やじうま日誌 2023年10月

【10月1日】
秋篠宮、紀子◆東京都渋谷区の新国立劇場を訪れ、第78回文化庁芸術祭オープニング公演のオペラを鑑賞。文化庁芸術祭は、芸術文化の振興を目的として1946年から毎年秋に開かれており、皇太子時代の徳仁が出席し、代替わりに伴って秋篠宮、紀子が引き継いだと報道。
聖徳太子◆1957年の当日、中央に聖徳太子の肖像を配置したデザインの5千円札が初めて発行される。高額紙幣の導入によるインフレが懸念されたため、当初予定の1万円札より先に発行して1万円札の発行は翌年になり、この5千円札は1986年まで発行されていたと報道。
【10月2日】
徳仁、雅子、愛子◆東京都港区の日本赤十字社本社を訪れ、関東大震災から100年に当たり、当時の赤十字の救護活動を伝える企画展「温故備震〜故きを温ね明日に備える」を見学。
【10月3日】
信子◆宮内庁が、左足くるぶしの骨折で手術を受け、入院していた故寛仁の妻信子が、慶応大病院(東京都新宿区)を退院したと発表。
【10月4日】
秋篠宮、紀子◆東京・丸の内の東京会館を訪れ、地球環境問題の解決に貢献した人に贈る第32回ブループラネット賞の表彰式に出席。秋篠宮があいさつで「長年にわたって現代文明や社会に警鐘を鳴らし、人々のこれからの活動の在り方に道筋を示してきたことは誠に意義深い」。式典後、2人が祝賀パーティーに出席し「懇談」。
皇室「献上」詐取◆茨城県警が、皇室への献上名目で同県結城市の農家からトマトをだまし取ったとして、詐欺の疑いで男性を逮捕。逮捕容疑は、皇室献上品の選定権限があるように装い、結城市の50代男性に「あなたが作るトマトを検査したい」などとうそを言い、3月23日にトマト2箱と3袋(計約1万2千円相当)をだまし取った疑いと報道。同様の手口で福島市の農家からモモをだまし取った詐欺事件で逮捕、起訴されていた。
正倉院◆奈良時代の聖武天皇ゆかりの品やシルクロードを経て伝わったとされる約9千点の宝物を集めた正倉院(奈良市)で、宝庫の封を年に1度解く「開封の儀」が行われる。「勅使」の松永賢誕侍従や正倉院事務所の職員ら19人が手を水で清めた後、宝物が納められた部屋の扉に結ばれた麻縄をはさみで切って封を解く。宝物の一部は、10月28日〜11月13日に奈良国立博物館(同市)で開かれる「第75回正倉院展」で展示されると報道。
【10月5日】
「六孫王五輪塔」◆清和天皇の孫・六孫王の墓との伝承がある巨大五輪塔「六孫王五輪塔」(奈良県宇陀市)を広く知ってもらおうと、地元住民らが市内6カ所の案内板設置や五輪塔までの進入路を整備。
サウジ皇太子◆岸田文雄首相が、サウジアラビアのムハンマド皇太子と電話会談し、引き続きハイレベルでの意思疎通を含め、緊密に連携することで一致。
【10月7日】
徳仁、雅子◆国体の総合開会式出席などのため、羽田発の特別機で鹿児島県を訪問。午後、鹿児島市の白波スタジアムで開かれた総合開会式に出席。徳仁があいさつで、奄美群島が当年、「日本復帰70年」を迎えることに触れ「大変意義のある年に開催される国体が『コロナ禍からの再生と飛躍』を象徴する大会として、皆さんの心に残る、実り多い大会となることを期待する」。開会式後、宿泊先のホテルで国体に出場する選手や関係者と懇談。
鹿児島国体◆国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」が鹿児島市の白波スタジアムで総合開会式が行われ、徳仁、雅子が出席。翌年の佐賀大会からは「国民スポーツ大会」と改称するため「国体」としての開催は最後となると報道。
オランダ国王◆オランダのウィレムアレクサンダー国王の祖父、故ベルンハルトのナチス党員証が見つかり、国王が「過去をありのままに直視しなければならない」と調査に前向きな姿勢を示したと、ロイター通信などが報じる。ベルンハルトは過去にナチスの部隊に所属していたことを認めていたが、党員については終始否定していた。後にオランダ女王に即位するユリアナ王女(当時)と結婚し、第2次大戦中は連合軍のパイロットを務めた。自然保護活動に熱心で、世界自然保護基金(WWF)の初代総裁を務めたと報道。
【10月8日】
徳仁、雅子◆鹿児島市からフェリーで鹿児島県垂水市に移動。垂水中央運動公園体育館を訪れ、国体のフェンシングの試合を観戦。午後、鹿屋市で「紅はるか」などサツマイモの生産、加工、販売をする南橋商事を視察。帰京。
【10月10日】
サウジ皇太子◆サウジアラビアの実権を握るムハンマド皇太子が、パレスチナ自治政府のアッバス議長と自治区ガザ情勢を巡り電話会談。ムハンマド皇太子が、正当な権利を求めるパレスチナの人々をサウジは支持すると強調。停戦と戦闘拡大防止のため全力を挙げていると語る。サウジ外務省が発表。
「百按司墓」◆琉球王家の子孫という沖縄県民らが、「昭和」初期に旧京都帝国大(京都大)の研究者によって同県の古墳「百按司墓」から研究目的で持ち去られた遺骨の返還を大学に求めた訴訟で、請求を退けた一審判決を支持し、原告側控訴を棄却した大阪高裁判決が確定したと報道。期限の6日までに原告側、被告側の双方が上告しなかった。9月22日の大阪高裁判決は、原告らの主張を退けた一方で「遺骨はふるさとに返すべきだ。関係者が話し合って解決に向かうことを願う」と付言した。原告側弁護団が、付言を踏まえて「琉球民族に対する理解を行間に読み取れる。解決に向けての方向付けが示された」と評価する声明を発表。
【10月12日】
徳仁、雅子、愛子◆皇居にある宮内庁車馬課の厩舎を訪れ、三重県伊勢市の伊勢神宮に神馬として贈られる「本勇号」と対面。
明仁、美智子◆明仁、美智子がそろって外出する機会が増えていると、共同通信が報道。「2019年4月の退位に伴って一切の公務を退き、時間のゆとりができた中で芸術鑑賞などを楽しむ。訪問先は、戦争や沖縄、震災に関する場所も多く、長年思いを寄せてきた事柄を改めてたどっている」。
サウジ皇太子◆サウジアラビアの実権を握るムハンマド皇太子とイランのライシ大統領が、パレスチナ自治区ガザ情勢を巡り電話会談。サウジ国営通信によると、ムハンマド皇太子が「パレスチナの大義」を支える姿勢を強調。戦闘を止めるためサウジは全力を挙げ、市民が標的になることにも反対すると語る。イラン大統領府関係者がX(旧ツイッター)で、電話会談ではパレスチナに対するイスラエルの「戦争犯罪」を終結させる必要性を話し合ったと説明。
【10月13日】
靖国問題◆木原稔・防衛相が記者会見で、17〜19日に東京・九段北の靖国神社で行われる秋季例大祭に合わせて参拝するかどうかを問われ「参拝、真榊の奉納なども含めて個人として適切に判断したい」。「国のために尊い命を犠牲にされた方に哀悼の誠をささげ、尊崇の念を表すのは当然だ」。河野太郎・デジタル相と武見敬三・厚生労働相、盛山正仁・文部科学相、伊藤信太郎・環境相、自見英子・地方創生担当相、加藤鮎子・こども政策担当相、公明党の斉藤鉄夫・国土交通相が会見で「参拝や真榊奉納の予定はない」。松村祥史・国家公安委員長「適切に判断する」、鈴木淳司・総務相「コメントを控える」。土屋品子・復興相「まだ考えていない」。
斎宮跡◆伊勢神宮に仕える皇女「斎王」が過ごした斎宮跡(三重県明和町)で、8世紀ごろの奈良時代に建てられた宮殿の一部とみられる建物遺構が見つかり、斎宮歴史博物館が発表。斎宮跡で奈良時代の宮殿の一部が見つかるのは初めてで、発見された建物としては最大規模。聖武天皇の娘、井上内親王らが住んでいた正殿の可能性が高いと報道。
パレスチナ問題◆ブリンケン米国務長官が、訪問先のヨルダンで同国のアブドラ国王とパレスチナ自治政府のアッバス議長とそれぞれ会談。パレスチナ自治区ガザから民間人を退避させる人道回廊設置や人質解放などを協議。国務省によると、ブリンケン長官はヨルダンに続き、カタールを訪れてタミム首長らと会談し、バーレーンでサルマン皇太子との協議に臨むと報道。
【10月15日】
徳仁、雅子◆石川県を訪問し、金沢市のいしかわ総合スポーツセンターで開かれた第38回国民文化祭と第23回全国障害者芸術・文化祭の開会式に出席。徳仁があいさつで「地域に息づく伝統の良さを再認識する機会となり、新たな文化の創造につながっていくことを期待する」。羽田空港を出発する際、日航の特別機のシステムトラブルが判明。離陸できなくなり、徳仁、雅子は特別機から降りて空港の貴賓室で一時待機。予備機に乗り換え、予定より約1時間半遅れて出発。日程の一部が変更される。徳仁、雅子は開会式後、オープニングステージの出演者と「交流」。
サウジ皇太子◆サウジアラビアの実権を握るムハンマド皇太子が、首都リヤドを訪問したブリンケン米国務長官と会談し、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘を止める方策を見つけることが必要との考えを示す。イスラエルによるパレスチナ自治区ガザの完全封鎖の解除を求めていると語る。国営通信が伝える。
国体◆国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」第9日が鹿児島市の白波スタジアムなどで行われ、東京が2年連続17度目の男女総合優勝(天皇杯獲得)を決める。前年の栃木に続き、開催県の鹿児島が総合優勝を逃したと報道。東京の女子総合優勝(皇后杯獲得)も決定。
【10月16日】
徳仁、雅子◆金沢市の県立音楽堂を訪れ、全国障害者芸術・文化祭の障害者作品展を鑑賞。午後、県立図書館に移り、図書館の取り組みを視察。国民文化祭の文学朗読劇に出演する高校生らの練習風景を見学。特別機で帰京。
秋篠宮、紀子◆東京都新宿区のJICA市ケ谷ビルを訪れ、第63回海外日系人大会の開会式に出席。秋篠宮が「日系社会のさらなる飛躍に向けて地域や世代、さらには日系・非日系の違いを超えて広がりのある活発な議論が展開されることを期待する」とあいさつ。
靖国参拝◆西村康稔・経済産業相が、東京・九段北の靖国神社を参拝。17日から始まる秋季例大祭の前に訪れ、終了後、記者団に「衆院議員」と記帳し、「私費」で玉串料を奉納したと説明。「国や家族を思い、戦禍に倒れた英霊の安寧をお祈りした」。松野博一・官房長官が記者会見で、岸田文雄首相の例大祭への対応に関し「適切に判断される」。/韓国外務省が、西村康稔・経済産業相が靖国神社を参拝したことに対し「日本の侵略戦争を美化し、戦争犯罪者を合祀した靖国神社を政府の閣僚が参拝したことに、深い失望と遺憾を表する」と表明。
靖国問題◆岸田文雄首相が、17〜19日の靖国神社の秋季例大祭に合わせた参拝を見送る方針で、代わりに「真榊」と呼ばれる供物を奉納すると、関係者が明らかに。
【10月17日】
佳子◆鹿児島市の白波スタジアムで行われた国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」の総合閉会式に出席。
高松宮記念世界文化賞◆第34回高松宮殿下記念世界文化賞(日本美術協会主催)に決まったデンマーク生まれの美術家、オラファー・エリアソンらが東京都内で記者会見。彫刻部門で選ばれたエリアソンは地球温暖化問題に向き合う創作を続けており「日本では度々インスピレーションを得て、多くを学んできた」などと喜びを語ったと報道。
靖国問題◆岸田文雄首相が、東京・九段北の靖国神社で始まった秋季例大祭に「内閣総理大臣 岸田文雄」名で「真榊」と呼ばれる供物を奉納。松野博一・官房長官が記者会見で、首相の「真榊奉納」は「私人」の立場だと主張し「どの国であれ、国のために命をささげた方々に尊崇の念を表することは当然だ」。新藤義孝・経済再生担当相と高市早苗・経済安全保障担当相が参拝。新藤担当相が記者団に「かつて国のため、家族のために重き務めを果たした英霊に尊崇の念を込めてお参りした」。高市担当相が「国務大臣」と記帳し、「私費」で玉串料を奉納したと明かし「国策に殉じた方の御霊に尊崇の念を持って感謝の誠をささげた」。会見で、参拝が日本と中韓との関係に影響を与えると考えるかどうかを問われ「外交問題にすべきではないし、されるべきでもない」。中国外務省の毛寧・副報道局長が会見で「後ろ向きな動きに断固反対する」。韓国外務省報道官「深い失望と遺憾を表する」。
【10月18日】
秋篠宮、紀子◆東京都港区のホテルを訪れ、学術や芸術などで日本と海外の相互理解の促進に貢献した個人や団体に贈られる国際交流基金賞の50周年記念レセプションに出席。受賞者と懇談。東京都千代田区の千鳥ケ淵戦没者墓苑の秋季慰霊祭に参列し、拝礼して黙とう。
華子◆岸田文雄首相が、東京・元赤坂の明治記念館内の宴会場「エミール」で常陸宮の妻華子にあいさつ。宴会場「富士の間」で「高松宮殿下記念世界文化賞」の祝宴に出席。
高松宮記念世界文化賞◆第34回高松宮殿下記念世界文化賞(日本美術協会主催)の授賞式が東京・元赤坂の明治記念館で行われ、演劇・映像部門の舞台演出家ロバート・ウィルソン、音楽部門のトランペット奏者ウィントン・マルサリスら5人にメダルと賞金各1500万円が贈られる。
中東王族◆岸田文雄首相が、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突で緊迫する中東情勢を受け、サウジアラビアのムハンマド皇太子と電話会談し、パレスチナ自治区ガザの人道状況改善や事態の沈静化に向けて連携する方針を確認。ヨルダンのアブドラ国王、カタールのタミム首長、アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド大統領と相次いで電話会談。
靖国参拝◆超党派の議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバーが、東京・九段北の靖国神社を秋季例大祭に合わせて一斉参拝。事務局によると、自民党、日本維新の会、国民民主党、政治家女子48党、参政党や無所属の96人が参加。政務三役から岩田和親・経済産業副大臣、石橋林太郎・国土交通政務官らが参加し、小里泰弘・首相補佐官も参拝。参拝後に記者会見した逢沢一郎副会長(自民)「平和の尊さを次世代に語り継いでいくのは私たちの大きな使命だ」。岸田文雄首相が17日に「真榊」と呼ばれる供物を奉納したことに関し「(戦争犠牲者らへの)尊崇の念を明らかにした」。/韓国外務省報道官が、超党派の議員連盟メンバーが靖国神社を一斉参拝したことについて「深い失望と遺憾を表明する」との論評を発表。
【10月19日】
佳子◆11月のペルー「公式訪問」を前に、東京都八王子市にある昭和天皇の武蔵野陵と香淳皇后の武蔵野東陵を参拝。
「秋の園遊会」◆宮内庁が、徳仁、雅子が「主催」し、11月2日に東京・元赤坂の赤坂御苑で催される秋の園遊会の招待者を発表。前年、文化功労者に選ばれたシンガー・ソングライターの松任谷由実や将棋の加藤一二三ら計約1390人が招かれたと報道。
靖国問題◆北朝鮮の朝鮮中央通信が、靖国神社の秋季例大祭に合わせ岸田文雄首相が供物を奉納したり閣僚らが参拝したりしたことを非難する論評を出す。戦犯の慰霊は「戦争犯罪をたたえることであり、露骨な戦争の扇動、被害国国民への冒涜だ」。
【10月20日】
天皇、皇族◆徳仁、雅子が、89歳の誕生日を迎えた美智子にあいさつをするため、東京・元赤坂の赤坂御用地にある仙洞御所を訪問。秋篠宮、紀子らも訪れ、美智子が明仁と共にあいさつを受ける。これに先立ち、愛子が訪れる。夕に悠仁があいさつに訪れる。
徳仁◆第212臨時国会が「召集」され、参院本会議場で行われた開会式に出席。「お言葉」を述べる。
美智子◆89歳の誕生日。宮内庁によると、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが変更された5月以降、外出の機会が増えたと、共同通信が報道。「4年ぶりに京都、奈良を私的旅行し、静養で長野・軽井沢へ赴いた。太平洋戦争で犠牲になった民間船員らの追悼式が50回の節目を迎えた際は、上皇さまと共に戦時中のことをよく話していたという」。
臨時国会◆第212臨時国会が「召集」される。参院本会議場で徳仁が出席して開会式が行われる。徳仁が「お言葉」を述べる。
国会開会式「ミス」◆新たに就任したばかりの額賀福志郎・衆院議長が臨時国会開会式で、手順を間違え、本来渡す必要がない自ら述べた式辞を徳仁に手渡す。通常の手順では、衆院議長は演台で式辞を述べた後、一度下がって天皇の「お言葉」を聞き、再び中央に戻って天皇に歩み寄って「お言葉書き」を受け取る段取りとなっているが、予定より早く額賀議長が近づくと、徳仁は戸惑った様子で立ち上がり、式辞を受け取ったと報道。額賀議長が就任記者会見で「緊張した結果で反省している」。「今後、議事進行や行事にしっかり対応できるよう努力する」。
「内奏」◆岸田文雄首相が、皇居で「内奏」。
太安万侶◆古事記の編者・太安万侶の没後1300年になるのに合わせ、奈良県立橿原考古学研究所付属博物館(同県橿原市)で特別展が開かれていると報道。「1970年代に発見された墓誌や、居住地とされる平城京内の出土品を通じ、安万侶の実像に光を当てる」。
靖国問題◆ロシア外務省のザハロワ情報局長が、靖国神社の秋季例大祭に合わせて岸田文雄首相が供物を奉納したり閣僚らが参拝したりしたことを「強く非難する」とのコメントを発表。靖国神社は「忌まわしい日本軍国主義の象徴」だとし、敗戦の歴史を踏まえ「再軍備計画を放棄すべきだ」と主張。
【10月21日】
スペイン国王◆「スペインのノーベル賞」とも呼ばれるアストゥリアス皇太子賞の当年の授賞式がスペイン北部オビエドで開かれ、作家の村上春樹が文学部門で受賞。スペイン国王フェリペ6世がスピーチで「文学作品の中で西洋と日本の世界を見事に結び付けることに成功している」。
文化勲章、文化功労者◆政府が、2023年度の文化勲章を、書の井茂圭洞、経済学の岩井克人、スポーツ振興の川淵三郎、歴史の塩野七生、分子生物学・免疫学の谷口維紹、有機合成化学・有機金属化学の玉尾皓平、能楽の野村万作の7人に贈ることを決める。文化功労者に、ファッションの川久保玲、俳優の北大路欣也、漫画の里中満智子、現代美術の横尾忠則ら20人を選ぶ。文化勲章の「親授式」は11月3日に皇居で、文化功労者の顕彰式は同6日に東京都内のホテルで開かれると報道。
殉職自衛隊員追悼式◆岸田文雄首相が、防衛省で自衛隊殉職隊員追悼式に参列し、任務中の事故などで犠牲になった隊員に哀悼の意を示し「職務の遂行に全身全霊をささげた殉職隊員はわが国の誇りだ。尊い犠牲を無にすることなく遺志を受け継ぎ、国民の命と暮らしを断固として守り抜く」。同席した木原稔・防衛相「任務完遂に務め、志半ばで職に殉じた事実を決して忘れない。立派に使命を果たし、国のために尽くした」。
【10月22日】
徳仁、愛子◆皇居で開かれた宮内庁楽部による秋季雅楽演奏会を鑑賞。
佳子◆東京都渋谷区のホールを訪れ、ガールスカウト日本連盟が主催する「ガールズメッセ2023」に出席。あいさつで「社会の中では、大人から子どもへ、偏った思い込みが伝わっていることが多々あると感じる」。「ジェンダー平等が達成され、誰もがより幅広い選択肢を持てる社会になることを願う」。表彰を受けたエイズウイルス(HIV)感染者に対する偏見や差別の解消を訴える「レッドリボン」運動を伝えるアニメを制作した福岡県の中学生らと「懇談」。
時代祭◆京都三大祭りの一つ「時代祭」が京都市内で行われ、桓武、孝明両天皇を祭ったみこし2基を中心とした神幸列が平安神宮(左京区)から京都御苑(上京区)へ出発。「平安時代」から「明治維新」までの歴史上の人物に扮した約2千人の行列が都大路を進行。
明治神宮外苑◆1926年の当日、東京で明治天皇と皇太后を記念する公園施設、明治神宮外苑が完成し明治神宮への奉献式が行われる。
学徒出陣◆太平洋戦争末期に東京の明治神宮外苑競技場(現・国立競技場)で開かれた「学徒出陣」の壮行会から80年が過ぎ、戦没学徒を悼む式典が、国立競技場敷地にある碑の前で開かれる。
【10月23日】
徳仁、雅子◆10月末に閉場する国立劇場(東京都千代田区)を訪れ、文化庁芸術祭主催の歌舞伎公演「妹背山婦女庭訓」を鑑賞。
秋篠宮◆埼玉県を訪れ、農業の振興に貢献したとして表彰された農家を視察。公益社団法人「大日本農会」の総裁を務めている。川越市の花卉農家の後、桶川市の酪農家の牧場に移り、防疫服姿で牛舎の乳牛などを見て回り、さいたま市の農園でクワイの生産状況を視察。
「国会開会式手順ミス」◆額賀福志郎・衆院議長が、20日の臨時国会開会式で本来渡す必要がない自ら述べた式辞を徳仁に手渡した「ミス」に関し、開会式終了後に皇居に「お礼」の記帳のため出向いた際、宮内庁の西村泰彦長官に謝罪したと、衆院議院運営委員会の山口俊一・委員長が理事会で明らかに。立憲民主党の笠浩史・野党筆頭理事が経緯について説明を要求。山口委員長が、額賀議長が事前にリハーサルを重ねていたと回答。西村長官は額賀議長に対し「陛下は気にされていない」と答えたというと報道。
「風雪の群像」爆破◆1972年の当日、北海道旭川市の常磐公園で開拓の歴史を記念するブロンズ像「風雪の群像」が爆破される。後に東アジア反日武装戦線「狼」を名乗り三菱重工爆破事件などを起こすグループの犯行で、像をアイヌ同化政策の象徴とみなしたと報道。77年に再建される。
【10月24日】
徳仁◆日本中央競馬会(JRA)が、東京都府中市の東京競馬場で29日に行われる秋の天皇賞を、徳仁が観戦すると発表。天皇が競馬場でレースを観戦するのは、明仁、美智子が2012年10月に秋の天皇賞を観戦して以来、11年ぶりになると報道。
衆院解散◆岸田文雄首相が衆院代表質問で、憲法7条に基づく衆院解散に関し「いかなる場合に解散するか、憲法上制約すべき規定はない。内閣が政治的責任で決するべきだ」。7条が解散を、内閣の助言と承認を受けた天皇の国事行為と規定していることに関して「実質的に解散を決定する権限を有するのは内閣だ」。
「若狭国」◆「古代の若狭国(福井県)は、大陸との交流で栄えた重要地だった—。京都市中京区の花園大歴史博物館で開催されている秋季企画展『若狭の古墳—よみがえる若狭の王者たち—』が話題を呼んでいる」と共同通信が報道。「日本海に面した若狭国は、大陸と日本を結ぶ海上交通の要衝として繁栄し、大和王権も重視。王権と関わりの深い前方後円墳が次々に築かれ、異国情緒豊かなアクセサリーや武具など多彩な副葬品が出土している。奈良時代になると、神や天皇の食料として海産物などを納める特別な地域「御食国」でもあった。」
ウェストファリア条約◆1648年の当日、欧州諸国がドイツでウェストファリア条約を締結、三十年戦争が終結。フランスとスウェーデンが領土を広げ強国として台頭し、スイスとオランダの独立も正式に承認。神聖ローマ帝国は名目的な存在となり、ハプスブルク家は弱体化したと報道。
【10月25日】
皇位継承策◆岸田文雄首相が衆参両院本会議の代表質問で、「安定的な皇位継承策」を巡り、自民党内の議論を活発化させる考えを示す。「国会での議論に資するよう、責任ある政権与党として活発な議論を率先して行っていく決意だ」。
「皇室献上品」◆茨城県警が、皇室への「献上」名目で農家からシイタケなどをだまし取ったとして、詐欺などの疑いで男性を再逮捕。再逮捕容疑は2021年11月中旬ごろから当年6月下旬ごろまでに複数回、茨城県筑西市の70代男性に「皇室献上品として出してみないか」と出品を打診、偽造した「献上依頼書」を渡し、シイタケやキクラゲ、米(計約8万7千円相当)をだまし取った疑い。県秘書課によると、男性は前年6月下旬、農家の作物が献上品に選ばれたとして知事を表敬訪問して「宮内庁とやりとりしている」と説明し、名刺には東京大大学院の総括特任教授と書かれていたという。献上品は本来、都道府県を通じて届けられるが、県の担当者は取材に「別のルートもあるのかと思い、確認が不十分なまま表敬訪問の依頼を受けてしまった」と話したと報道。
【10月26日】
徳仁、雅子◆東京・上野の東京文化会館を訪れ、バレエダンサーの熊川哲也が手がけたバレエ公演「眠れる森の美女」を鑑賞。
徳仁◆若い頃から、写真を趣味の一つにしてきたと、共同通信が報道。「公務にカメラを持参し、自らシャッターを切ることはたびたびで、最近は昔撮った写真を見せて訪問先の人たちと交流を図る場面がある。側近は『コミュニケーションのきっかけにして、国民の中に入ろうとされているようだ』とみている。」
皇位継承策◆岸田文雄首相が当日発売の月刊誌「WiLL」12月号で、皇位継承策を巡り「私は2021年の総裁選で、旧宮家の男系男子が皇籍に復帰する案も含め、女系天皇以外の方法を検討すべきだと主張した。約束をほごにすることはない」。国会での議論が進んでいないとして「責任ある政権与党として、自民党が問題解決の姿勢を示す」。
昭和記念公園◆1983年の当日、東京都立川市と昭島市にまたがる米軍立川基地跡地に国営昭和記念公園が開園。「緑の回復と人間性の向上」をテーマにした昭和天皇在位50年記念事業の一環で、昭和天皇裕仁が出席し開園式が行われる。2005年には昭和天皇記念館が開館したと報道。
【10月27日】
秋篠宮、紀子◆全国障害者スポーツ大会の開会式出席などのため、羽田発の民間機で鹿児島県を訪問。伊佐市を訪れ、未就学児の療育支援などをしている「子ども発達支援センターたんぽぽ」を視察。鹿児島市に移り、宿泊先のホテルで、大会の鹿児島県選手団の激励会に出席。
三笠宮墓所祭◆昭和天皇の末弟で、明仁の叔父の三笠宮が死去してから7年の命日で、東京都文京区の豊島岡墓地で「墓所祭」が営まれ、孫の彬子、瑶子らが参列。宮内庁によると、100歳の妻百合子は少し疲れた様子があり、大事を取って出席を取りやめたと報道。
皇位継承策◆自民党が「安定的な皇位継承策」を具体化するため、総裁直轄の新組織を設置する方針を固めたと報道。従来の懇談会から格上げし、臨時国会中に議論を前進させたい考えで、関係者が明らかに。麻生太郎・副総裁や萩生田光一・政調会長が参加する方向で、旧皇族の男系男子の皇族復帰案を軸に検討を進め、女性宮家創設や女系・女性天皇誕生につながりかねないと警戒する保守層のつなぎ留めを狙うという。立憲民主党の泉健太代表が記者会見で「自民の考え方をできる限り早期にまとめてもらい、与野党協議のタイミングには対応していけるようにしたい」。
正倉院展◆奈良国立博物館(奈良市)が、第75回正倉院展が28日から始まるのを前に、展示される計59件(初出展6件)の宝物を報道陣に公開。主催は奈良国立博物館、特別協力は読売新聞社、協力はNHK奈良放送局、奈良テレビ放送、読売テレビなどという。
英連邦内自治国◆1979年の当日、カリブ海のセントビンセント島と群島からなるセントビンセント・グレナディーンが独立。18世紀に英国の植民地となり、1969年に自治権を獲得した後、英国議会の承認を経て英国王を元首とする英連邦内自治国として独立を達成したと報道。
【10月28日】
秋篠宮、紀子◆鹿児島市の白波スタジアムを訪れ、全国障害者スポーツ大会の開会式に出席。秋篠宮があいさつで手話を使い「大会が、障害者の社会参加が一層促進される一つの契機になることを祈念する」。姶良市に移り、市総合運動公園体育館で知的障害がある選手のバスケットボールの試合を観戦。大会のボランティアと「懇談」。一連の日程を終え、帰京。
彬子◆全国の高齢者がスポーツや文化活動で交流を深める「第35回全国健康福祉祭えひめ大会(ねんりんピック愛顔のえひめ2023)」が、松山市の愛媛県総合運動公園陸上競技場で開幕。開会式に故寛仁の長女彬子が出席。
殉職警察官慰霊祭◆殉職した警察官や人命救助で死亡した民間人の慰霊祭が東京都内で開かれ、岸田文雄首相や警察庁の露木康浩長官、遺族ら約130人が参列。
【10月29日】
徳仁、雅子◆東京都府中市の東京競馬場の貴賓室バルコニーで秋の天皇賞を観戦。宮内庁によると、徳仁は皇太子時代の2007年と14年に日本ダービーを観戦したことがあり、雅子は初めての競馬観戦というと報道。これに先立ち、競馬場内の博物館を訪れ、競馬法100周年記念特別展「伝統の天皇賞〜日本競馬のあゆみとともに〜」を見学。
【10月30日】
国会開会式「ミス」◆臨時国会開会式で、額賀福志郎・衆院議長が自ら読んだ式辞を徳仁に手渡した「ミス」は、「緊張した結果」で、手順を忘れた中での行動だったようだと、共同通信が報道。「図らずも民主主義の根幹である国会で、その長が国民に届けるべき宣言を天皇にささげる形に。識者からは『天皇主権だった戦前の反省に基づく戦後民主主義や現行憲法を理解しているのか』と、資質を危ぶむ声も聞かれる。」
皇位継承策◆岸田文雄首相が衆院予算委員会で、安定的な皇位継承策を具体化するため、自民党総裁直轄の新組織を設置すると説明。「喫緊の重要な課題だ。党として議論に貢献することを示す」。/自民党の茂木敏充・幹事長が記者会見で、安定的な皇位継承策を巡る総裁直轄の新組織設置を通じて、議論の進展を目指す考えを示す。結論を出す時期は言及しなかったと報道。「党内議論を深め、いずれかの時点で党としての方向性を示す。最終的には国会での議論の進展、集約につなげたい」。「系統の正当性、継承の安定性といった課題に対応していくのは極めて重要だ」。
「皇室美術品」◆「皇室ゆかりの美術品」を展示する「皇居三の丸尚蔵館」のリニューアルオープンを翌月3日に控え、記念式典が同館で開かれる。都倉俊一・文化庁長官が「名品の価値や魅力を国内外に発信できるよう力を尽くす」とあいさつ。リニューアルに合わせ翌年6月23日まで、記念展「皇室のみやび—受け継ぐ美—」を開催し、国宝「蒙古襲来絵詞」など計約180点を紹介するほか、徳仁、雅子ゆかりの品も当年12月24日まで特別展示すると報道。
教育勅語◆1890年の当日、明治天皇の名で「国民道徳」の基本や教育の理念を示した「教育ニ関スル勅語」(教育勅語)が発布される。
【10月31日】
徳仁、佳子◆佳子が、11月1日からのペルー「公式訪問」を前に皇居・御所を訪れ、徳仁にあいさつ。半蔵門から皇居に入る。佳子の「海外公式訪問」は19年のオーストリアとハンガリーに続き2回目で、当年は日本とペルーの外交関係樹立150周年に当たり、佳子は記念式典などに出席して「友好親善」を図ると報道。
「内奏」、副大臣認証式◆岸田文雄首相が皇居で「内奏」、門山宏哲・自民党衆院議員の副大臣認証式に出席。
副大臣認証式◆柿沢未途・法務副大臣の後任となる門山宏哲の認証式が皇居・宮殿で行われる。

 

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