____________________________________

JCA-NETセミナー2023年2月のお知らせ

JCA-NET (2023/2/12)
____________________________________

Table of Contents
_________________

1. セミナー1 市民だれもができるオンライン・オープンソース調査とは――ベリングキャットを手がかりに
2. セミナー2 安保・防衛3文書――サイバー領域の非軍事化と民衆のサイバー安全保障とは
3. セミナー3 フォローアップ――セミナーで取り上げたテーマに関連した質疑や情報交換
4. 参加方法

1 セミナー1 市民だれもができるオンライン・オープンソース調査とは――ベリングキャットを手がかりに
======================================================================

日時:2月23日(木) 19時からオンライン(申し込み方法は最後をごらんくださ
い)
参加費:無料

インターネットなどで公開されている情報をもとにして、事実を把握し分析し
て報道する新しいジャーナリズムの手法、「オンライン・オープンソース調査」
が注目を集めています。従来、ジャーナリズムとしての取材活動は、記者クラ
ブ制度のように限られた報道機関にしか許されない特権的な取材ルートや、旅
費や謝礼などに多額の資金を必要とする取材方法など、いずれも一般の市民に
とっては不可能な手法が中心になっていました。従来型のマスメディアの世界
では、こうした取材をもとにして新聞やテレビの報道がなされるために、私達
は常にニュース報道を一方的に受けとる側にいるしかありませんでした。

しかし、インターネットは、誰もが情報発信の主体になれる手段として、ブロ
グやSNS、動画の配信まで手にするようになっています。そして、ウエッブの
世界では、大手商用マスメディアや政府のサイトにアクセスする場合と個人の
ウエッブにアクセスする場合で、特別な違いはみられません。この意味で、互
角にネット上で情報を発信することも可能になっています。

他方で、従来から、情報の世界は、様々な「虚偽」が流布される世界でもあり
ました。嘘、デマを意味する「流言蜚語」という熟語は古くから知られていま
す。公的機関から一般市民までが様々な情報をネットで発信しはじめることに
よって、いわゆる「偽情報」と呼ばれる問題に注目が集まりっていますが、何
が「偽」なのかは、自明ではありません。しかしかつてのマスメディアの時代
とは違って、何が「偽」なのかを自分で調べて確認する手段も格段に多くなっ
ています。情報の真偽を政府やマスメディアに委ねるのではなく、自分たちで
確認することもまた私達に可能になっているともいえます。この意味で「偽情
報」かどうかを自分で判断し、政府の情報操作を告発することもまた情報発信
の主体としての市民の重要な役割になっています。

「オンライン・オープンソース調査」の手法で注目を浴びてきた組織にベリン
グキャットがあります。先ごろエリオット・ヒギンズ『ベリングキャッ、デジ
タルハンター、国家の嘘を暴く』が翻訳され、その手法や考え方がより身近に
なりました。今回のセミナーでは、ベリングキャットの活動を紹介しながら、
資金もないし特別なコネもない市民ひとりひとりが調査報道の主体として活動
する可能性とその重要性を、参加したみなさんと考えたいと思います。

参考
- エリオット・ヒギンズ『ベリングキャッ、デジタルハンター、国家の嘘を暴
く』安原和美訳、筑摩書房。
- NHK デジタル調査報道の取り組み

- 朝日 「デジタル探偵」が迫る戦争の真実 NYTオープンソース報道最前線

- 「公開情報」が報道を変える 「下からの監視」可能な世界に

2 セミナー2 安保・防衛3文書――サイバー領域の非軍事化と民衆のサイバー安全保障とは
=======================================================================

日時:2月26日(日) 15時からオンライン(申し込み方法は最後をごらんくださ
い)
参加費:無料

今回は、先月のセミナーに続いて安保・防衛3文書のなかの「サイバー」に関
連する問題を取り上げます。サイバーは、スマホやパソコンから家電製品、自
動車など、私たちの日常生活そのものです。従来型の軍事行動のばあい、戦場
や部隊の存在、基地などの場所と、私たちの生活空間とは視覚的にも区別が可
能です。サイバー領域ではこうした区別が不可能です。サイバーという領域で
の軍の行動は、ハッキングやネットワークの妨害行為などから盗聴、「偽情報」
拡散などまで広範囲にわたります。サイバー領域では、いわゆる軍事行動が私
たちのプライベートな場所にまで入り込んでいる、ということを理解しておく
必要があります。他方で、戦争状態にあるとき、紀元前の中国の兵法書で孫子
が戦争の前提条件として「民をして上と意同じゅうせしむるものなり」と述べ
たように、古来から民衆の意識を支配者の意識に統合することが戦争の必須の
条件とみなされてきました。ですから、反政府運動や異議申し立て運動もまた
戦争遂行にとっての障害とみなされます。サイバー領域は私たちの言論表現の
領域でもありますから、政府によるサイバー領域での言論統制や監視はより厳
しいものになることが想定されます。

同時に、サイバー領域が憲法9条とどのように関わるのかについても、私たち
なりの考え方を議論したいと思います。原則はサイバー領域の非軍事化、サイ
バー戦争の放棄です。しかし、9条には「サイバー」への言及がありません。
この点が9条の弱点といえます。サイバーにおける戦争とは何か、武力による
威嚇又は武力の行使とはどのような事態か、そしてサイバーにおける交戦権と
は何なのか、などへの私たちの考え方を組み立てることが必要になります。

また、サイバーは、軍事と非軍事の境界線があいまいな領域でもあるため、警
察やその他の政府機関との関係も問題になります。この点についても議論した
いと考えています。

その上で、安保・防衛3文書の戦争に前のめりな立場に対して、サイバー戦争
放棄の立場から私たちにできる対抗手段とは何なのかを皆さんと議論したいと
思います。

防衛省のウエッブ

国家安全保障戦略について

国家防衛戦略について

概要

防衛力整備計画について

3 セミナー3 フォローアップ――セミナーで取り上げたテーマに関連した質疑や情報交換
======================================================================

日時:2月28日(火) 19時から(申し込み方法は最後をごらんください)
参加費:無料

毎月最後の回は、これまでのセミナーで取り上げたテーマの積み残しや、うま
く解決できなかった課題、あるいは皆さんが抱えている疑問や問題を出し合っ
て解決していく回になります。気軽に、日頃抱えている問題などがあれば、出
してください。

技術的なテーマとして、これまでセミナーで取り上げてきたものの一例。

- Mastodonの使い方
- パスワード管理
- Wordpressによるブログの設置
- Jitsiを使たオンライン会議
- 暗号化サービスProtonやTutanotaのメールサービス
- 機械翻訳の活用(DeepL)
- LinuxOSの導入と活用
- ブラウザのプライバシー、セキュリティ設定
- Internet Archiveの使い方
- CryptPadの使い方
など。

最近の社会・政治的なテーマでセミナーやメーリングリストなどで話題になっ
た事柄の一例。
- ChatGPT
- スマートシティ
- マイナンバーとデジタルID
- インターネット遮断
- 政府による暗号規制
- ミャンマー軍事政権とネット監視
- ジェンダーとインターネット
など。

4 参加方法
==========

参加費 無料(カンパ大歓迎)
オンラインはJitsi-meetを使用します
オンライン会議室 Jitsi-meetのマニュアル

参加方法:JCA-NETの会員メーリングリスト、セミナーメーリングリストに登
録されている方は、当日30分前に、メーリングリストからの会議室案内をみて
アクセスしてください。

JCA-NETの会員以外の方でセミナーに初めて参加される方は予約が必要です。
おなまえ、メールアドレス、参加希望のセミナー番号(複数可)を書いて、下記
に申し込んでください。

jcanet-seminar@jca.apc.org

あるいは下記の申し込みフォーム(cryptpadのサイト)から申し込むこともでき
ます。

-----
余裕のある方は是非カンパをお願いします。
セミナーはJCA-NETの会員の会費で運営されています。
郵便振替口座
JCA-NET (シ゛ェイシーエイ-ネット )
記号番号:00190-3-417584
ゆうちょ銀行〇一九店 417584

問い合わせ先
小倉利丸(JCA-NET理事)
toshi@jca.apc.org
070-5553-5495