況がある中で、私たちは今年も8・15行動の準備に入ろうとしている。

靖国問題に関しては、この間、自衛隊と靖国神社との結びつきが、ますます顕著になってきている。

今年1月9日、小林弘樹陸自幕僚副長ら10数名が靖国神社を集団参拝し、玉串を奉納した。また4月1日には、靖国神社の新しい宮司に、海自自衛艦隊司令部幕僚長も務めた大塚海夫元海将が就任し、「国防という点で英霊の御心(みこころ)を最も理解できるはずの我々」などと述べている。

自衛隊と靖国との結合の動きは、突然始まったものではない。2015年には、大宮の陸自化学学校の生徒40人が「精神教育」の一部として靖国参拝した。また、2019年には横須賀の陸自高等工科学校の生徒約350人が靖国神社を訪れた。集団参拝については否定しているものの、境内を部隊で行進し、「遊就館」に行って「研修」したことを認めている。防衛大学校の「有志」が、毎年11月に横須賀から徒歩で「夜間行進」をして参拝する「非公式」行事もあるが、昨年はこれに493人が参加したという。

隠然と継続してきた自衛隊と靖国神社との結合が、いまや公然化したものへと転換しようとしているのだ。1月の自衛隊幹部の集団参拝について防衛省は、この参拝に関する「実施計画書」という公文書が存在しているにも関わらず、自由意志に基づく私的な参拝であり、「政教分離」の観点から神社等への「部隊としての参拝」などを禁じた1974年の防衛事務次官通達違反にはならないと強弁したが、木原稔防衛相は記者会見の場で、この事務次官通達は「50年前のもの」であり、「必要に応じて改正を行うべきだ」と踏み込んでいるのだ。

靖国神社は、「軍人が戦争で死ぬこと」を賛美・顕彰し、「先の」侵略戦争を美化し肯定する、政治的・軍事的な宗教施設である。自衛官・とりわけその幹部が、この戦争神社に参拝する行為が、軍隊と靖国の結びつきを改めて確認させ、「国のために死ぬこと」を礼賛し、その思想を隊員に改めて注入する目的を持っていることは明白である。靖国神社のみならず、護国神社や一般の神社と自衛隊との結びつきも強化されてきている。

自衛隊と靖国神社等とのこうした結びつきの拡大は、現在の「戦争国家」体制づくりに向けた動員攻撃の一環だといわねばならない。アジアにおける米中の覇権争奪の激化の中で「台湾有事」を煽り立て、大軍拡政策を実行し、琉球弧の「犠牲」のもとに社会全体の軍事化が進められている現在、「国のための死」は尊い行為であるという思考を、自衛隊員と「国民」に受け入れさせようというのだ。軍事と靖国・天皇制の結合と対決し、「国のための死」のイデオロギーを拒否しよう。

私たち反天皇制運動の共同行動は、こうした課題を今年の8・15行動の基軸として据えていきたい。実行委への結集と協力を訴える。

国家による「慰霊・追悼」を許すな! 8・15反「靖国」行動実行委員会

【呼びかけ団体】アジア連帯講座/研究所テオリア/市民の意30の会・東京/スペース21/戦時下の現在を考える講座/立川自衛隊監視テント村/天皇制問題情報交換会/反安保実行委員会/ピープルズプラン研究所/「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/靖国・天皇制問題情報センター/連帯社/労働運動活動者評議会

連絡先:東京都千代田区神田淡路町1-21-7 静和ビル2A 淡路町事務所気付
電話:050-3630-8945
振替:00110-3-4429[ゴメンだ!共同行動]

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8・15反「靖国」行動に参加・賛同します。
*参加・賛同費は、個人1000円・団体2000円です

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