労働組合の視点からのSDGs:「ゴミ分別回収と再資源化の実態」を考察する
エコについて考える:一般廃棄物全体のリサイクル率も2023年度で19.5%程度
なにわユニオン、組合員より「ゴミ分別回収と再資源化の実態」に関して、寄稿をいただきました。労働組合は働く仲間の生活と雇用を守る組織であり、持続可能な社会を目指すSDGsの理念は、私たちが未来にわたって安心して働き、暮らし続けるための基盤そのものです。特に【SDGs 目標12】「Responsible Consumption and Production」「つくる責任 つかう責任」が謳う廃棄物の削減や資源の循環は、労働現場や日々の生活に直結する課題であり、労働組合が率先して向き合うべき必然性があります。
本稿では、日々のゴミ分別を通じて見えてきた日本の再資源化における、理想と現実のギャップを鋭く考察しています。一見高く見えるプラスチックのリサイクル率の裏で、サーマルリサイクルの実態や、一般廃棄物のリサイクル率が約19.5%に留まる厳しい現実が明かされます。社会システムへの疑問を投げかけつつも、労働者一人ひとりの「分別」が持つ本質的な意義を伝える内容です。
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執行委員 松尾
私たちは日常的に、ごみを細かく分別して出しています。私自身も、兵庫県の分別ルールに従ってリサイクル用のごみ袋を購入し、かなり細かく分別していました。ところがある日、「この努力って、実際どれほど環境に役立っているんだろう」とふと疑問に思ったのです。そこで、分別回収されたごみがどのように処理され、どれだけ再資源化されているのかを調べてみることにしました。
調べてみると、思っていた以上に現実は複雑でした。分別したごみがそのまま新しい資源になるとは限らず、日本では焼却処理が大きな割合を占めています。一般廃棄物全体のリサイクル率も2023年度で19.5%程度にとどまっており、決して高いとは言えません。とくに家庭から出るプラスチックは、種類が混ざりやすく汚れもつきやすいため、再資源化が難しいのが現状です。
なお、「プラスチックのリサイクル率」が高く発表されていることがあります。それは、そのなかには焼却して熱を回収するいわゆるサーマルリサイクルも含まれているからです。つまり、数字上はリサイクル率が高く見えても、実際には材料として再生されず、多くが焼却されているのです。
一方で、比較的リサイクルしやすい素材もあります。たとえばペットボトルは、回収後、キャップやラベルを外し、異物を取り除いて細かい再生原料にしてから、新しいペットボトルや衣類、シートなどの製品に加工されます。ガラス瓶も、色ごとに選別されて細かく砕かれ、「カレット」と呼ばれる原料になります。カレットは新しいガラス瓶の原料のほか、タイルや道路材などにも使われます。金属類も同様に、破砕・選別されて鉄やアルミが回収され、金属スクラップとして再び製品の原料になります。
ただし、「燃えないごみ」に分類されるものがすべて再利用できるわけではありません。陶器や耐熱ガラス、汚れのひどい金属、家電の細かい部品など、再資源化が難しい素材も多く含まれています。そのため、選別後に残ったものは、最終的に埋立処分されることになります。つまり、素材によって再資源化のしやすさには大きな差があるのです。
こうした現実を見ると、分別回収されたごみが「そのまま同じ製品に戻る」割合は決して高くないことが分かります。しかし、だからといって分別が無意味というわけではありません。むしろ、分別の質が高まれば、再資源化できる割合は確実に増えます。現在の日本では焼却中心の処理体系が続いていますが、その中でも、回せる資源を少しでも回すためには、私たちの分別は重要な役割を果たしていると思います。
だから、そうした現実を知った今でも、私は毎日せっせと細かく分別しています。「全部が再資源化されるわけではないんだよな」と思いながらも、「それでも、まったく無駄ではない」と自分に言い聞かせながら。少しでも資源が循環するように、できることを続けていきたいと思っています。

