秘密保全法制定に反対する意見書を提出

JCA-NETは、他の市民団体T共同で、下記の意見書を本日衆議院内閣委員宛に提出しました。


宛先:衆議院内閣委員会委員

秘密保全法制定に反対する意見書
2012年2月21日    

盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会
盗聴法(組織的犯罪対策立法)に反対する神奈川市民の会
ネットワーク反監視プロジェクト
日本キリスト教団神奈川教区国家秘密法反対特別委員会
ふぇみん婦人民主クラブ
許すな!憲法改悪・市民連絡会
JCA-NET

連絡先 盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会
日本消費者連盟気付
TEL 090-2669-4219   FAX 03-5155-4767

私たちは、言論・通信・結社の自由等の表現の自由が民主主義社会の実現、維持にとって必要不可欠なものと考え、そのために運動を展開している市民団体です。
政府は昨年10月、今通常国会に秘密保全法案を提出することを表明し、今年2月8日の記者会見で藤村修官房長官は「秘密保全法案」(仮称、以下略)に関し、「外国との情報共有を推進する観点から必要不可欠だ。できるだけ早期に提出したい」と明言しました(産経新聞)。
1985年に提出された国家秘密法案は、世論の猛反対で廃案となりましたが、秘密保全法案は以下の理由でこれを上回る危険な法案であると私たちは考え、その制定に強く反対します。

1、今回秘密保全法案が提案される契機になったのは、一昨年の尖閣諸島沖中国船追突映像流出事件でした。しかし、同事件は国家秘密の漏洩というようなものではなく、本来市民に知らせるべき情報を国が押し隠したことが世論から問題とされたものです。福島第一原発の事故でも、政府は重要な情報を隠して市民を危険な状況に放置し、不信を買っていますが、秘密保全法によって政府の情報操作がますます容易になることが危惧されます。現在、秘密保全法が必要とされる事情はなく、保全する必要のある秘密があったとしても現行法制で十分対応ができるものです。

2、秘密保全法案でいわれる「特別秘密」とは、「国の安全」「外交」「公共の安全及び秩序の維持」とされ、秘密の概念が曖昧で対象範囲が実に広範です。また秘密事項を決定する主体が国の行政機関、地方公共団体、それらから委託を受けた民間企業等実に広範で、行政側が恣意的に秘密事項を拡大していく恐れが十分です。チェックをする第三者機関もありません。かつて廃案となった国家秘密法案はその対象範囲を「防衛」「外交」としましたが、それと比較しても、いかに秘密保全法案の「特別秘密」の対象範囲が広くかつ拡大が容易であるかがわかります。

3、秘密保全法案は漏洩の禁止行為も曖昧かつ広範で、共謀、独立教唆、煽動等も処罰の対象としています。これは実際に情報が漏れなくとも、「特別秘密」を管理する者になんらかの働きかけがなされたら、その段階で処罰しようとするものであり、犯罪が実行されなくても処罰しようという「共謀罪」と同様です。何が「特別秘密」なのか曖昧な中で過失による漏洩も処罰の対象としています。市民はどういう理由で該当者とされるか知れず、しかも罰則を強化しているので、内部告発やジャーナリストの取材活動が抑圧されるだけでなく、行政批判をはじめ市民のさまざまな表現活動が封じ込められることになります。

4、秘密保全法案は、「特別秘密」の漏洩を防ぐためとして、秘密を取り扱う管理者を厳格に特定し管理しようと「適正評価制度」を導入、家族を含む該当者の詳しい身辺調査をするとしています。これは幅広い市民のプライバシーを甚だしく侵害し、重罰で脅して物言えぬ社会をつくることにその核心があると言えます。

5、いま必要なのは秘密保全法の制定ではなく、情報公開をもっともっと推し進めることです。多くの市民、メディアが政府の原発事故に対応する情報隠しを強く批判しています。政府は、原発情報がもれたら社会的な混乱がおきるということを情報隠しの理由としているようですが、これは全く逆です。市民は真実を知ってこそ正しく行動できるのです。これは法案がいう「特別秘密」の全てにいえることで、それこそが民主主義社会の根幹です。

以上、秘密保全法が制定されれば市民の知る権利が侵害され、政権による管理統制が行き届いて、日本は民主主義の世界から脱落することになるでしょう。日本国憲法の三大原理にも違反し、とうてい許されることではありません。
市民の知る権利が保障され、生き生きとした市民の自律的な活動が展開される社会こそ、世界の平和を構築する基盤であり、私たちだけでなく世界が何よりも希求しているものです。
私たちは秘密保全法の制定を絶対に許すことはできません。
 

社会運動・市民運動サイトからの情報