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読売グループ新総帥《小林与三次》研究 序章-4

序章《新生か復古か》

あっと驚く〈ウルトラ人事〉とマスコミ独占集中の違法性

4 ワンフロア独占のホストクラブ

 およそ大会社ともなると、株主総会で常勤役員の交代があれば、イの一番に作業開始のラッパが鳴りひびく部署がある。日本テレビでは、総務局の管理部であり、新旧役員のそれぞれに失礼がないよう、しかして葬儀屋にも負けない迅速さで、役員室の配置換えに奔走しなくてはないない。ましてやこの時は、総務局長も新取締役に任ぜられたばかり。ソレッとばかりに突進した。

 日本テレビの新館八階フロアは、「経営責任者用」ということになっている。かつては、この種のフロアに、故正力会長から、社長、副社長、専務までが同居していたもの。それが一一年前の小林社長就任以来、まったくのワンマン・フロアになっていた。

 小林与三次は自ら「仕事の七割は国事」と豪語する大物振り。平社員なら百人分もあろうかというフロアを、すべて応接間にしてしまい、何組もの客を待たせては会い、会っては一席ぶち、ホストクラブのナンバーワンもかくやという御活躍だったらしい。しかし、とにもかくにも代表取締役副社長が誕生した以上、これを「経営責任者」用フロアに収容しないわけにいくまい。そこで、浅野なにがしならぬ新重役の総務局長、さ、さ、これへと代表取締役新副社長を八階に御案内しようとした。ところが、あに図らんや、吉良なにがしならぬ御大将の小林(新)会長自らの御出馬。「待った。待った。それはならぬ。公式(?)な場合のみ八階を貸すが……」これでは「代表権」も何もあったものではない。

 新副社長はスゴスゴと、三階の旧専務室に引きこんだという。

 かくて高木“代表”は、三階の旧上子専務兼放送本部長室を本拠とし、八階の“経営責任者用フロア”とやらには、建物の構造上からいって台所側のはずれに、一室の応接用面積を与えられただけ。「さぞや八階は使いづらかろう」と、これ見よがしの小林会長のやり方に、改めてあきれた社員が多い。もっとも高木自身は、「大部屋育ちだから、この方が気楽」といっているらしく、これも本音のようだ。


5 ナメられっ放しの郵政電監局