JCA-NETは、下記の要請書の署名団体になりました。(2022年11月18日動画を追加)

エチオピアのインターネット遮断は深刻な状況が続いていることは以下の要請書にある通りです。遮断と監視・検閲が強化される一方でエチオピア通信庁は積極的な通信分野自由化を進め、外資導入を試みています。2021年、JETROは「通信市場開放で住友商事含む日英米企業連合が新規参入」と報じており、住友商事は「Vodafoneグループの通信事業者であるケニアのSafaricom Plcおよび南アフリカ共和国のVodacom Group Ltd、英国の投資ファンドであるCDC Group Plcにより組成されており、共同でエチオピアに合弁会社を設立」(住友商事のウエッブ)し、2022年開業と報じられています。エチオピアの人権侵害に国際的な企業が結果的に加担することになっている可能性も否定できず、企業の社会的責任が問われているといえます。エチオピアの通信インフラの開発・投資に欧米や日本、アフリカの大企業が関わっている状況を踏まえると、この要請書のような世界中の人びとが声を上げることは重要です。現在、賛同署名が呼びかけられています。署名は下記のサイトから行うことができます。
https://act.accessnow.org/page/116140/action/1

要請書:アフリカ連合はティグレ州およびエチオピア全土のインターネット接続を再開するために行動すべきです。

ティグレ州、そしてエチオピアのすべての地域の人々は、自由でオープンかつ安全なインターネットへのアクセスの権利を有します。そしてアフリカ連合は、すべての人のための自由な接続を確保するように介入する責任を負っています。

2022年11月4日、意図的かつ持続的なインターネット遮断が2年間続き、ティグレ州の約600万人およびそれ以外の何百万人もの人々の生活を分断し続けています。私たち、世界中の署名団体と個人は、ティグレで進行中の紛争中に行われた人権侵害と、これを隠そうとする露骨な企てに警鐘を鳴らしています。私たちは、アフリカ連合と各加盟国に対し、大陸の指導者として、エチオピア政府による長期のシャットダウンを非難し、この地域とそれ以外の地域でのインターネットアクセスの回復に介入し援助するよう要請します。

署名をお願いします

ティグレ州の紛争とシャットダウン

2020年11月にティグライで紛争が始まって以来、当局は情報コントロールと検閲の武器として意図的かつ持続的なインターネットと通信のシャットダウンを行い、地域の約600万人の生活や海外のネットワークやコミュニティに直接影響を及ぼしています。当局と戦争当事者はまた、インフラを標的とし、個人のSIMカードを没収しました。紛争がアムハラやアファール地方などエチオピアの他の地域に広がるのにともない、これらの地域のインターネットや通信サービス、インフラを遮断し、合計で最大1000万人に影響を及ぼしました。意図的なシャットダウンは、人々の教育、医療、ビジネス、その他のサービスへのアクセスを妨げ、その長期的な影響は今後何年にもわたって響き続ける可能性があります。こうした混乱は、ティグレや その他の地域の人々から、この紛争に関する重要で命にかかわる情報や愛する人とのつながりを奪い、地域外の人々は故郷の家族やコミュニティの安全に関する情報を得られないままになっており、一方でジャーナリストや人権擁護者がリアルタイムでその影響を記録し報告することは、非常に困難になっている。

エチオピアのインターネット遮断の歴史

エチオピアやアフリカ大陸全域で、当局が異論を取り締まり、発言をコントロールし、情報の流れを制限するためにインターネットを遮断することが多発していることは憂慮すべきことです。ティグレで現在行われている遮断は、危機の際に強制遮断スイッチを押すというパターンに基づいています。Access NowのShutdown Tracker Optimization Project(STOP)によると、2016年以降、エチオピア当局は地方および国レベルで少なくとも22回のインターネット遮断を課しています。

北部のアムハラやアファール地方から西部のオロミア(2018年からオロモ解放軍(OLA)のコントロール下)に至るまで、全国でインターネット遮断は激しい紛争の際に繰り返し用いられてきましたが、それが "秩序回復" に役立ったことは一度もありません。

インターネット遮断は人権侵害を隠蔽する

他の紛争地域でも見られたように、ティグレのインターネット遮断は、その地域から出てくる情報を制限し、ジャーナリスト、人権擁護者、活動家が人権侵害の証言を裏付けることをますます困難にしています。しかし、戦争当事者が市民に対して集団レイプ性的暴力大量殺人ジャーナリストの逮捕難民への虐待などの凶悪犯罪を犯していることは、依然として数多く報告されています。

インターネット、ソーシャルメディア・プラットフォーム、その他のテレコミュニケーションは、社会的・政治的不安、危機、紛争の際に重要な役割を果たします。これらのツールは、コミュニケーション、公開討論、情報へのアクセス、事件の記録などを可能にします。また、紛争や危機の際に安全な避難場所を確認するのにも役立ちます。ティグレ州で続いているインターネット遮断は、人道支援や医療サービスを紛争地域や被害を受けている人びとに届けることを困難にしています。

インターネット遮断は国内および国際的な人権法に違反しています。

ティグレ州における2年にわたるシャットダウンは、「思想、意見、表現の権利」の尊重を保証するエチオピア憲法第29条に反し、法的拘束力のある市民的および政治的権利に関する国際規約(ICCPR:日本語訳)[(国際人権)B規約、1966年12月16日国連総会採択、1976年3月23日発効、自由権に関する国際人権規約]、アフリカ人権憲章(ACHPR)、インターネット上の情報および表現の自由に対する権利に関するアフリカ委員会の決議、ならびに表現の自由と情報アクセスに関する同委員会の原則宣言に露骨に違反するものです。さらに、私たちの知る限り、エチオピアは国際電気通信連合(ITU)またはITU加盟国に対し、ITU憲章(日本語訳)第34条および35条で義務づけられているティグレにおける電気通信の停止または中断を通告していない。

専門家、国際機関、国連事務総長を含む高官は、シャットダウンやブロッキングが国際人権法に違反することを繰り返し断言しています。国連人権高等弁務官事務所による最近の報告書は、インターネット遮断が表現の自由や情報へのアクセスに与える影響や、経済活動、社会福祉、人道援助の提供に与える悪影響を強調しています。アフリカ人権委員会も、アフリカにおける表現の自由と情報アクセスに関する特別報告者を通じて、同地域でインターネット遮断がますます武器として用いられていることに懸念を表明しています。

今こそ早急な介入を

現在までのところ、ティグレの遮断に関与した政府やその他の関係者は、地元や国際組織からの人々の再接続を促す呼びかけをすべて無視しています。アフリカ連合とその加盟国は、エチオピア政府による長期のシャットダウンを非難する声を上げるべき時です。

アフリカにおける人権を促進し、保護することをAU機関および組織に明確に命じているアフリカ連合構成法第3条(h)を認識し、私たちはティグレの状況に対してより強固なアプローチをとることを求めます。私たちは、アフリカ連合が紛争を緩和するために調停を開始したことを歓迎し、さらに、次のことを要請します。

  • 地域社会および国際社会とともに、ティグレ地方とその周辺の生活を破壊している2年にわたるインターネット遮断と、エチオピアにおけるインターネット遮断の慣行を糾弾すること。
  • エチオピア政府およびシャットダウンに責任を負うすべての関係者に、インターネットと通信プラットフォームへの完全なアクセスを直ちに回復するよう圧力をかけること。
  • エチオピア政府およびティグレ当局に対し、特に危機的状況下において、常に人々の基本的権利を維持し保護するよう働きかけること。
  • 紛争の影響を受けた地域や重要な国家的イベントの際にインターネットが遮断されるという事態に終止符を打つために、エチオピア当局に働きかけること。

私たちはさらに、アフリカ連合加盟国に対し、政府によるインターネットおよび通信サービスの制限について一方的に声を上げ、非難することを求めます。私たち、以下に署名した組織と個人は、あなたが上記の違反行為に留意し、私たちの勧告を実行に移すことを確信しています。あなたには、エチオピアの表現の自由とすべての人権をオンラインとオフラインの両方で改善し、維持する機会と責任があるのです。

ここから署名してください。

以下は、11月2日現在の署名団体・個人です。更新されたリストはAccessNowのウエッブで確認してください。

ORGANIZATIONS

Access Now

ADISI - Cameroun

Advocacy Initiative for Development (AID)

Afghan Independent Journalists Association

Africa Freedom of Information Centre (AFIC)

Africa Interactive Media

Africa Media and Information Technology Initiative (AfriMITI)

Africa Open Data and Internet Research Foundation (AODIRF)

AfricTivistes

ARTICLE 19 Eastern Africa

Aspiration

Bareedo Platform Somalia

Bloggers Association of Kenya (BAKE)

Bloggers of Zambia

Blueprint for Free Speech

Campaign4her

Center for Digital Resilience

Center for Media Studies and Peacebuilding

Center for the Advancement of Rights and Democracy (CARD)

Centre for Community Empowerment and Development (CECAD)

Change Tanzania

Common Cause Zambia

Digital Rights Foundation

Digital Rights Kashmir

EngageMedia

Fundación Karisma

Gambia Press Union (GPU)

Give1Project Gambia

GreatFire.org

Health Professionals Network for Tigray (HPN4Tigray)

Horn Broadcasting Services

Human Rights Network for Journalists - Uganda

International Federation of Journalists

International Press Centre (IPC)

Internet Freedom Foundation

Internet Sans Frontières

Irob Anina Civil Society (IACS)

JCA-NET - Japan

Kenya ICT Action Network (KICTANet)

Kijiji Yeetu - Kenya

Last Mile4D

Legacy Tigray Advocacy

Libyan Crimes Watch (LCW)

Majal.org

Manushya Foundation - Thailand

Media Diversity Institute - Armenia

Media Foundation for West Africa (MFWA)

Media Institute of Southern Africa (MISA Zimbabwe)

MIAAN Group

NetFreedom Pioneers

Organization of the Justice Campaign

Oxen Privacy Tech Foundation (OPTF)

Paradigm Initiative (PIN)

Point of View

Ranking Digital Rights

Reporters Without Borders (RSF)

r0g_agency for open culture & critical transformation - Germany

Rudi International

Rural Aid Foundation (RAFO) - Uganda

Sassoufit Collective

Securing Organizations with Automated Policymaking (SOAP)

Security & Justices for Tigray

Southeast Asia Freedom of Expression Network (SAFEnet)

Spectrum

Stand With Tigray Inc.

The Tor Project

Tigray Action Committee

Tigray Center for Information & Communication

Tigray Human Rights Forum

Tigray TV Education Initiative

Ubunteam

Wikimédia France

Wikimedia Uganda

Women of Tigray (WOT)

Women of Uganda Network (WOUGNET)

YODET

Zaina Foundation

Zambian Bloggers Network

INDIVIDUALS

Sandra Aceng

Iftikhor Ahmadbekov

Bridget Andere

Felicia Anthonio

Charles Baduya

Susanne Bellinghausen

Ibrahim Cissé

Fiona Coath

Blen Gebrehiwot Desta

Samson Esayas

Hawzien Gebremedhin

Meaza Gebremedhin

Zara Gebru

Lwam Gidey

Gazzali Haruna Ibrahim

Atekelte Kassa

Eden Kassa

Mulu Beyene Kidanemariam

Zegeye Leake

Shawn Lukas

Saba Mah’deron

Ali Mahmoud

Thobekile Matimbe

Richard Mulonga

Andréa Ngombet

Affagnon Qemal

Soudeh Rad

Amelia Rath

Zara Rezaie

Bendjedid Rachad Sanoussi

Obed Sindy

Teklehaymanot G. Weldemichel