Subject: [Africa on Line 00000021] 第21号!

Wed, 20 Oct 1999 01:40:00 +0900


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 ■■■■■■■ AFRICA ON LINE
 ■■■■■■  アフリカ情報インターネットマガジン
   ■■■■  第21号 1999年10月18日発行
   ■■■   
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□今回のもくじ
■アフリカからの話題
 ●ニエレレ「先生」と「自律」
 ●マラリアよもやま話 その2
■アフリカの紹介
 ●アフリカ関連WEBサイト 『African Market Place』
■アフリカ関連イベント
 ●全国ツアー
 ●北海道
 ●関東・甲信越
 ●中部・東海
 ●関西
 ●海外
■ボランティア募集
■今日のひとこと
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■Realtime Africa アフリカからの話題
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●ニエレレ「先生」と「自律」     by辻村英之(金沢大学経済学部)

 私は93-95年の2年間、在タンザニア日本大使館に専門調査員として
勤務しておりました。その間もニエレレの言動は、大いに新聞紙上を
賑わしておりましたが、私にとって最も興味深かったのが、アフリカ・
ビジネス・ラウンドテーブル(アフリカ経営者会議・94年3月)の
年次総会におけるスピーチでした。幸い、同会議の出席者から資料を
もらうことができ、それを元に短い文章を博士論文に記しました。
拙著『南部アフリカの農村協同組合』は博士論文に修整を加えたものですが、
残念ながらその部分は削除したため、公表に至っておりません。その文章に
多少の修整を施して、以下に転載させていただきます。
 ウジャマー社会主義に関しては非難が多いですが、最後までニエレレは、
「ムワリム(先生)・ニエレレ」と呼ばれ、国民から敬われておりました。
以下の「自律」を強調するスピーチも、「学生」である国民に受け継がれ、
タンザニアの今後の望ましい発展を導くことを期待しております。
 「先生」のご冥福をお祈り申し上げます。

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 85年に大統領、そして90年に政党議長を辞任し、政治の表舞台からは
退いたニエレレであるが、いまだ強い政治的発言力を維持している。彼は
94年3月、アルーシャで開催されたアフリカ・ビジネス・ラウンド
テーブル(アフリカ経営者会議)の年次総会において、興味深いスピーチを
行った。

 67年のアルーシャ宣言は、タンザニア人による社会主義および自律 (Self-
Reliance) の宣言であるが、現在の世界的な経済自由化の流れや、過去の
途上国開発の経験にかんがみ、もはや「社会主義」宣言の部分は、以下の
条件が満たされるのであれば、同宣言から削除しても構わないと言う。
その条件は、国全体の共有利益の平等分配(ウジャマー社会主義の最大の
成果であり、特に所得・初等教育・基礎医療・水供給等の平等性に関しては、
一定の評価を得ているといえる:著者注)を、今後も維持することである。

 しかしながら「自律(共に働くことで自立)」宣言に関しては、以下の
手段により、国全体の共有利益を高める、あるいは大衆の貧困を解消する
努力を、継続しなくてはならないと主張した。それは、従来の政府の力だけ
でなく、国内(あるいはアフリカや途上国)の民間企業の協力も得て、
できる限り、貧しいタンザニア大衆が必要とする商品・サービスを、
タンザニア大衆が有する、あるいはタンザニア大衆に適した水準の
資本・技術で、生産するという手段(アフリカ性を考慮した手段:著者注)
である。

 すなわちニエレレは、従来のアフリカ性と政府の力のみでなく、国内
民間企業の力をも活用して、国民とりわけ大衆の自律をうながす開発思想を、
現在では抱くに至ったのである。その思想は、いまだ政府の役割や
アフリカ性を評価しているという意味で、市場メカニズムのみを重視する
現政府あるいは世銀・IMFの立場からは、一定の距離を置いている。

 ニエレレは、求められる政府の役割やアフリカ性の程度・内容にまでは、
深く言及していない。しかしながら、貧しい大衆の自律を最大目標として
設定するのであれば、政府やアフリカ性の重要性に、著者は同意する。
なぜなら国内民間企業は、大衆に市場性誘因を与えるのみでなく、自由競争
の敗者から市場性誘因を奪う可能性をも有しているからである。とりわけ
開発の初期段階では、セーフティー・ネットの充実を初めとして、政府介入
の役割は大きいと考える。また国内民間企業が、アフリカ性を無視して
多国籍企業に従属した場合、大衆から市場性誘因を奪う方向に、その
事業内容は振れやすいと考える(例えば、コーヒー買付を行う多国籍企業の
多くは、共謀により競争を避け、小農民からの低価格での買付に努めている。
数少ない国内民間買付業者も、この共謀に参加している)。

注: 辻村英之「南部アフリカにおける構造調整政策下での農村協同組合の
役割と育成に関する研究」
 京都大学博士学位論文、1998年、第4章第5節の一部を修整して転載。
(関連記事 第23号「先生の愛称をもつタンザニア初代大統領」 by 吉田昌夫)
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●マラリアよもやま話 その2

 9月19日、タンザニアにいる白鳥さんの書き込みから始まったアフリカ開
発メーリング(P-Africa)でのマラリアに関する問答は、現在も続いていて、
書き込みの数は30近くになっています。その内容も、マラリア発生地区への
渡航者の献血問題、予防薬のこと、現在のアフリカにとってのマラリア問題、
などなどと広い分野におよんでいます。
 このマラリアに関する問答を整理してマラリア読本を作ろうという呼びか
けも、メーリングで出されています。それに先だって、メーリングに参加し
ていない人にもこれまでのやり取りを読んでもらえるように、「AFRIC
A ON LINE」への転載を書き込みをされた方々にお願いしたところ、
みなさんから承諾が得られました。前号に引き続きお届けします。

 以下、転載にあたっては、明らかな文字の誤りの訂正、改行位置の調整、お
よび直接マラリアに関する問答とは関係ない部分の省略を編集部の責任で行
いました。ご了承下さい。

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○早川忠男@鹿児島さん

> アフリカといえ
> ばマラリアです。聞くところによれば、熱帯アフリカで年間200万人もの
> 人がマラリアで命を落とすとか。私もケニアの田舎でマラリアに罹り、何
> も食べられず、高熱にうかされながら、誰にも知られず(正確には住んで
> いた村の住民以外は)に死んでいくのかと真剣に考えていた1週間が今で
> も思いだされます。

  この200万人(100万〜300万)という数字はよく言われることですが(
本当のところはどうなのか知る由もないですが)それほど遠い数字ではない
のではないでしょうか?AIDS は確かに大問題ですが、マラリアの影響も負
けず劣らず大問題だったし、これからも大問題であり続けると考えられるの
ではないでしょうか?人命という意味でも大切な問題ですが、途上国の経済
に与える影響も甚大なはずです。実は私もマラリアに罹患した経験がありま
す。予防薬を飲んでいなかったのですが、ラッキーにも恐らく3日熱マラリ
アだったものと思われます。ず〜っとグラフに体温を付けていたのですが、
38℃くらいまでは音楽を聴こうという気がしますが、40℃以上になるともう
集中力が切れてなただウンウンうなっているしかありませんね。高熱が7,8
時間続いてあと突然の発汗が始まりどんどん体温が下がります。マットの下
は水をまいたようにビッショリです。この時ほど爽快な気分を味わえる状況
はないですね。でもその無熱期もそうは続いてくれません。またどんどん体
温が上昇してきます。水分を十分に摂って薬を飲んで回復をしました。3日
熱、4日熱、卵形マラリアなら助かりますが、熱帯熱、つまり悪性マラリア
だと運が悪いと命を落とすことになりますよね。過去にJOCVの人でも何人か
は命を落としています。(もっともキニーネの投与量を間違えてなどという
治療に問題があって、というケースもあったそうです。)つい先日もマラウ
イでビジネスをしていた日本人の方がマラリアの治療のため南アへ護送中に
飛行機の中で亡くなったそうです。

  マラリアと言ってもいろいろな角度から問題が議論出来ると思いますが、
抗マラリア剤についてだけ素人考えを述べてみたいと思います。

> マラリアの研究に使われているお金は世界中で、年間たったの8千万ドル
> だそうです。これって本当?と思うような数字です。マラリアでは医療業
> 界、特に製薬業界は食ってはいけないような仕組みになっているらしいで
> す。

  このことは実に重大な問題なんですね。HIVは薬剤に対して耐性をすぐ
に獲得してしまって治療が難しいのは我々素人も知っていますよね。ですか
らコンビネーション セラピーといって3剤や4剤さえも使っての治療の有効
性が言われていますよね。でもこれって途上国の人たちにとってはホンの一
部の金持ちをのぞいては不可能な治療法ですよね。お金がないのですから。
現在も別の働き方をする薬の開発にも世界中の製薬会社は競って研究にしの
ぎを削っているようです。(例えばHIVのマクロファージやT-cellへの進入
を阻害する物質とか...つまりCCR5というco-receptorを阻害する物質などで
す。)(製薬会社のみならず、実際には製薬には関係ない会社も抗HIV剤の
開発には乗り出してきています。一発有効なものを開発すれば相当の利益を
産むという目算があるのも事実ではないでしょうか?)またより安価で有効
なワクチン開発が叫ばれて久しくなります。でもなかなか実状は難しいよう
です。マラリアに関しても同様のことが言えるようです。つまり薬剤耐性の
問題がいつも存在するということです。マラリア原虫もヒトの体内でいろい
ろな複雑な過程を経て感染を持続させ悪さをするようです。それでワクチン
の開発などが難しく、今までもいくつかのものが有効と言われながらも、未
だ決定的なものが出現していないのではないでしょうか。古くて新しい病気
がマラリアといえるのではないでしょうか?
 抗マラリア剤の開発に対して日本の製薬会社などはほとんど興味を示
さないのではないでしょうか?日本でマラリアが問題になるのは最近では輸
入感染症としてですからね。それにたいしてヨーロッパやアメリカではアフ
リカ(やアジア)とのつき合いが長いので、自分たちを守るという意味でも
抗マラリア剤の開発はせっぱ詰まったものがあるのではないでしょうか?で
もやはり抗HIV剤と比較して、研究費の問題は重大でして、折角有効そうな
薬剤やワクチンを開発しても大規模な治検が出来ないなどの問題があるよう
です。ですからどうしてもヨーロッパで開発されたものがアメリカのお金で
治検されるということになる傾向があるようです。ヨーロッパの国々もこの
辺は重大問題と把握しているみたいです。

  それで抗マラリア剤について、.....
クロロキン耐性株に対してPSD(Pyrimethamine-sulphadoxine)という薬剤が
使われるようになっているようです。しかし多剤耐性のマラリアに対する治
療は難しくかつ非常に高価なものになってしまいます。結論から言ってマラ
リアに対してもコンビネーション セラピーを採用するべきだということが
提唱されています。結局、少し最初にお金がかかるが、そのことが結局耐性
株の出現を遠回しにすることが出来るし、その間にまた新薬の開発が可能と
なります。一剤による治療はAIDSや結核ではすでに倫理的に問題とされるよ
うになっています。マラリアに関しても同じことがいえるのではないでしょ
うか?
  この辺のところをヨーロッパやアメリカが、というより日本を含めた人
類がどう考えるか、というのが問題なんではないでしょうか?悲観的になり
ますが、確かにアフリカにはもう残されている時間はあまりないように思わ
れます。マラウイ、ケニア、ボツワナ、南ア...どの国をとってみても最大
のAIDS禍に襲われています。それに、極言すれば放置されっぱなしになって
いる(なんていうと日夜命を削って研究努力されている方に叱責されてしま
いますが、やはり全体的にみて私にはそう思えるのです。)、最大の問題の
マラリアがあるのです。アフリカとともに生きることは我々人類を救うこと
になると思うのは、事大主義過ぎるでしょうか?

  (どなたか寄生虫学やマラリアについてご専門の方がいらっしゃいまし
たらご教授願います。)

○9/21 くりはら@福岡(元マラウィ協力隊)さん

>> もし、ホントにマラリ>
> ア汚染地域を訪れたことのある人に献血禁止期間があるならば、今の申
>> 告制だと相当数のチェックもれがおこっていると思われます。採血する
>> 現場の人も献血する

>> 私の妹も、3,4年前、献血をしようとして、「過去にした病気」欄に
>> 「マラリア」と書いたら、「これは血の病気だから献血はお断りで
>> す。」と係員の方

この件に関し、少し前に同じマラウィOVで「献血が趣味」というひとから聞
いた話です。

その人が帰国した直後は、「最後のマラリア発病から○年間(1年だったよ
うに思う)は献血できません」と言われ、諦めたそうです。で、その後その
期間が過ぎて行ったら、「一生だめです」と言われたとか。

なんでもその間にかなり期間が経っている人からの輸血で発病があったとか。
どこまで確かめた話か知りませんけどね。

実際、卵形マラリアなんかはかなりの長期にわたって体内に巣食うらしいで
すから、あり得るのかもしれませんが、アフリカに多い「熱帯熱」の場合は
どうなんでしょうかね???

○9/21 杉下@聖路加さん

●献血におけるマラリアの既往について。
ガイドラインでは、マラリアの既往がある人は治癒していても献血できない
ことになっています。またマラリア流行地を旅行した人は1年間、居住して
いた人は3年間採血できないこととしています。これはマラリアのなかで、
三日熱や卵形マラリアの一部が、治癒していても休眠体として肝臓に潜んで
おり、風邪などで免疫能が低下した時に、再発することがあるからです。通
常、最も怖い熱帯熱マラリアでは、再発はありません。
先日も当病院で、在日インド人が3年間のブランクを経てマラリアが再発し
入院していました。アフリカからの帰国の後、不明熱がある場合は採血でマ
ラリア原虫の有無をチェックする必要があります。献血に関しては、どうし
ても家族内などで輸血をしたい時には、両者の合意があればこの限りであり
ませんが、別のリスク(GVHD---Graft Versus Host Disease)を引きおこす
ことがあり、現実的には勧められません。
マラリアは熱帯地方では避けては通れない問題です。アフリカ人にとっては
マラリアは小児期に最も恐れられている病気で、死亡率も高いです。5歳以
下の死亡原因のトップもしくはHIVに続いて第2位のところが多いです。成
人はすでに慢性の経過をとっており、貧血や脾臓機能亢進による合併症(
Tropical Splenic Syndrome)が問題になりますが死に至ることは少ないで
す。マラリアで亡くなったとよく聞きますが、検査をするとHIVや結核のこ
とが多く、マラリア=風邪もしくは流行り病、という認識で現地の人は捕ら
えているようです。
ただし先進諸国からの人は、大人も子供も危険です。なにより流行地の情報
(刺している蚊を見ればここにはハマダラ蚊が多いかわかります)、季節(
圧倒的に雨季が危険)、そして蚊を寄せつけない工夫(ハマダラ蚊は夕方5
時〜7時前後に、足首付近を狙いやすい、白色が嫌い)が必要です。白のソ
ックスを履いて、長ズボンさらに忌避剤を塗ってればまず大丈夫です。
最も危険なのは、夕方、屋外でサンダル、ビール&バーベキュー(飛んで火
に入る夏の虫状態)で、まずかかってしまいます。気をつけて細心の注意を
払えば防げるのがマラリアです。
マラウイでマライア・キャリーの海賊版マラリア・キャリーというカセット
を購入してしまったことを思い出します。強烈な歌声だった。

○9/22 山本@中央大さん

普段はほとんど投稿していないのですが、最近マラリアに関する投稿を興味
深く読ませてもらっています。

先日、早川さんが以下のようなことを書かれていました。
>一剤による治療はAIDSや結核ではすでに倫理的に問題とされるようになっ
>ています。マラリアに関しても同じことがいえるのではないでしょうか?

私は医学に関する知識については全くの素人で、勉強不足なためこのような
質問が適当なのかどうかわかりませんが、一剤による治療が倫理的に問題と
されているというのはなぜなのでしょうか?一体どのような点で問題なので
しょうか?

○9/22 早川@鹿児島さん

ご質問の件ですが、私の知る範囲でお答えさせていただきます。

> 一剤による治療が倫理的に問題とされているというのはなぜなのでしょう
> か?

  つまり薬剤耐性の問題なんです。例えばHIVというウイルスにAZTとかい
うお薬を使った場合、HIVはその遺伝子のある部分を変異させて子供のHIVは
簡単に薬剤に抵抗性を持ってしまうようです。感染した患者さんの血液の中
には一種類のHIVがいるのではなく、いくつもの種類のHIVがいるのです。そ
のなかにはAZTの有効なHIVも存在する訳ですが、それはAZTによってやっつ
けられてしまうわけですから。遺伝子のどの部分を変異させるかということ
も各薬剤に対して大分わかっています。現在HIVに対して使用されている薬
剤というのはその作用の仕方から大きく分けて2種類あります。一つはAZTに
代表されるRTI(逆転写酵素阻害剤)、それとPI(プロテアーゼ阻害剤)です。
それでこれらの薬剤をいくつか組み合わせて使うのが、なるべく薬を長期間
有効に働かせるのに良いようです。例えばRTIの一つとPIを2つといったふう
にです。
それでも耐性の問題はあるのです。そうすると薬が効かなくなる確率がより
少ないわけです。長年の研究でこれらのことが大分わかってきていまして、
一剤ではすぐに有効でなくなるとわかっている治療法は倫理的に問題がある
というわけです。結核においても同じです。(ただし母子感染のような場合、
RTIやPIの一つを母と生まれた赤ちゃんにある期間与えることによって、相
当の垂直感染を阻止出来るという結果も出てきているようですので、このよ
うな場合には一剤使用は有効です。でもこれはAIDS患者の治療ということと
は別問題ですよね。)
  以上、非常に簡単ですがよろしいでしょうか?

○9/21 石川@以前血液センターと共同研究していた
          ウイルス研究者の端くれさん

> ●献血とマラリア

> か?どなたか教えてください。まったく問題ないのであれば、今すぐにで
> も健康チェックのために献血をしたいです。

冗談で書かれていると思うのですが、、、、
検査目的の献血は非常に危険です(輸血される方に)
献血は一種の臓器移植だと考えた方がいいと思います。

日赤はいかに検査目的の献血を少なくするか頭を痛めております。
特にウインドウピリオドと呼ばれるHIVの抗体が陰性、でもウイルスは
血液中にいる状態を危惧しております。(現在はPCR等で検査をはじめて
いるとは思いますが)

9/22 石川@ガーナさん

一応、ザンビアの学会に参加はしましたが、、、、

>   それでは途上国ではどうでしょうか?もう計算するのもいやになりま
> すよね。日本で行われるような治療などは到底期待は出来ません。そんな
> 費用はないのですから。ほとんど治療という治療は行われないでしょう。
> つまりAIDS患者さんたちはそもまま亡くなっていってしまうのです。そ
> れに上記の感染率(20%~30%),それとAIDS患者数は相当なものになりま
> す。途上国の各政府がそのような莫大なお金を調達するのは不可能なこと
> です。

まさに、そうですね。
殆ど諦めているというのが現状でしょうか。

snip
>   我々はPositive Africa なるMLにいるわけです。ですから、Positive
> に物事を考えて、それではどうするかということになるわけですけど。あ
> まりに問題が深く、大きく、深刻なのに途方に暮れてしまいます。一つの
> 抗HIV剤などでどうなるというものでは到底ありません。でもあらゆる角
> 度から問題を攻めていかなければならないでしょう。医療という狭い角度
> からのみこの問題を解決、または改善することは到底不可能です。一般の
> 教育、公衆衛生の徹底、農業を中心とした経済発展、政治(ウ〜ン、これ
> も難しいなあ...)、ありとあらゆる角度から彼らと一緒にやっていかない
> といけませんね。それも彼らの文化を理解しつつ...。我々が出来ることを
> 一つ一つやっていくことですね。
>
>   みなさんはどう思われますか?

今回の学会でも、また国際エイズ学会でも、メインは医療ネタでなくなって
います。
ウイルス研究者がこんな事を言わなければならない自分が情けないですが、
現実に、なんのワクチンもないし、廉価な抗ウイルス剤もありません。
最大の武器は教育と言うことに変わりはありません。

抗ウイルス剤にアクセス出来る感染者は1%と言われています、では残りの
99%は?

今出来ることは?
私自身が考えているのは、感染者のQOLの向上を廉価な薬で出来ないかと
言うことです。
結局は対照療法でしかありませんが、苦痛やストレスを低減出来ると思いま
す。
これをフォスターペアレントみたいな形で、毎月とか毎年、幾ばくかのお金
を薬の為に送るというのは如何でしょう?
当然、国のスキームでは無理ですから、NGOみたいな形がいいのかもしれ
ません。

今回の学会での印象は、やっと、コミュニティーまでお金が廻って来たなと
言う感じです。
しかし残念ながら、その効率はと聞かれると、???
日本などは、アフリカの多くの国でナンバーワンドネーションカントリーで
すが、、、、
より効率的に、税金を使う事が重要だと思っています。

あるプレゼンターが
「アフリカは研究室ではありません、アフリカ人は試験管ではありません」
凄い拍手が起こったの言うまでもありません。

一研究者として、そして同じ人間として、より効率的にエイズ対策に係わっ
て行きたいと思っております。

書きなぐりにて失礼いたします
                        (次号につづく)
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■Africa a la carte アフリカの紹介
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●アフリカ関連WEBサイト
『African Market Place』
http://www.africanmarketplace.com/cgi-bin/amp/catalog.cgi

これはびっくり、アフリカン・グッズのオンライン・ショッピング・サイトで
す。アフリカン・アート、本、コーヒーや紅茶、CDなどなどが掲載されてい
ます。しかし、値段に単位が書いてない…。送料も書いてない…。支払方法も
書いてない…。お店がどこにあるのかも書いてない…。コーヒー紅茶がどちら
もケニアのものである所を見ると、ケニアらしいのですが…。品揃えも今一つ
だし、本当にここで買う人がいるのかなあ…。(の)
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■Event Guide アフリカ関連イベント
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●全国ツアー
○John Sofa Kolley (Guitar, Vocal, Talking Drums) from Niger ライブ
Mr. John Sofa Kolleyはニジェールから昨年の11月に来日した国際協力事業
団初めての音楽研修員。シンガーソングライターの白井貴子さんのご主人で
ギターリストの本田清己さんから指導を受けている。マリのサリフ・ケイタ
に師事し、ニジェールの音楽祭では作詞作曲し演奏した歌が2度もグランプ
リに輝くなど同国を代表するミュージシャン。日本では、ギター教授法、ア
レンジ法等を研修、最後には日本人ミュージシャンとCDを録音する予定。研
修の傍ら、ニジェールの元協力隊員で音楽を指導していた辻一高さん(プロ
ギターリスト)と一緒にJohn & Kazzというデュオを結成、学校、NGO、ライ
ブハウス等にて演奏している。11月7日帰国予定。

●10月23日(土)14:00ごろ John & Kazz
          at 町田発国際ボランティア祭'99夢広場
  場所:町田東急前広場(町田駅前)
  入場無料

●10月30日(土)17:00 John & Kazz アフリカン・ライブ 
  場所:山梨県国際交流センター
  主催:山梨県国際交流協会
  入場無料
  問い合わせ:山梨県国際交流協会 tel. 055-228-5419
  アフリカ料理や飲み物も楽しめます(有料です)。

●11月2日(火)20:00 John & Friends コンサート
  場所:原宿クロコダイル
  チャージ:2,500円(当日のみ)
  メンバー:ジョン・ソファ・コレイ(Vo, G, Karangu)
       辻 一高(G, Djambe)
       山崎 淳(G)
       田中 徹(Dr)
       ウッディ渡辺(B)
       柴草 玲(Key)
       山本 一(Sax)
  問い合わせ:原宿クロコダイル tel. 03-3499-5205
研修の総まとめとして、ジョンさんにギターを指導してくれた山崎さんのバ
ンドをバックに、初めてのバンド編成のライブとなります。ジョンさんの曲
だけでなく、ロックの名曲のカバーも演奏します。これが日本での最後のラ
イブとなるでしょう。
(境 勝一郎さんの紹介)

○アフリカの音楽『魂の鼓動』
タンザニアのイリンバ奏者・ザウォセおよびチビテグループ日本公演!
■東京
日時:10月30日(土)開演18:30
会場:安田生命ホール(新宿駅西口すぐ)
料金:前売り:3,000円当日:3,500円
主催者・問合せ:(株)笑う猫:0422-56-2329

*上記東京公演に限り、中島経由で20名以上申し込めば主催者より1割バッ
クの約束を取り付けました。
バックしてもらうお金は、僕が参加しているタンザニア・ポレポレクラブのキ
リマンジャロ村落植林の苗木代金への寄付ということにさせていただこうと思
っています。尚、10名以上のグループを扱っていただける方には、そのグルー
プへの還元についても相談させていただくことも可です。

【チケット受け渡し方法】
基本的には当日会場にて代金と引き換えです。グループでとりまとめていただ
ける場合のみ、事前に発送することも可です。
【申し込み期日】10月22日(金)
【問い合わせ・申し込み先】
中島明夫:JBG03644@nifty.ne.jp

■滋賀
日時:10月17日(日)15:00〜
会場:滋賀県八日市市文化芸術会館ホール 
料金:大人前売2,000円/当日2,500円
    子人前売1,000円/当日1,200円
主催:(財)滋賀県文化振興事業団  協力:アフリカン・アフリカン
申込・問合せ:滋賀県八日市市文化芸術会館、:0748-23-6882
文京女子大学・文京女子短期大学 生涯学習センター

■奈良
日時:11月7日(日)14:00〜
会場:王寺町やわらぎ会館
料金:1,000円
主催者・問合せ:王寺町やわらぎ会館 TEL:0745-31-5555

■岡山
日時:11月13日(土)18:30〜
会場:岡山県立美術館ホール
料金:前売り:4,000円  当日:4,500
主催者・問合わ:アフリカンライブラリーTEL:086-254-7162
販売:ディスクトランス  :086-232-0510
   グリーンハウス倉敷店:086-421-3108

■熊本
日時:11月19日(金)19:00〜
会場:益城町文化会館
料金:大人前売1,000円/当日1,300円
    高校生以下前売700円/当日1,000円
主催者・問合せ:益城町文化会館:096-286-1511

■沖縄
日時:11月23日(祝)未定(近日中に決定)
会場:具志川市民芸術劇場
料金:未定(近日中に決定)
主催者・問合せ:具志川市民芸術劇場:098-973-4400
    
■愛知
日時:12月17日(日)18:30〜
会場:味岡市民センター
料金:大人2,500円 中学生以下500円
主催者・問合せ:小牧市教育委員会

*招聘元は(株)笑う猫:0422-56-2329
公演に関しては直接それぞれの公演主催者にお問い合わせください。
*ザウォセとは?イリンバとは?については下記のURLをご参照ください。
http://member.nifty.ne.jp/ANAKAJIMA/zawo1.htm
(中島明夫さんの紹介)

○フェア・トレード・シンポジウム Fair Trade on the Road
〜新しいミレニアムに、もっとフェアな世界をつくるために〜
世界中で広がる貧困や環境破壊に心を痛めているあなた。
自分に何かできることはないか、探しているあなた。
グローバル・ヴィレッジは、途上国との公正な貿易「フェア・トレード」に
よって、買い物を通じて誰もが、人と環境にやさしい社会作りに参加できる
よう、提案しています。今の自由貿易体制では、先進国の巨大企業ばかりが
有利になり、途上国の立場の弱い生産者の人々はどんどん追いつめられてい
ます。新しい千年紀を迎えようとしている今、もっと環境や人権を重視する
新しい貿易のあり方を探ろうと、世界中でNGOや活動家の人々、そして一般の
市民が動き始めています。今年の11月末に WTO(世界貿易機関)の閣僚会
議が開かれ、貿易のさらなる「自由」化が話し合われますが、今世界に必要
なのは、「自由」貿易ではなく「公正」貿易(=フェア・トレード)ではな
いでしょうか。
シンポジウム「Fair Trade on the Road」では、アジア、アフリカのフェア
・トレードの現場で活躍中の4名のゲストを迎え、その成果と持続性、グリー
ン・ビジネスの事例などを話し合います。

パネリスト
●ムーン・シャルマ(インド)
デリーのフェア・トレード組織「タラ・プ
ロジェクト」で、不法児童就労反対運動、児童就労者のための学校運営、生
産者グループの健康管理、識字プログラムなどを担当。
●サフィア・ミニー(日本)
グローバル・ヴィレッジ(GV)代表。環境ポリシーに基づいた公正な貿易を行
う、新しい「商社」を目指す。
●モティア・パルヴィン(バングラデシュ)
貧しい人々の生活向上と地域開発を行う、バングラデシュ最大の NGO「BRAC」
のフェア・トレード部門である「アーロング」で、生産者窓口、品質管理を
担当。
●ジョセフ・サンナ(ケニヤ)
フェア・トレード組織「 KGT」でデザイナーを務める。ストリート・チルド
レンの社会復帰を支援する市民団体で、子どもたちに手工芸品作りを指導し
た経験あり。
●ガブリエル・カムドゥ(モーリシャス)
障害者の雇用促進を支援する「クラフト・エイド」の創立メンバーのひとり。
リサイクル素材や手作業の技術を大切にし、事業の継続性を目指す。

■仙台
日時:10月26日(火)18:30〜20:30
会場:仙台国際センター
   仙台市青葉区青葉山
   TEL:022-265-2211
   仙台市営バス青葉台行き、宮教大行き、成田山行き
   「博物館・国際センター前」下車
■大阪
日時:10月29日(金)18:30〜20:30
会場:弁天町市営学習センター
    大阪市港区弁天1-2-2-700
    TEL:06-6577-1430
    JR環状線弁天町駅北口、地下鉄中央線弁天町駅西口
■東京
日時:10月30日(土)18:30〜20:30
会場:青山東京ウィメンズプラザ
    渋谷区神宮前5-53-7
         TEL:03-5467-1711
    渋谷駅、表参道駅

主催:グローバル・ヴィレッジ
参加費用:1,000円(当日、会場にて支払い)*※要予約
*仙台および大阪では、小売店様向け商品展示会も合わせて開催(11:00〜
17:00)します。お店で仕入れをお考えのお客様はお気軽にお越しください。

申込先: グローバル・ヴィレッジ  胤森(タネモリ)
〒158-0092 東京都世田谷区野毛1-13-16
TEL:03-3705-0233 FAX:03-3705-0255

●北海道
○さっぽろ自由学校「遊」  アフリカ講座のご案内  (転載歓迎)
アフリカを知る、アフリカを感じる
・1999年10月14日開講 隔週木曜夜7時〜9時 全5回
・会場 さっぽろ自由学校「遊」
・受講料6,000円(学生5,000円)*会員のみ単発参加可 
 アフリカ、…この響きを皆さんはどのように感じるでしょうか?
 この言葉を一面的にしか捉えていなくはないでしょうか。
この講座では、そんなアフリカについて、さまざまな角度から
掘り下げていきます。私たちのまだまだ知らないアフリカの
魅力と可能性について、一緒に探し考えていきませんか?

10月28日(木)
サブサハラ地域における女子教育
●大津 和子(おおつ かずこ)
 北海道教育大学(札幌校)国際理解教育課程(国際協力)教授。
専門は開発教育、国際理解教育の教材開発およびカリキュラム研究。
近年はサブサハラ地域における女子教育やエイズの調査研究も行って
いる。著書に『社会科=一本のバナナから』(国土社)、
『国際理解教育−地球市民を育てる授業と構想』(国土社)など。

 サブサハラ地域における女子教育の進展を妨げている要因は貧困
だけではなく、文化的背景とも関連して国、地域、部族により実に
さまざまである。ザンビア、ケニア、南アフリカの現状と取り組みを
中心に考えたい。

11月11日(木)
アフリカの自然・文化・暮らし
●ピーター・オポンド Peter Opond
 1964年生まれ。ケニア・モンバサ出身。

 アフリカ大陸の自然やその民族と文化、そしてアフリカが抱える
問題点をケニア出身で札幌在住のピーターさんに紹介していただき
ます。参加者の皆さんとの対話を中心に講座を進めていく予定です。

11月25日(木)
アフリカの開発を巡る状況
●森川 純(もりかわ じゅん)
 1949年、石川県金沢市生まれ。明治大学卒業後、デンマ―ク、
ナイジェリアに学ぶ。1998年から酪農学園大学環境システム学部勤務。
専攻は国際政治学、アフリカ論、日本−第三世界関係論、日本外交論。
主要著作:JUN MORIKAWA, Japan and Africa - Big Business and
Diplomacy -. HURST, LONDON, 1997. 森川純『南アフリカと日本−
関係の歴史・構造・課題−』同文舘,1988.
森川純「日本のODA外交のイリュ−ジョン」太田一男編『国家を超える
視角』法律文化社,1998.

 アフリカやアフリカの開発を巡る知的状況を再検討する事は、アフリカに
対する主要な援助供与国であり、1993年と1998年にアフリカ開発支援の為の
大規模国際会議、アフリカ開発会議(TICAD)を開催し、さらにはNGOの役割
に
対する期待が高まっている日本(社会)にとって現実的な意味合いを持つの
ではないだろうか。

12月9日(木)
アフリカンドラム“ジンベ”がひらく世界
●いいだ ともき
 80年代末、西アフリカのタイコ“ジンベ”の生演奏によるアフリカン
ダンス・ワークショップに出会い、ダンス&ジンベを学び始める。95年
Uターン以来、道内各地でジンベの講座を開催し、音とリズムの魅力を
伝える。

 ジンベとの出会いから活動のこと、ジンベを通して知ったアフリカの
豊かな生活文化、ジンベを通して広がり深まった人とのつながり、世界的
に広まる時代背景や問題点等を話し、実際にジンベの演奏を体験してもらう。

問合せ:さっぽろ自由学校
メールアドレスmao-pole@bd5.so-net.ne.jp(奥田)
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