【報告】「紀元節」と「天皇誕生日奉祝」に反対する2.11&2.22連続行動(2024)

桜井大子(2.11&2.22連続行動実行委)

今年も2.11反「紀元節」デモと2.22「天皇誕生日奉祝」に反対する集会を開催した。

反「紀元節」デモは参加者約80名で無事終了。昨年の8.15反「靖国」デモの出発地と同じ場所に集まった。8.15のデモ出発前のアピール時では、数人の右翼が介入してきて騒然となる場面もあったが、今回はそういったトラブルもなくデモに出発できた。

出発前の短い間、参加者から連帯のアピールや呼びかけを受けた。①朝鮮独立運動105周年を記念する2.25屋内集会と3.1キャンドル行動、②沖縄・辺野古における基地建設をはじめとする琉球諸島への基地・軍事強化に反対する行動、③政府が画策する軍拡問題に対する反対・抗議行動、④武蔵野五輪弾圧の控訴審、と4団体・個人から報告や行動への呼びかけがなされた。

また、ほぼ同じ時間帯に同様に集会を開催されている、第58回2.11東京集会・実行委員会とアクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)からの連帯メッセージを読み上げ、紹介した。

これらの発言・メッセージは、デモ出発前の私たちを大きく力づけてくれたし、小さな情報交換の場となった。そして集会宣言を全体で確認してデモ出発。

デモは例年よりも路上で遭遇する右翼の姿が少ないように思え、警察のしつこい規制も若干緩かったのではないか、という印象だった。ただ、解散地点である公園のすぐ脇で、信じ難いほどの大音量で、罵詈雑言を繰り返す右翼集団がたむろっていて、参加者ともどもみんな辟易。

2.22集会も参加者約80名。本来ならば2月23日にやるはずの集会だったが、その日は実行委が使いたい会場は予約の対象外となっていて借りることができず、結局前日に開催することとなった。この会場を借りられないという問題は反天皇制運動の大きな課題となっている。

講師の斉藤小百合さん(恵泉女学園・憲法学)からは「徳仁天皇制の現在」について、憲法や「皇室典範」を中心に天皇制の原理的な問題について話された。その基本的な話を前提に、象徴天皇制の問題や「平成流」天皇制の問題、徳仁天皇制の現在という流れで話は進んだ。面倒な気分にさせられる憲法や法律の話を、天皇制の問題として面白くわかりやすく展開された。「主権者は誰か? 主権者とは何か?」という問い、文化現象としての天皇制(社会にまん延する権威主義、権威への依存)が憲法の領域に侵食しつつあるということ、それをいかに食い止めるのかということ、平成天皇が代行・代弁しようとした植民地責任や戦争・戦後責任を、国民が主権者として正面から取り組むことなど、考えるべきことを提起された。

休憩をはさみ、森美音子(テント芝居集団・野戦之月)さんの「提戯」。「提戯」とは台湾では「小さなお芝居」という意味だそうだ。実際、たった今まで講演を聞いていた会場は、小さな芝居小屋と変わった。「黙(モダ)さんと歩く」という25分くらいの短いお芝居。黙さんとは森さん制作の人形(ヒトガタ)で、その人形に語りかけ自問自答しながら森さんの芝居は続く。どこかの王国から逃げてきた有刺鉄線でがんじがらめにされた黙さん。王とはなんだ?という問い。少しずつ話が見えてくる。そこには斎藤さんが語られた「社会にまん延する権威主義、権威への依存」とそれをいかに食い止めるのか、主権者としての責任といった提起と重なってきたように思えた。

会場を借りられない問題や、当日は会場前に立ち並ぶ警察や大音量で集会妨害をする右翼など、気分の悪い状況は相変わらずだが、本当にやってよかったと思うのだった。

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